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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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「第3話 アナザー・パートナー」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第3話 アナザー・パートナー」の最新版変更点

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  クレイドルに座って目を閉じると、私はゆったりとしたまどろみのような感覚に囚われる。
  そして訪れるふわっ、とした感覚。クレイドルから私の意識がケーブルを伝ってPCへと向かう。まるで幽体離脱。
  PCとクレイドルをつなぐケーブルの中には大量のデータの断片が飛び交い、私の意識とぶつかっては砕け、またどこかで再構成されて流れていく。
  私はこの空間が割と好きだった。無限の0と1。自分が埋没する感覚。データの海の奥底へと沈みこんでいく。
  その先にあるのは広大な空間―PCのメモリ領域。
  到達するなりにお出迎えしてくるのはウィルスセキュリティのスキャニング。そのあとに続いてクレイドルにプリインストールされているエラースキャニングプログラムによる検査。それからオーナー達が個別に設定した各種検査用プログラム。
  エラーチェック、バグ取り、簡易デバッグ、レジストリチェック、デフラグ、バックアップ。まさに検査のフルコース。
  それらすべてをクリアして、ようやく私は広大なデータの空間に放り出される。
  検査が終わったあと待っているのは自由時間だが、特に私は何もしない。知り合いとチャットしたりすることもあるが、滅多にこない。友達が少ないってこともあるけれど……。
  ただデータの海にたゆたっているのが好きだった。スキャンされたデータを調査するのはマスター達の仕事だ。
  別に丸投げするわけじゃないけれど……ちょっとだけ。私はデータに揺られながらゆったりと瞼を閉じた。
 
 ◆◇◆
 
 「……やはり、エラーチェックやバグチェックには異常はない、か。まあその辺はここの設備よりもも神姫センターのほうがより精密だろうし、結果に間違いはないだろうな」
 
  キーボードを叩きながら日暮店長は呟いた。三つのディスプレイに表示されているのはそれぞれヒルダをスキャンして得られた彼女のステータスデータだ。
  ホビーショップエルゴのカウンターの奥は、店長の事務スペースになっている。
  ここで破損した神姫の修理や、オリジナルの武装なんかを作っているそうだ。
  俺はクレイドルにヒルダを乗せると、店長がキーを叩いて表示されるデータを彼の横から眺めていた。
 
 「つまり、ヒルダの二重人格はエラーでもバグでもないってことですよね」
 「そうなるな。ま、普通は考えにくいんだが」
 
  俺の言葉に店長はうなずいた。
 
 「もちろんスキャンシステムが感知できないような小さなバグやエラーはあるかもしれないが、その程度のエラーで二重人格を引き起こせるほど神姫のAIは柔じゃない」
 
  それも俺は同意。人間に限りなく近い思考回路。それがゴミのようなデータに狂わされているようではお話にならない。そのあたりのセキュリティは完璧のはずだ。
 
 「もう少し細かく調べてみることにするよ。少々時間がかかるから、また今度立ち寄ってくれないか?」
 「そうですか……」
 
  落胆の声は隠しきれない。ここでようやく彼女の秘密がわかると思ったからだ。
  しかし、先延ばしになっただけだ。そう思い、店長に頭を下げる。
 
 「よろしくお願いします」
 「ああ。まかせておけ。道楽気分でやってみるさ」
 
  にっと笑う店長。道楽でやってもらっては困るのだが――と思ったが、遠まわしにタダで調査してくれるのだと気づく。
  彼には裏の顔――というか、副業で神姫関係の探偵業務を行っていると聞いたことがある。
  その依頼料が相場どのぐらいかなんて知る由もないが、貧乏学生にとって無料より安いものはない。
 
 「とりあえず、スキャンしたデータはこちらできちんと管理させてもらって、報告後に消去するよ。あと、現在までの記憶野も調べることになるかもしれないから、一応この書類にサインを」
 「記憶野、ですか?」
 「そ。何が問題かわからないから、神姫のプログラムがかかわる場所をざっと総ざらいしてみる。記憶野のチェックはプライバシーの問題にもつながるからね。一応了承を取っておかないと訴訟沙汰になりかねない。……君が男でよかった。まだ調査がしやすい」
 「女性となると、そうもいきませんよね」
 「そうそう。以前も女性がオーナーの神姫の記憶野を調べたことがあったんだが――っと、これ以上は機密だな」
 
  とりあえずジェニーにさんざっぱら叱られた、と首を振る店長。……いったい何があったんだろうと思うが、それを聞くことは叶わなさそうだ。
  プリンターから吐き出され、手渡しされた書類の内容に目を通し、サインをする。
  それを渡すと同時に、店長はヒルダを起動させた。
 
 「少なくとも一週間ほどはかかるとみてくれ。君以外にもちょっと立て込んでてね」
 「探偵の方の仕事が、ですか?」
 「そ。他にも神姫の修理とか、ね」
 
  ちらりと作業台の方に向けられた視線を追うと、そこには小さな人形が横たわっていた。確認するまでもない。神姫である。
  遠目だったので種類までは判別できなかったが、四肢を失い、頭部と腹部に包帯のように巻かれたマスキングテープが見た目からして痛々しい。
 
 「リアルファイト……ですか」
 「さあね。そこまでは俺も知らない。ただあそこまで壊れた神姫は久しぶりだ。こちらとしても気合いを入れなきゃな」
 
  ヒルダをこちらに手渡すと、店長は俺の目をしっかりと見て言った。
 
 「ヒルデガルドを大事にしてやれよ、仮面付き。この先どんなことがあってもだ。神姫にとって本当に信頼できるのは、マスター以外の誰でもないんだからな」
 「……もちろんですよ」
 
  戸惑わなかった、と言えば嘘になる。
  けれど、それを飲み込ませるほど、店長の目は真剣だった。
  ――今までこの人は、どんな神姫やマスター達と出会ったのだろう。
  俺はそう思いながら、事務室を辞した。
 
 ◆◇◆
 
  結局、服は買わなかった。俺にはその辺のセンスが絶望的に皆無らしい。
  兎羽子さんにも相談に乗ってもらったが、いまいちピンと来るものがない。
  結局ヂェリカンのチョコラータと神姫の簡易修理キットを購入した。
  修理キットを購入した切欠は、やはりあの作業台の上で眠っていた神姫だろう。――俺には破損したあの神姫にヒルダを重ねて見ていたのだ。
 
 「マスター。私のこと、何かわかりました?」
 「まだまだだな。先は長いよ」
 
  購入したヂェリカンを与えながら俺は応えた。
  それを聞くと、ヒルダは目に見えてしゅんとする。
 
 「そう……ですか」
 「店長は調べてくれるって言ってたし、わかるとしたらこれからさ」
 「はあ……」
 
  気落ちしたままのヒルダに俺はふと問いかけた。
 
 「……なあ、ヒルダ。お前はもう一人のお前について、どう思ってる?」
 「え?」
 
  唐突な質問だったのか、ヒルダはうろたえる。
 
 「どう思ってる、って言うと――?」
 「思っていることならなんでもいい。入れ替わったときに感じたこととか。よかったら教えてくれないか」
 「そう……ですね。私は、彼女と話すことができないので、なんとも言えないんですけど……。替わっているときに何か……焦っているように感じましたわ」
 「……焦ってる?」
 「ええ。私が彼女と入れ替わるのは今のところバトル中にバイザーが取れた時だけです。その時にいつも感じるのは焦っているような、まるで何か義務や固定観念に縛られているような……。そんな雰囲気を感じましたの」
 「義務や固定観念に縛られている……か」
 
  俺はその言葉を反芻し、吟味してみる。
  考え込んだ俺に対して何を思ったか、「申し訳ありません、マスターを混乱させてしまって」とヒルダは謝りはじめた。
  何となく、俺は店長に言われた言葉を思い出していた。
  神姫にとって本当に信頼できるのはマスターのみ。俺はヒルダのマスターであると同時に、もう一人のヒルダのマスターでもあるわけだ。
  ……マスターが自分の神姫を拒絶してどうするってんだ。
 
 「ヒルダ」
 「はひゃいっ!?」
 
  何故か謝っていたヒルダに声をかけると、ヒルダはびくっとして声を裏返す。
  可愛いとは思うが、本来イーダ型にはあまり見られない個性だ。
  内心苦笑しながら俺は告げる。
 
 「帰ったらもう一人のお前と話をさせてくれるか」
 「え――」
 「今まで、俺はお前しか見てなかった。もう一人のお前の原因や対処をどうこうする前に、まず相互理解が必要だと思ったんだ」
 
  俺はヒルダの頭を撫でながら言った。
 
 「俺は、お前たちのマスターだからな」
 
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