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美咲さんとギター


初めまして。私は、フブキタイプの美咲と申します。主である先生の神姫を勤めさせて頂いてます。今日からここで、私と先生の日常を記させていただきます。

「美咲さぁーん!」

私が一生懸命に磨いている巨大なテーブルがある居間に、先生が勢いよく飛び込んでまいられました。このように高テンションで私を呼ばれる時は、大体が新装備の試着です。

「はい、なんですか先生?」

「今回はですね、美咲さんにこの新たに製作した装備を身に付けて頂きたく馳せ参じました」

そう言う先生の手には、私と同程度の大きさの箱が。どうやら、あの箱の中に入っているようです。

「実はこの装備、約四十年ほど前のアニメを参考に、小型化、最適化を計りに計って製作したのですよ。その名もずばり、『「俺の歌を聴けぇ!」装備』!」

「安直な名前ですね……」

「まあまあそう言わず、どうぞお一つ」

先生は箱を展開させ、中身の装着を私に促しました。




「……」

申し訳ありません先生。正直に申し上げますと、私には似合いません。

「よく似合っていますよ美咲さん! いやぁ、美咲さんには何を着せても似合いますね!」

かなり興奮なされていますが、もう一度言わせていただきます。私には似合いません。
パンク、と呼ぶべきでしょうか。ともすればボロボロに着古したと表現できそうなジャケット。同じようなジーパン。赤く派手なギター。和風の顔立ちであるフブキタイプには決して似合わないと思うのですが。鏡越しにも、顔と体の間に決して越えることのできない次元の境界線が見えるんですが。
こういうのはやはり、アークタイプのような、やんちゃ系の子が似合うと思います。

「では美咲さん、早速実地試験と参りましょう」

「……え?」






「……え?」

あれよあれよと言う間にやってきてしまった神姫センター。日夜神姫マスターの方々が激しいバトルを繰り広げるバトロンコーナー。

「さぁて、お相手を探しましょうか」

「ちょちょちょちょっと待ってください先生! まさか本気でこんな格好で戦うんですか!?」

「当然です。でなければ神姫センターには来ませんよ」

あまりにも突拍子もない展開に、ついつい大声を上げてしまいました。それで周りが私に気付き、「なんだあのフブキ」「頭の違和感www」「顔と装備の不協和音やぁ〜」等々、明らかにおもしろおかしくこちらを見ています。穴があったら入りたい……。

「お、対戦相手が見つかりました。アーンヴァルのようですね」

と、待ち合い席のテーブルの上で羞恥に耐えていると、ひょいと先生に持ち上げられました。そのまま、対戦用筐体の席まで連れられていきます。

「では、今一度装備と戦闘スタイルの確認を行います」

と言って、戦闘は私をサイドテーブルに立たせます。

「この『「俺の歌を聴けぇ!」装備』は、ギターをかき鳴らし、範囲内にいる相手に効果を与える音響兵器です。ただ、この装備に関しては、ラズベリルや紗羅檀などの音響兵器とは一線を画します。彼女らの音響兵器は、相手のステータスを下げる、いうなれば補助兵器です。
ですが、この『「俺の歌を聴けぇ!」装備』は、聴かせた相手のプログラム上に、闘争心抑制プログラムと降伏意志強調プログラムを書き加え、相手を強制的に降伏に導く、いわば最終兵器なのです」

「え、ええぇ!?」

驚きました。まさか、そんなに凄い装備だとは思っていませんでした。そして、同時に別の疑問も浮かびます。

「それって、レギュレーションに引っ掛かりません?」

そう、相手のプログラムを書き換えるなんて、レギュレーション違反です。

「いえ、ギリギリ回避しています。プログラムは書き換えるのではなく上乗せ。さらに降伏も、あくまでこちらが強制するのではなく、相手が自ら選択するように優しく誘導するものなので問題ありません。あれですよ、分身や幻覚等の特殊効果と原理は同じです。幻覚は、相手の視覚プログラムに上乗せすることで、何もないところに物があるように見せているのですよ。分身も相手の認識機能にいろいろ細工を施して行うものなのです」

先生はそう説明する。

「ですから、この『「俺の歌を聴けぇ!」装備』も、相手のプログラムに上乗せする。そして、決して強制ではないという屁理屈を持ってして、草バトルのレギュレーションという比較的甘いラインはギリギリクリアいたしました」

なんというかこの説明、さらりと凄いことを言ってる気がします。

「それで、肝心な使い方ですが、まず第一に、相手にスピーカーポットという特殊弾を打ち込まなければなりません。で、そのスピーカーポットを打ち出す特別製の武器がこちらです」

でん、と目の前に出てきたのは、取り回しの利かなさそうな大型のガトリングガン。既存のものより一回り大きいです。

「通常弾より大きいスピーカーポットを連射するためには、これしかなかったのです。美咲さんなら使いこなせると信じています」

信じています。この一言だけで何でも出来る気分になってしまう私は、軽い女なのでしょうか?

「……あれ? スピーカーポットを相手に当てるだけなら、連射できなくても問題ないのでは?」

「いいえ、そんなことはありません。スピーカーポットは相手に突き刺さるのではなく、あくまで付着するのみなのです。ですから、その気になれば手で払い落とされてしまいます。なので、連射を用いて複数個取り付け、相手が払い落とす前に音楽を聴かせるのが基本的な方法なのです」

なるほど、そんな理由が。てっきり、連射のほうが格好いい等のビジュアル的なことだと思ってました。申し訳ありません。

「あ、まだ問題が一つ……」

「あ、音楽なら、美咲さんが眠ってる間にインプットしておきました」

……はい、ありました。記憶領域に見知らぬデータが。なんて勝手な……。

「これで問題はありませんね。では、レッツバトルです美咲さん!」

そうして私は、ポットに収められました。






「いつまで逃げ回るつもりですか」

上空からマシンガンで狙い打ちされています。考えたんですが、こんなバカでかい重たい武器で飛んでる敵を落とすのは至極困難なのではないでしょうか。いやむしろ、こんなものを抱えながら辛うじて物陰に回避している私を、私が誉めてもバチはあたらないと思います。
あ、現在のバトルフィールドは都市です。砂漠なんかだったらもう終わってました。

「美咲さん、逃げてばかりでは勝てません。ファイトです!」

「でしたら指示を下さいっ!」

まともな指示すらもらえず頑張っているんです。こんなに追い込まれると、狙う、撃つ、くらいしか自分で考えられません。
……所詮、初期型ですから……。

「はい、わかりました。では美咲さん、次の交差点を左方向、後に反転、仰角高めで対空射撃に出て下さい。細かい照準はお任せします。美咲さんが必死に逃げるので。相手は油断しているはずです。五、六発は入ると思います」

まさか、相手の油断を誘うために、あえて今まで指示を出さずにいたのでしょうか。さすが先生、聡明です。
……そうなのだと、信じてます。決して、今ちらりと見えた先生の顔が『焦る美咲さんの顔も素敵だ』とか考えてそうな幸せそうな顔だったからちょっとだけ疑ったとか、そんなんじゃありません。
先生の指示通り、交差点を跳ぶように左へ曲がり、ガトリングガンの銃底を接地させ仰角調整。アイドリング開始。

「逃しません!」

すい、と視界に入ってきた相手の高さへ瞬時に再調整、発砲。完全に意表を突かれたためか、相手は一瞬動きを止めてこちらの弾に当たった。

「きゃあぁ!」

すぐに回避軌道でこちらとの距離を取りますが、もう遅いです。その素体には、スピーカーポットがいくつも張り付いています。私はすぐにガトリングガンを放棄、背に下げたギターを腰まで降ろします。

「いたたた……な、なにこれ!?」

相手がスピーカーポットに気が付き、払い退けようとしますが、もう手遅れです。

「行きます!」

ジャァァァァァン。ピックで全ての弦を弾くと、とたんに相手はビクリとします。プログラミングが始まったようです。私は、頭の中につらつらと流れ始めた楽譜の通りに弦を弾きます。

ヴァッヴァッヴァァァ・ヴァーヴァッヴァヴァァァ

一心不乱。どうやらこのギター、私自身にも影響するもののようです。一度弾き始めると、なにが何でも最後まで弾かなければ、という気持ちにさせられます。もはや、最初の数秒で私の頭から、今バトル中であるということが吹き飛びました。
毒を盛らば皿まで、ということでしょうか。先生らしいです。

「くぅ……なんなの、これ……」

相手のアーンヴァルは異変の原因であるスピーカーポットを振り払おうとしますが、思うように体が動かないらしく、今やっと一つを取り払ったところです。では、その功績を称え、スパートを掛けさせていただきます。
頭がクラクラする、と思ったら、無意識にヘッドバンギングをしてました。もう、どうにでもなれ。






ヴァァァァァァァン。
フィニッシュを決め、ギターを高らかに持ち上げます。如何ともし難い達成感と冷め止まぬ興奮が私の中に轟きます。フィールドを照らす灯りが、まるで私を祝福しているようにすら感じられます。この気持ち良さ、癖になりそうです。

「ブラボー!」

先生の歓声と大きな拍手に、はっと我に返ります。見上げれば、私たちがバトルしている筐体を多数の人(年配の方が圧倒的に多い)が囲み、先生と同様、惜しみない賛辞と拍手を私に向けています。
そして、対戦相手を見てみると。

「……降参、します」

妙に恍惚とした表情でそう呟き、ジャッジが勝者を告げました。







「いやー、さすが美咲さん。素晴らしい演奏でした。惜しむらくは、ギターソロのみだったことでしょうか。次回はきちんと、バンドのフルセットを備えようと思います」

「いりません」

いまだ興奮冷めやらぬ中、待ち合い席のテーブルの上で先生の御言葉に冷静になった頭で断りをいれます。身体中が非常に熱く、顔も真っ赤だと思います。思い返してみると、とても恥ずかしいです……。
ふと、私の目の前に、対戦相手のアーンヴァルが立ちました。何事かと思い、見上げると……。

「ああ、美咲さん、いえ、美咲さま。私はエルスと申します。ああ美咲さま! 貴女様の演奏、大変感銘を受けました! 起動してこの方、あれほど素晴らしい音楽と、それを奏でる素敵な方にお会いしたことは一度もありません! 美咲さま、私は……心より貴女様をお慕い致します。この気持ち、まさしく愛です!」

がばっと、抱き締められました。
……うぇぇ!? ど、どどどどうしてこうなりましたぁ!?

「え、エルス!? あなた一体どうしたの!? ご迷惑掛けてるから離れなさい!」

「嫌ですマスター! 私は……この方に一生添い遂げます!」

「ええぇぇぇ!?」

相手方のマスターも困惑されております。これは一体?

「ふむふむ、少々失礼」

頷く先生は、普段から持ち歩いている高性能小型ノートパソコンを取り出し、神姫の身体検査用装着式プラグをエルスさんの頭に取り付け、パソコンを操作します。
しばらく難しい顔をしたかと思えば、『おお、これはこれは、失敗してしまいました』という、苦虫を噛んだような顔をしました。

「……えー、エルスさんの症状なのですが……。どうやら、闘争本能を押さえるプログラムの副作用で、感情、それも好き嫌いを司る好感機能の判定も一緒に緩くなってしまい、美咲さんの素晴らしい演奏を聞いて、愛を錯覚してしまったようです」

「えっと、つまり、どういうことなんですか?」

絶句するエルスさんのマスターさんの代わりに、私が先生に訪ねます。

「つまり、超強力な惚れ薬を飲んでしまったような状態ですね」

「美咲さまぁぁぁぁぁあんあぁぁぁ!」

エルスさんにクンカクンカスーハーと首筋辺りを嗅がれてます。ひょぇ!? な、なな、舐められたぁ!

「なんとかならないんですか!?」

絶句するエルスさんのマスターさんの代わりに私が先生に問い詰めます。このままだと双方にとってあまりよろしくありません。というかこのエルスさんの状態、惚れ薬の他に摂取してはいけない薬も併用しているような感じなんですがっ!

「私の私室にあるPCでなら、なんとか修正はできます。あの、エルスさんを一日お借りしますが、よろしいですか?」

先生がエルスさんのマスターさんに問い掛けます。やや間を置き、お願いします、という返事が返ってきました。






「いやぁ、まさかあんな副作用が出るとは、いやはや、私もまだ未熟ということでしょうね」

帰りの車の中、助手席に設けられたシートベルト付きの神姫用座席から先生を見上げます。

「はぁぁ、美咲さまの初期型素体特有の角張った感触が、私の、私のイイトコロに程よく……あぁぁん!」

隣では私にべったりで妙な水音を鳴らすエルスさん。何をしてるのか想像もしたくないので、先生を見上げるしかありません。そして、意識を逸らしたいあまりに、つい、こんなことを言ってしまいました。

「あの、先生。冷静になって思ったのですが、今日のあの装備、『俺の歌を聴けぇ!』と言うよりは、『俺のギターを聴けぇ!』ではないでしょうか」

それを告げた瞬間、先生の時間が止まった。少しの間を空けて、先生は両手で頭を抱えました。

「しまった! 私とした事が! 演奏ばかりに気を取られて肝心なことを忘れてしまっていたぁぁぁ!」

「せ、先生! 運転中は前を見てハンドルを握ってください! 危ないですから!」

おお、すみません、と先生は冷静さを取り戻し、ハンドルを握りなおします。私はほっと一息。

「……ご安心ください美咲さん」

「はい?」

突然なんでしょうか?

「この失態は、次回挽回いたします。次こそは歌をも織り交ぜた、より完全な「『俺の歌を聴けぇ!』装備」を制作いたします!」

「……え?」

こ、これはもしかして私、墓穴を掘ったのでしょうか?

「美咲さま美咲さま美咲さま美咲さま美咲さまぁぁぁぁぁあんあぁぁぁ!!」

プシィッ!

……もう、なにもかんがえたくありません。






翌日、プログラム修正と記憶の消去を受けたエルスさんを、マスターさん(カエデさんと言う方)にお返しいたしました。その際、後遺症が残ったらしく、以降エルスさんは私のことをお姉様と呼ぶようになってしまいました。

「好かれるのは良いことですよ美咲さん」

「……はい。擦り着かれて絶頂されるよりはよしとします……」




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