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アルトアイネス奮闘姫
第三話「あたしがウイナー?」

『君達が調べた通り、スイカ君のコアには秘密がある。今はただの神姫かもしれないが、戦闘中にそのシステムが発動する可能性はある』
 声だけの男は続けた。
『いつでも、メロン君にスイカ君を止めることが出来るか?』
 それは戦えという意味に他ならなかった。

「やだ……」
 メロンの視線の先にはスイカがいた。
「どうしてスイカと戦わなくちゃいけないの!」
 メロンは勝見の手の上に乗って、スイカから離れていた。あまりスイカの耳には入れたくない話もしなくてはならない。
 メロンは涙を浮かべて勝見に向き直った。
「じゃあ、スイカと別れるのか」
「それはだめ、でも……」
 いつものように言葉が続かない。
「いざとなったらスイカを止めるないといけない。それが出来るのは、お姉ちゃんのメロンだけだ」
「いざって、なに?」
「いざっていうのは……」
 スイカが持っている力の大きさ、それは映像で知った。生馬が見せたrootの戦闘データだ。あの化け物と同じ力を持っており、戦いに使えばその戦いはバトルにならないだけでは済まない。
 けどスイカが同じことを出来るのだろうか。そう、いざとはスイカがrootの力を持ったときのことだ。
 そこまで思考がたどり着いたとき、勝見は背筋がゾワッとした。
(そうか、そういうことか)
 どうしてなのか、はっきりとわかった。
「スイカは危険な神姫、いやMMSとして危険なんだ」
「よくはわかんない」
「詳しくはあとで話す」
 言葉で説明するのは難しい。しかし、今伝えることは一つだ。
「かい摘んで言うと、スイカは普通じゃない。危険なほど強い」
「私より?」
「危険になる」
 勝見はうなずいた。
「だから、いざとなったら止めなきゃいけないんだ。絶対に」
「でも、スイカを力で止めたら、スイカは傷く」
「だからスイカを止める役が必要なんだ」
「止める役は……あたしなのね」
「そうだ」

 メロンはスイカに歩み寄った。
「今の話は聞いてた?」
「聞こえなかった」
「そう」
 メロンはうつむき、つぶやくような声で続けた。
「これから何するかはわかる?」
「私とお姉ちゃんが戦う」
 わずかに目を細めて、スイカはメロンに視線を向ける。
「お姉ちゃんは私を守るのか、それとも戦うのか?」
 とてもわかりづらいスイカの表情、多分心に浮かんでいるのは不安だ、とメロンは思った。
 黒い天使と称され、大人びた雰囲気を持ちやすいリペイントアーンヴァル。しかし、メロンの目に映っているその姿はとても小さかった。
 見上げながら、スイカの頬に触る。
「よく聞いて、スイカ」
 赤い目同士が見つめ合う。まだ姉妹になって一日しか経ってない。けど何が何でもこの子を守りたいと思っているあたしがいる、そうメロンは感じていた。
「これからあたし達は戦わないといけない、本気でね」
 スイカの頬をなでるメロンの手の甲に、さらさらした金色の髪が触れる。
「でもね、お姉ちゃんはいつだってスイカの味方だよ」
「戦う相手が味方、それは矛盾する」
「そうね、でもここで本気で戦えば、スイカもあたしも家に帰れる」
「お姉ちゃんは家に帰りたいのか?」
「スイカと一緒に帰りたい」
 頬をなでるメロンの手に、スイカは手を重ねた。
 しばらくの無言、スイカの表情は変わらないが、何か考えていることはメロンにはわかった。
「わかった」
 重なる手にメロンはわずかに力が入るのを感じた。
「お姉ちゃんと戦う」

 バトルロンドは筐体の中で行われ、武装は筐体に入るとき、自動にセットされる。
 メロンは筐体の中で服を脱ぎ、武装に備える。
 戦乙女型アルトアイネス。
 戦乙女、ワルキューレ、バルキリー。その名に違わず、武装のシルエットは戦うメカとして洗練され、黒い鎧となってメロンの体を包む。
 先行機のアルトレーネをマイナーチェンジしたものがアルトアイネスであり、メロンの小さな体には大きすぎる武装だ。だが、そのアンバランスさ、危うさこそが神姫の最大の魅力でもあった。
 華奢な太ももから伸びる黒く力強い両脚、肩には細い腕に対して数倍も太い副腕を備え、装甲の表面には大きなクリスタルの装甲が血を吸ったように紅く輝いている。メロンのやさしさを押さえつけるきわめて攻撃的な姿だ。
 右副腕にはダブルクリスタルブレード、左副腕にはアモルファスシールドが装備され、攻守の中心となる。
 華奢な胴には本来スカートアーマーがあるのだが、今回は背中に接続している。スカートアーマーの内部にはスラスターが複数を備えて機動力を確保するのだ。しかし、組み替えを行い背中に接続すると、スカートは展開して黒い翼となり、空を羽ばたくことができるのだ。
 防御力を失う代わりに空中戦の能力を獲得する。アーンヴァルとの戦いには飛べる装備は必要不可欠だ。

「戦いは空中戦になる、アーンヴァルの戦いは一撃離脱だ」
 筐体に入る前に勝見からもらったアドバイスをメロンは思い出す。
 アーンヴァルの戦い方はリアパーツの高機動力とレーザーライフルの大火力、高度なセンサーを存分に生かした一撃離脱戦法。構想は単純であるが、いまだに強力な戦術であり、打ち破るには、機動力、火力、命中力のいずれかをねじ伏せなければならない。

 バトル開始。
 スイカは飛び上がりながら距離をとり、機関銃で牽制射を加える。アーンヴァルの装備、アルヴォPDW9、威力は高くないものの、取り回しのよさと反動の少なさが売りであり、牽制やレーザーライフルのつなぎとしては最適の銃だ。
 慌てることなく、メロンは左副腕のシールドで防ぐ。
(初めての実戦のはずなのに)
 機関銃の攻撃は余裕を持って対処できている。弾丸もシールドで弾かれ、ダメージにはならない。しかし着弾は多く、スイカは狙いを違えてはいない。
 もちろんいつまで受けに回るつもりはない。黒い翼を広げると軽くジャンプして高度を取る。
 その間にスイカは攻撃を加えずにさらに距離をとっていた。すでにレーザーライフルの間合いだ。
 上昇の間は狙いがつけにくいが、その分水平面での動きは小さくなる。前後で言えば移動してないと同じだ。そうしてる間に距離を取る、ということをしているスイカは、明らかに戦い方を知っている。
 レーザーライフルの初弾がメロンを襲う。狙いは確かだが、メロンは小柄な体を生かし、紙一重でレーザーをかわした。
 傷つけないようになんて余裕はない、その気でかからなければ負ける、とメロンは思った。
 しかし、そのことがメロンにはひどく悲しいことに思えてきた。
 スイカは本当に何も知らない、でも戦い方だけは知っている。それはとても悲しいこと。
 痛いことはあっても体が痛いだけ、心が痛いことはない。誰とも心を通わせたことがないから。それはもっと悲しいこと。
 あたしには勝見がいつもいてくれる。スイカには誰もいない、そんな人形って一体何なのだろう?
(ううん、あたしがいる)
 空を見上げて黒い翼を広げた。どう戦えばいいのか、メロンはやっとわかった。

 メロンは間合いを詰めてきた。スイカにとっては予想通りの機動だ。
 メロンに遠距離の武装はない、右副腕のダブルクリスタルソードのみだ。
 ヘッドセンサーの修正値と大型のリアウイングの安定性に任せ、レーザーライフルの引き金を引く。
 今度はインメルマンターンでメロンはかわそうとするが、初弾から修正値を得たスイカの狙いはメロンが思っている以上に正確だった。
 かわしたはずなのにレーザーライフルは直撃コース。メロンは左副腕のアモルファスシールドで防ぐが、前進しつつ受けるレーザーにこらえきれず、左副腕は根元から外れてしまう。
 ところが、メロンはその反動を利用して、重心をずらし、レーザーの周囲をなぞるように飛び、さらに間合いをつめた。
 間合いが近過ぎて、第三弾を放つ時間はない。メロンは左副腕を犠牲に距離とレーザーライフル奪ったのだ。無茶な戦い方だが、合理的。これが実戦(バトルロンド)なのだ、とスイカは思った。
 接近戦では余分なウエイトになるレーザーライフルを破棄、代えて両肩のライトセイバーを選択。二刀流となったスイカは、ダブルクリスタルソードを受ける構えを取る。
 メロンは思い切りソードを振り下ろし、セイバーを力任せに押し切ろうとした。
 しかし、接触する瞬間、スイカは思い切り上昇し、ソードをかわす。メロンの攻撃はむなしく空を切る。
 その上昇から反転、スイカはメロンの上方を取る。
「はぁ!」
 ほぼ真下へ向かってスイカは切りつける。威力は通常の倍は出ているだろう。
 気がついたメロンはシールドで防ごうとするが、シールドの左副腕はもうない。
 右手のライトセイバーがメロンの左肩の非装甲部に直撃。
「ぐはっ!」
 痛みにこらえられなかったのか右副腕のソードを落とす。
 追撃し畳み込みをスイカはかけた。しかし、そのとき、メロンは残った右副腕を伸ばしてきた。
 間合いは近く回避は間に合わない。伸びた右副腕はリアウイングをホールドした。その直後、スイカはバランスを崩し、ライトセイバーを離してしまった。
 しかも、崩れたバランスは一向に悪くなり、そこからメロンに体当たりする格好になったのだ。
 高度が急激に落ち、地面が迫る。
「お姉ちゃん、離れて!」
、二人はもつれたまま地面に落下した。

 ビションに映る土煙の中に、黒い影が立ってた。
「メロン、お願い!」
 ブーケが悲鳴のような声で応援する。
 勝見、生馬、匠、ルーシェ、ブーケ、その他センターに来ていたギャラリーも見守る中、戦いは終盤を迎えていた。
「見えるぞ!」
 土煙が薄くなり、立っていたのは……スイカだった。
「メロン!」
 勝見は思わず叫んだ。
 ビジョンに映るスイカにダメージを受けた様子はない。
 土煙が収まるとスイカの足元にはメロンが倒れていた。あちこちに汚れがつき、右の翼は折れて、ぐったりと地面に横たわっている
「そんな……」
 メロンが負けたのだろうか。筐体を見るとメロンのロゴには動作停止の赤いマークがつけられていた。
 しかし、誰もが予想しないことが起きた。
「オーナー、私は降伏します」
 見ている人間と神姫は耳を疑った。
「これ以上は戦っても勝ったことにはなりません」
 スイカはひざをつき、メロンを抱き上げた。
「お姉ちゃんが私を守ってくれた、から」

『「止めた」、な』
「いいのですか?」
 あの声とセンター長が話していた。
『まあ、いくらrootと同じシステムでもスイカ君は素人だ。素人らしからぬ戦いを見せてくれてはいるが』
 声は感心したような声で続ける。
『相手の神姫を傷つけずに止める。あのアルトアイネスは力ではなく、心で止めたんだよ』
 バランスを崩し、地面に激突するまでの映像を再生する。
 もつれ合ったとき、メロンはスイカを抱きかかえていた。大きさだけならメロンの方が小柄なのに、腕はスイカの腰と頭に回し、がっちりと固めている。しかも接地直前には黒い翼まで使ってメロンを包み、全身でかばっていたのだ。
『はじめは成行きだった。でも今は、ぜひアイネス、メロンにスイカを任せたいと思っている』
「私もそう思います」

「戦闘は終了。起きて、お姉ちゃん」
 メロンは気を失ったままだ。
「お姉ちゃん、どうかしたのか?」
 頬を叩く、しかし、メロンに反応はない。
「オーナーに通達、メロンに異常、至急、修理を希望、早く……早くしてください!」
 スイカの腕の中、メロンはピクリとも動かなかった。

 メロンが起きないのは寝不足の電池不足のせいだったが、周囲がそれに気がつくのは一騒動あってからのことだった。




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