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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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「店長ですか?そういえばしばらく見てないなぁ…どしたんだろ?」

翌日。今日も空は生憎の雨模様。
傘を片手に数週間ぶりに訪れた『165-DIVISION』には、いつもの通り縁遠の姿はなく、代わりに最近顔なじみとなった店員さん二人がいるばかりだった。

「ハネっちー。店長どしたんだっけ?」

眼帯、銀髪、赤い猫目と、縁遠に負けず劣らず派手な格好の『ヨル』と名乗る店員さんは、商品の並びをチェックしている同僚に尋ねた。

「…一体何を聞いていたんだ貴様は。」

呆れた声で返すのは、『ハネ』と名乗る、目元をすっかり前髪で隠した店員さん。
真っ黒なゴスロリのヨルさんとは対照的に、真っ白なゴスロリを着ている。

「店長ならば先週出る時『友人の手伝いで当分戻らない』と言っていただろうが。
 貴様の脳はスポンジか。ボブか。今度からスクエアパンツと呼んでやる。略してスクパンだ。
 スク水そっくりで光栄だろうこの海綿生物め。」
「わーいチョー嬉しくねー。つかスク水は置いとくとして、よりによって海綿生物かよ!
 ケンカ売ってんのかムッツリ前髪お化け!」

…常日頃からこんな感じの二人だ。まぁ、仲はいいんだと思う。
リアクションに困る俺を他所に、カバンの中の猫どもは楽しそうにけたけた笑い転げていた。

「…あー…でもそぉいやそんなこと言ってたよーなー…。
 どーせいつもいないからぜんっぜん気にしてなかったけど。」
「…まぁそうだな。店長が居ようが居まいが、私達のやることは大して変わらんしな。」

…ちゃんと仕事してんのかよ店長。

結局、『連絡が取れたら電話する』と約束を取り付けて店を辞した。
どうも簡単に連絡がつく場所ではないらしい。詳しい事は教えてもらえなかった。
拾った猫どもをそのまま置いて行こうとしたのだが、何故か三匹は残るのを嫌がったので、仕方なく連れて戻った。
その時は喋れない点を除けば特に問題もなさそうだったので、余り気にしていなかったんだが…

…後で判った事だが、その『喋れない事』は、実は俺が考えていた以上に深刻な事態だった。

---

名前が判らないと呼びようがないので、三匹には浩子サンが『ノゾミ』『カナエ』『タマエ』と付けた。
なんでも、昔あったロックバンドの曲名から取ったとかなんとか。
…俺にはどれがどれと区別つかんかったので、一まとめで『猫ども』と呼んでいたけど。

三匹の猫どもは、俺や浩子サンにはやたらと引っ付きたがる割に、他の神姫達には全く馴染まなかった。
いや、どちらかと言うと…怯えていると言った方が正しかった。

「…なんでだかな。アタシらも何度か声かけちゃいるんだが…」
「こう…聞く耳を持ってくれないんスよ。
 自分らの姿見たとたん、もう脱兎の勢いっていうか…」

一応我が家の神姫連中の頭になっている、ジュリとファニーに何度か愚痴られもした。
…とはいえ、何の不具合か口の利けない3匹は、ただひたすら神姫達を避け、人間に縋る。
その理由を明かさぬままで、だ。
…事態を解決できそうな奴は、3日経っても4日経っても連絡がない。

一週間程そんな生活が続き、いい加減皆が苛立ち始めた、そんなある日の朝、事件は起こった。

---

その日も、目が醒める頃には雨垂れの音が聞こえていた。

「…………!…………!!」

寝起きのまどろみの中で、俺はソレを聞いた。。
壊れたスピーカーが無理矢理音を出そうとして、ただの耳障りなノイズになった音。
どこか、降り続ける雨を思わせる、ざあざあという音。
その音の正体に気付いた時、俺は布団を跳ね飛ばして走り出していた。

---

居間では、呆然と立ち尽くすジュリとファニー他、何体かの神姫たち。

それと。

その、すぐ近くで、声にならない声で、悲鳴を上げながら、苦痛に顔を歪め、のた打ち回っている三体の……

「慎くん!早く!スリープモード!」

若干遅れて居間に現れた浩子サンに言われ、俺は慌てて三体の猫達をスリープモードにする。
…何か、嫌な沈黙が部屋を支配した。
外からの雨音だけが耳を打つ。
突然、電話のベルが鳴った。
俺はその場を浩子サンに任せ、逃げるように電話に出た。
縁遠だった。ちょうど時間が空いたというので電話してきたらしい。
取るものも取り合えず、俺はつい今しがたまでの状況を説明した。
始めは眠そうな声で相槌を打っていた縁遠だが、徐々にその声が真剣味を帯びてくる。
説明し終えた後、診てくれることを約束してくれた。
待ち合わせ場所を聞いて電話を切ると、背後には困った顔の浩子サンと、その肩の上に表情を無くしたジュリがいた。

「…状況の説明くらいはしてもらえるんだろうな。」
「………あぁ。」

---

雨の雫が軒を打つ、ばたばたという音をBGMに、俺達は黙ったまま顔を突き合わせていた。

「…いや、お前それはいくらなんでも…」
「…解ってる…信じられねぇのは解るさ。
 アタシだって目の前で見てなけりゃ、とても信じられた話じゃねぇ」

それは本当に奇妙な状況だった。

俺が目を覚ますほんの少し前。
未だ逃げ回る猫達に痺れを切らしたファニーが、逃げようとする三体の内一体の腕を掴んだ途端、揃って悲鳴を上げ、倒れ、蹲り、もがきだした。
それからは、俺が来るまで何も出来ずに見ているしかなかったというのだ。
ファニーが言うには、さほど力を入れて掴んだりはしていない、との事。
あっさり振り解かれたらしいので、この点は信用できるとジュリは言った。

「…一応、な。倒れた時咄嗟に手を出したんだけどな。」

ジュリの腕には酷い引っ掻き傷があった。おおかた、その時に付けられたんだろう。

「……まぁ、いい。まずはこいつらを縁遠に見せてみん事にゃどうしようも無さそうだしな。」

お前の傷も治してもらわないとな、とジュリに言ったところで、すたんと隣室の襖が開かれる。

「自分もお供します。」

ジュリの一番弟子を名乗る神姫が現れた。

「ファニー…」
「…自分が無茶やったせいでこいつ等がこんなんなったなら…そいつぁどんな理由があったって自分の責任です。きちんと最後までケツ持ちたいんです。
 お願いします。連れてって下さいっ!」

…土下座までされてしまった。
思わずジュリと顔を見合わせる。
…いい弟子じゃないか、なぁ?
軽く目でサインを送ると、照れたような、それでも誇らしげな表情をジュリは浮かべた。

「…あー…ファニー?」
「はいっ!」
「…まぁなんだ。お前さんが随分と真っ直ぐな奴だってのはよーっく解った。
 だがな、ジュリの傷もついでに直して貰わにゃならん。
 元締め二人共留守にするワケにもいかねぇ以上、お前は残れ。命令だ。」

俺の言葉に、しかし不服そうなファニー。

「でも…!」
「仮にもジュリの一番弟子名乗ってんなら、ジュリのいない間くらいきっちりココの連中纏めとけ。浩子サンと一緒に。いいな?」

ちょっと卑怯だと思ったが仕方がない。
普段こそジュリが睨みを利かせているから大人しいが、ココにいる連中の大半が、それなりにやんちゃしてきた元・野良である。
当然のごとく、ボスがいなくとも静かに黙って待ってられるような、可愛げのある面子ばかりではない。
ファニーは何か言いかけるが、ジュリが一言「アタシからも頼む」と言うと、悔しげに頷いた。

…ところがここで、意外な伏兵が登場する。

「わたしも残るの!?」

素っ頓狂な声を上げたのは浩子サンだ。
…っつーか貴女まで来るつもりだったんですか?

とりあえず何とか残るよう延々と説得し、無理矢理納得させる頃には、時計の針は結構進んでいた。

「………帰ってきたらご飯。美味しいの。」

浩子サンは出掛けに俺のジャケットの裾を掴んで、子供みたいな顔で子供みたいなことを言った。
なんとなく赤くなる顔を見られたくなくて、俺は生返事一つ残してさっさと家を出た。





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