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戦うことを忘れた武装神姫 その43




 ・・・朝。
 目覚ましの音に、久遠はけだるそうに体を起こした。
 珍しく、神姫たちの助けを借りずともおきられたな・・・そんなことを考えながら立ち上がり、机上のクレイドルで寝ているエルガを突付いて起こす。
 「おはよう、エルガ。」
ゆっくりと起き上がったエルガは、ごしごしと大きな瞳をこすりながら久遠を見上げると。

  「・・・ごしじんさまのことは、にゃんとおよびすればいいでしょうか?」

 着替えようとシャツを脱ぎかけていた久遠の動きが止まった。
 「ちょ・・・え・・・エルガ・・・?」

  「ごしじんさまのことは、にゃんとおよびすればいいのでしょうか」

 セットアップの時の、まさに機械的な音声で応える・・・いや、反応するエルガに、久遠の顔色が変わった。
 強制リセットがかかったのか、はたまた何かのエラーが起きたのか・・・戸惑う久遠だったが、ふと思い出したかのようにイオの姿を捜し求めた。
 「あいつなら・・・神姫の技術的なことに関してはあいつが一番知っているから・・・何か、何か知っているはずだ!」
 ワタワタとうろたえながら部屋を見回せば、イオは本棚に置かれたスコッチ辞典の脇に置かれたクレイドルで寝息を立てていた。半ば叩き起こすかのようにイオを起こす久遠。
 眼を開いて顔を上げたイオに、久遠は少し上ずった声で話しかけた。
 「イオ、起きて早々ですまないが・・エルガの様子がおかしいんだ、ちょっと診てくれないか?」
 すると、イオは・・・。

  「マスターの事は、なんとお呼びすればよいのでしょうか。」

 再び、久遠の動きが止まった。
 「イオ、い、いま何と・・・」
 だがその声に対しても、

  「マスターの事は、なんとお呼びすればよいのでしょうか。」

と、イオはエルガと同様に機械的な反応を繰り返した。

 (まさか・・・。いや、しかし・・・)
 全身の血の気が引くような感覚に襲われた久遠は、最後の望みであるシンメイを呼んだ。イオほどの知識はないけれど、神姫の損傷診断能力スキルは十二分に持つシンメイなら・・・っ!
 「シンメイ、シンメイ! 起きているんだろ?」
今日は目覚まし当番のシンメイ、早めに起きて食卓辺りにいるはず・・・。だがしかし返事はない。どこにいるものかと探せば、食卓に置かれた大型の共有クレイドルの上でスリープスタイルに。

 久遠の背中に、悪寒が走った。

 恐る恐る声をかける久遠。
 「シンメイさーん・・・。」
 すると、シンメイは静かに顔を上げ、瞳を開けると。


  「マスターの事は、なんとお呼びすればよいのでしょうか。」


    *    *    *

 ・・・朝飯を食べることも忘れ、部屋のカーテンを開けることも忘れ。久遠は3人を食卓の共有クレイドルに乗せて再びスリープモードとして、傍らに置いたネットブックで必死に調査をしていた。だが有力な答えは得る事が出来ず。ぐしゃぐしゃと頭をかき、檻の中の熊のように家の中をグルグル歩いたかと思えば、再び座って検索・・・。 そうこうしているうちに迫る出社時間、久遠は大きなため息をつき、神姫たちと、神姫たちが寝ていたクレイドルをバッグに詰めた。

 春らしくない寒空の下、神姫たちを詰めたバックを下げた久遠は、出社前に東杜田技研へ立ち寄ると守衛に頼みCTaを呼び出した。
 しばしの後やってきたいかにも徹夜明けといった姿のCTaは、面倒くさそうにしながらも久遠の語った今朝の出来事をしっかりと聞くと、「調べるだけ調べてみる」と言いながら、神姫たちとクレイドルを久遠から預かった。

 仕事にろくに手が付かず、どことなく上の空のまま時間を過ごし、退社時間になるや否や飛び込みの仕事もガンと拒否し、大急ぎで東杜田技研へ。 すると、図ったかのように入り口で待っていたCTa。 どうだったか、とバイクから飛び降りながら聞いてくる久遠に、CTaは軽く肩をゆすりながら笑みを浮かべて。
「基本的に異常は無しだなー。 ・・・ま、今日1日くらいは神姫たちを寝かせてやれ。明日には直るだろうよ。」
と言いながら久遠に、神姫たちとクレイドルが入ったカバンを手渡した。 そしてまた忙しそうに、工場内へと消えていった。

 帰宅した久遠は、机の上にそれぞれのクレイドルを並べ、神姫たちを再びスリープ状態として並べた。
 静かに眠る3人を前に、久遠は再びネットブックで、思いつく限りの調査を開始。神姫本体から、クレイドルの不調、果てはくれイドルにつながるケーブルへのノイズ干渉・・・。しかし有力な結果を得られぬまま、やがて久遠はいつの間にか眠ってしまっていた。



 翌朝。
 「にゃーさん、はやくおきるの! おきないと遅刻するの!!」
 久遠の耳に響く聞きなれた声、そして耳たぶを引っ張る何か。
 「にゃーん!! 起きないと、魚肉そせじ全部食べちゃうよ?」
 ・・・間違いない、この声の調子は・・・
 「・・・エルガ!」
 「うぉ・・・にゃーさんなにをするやめろくるしい・・・むぎぅ・・・」
久遠はエルガを手にしてほお擦りをしていた。 すると、今度は久遠の肘を何かが突付いた。
 「あの、マスター。お楽しみのところ申し訳ありませんが、今日は早番だったかと・・・。」
そこには、タッチペンを手にながらPDAの週間予定表を指し示すイオの姿。
 「良かった・・・元に戻ったのか・・・っ!!!」
イオの頭を撫でようと、久遠がエルガを開放し手を伸ばすと、
 「もう・・・はやくしてください!今週は皆で朝ごはんを食べようって決めたじゃないですか。」
と、今度はシンメイが、エプロン姿でやってきた。 シンメイの姿を確認した久遠は、眼に涙を浮かべ、何も言わずに大きく頷き、神姫たち3人と共に食卓へと向かった。

 ・・・しかし、昨日のアレはいったいなんだったんだろう・・・?
 CTaは何か知っている感じだったが・・・まぁいい、そのうち時間がある時にゆっくり教えてもらうとしよう。いまはただ、皆がいることを喜びたい・・・!
 そう考えながら、朝食のためのフレンチトーストを手際よく作る久遠なのであった。


    *    *    *

 「・・・ということが、3年前にあったのさ。」
 H市のバー。久遠は、リゼと共に酒を楽しんでいた。 3年前の4月1日に、久遠に降りかかったエイプリルフールのネタ。今でこそ笑える話だけれどね、と〆た久遠の話を、リゼは興味深く聞いていた。
「それにしても。ずいぶんと手の込んだエイプリルフールネタを振ってきたんだねぇ・・・。」
と、小さなグラスに注がれたモルトを傾けるリゼ。
「まったくだよ。 『あの焦り具合がとってもキュートでした』なんて、しばらくの間シンメイにまで言われてたんだぜ。 しかも、その入れ知恵したのがCTaだっていうんだから、もうね・・・。」
「まー、確かに全員がリセットなんてなったら、ヌシさん悶絶して爆発するでしょ」
「そうだなぁ。爆発はしないまでも、どうかなるかもしれないな。」
久遠もまた手元のグラスを傾け、さらに数日後に、CTaの神姫である沙羅とヴェルナからネタばらしをされた時のことを教えた。

 結局、エイプリルフールに絡めたネタ、演技だったわけだが、数日前から入念に準備を進め、CTaのところに駆け込むという流れまでも計算し、エルガは喋り方の練習までしたとか・・・。
 それらの経緯を手元のグラスを空にしながら久遠が教えると、リゼは楽しそうにクスクスと笑った。
「ヌシさんは変に正直なところがあるからさ。向こうとしても『うわぁ!入れ食い!つられてやんの!』って感じだったんじゃないかな、クックック・・・」
「おいおい、リゼ。それはどういう評価なんだよ。」
苦笑いを浮かべた久遠に、ウインクで返したリゼ。
「で。今年のエイプリルフールは逆襲してやろうってわけだね」
久遠の意を汲んだリゼは、瞳に、隠しきれないワクワクした輝きを見せながら、にやりと笑みを浮かべた。
「そういうこと。 リゼはこういうイベント、好きだろ?」
久遠がメモ帳とボールペンを取り出しつつリゼに振ると、
「ふっふっふ・・・聞くまでもないだろう・・・ この作戦、リゼ様に任せなさい!」
自信満々な顔つきでびしっ!と人差し指を立てた。

 「さぁて、逆襲として効果的で、しかし1日で毒が抜けて・・・あとで小噺のネタに出来るような、そんなエイプリルフールに出来るよう、しっかり仕込みをしようかね。」



 今日は3月31日。バーの片隅、静かな時の中で。
 酒を片手にした二人の作戦会議は、まだ始まったばかり-。


 ニンゲンのココロに寄り添い、「嘘」をビタミンとしたいと想う神姫がいる。
 そう、ここにいるのは、戦うことを忘れた武装神姫-。

















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