西暦2037年、6月の始めごろ。
世間一般ではMMS(人造人間)の一つである「神姫」が流行っている。
同級生や、友人の風間も所持しており、休み時間はちょっとした神姫舞踏会だ。
世間一般ではMMS(人造人間)の一つである「神姫」が流行っている。
同級生や、友人の風間も所持しており、休み時間はちょっとした神姫舞踏会だ。
…だが、僕「彩聞形人(さいもん けいと)」には関係のないことでもあった。
「なぜ?」と聞く人もいるが、その系の質問にはこう返している。
「なぜ?」と聞く人もいるが、その系の質問にはこう返している。
「友人ならいるし、わざわざ金溜めて「ともだち」を買う気にならない」
しかしその「関係のない事」とは、ある人物の帰宅によって繋がったのである。
「神姫が手元にやってきた」
ある人物とは、国際線の機長をしている父であった。
しかも某漫画の機長なみに色んなところに飛んでいるとゆう、年甲斐もなく元気な人である。
そのため年に会う機会は少ないし、休暇の日なんてもっと少ない。
過重労働で組合に申し立ててもいいくらいだ。
しかも某漫画の機長なみに色んなところに飛んでいるとゆう、年甲斐もなく元気な人である。
そのため年に会う機会は少ないし、休暇の日なんてもっと少ない。
過重労働で組合に申し立ててもいいくらいだ。
「形人、だいぶ遅れたが高校進学祝いだ」
そう言って父から大きめの紙袋を渡された。
紙袋の中に入っているものを取り出すと、1つは高さ26cmほどの箱。
もう1つもどっこいの大きさだ。
どちらも包装紙で包まれており、中身が何なのかは判らない。
「開けていいかな?」
「俺としては、部屋で「あっ!」と驚いてほしいな」
「わかったよ」
母に「夕食が出来たら呼ぶからね」と言われつつ、僕は二階への階段を駆け上がった。
そう言って父から大きめの紙袋を渡された。
紙袋の中に入っているものを取り出すと、1つは高さ26cmほどの箱。
もう1つもどっこいの大きさだ。
どちらも包装紙で包まれており、中身が何なのかは判らない。
「開けていいかな?」
「俺としては、部屋で「あっ!」と驚いてほしいな」
「わかったよ」
母に「夕食が出来たら呼ぶからね」と言われつつ、僕は二階への階段を駆け上がった。
~・~・~・~・~・~・~
自分の部屋に入り、机のイスに腰掛けつつ紙袋から箱を取り出し、包装を破き始める。
「サイズからしてスケールモデルではないと見た…、ん?」
「サイズからしてスケールモデルではないと見た…、ん?」
箱にアニメ調で描かれていたは、機械を身に纏った少女。
箱の右下面には「Multi Movable System」の文字
そして右上面には「武装神姫」の文字があった。
「武装神姫…」
『あっ!』では無かったが、少し驚いたね、これには。
"関係ない"と思っていた物をこれから起動することになるのだから。
箱の右下面には「Multi Movable System」の文字
そして右上面には「武装神姫」の文字があった。
「武装神姫…」
『あっ!』では無かったが、少し驚いたね、これには。
"関係ない"と思っていた物をこれから起動することになるのだから。
しばらく説明書を流し読み、基本的な事は覚えた。
説明書や箱を見て知ったのだが、この武装神姫はMagic Market製の形式番号MM08SR、セイレーン型神姫「エウクランテ」だとゆう。
ちなみにセイレーンとは、海に住みその歌声で船を遭難させる、下半身が鳥類の女性の姿をした精霊のことである。
英語ではサイレン、イタリア語でシレーヌと言うのだとか。
説明書や箱を見て知ったのだが、この武装神姫はMagic Market製の形式番号MM08SR、セイレーン型神姫「エウクランテ」だとゆう。
ちなみにセイレーンとは、海に住みその歌声で船を遭難させる、下半身が鳥類の女性の姿をした精霊のことである。
英語ではサイレン、イタリア語でシレーヌと言うのだとか。
セットアップをしようとブリスターを開く。
そういえば、CSCとかいう中枢部が見あたらないな…。
そういえば、CSCとかいう中枢部が見あたらないな…。
「…んっ…」
思わずドキッとした。
おかしいな、ギャルゲは起動していない筈だが…?
おかしいな、ギャルゲは起動していない筈だが…?
「ん…ふぅあぁぁぁっ…」
開いたブリスターに動く小さい姿。
声の主はコレか…ていうかセットアップ終わってるのかよ!?
声の主はコレか…ていうかセットアップ終わってるのかよ!?
「ん…。わたしのオーナー、ですか?」
「あ、ああ。彩聞形人といいます」
何丁寧語になってるんだ僕!?
「『彩聞形人』…登録完了。わたしの名前は決まってるの?」
「えーっとだなぁ…」
まずい、考えてなかった。
どうする…? とここで、偶然視界に入ったのは超時空要塞マクロスのノベライズ版…。
「あ、ああ。彩聞形人といいます」
何丁寧語になってるんだ僕!?
「『彩聞形人』…登録完了。わたしの名前は決まってるの?」
「えーっとだなぁ…」
まずい、考えてなかった。
どうする…? とここで、偶然視界に入ったのは超時空要塞マクロスのノベライズ版…。
「そうだな…、"ヒカル"。輝くと書いてヒカルだ」
「"ヒカル"…か。なら今からわたしはヒカルね」
どうやらOKみたいだ。
「"ヒカル"…か。なら今からわたしはヒカルね」
どうやらOKみたいだ。
「よろしくね!形人」
呼び捨てかそうですか。
…これも個性か、なるほどなぁ…。
呼び捨てかそうですか。
…これも個性か、なるほどなぁ…。
~・~・~・~・~・~・~
「……」
さっきからヒカルは本棚の端にあったマンガ文庫を読んでいる。
読んでいる本は「ファントム無頼」である。
史村翔・原作、新谷かおる作画の自衛隊漫画で、今では退役した(37年時点)F-4EJファントムⅡで空を翔ける航空自衛隊百里基地所属のパイロット、神田鉄雄二尉と栗原宏美二尉の物語である。
さっきからヒカルは本棚の端にあったマンガ文庫を読んでいる。
読んでいる本は「ファントム無頼」である。
史村翔・原作、新谷かおる作画の自衛隊漫画で、今では退役した(37年時点)F-4EJファントムⅡで空を翔ける航空自衛隊百里基地所属のパイロット、神田鉄雄二尉と栗原宏美二尉の物語である。
…と、誰も聞いていないのに頭の中で説明してしまう自分。
どんな状況でも説明してしまうあたり、完全にくせだな。
ヒカルは何に惹かれたのか?
…大空を愛する心は同じということかな。
どんな状況でも説明してしまうあたり、完全にくせだな。
ヒカルは何に惹かれたのか?
…大空を愛する心は同じということかな。
とか何とか思ってたら、下からお母さんが呼んでいる。ああ、晩飯の事忘れてた。
「じゃあヒカル、ちょっとメシ食ってくる」
「あ、うん」
ページから目を離し、こちらを向いて答えるヒカル。
「じゃあヒカル、ちょっとメシ食ってくる」
「あ、うん」
ページから目を離し、こちらを向いて答えるヒカル。
部屋を出るときに、「神田さん…v」と言うひとり言か聞こえた気もするが、気のせいだと思う。
こうして「流れ流れて神姫無頼」の幕が切って落とされた。
「無頼」って「定職を持たず無法な事をする人」の事を指すのだが、神栗は「(航空法などで)無法な事をする人」だから無頼なのかと一人納得しつつ、今回は筆を置こう。
「無頼」って「定職を持たず無法な事をする人」の事を指すのだが、神栗は「(航空法などで)無法な事をする人」だから無頼なのかと一人納得しつつ、今回は筆を置こう。
流れ流れて神姫無頼に戻る