浄土真宗一の会 教学テキスト 真宗学3号 問17


問
 真実の自己を告白された親鸞聖人の悲痛な御言葉とその出典を書きな
 さい。
答
 ○悪性さらにやめがたし 心は蛇蝎の如くなり
  修善も雑毒なるゆえに 虚仮の行とぞなづけたる」
                      (悲歎述懐和讃)
 ○小慈小悲もなき身にて 有情利益はおもうまじ
  如来の願船いまさずば 苦海をいかでかわたるべき」
                      (悲歎述懐和讃)
 ○無明煩悩しげくして 塵数のごとく遍満す
  愛憎異順することは 高峯岳山にことならず
                       (正像末和讃)

平成16年6月6日(日)
教学講義 講師:中根繁会長
「小慈小悲もなき身」とは、小慈悲の欠けらもない我が身ということ。

「有情利益はおもうまじ」とは、人を助けようとは思わないということ。

このお言葉は、よほど真剣に人助けをしなければ親鸞聖人の真意が分から
ない。
本当に心の底から人を助けようという心はないのだから、人を助けようと
は思わないというお言葉だが、ここには

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問
親鸞聖人の悲痛な懺悔のお言葉を二つ記せ。
答
・無明煩悩しげくして塵数のごとく遍満す、愛憎違順することは高峯丈山
にことならず。(正像末和讃)
・悲しきかな愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利の大山に迷惑して定聚の
数に入ることを喜ばず、真証の証に近くことを快まず、恥ずべし、傷むべ
し。(教行信証信巻)
解説
・しげく――はげしく。
・遍満――すきまなく満ちている。
・愛憎違順――自分に順う者は愛し、順わないものを憎む。
・定聚の数――正定聚不退転(現益)
・真証の証――弥陀同体覚り(当益)

問
「死ぬまで悪の止まない親鸞だ」と悲歎なされた
聖人の『ご和讃』と、その根拠を示せ。
答
○悪性さらにやめがたし
 こころは蛇蝎のごとくなり
 修善も雑毒なるゆえに
 虚仮の行とぞなづけたる
(悲歎述懐和讃)
解説
・悪性さらにやめがたし――居眠り。
・こころは蛇蝎のごとくなり――見るとぞっとする。

問
親鸞聖人の悲痛な懺悔のお言葉を『教行信証信巻』
と『正像末和讃』で一つずつあげよ。
答
○悲しきかな、愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利
 の大山に迷惑して、定聚の数に入ることを喜ばず、
 真証の証に近くことを快まず。恥ずべし傷むべし。
               (教行信証信巻)
○無明煩悩しげくして 塵数のごとく遍満す
 愛憎違順することは 高峰岳山にことならず
                (正像末和讃)
解説
・現等二益。
・塵数――ちり。
・遍満す――満ちあふれている。
・愛憎違順する――自分をしたう人→かわいい。
 自分に反抗する人→憎たらしい。

問
「無慈悲な我々でも人々を救う活動のできるのは
阿弥陀如来のお力である」と教えられた『ご和讃』
一首と、その根拠を書け。
答
○小慈小悲もなき身にて
 有情利益はおもうまじ
 如来の願船いまさずば
 苦海をいかでかわたるべき
          (悲歎述懐和讃)

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最終更新:2010年10月23日 18:44