そのいち
今日も今日とてエルゴに入り浸り。それは平和な日常。
「しかし、毎度の事ですがよくやりますよね。マスター」
数日前。深夜にも拘らず嫌な顔一つせずにネメシスを診て貰ったのには頭の下がる思い。
それにもう一つ。
「何の事かな、俺は別に何も?」
人当たりの良い笑顔でさらっと流そうとする店長さん。
「そうやってわかってるのにワザと隠し通そうとするの、クサいですよ」
やたらカッコつけたがるのは結構な欠点よね……無駄に損してそうだし。
「それに……可憐な美少女の住所やメールアドレス調べてメール送るなんて、傍から見たら犯罪ですよ。まるでムッツリスケベですね~」
「ちょ!? 何誤解されるような事店の中で言いやがりますか!?!それにアレは親切心からだなぁ!……ぁ」
そのセリフで一気に余裕の表情が崩れ、派手に慌てふためく店長さん。
おまけにポロっと言っちゃうし。御人好しよね、物凄く。だからみんなの信頼を勝ち得てるんだろうけど、ね。
「とにかく、ありがとうございました。私からもお礼を言います」
「……とにかく、嫌なんだよ。目の前で神姫もマスターも不幸になっていくのを見過ごすなんて、俺には出来ないからな」
ふっと影のある笑みを浮かべる店長さん。ぉー、カッコいい……
「……ますたぁ、私じゃダメなんですか……!?」
「浮気は男の甲斐性とは申しますが、未成年に手を出されては此方としましても色々と問題が」
と、いつの間にか店長の後ろに、ゆらりと黒いオーラを纏って現れた2人が。
「あの……ジェニーさん? 雛希ちゃんも何勘違いを……?」
汗ダラダラの店長さん。さながら猫に追い詰められたネズミのようで。
「夏はんにそんな甲斐性があったとは、こら驚きやなぁ♪ 何ならウチがそのコにイロイロ教え込んだってもいいで~?」
「凛奈ぁ! てめぇ何火に油注ぐような発言をしやがりますかっ!?」
「あるんですか……火元」
「ちょ、ジェニーさん何その格好……んな事ねぇわぁ!!!」
……まぁ、これも信頼ナノカナ?
「ちょっ風見さぁん説明してってくれぇぇぇぇ…………っ……」
今日も今日とて、ちょっと慌しくて、でも平和な一日が過ぎてゆく。
「しかし、毎度の事ですがよくやりますよね。マスター」
数日前。深夜にも拘らず嫌な顔一つせずにネメシスを診て貰ったのには頭の下がる思い。
それにもう一つ。
「何の事かな、俺は別に何も?」
人当たりの良い笑顔でさらっと流そうとする店長さん。
「そうやってわかってるのにワザと隠し通そうとするの、クサいですよ」
やたらカッコつけたがるのは結構な欠点よね……無駄に損してそうだし。
「それに……可憐な美少女の住所やメールアドレス調べてメール送るなんて、傍から見たら犯罪ですよ。まるでムッツリスケベですね~」
「ちょ!? 何誤解されるような事店の中で言いやがりますか!?!それにアレは親切心からだなぁ!……ぁ」
そのセリフで一気に余裕の表情が崩れ、派手に慌てふためく店長さん。
おまけにポロっと言っちゃうし。御人好しよね、物凄く。だからみんなの信頼を勝ち得てるんだろうけど、ね。
「とにかく、ありがとうございました。私からもお礼を言います」
「……とにかく、嫌なんだよ。目の前で神姫もマスターも不幸になっていくのを見過ごすなんて、俺には出来ないからな」
ふっと影のある笑みを浮かべる店長さん。ぉー、カッコいい……
「……ますたぁ、私じゃダメなんですか……!?」
「浮気は男の甲斐性とは申しますが、未成年に手を出されては此方としましても色々と問題が」
と、いつの間にか店長の後ろに、ゆらりと黒いオーラを纏って現れた2人が。
「あの……ジェニーさん? 雛希ちゃんも何勘違いを……?」
汗ダラダラの店長さん。さながら猫に追い詰められたネズミのようで。
「夏はんにそんな甲斐性があったとは、こら驚きやなぁ♪ 何ならウチがそのコにイロイロ教え込んだってもいいで~?」
「凛奈ぁ! てめぇ何火に油注ぐような発言をしやがりますかっ!?」
「あるんですか……火元」
「ちょ、ジェニーさん何その格好……んな事ねぇわぁ!!!」
……まぁ、これも信頼ナノカナ?
「ちょっ風見さぁん説明してってくれぇぇぇぇ…………っ……」
今日も今日とて、ちょっと慌しくて、でも平和な一日が過ぎてゆく。
そのに
もう一件お礼……というより確認しておかないといけない事があったわね。
という訳で、その人に電話を。
「……ぁ、もしもし。鈴乃さん?」
『あら美砂さん、ごきげんよう。』
その人は何時ものように、捕らえ所のない口調で電話に出てくる。
「先日送って頂いたメガコンデンサー有難う御座いました。おかげで助かりました」
『それはようございました。で、本日はわざわざそのお礼に?』
明らかに何かを期待してる感じよね……まぁ確かにそのために電話を掛けたのだけれど。
「……と言うか、あんな許容量でエネルギー増幅係数高いヤツ、何処から入手したんですか……。確かに普通に売ってるのじゃ要求スペック足りないから、出来るだけ高性能なのを探して欲しいとお願いしましたけど」
『あら、性能にご不満が。すぐにもっと良いものをお取り寄せいたしますね』
「逆ですってば。第一アレ何処から取り寄せたんですか……違法じゃないですよね、念を押しましたし」
『ええ、違法ではありませんね。まだ研究中ですので、法整備が追いついておりませんの』
………あんまり、聞きたく、ないような。
『当家が研究所に、少々資金面でのお手伝いをしておりまして。携帯用レーザーガンの試作用メガコンデンサーだそうですのよ。今回の一件でよいデータがとれたそうで、皆様とても喜んでおりましたわ』
「……それは確かに違法ではありません…が。と言うか実験台ですか……」
『そのお陰で助かったと仰ったのですから、差し引きプラスマイナスゼロですわね』
「……爆発しましたよ、アレ」
『あらあらまぁまぁ、それは危なかったですわね。直ぐに改良型をお送りさせることに致しましょう』
すっごい楽しそうな声が聞こえてくる気がするのは、気のせい……にしておきたい。
という訳で、その人に電話を。
「……ぁ、もしもし。鈴乃さん?」
『あら美砂さん、ごきげんよう。』
その人は何時ものように、捕らえ所のない口調で電話に出てくる。
「先日送って頂いたメガコンデンサー有難う御座いました。おかげで助かりました」
『それはようございました。で、本日はわざわざそのお礼に?』
明らかに何かを期待してる感じよね……まぁ確かにそのために電話を掛けたのだけれど。
「……と言うか、あんな許容量でエネルギー増幅係数高いヤツ、何処から入手したんですか……。確かに普通に売ってるのじゃ要求スペック足りないから、出来るだけ高性能なのを探して欲しいとお願いしましたけど」
『あら、性能にご不満が。すぐにもっと良いものをお取り寄せいたしますね』
「逆ですってば。第一アレ何処から取り寄せたんですか……違法じゃないですよね、念を押しましたし」
『ええ、違法ではありませんね。まだ研究中ですので、法整備が追いついておりませんの』
………あんまり、聞きたく、ないような。
『当家が研究所に、少々資金面でのお手伝いをしておりまして。携帯用レーザーガンの試作用メガコンデンサーだそうですのよ。今回の一件でよいデータがとれたそうで、皆様とても喜んでおりましたわ』
「……それは確かに違法ではありません…が。と言うか実験台ですか……」
『そのお陰で助かったと仰ったのですから、差し引きプラスマイナスゼロですわね』
「……爆発しましたよ、アレ」
『あらあらまぁまぁ、それは危なかったですわね。直ぐに改良型をお送りさせることに致しましょう』
すっごい楽しそうな声が聞こえてくる気がするのは、気のせい……にしておきたい。