武装神姫SSまとめ@wiki内検索 / 「それは海の向こうから来た者」で検索した結果
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凪さん家の弁慶ちゃん
...は? 第四話 それは海の向こうから来た者? え、海外から誰か来るんですか?どんな人が来るんだろう…。 第五話 それは神姫部の戦い? ついに揃った神姫部の面々。でもなんでこんな事に… 第六話 それは夏の楽しみ? 八月です。夏合宿らしいんだけど… 第X話 [[]] 合間(弁慶の日課) そういえば弁慶っていつも僕の授業中何してるんだろう? 第特別話「それは盛大な」「祭」 鳳凰杯だって!緊張するねっ弁慶! 激突!女の子?(凪版) それは黒歴史という足跡 <登場キャラ紹介【弁慶編】> #1求む!君の力! 関連作品 ねここの飼い方 #2TR-2 #3その壱 -
「それは」「常」
凪さん家シリーズ 真・凪さん家の十兵衛さん 凪さん家の弁慶ちゃん 第零話「それは」「常」 「ぃさ~ん」 う、む…なんだこの甘酸っぱい感覚は…。 「にぃさ~ん!」 む、なんだこれはなんていうゲームだ。 「にぃさ~ん!起きてよぉ~!」 おいおい、最近のゲームでもこんな展開は見かけないぞ?王道か、王道という物か?しかしだなぁ、今はそれだけじゃ勝ち残れないぞ?最近は甘酸っぱ辛いのでないとだなぁ~。 「遅刻するよ~!」 仕方ない、ここはお決まりの台詞でも言っておこうか。 「うむ、あとゴフンッ!!」 言っておこう、まず始めに言っておこう。俺は確かに「後五分」と言うつもりだった。 そう、言うつもりだったんだ。だがなぁ、実際に出た単語は腹に衝撃をくらったせいで思わず出た「ゴフンッ!」というなんとも情けない単語だ。 ... -
変わったり変わらなかったりするモノ
年なんて明けてみれば大して代わり映えのしないモンではある。 とりあえず年末年始は忙しかったが、連休も終わって冬休みも終わる時期ともなれば、 ほぼ日常通りの時間が帰ってくると思って間違いない。 うん、仕事はね? 「マスター、起きてください。マスター」 揺り動かす手の重みが心地よい。いや、冬は寒いしさぁ。後5分だけ… 「起きないなら、それ相応の手段を取りますよ?」 呆れ半分の声。 …起きよう、命は惜しい。 「はよ、ジェニーさん」「はい、おはよう御座います」 俺の目の前には二つの胸。じゃなかった、黒のセーターから立派なふくらみを誇張… ええい、先に進まん。 ざっくり言えば人間サイズのジェニーさんがこちらを見下ろしていた。 あの事件から数日。 不眠不休で新型ボディはこさえたものの、家事に便利と言う庶民派な理由で例のボディ は追加装備として再... -
日記その十六
私立龍ノ宮大学理事長室 そこが今現在俺、及びノア、ミコ、ユーナ(三人ともインターフェイスなんで正確には美子と優奈)の現在位置なんだが… 「はっ!ひっさしぶりだな明人!元気そうでなによりだ」 「いや、吟璽朗のじっちゃんよりは元気じゃねぇから…」 「ははっ、ちげぇねぇ!俺も兼房も若けぇのよりはなんぼも元気だからな。褒め言葉として受け取っとくぜ?」 そういって銀色の派手な扇子を片手にカラカラと大笑いする爺様との対談中であるのだ この爺様について少し説明しておこう 名は龍ノ宮 吟璽朗(たつのみや ぎんじろう) 年は75 職業は…まぁお解りだろうがここ、私立龍ノ宮大学の最高責任者、理事長 うちのジジイ、鳳条院 兼房とは若い頃からの付き合い…つまりはダチなのだそうだ そしてここ、私立龍ノ宮大学こそが今回の騒動の元になった葉月とアルが通っている大学なのだ… ... -
それは剣を持つ者
凪さん家の弁慶ちゃん 第二話 それは剣を持つ者 2-1 時間は放課後、場所はホビーショップエルゴのバトルスペース。 『試合終了、勝者弁慶、義経組』 その戦いを見ていた男女がいた。その格好は千空や未来と同じ、私立黒葉学園の制服だった。 「いくわ」 眉を吊り上げ、しかし笑顔で女は言った。 「本気か?」 やっぱりか、とでも言うように男が言う。 「冗談とでも言いたいの?」 「いや、別に」 「じゃあ何よ」 「ただ、セカンドクラスの俺達がサードの試合に乱入して良いのかね?ってことだ」 「乱入しちゃいけない理由が無いわ」 「そりゃそうだが…まるでどこぞの鶴畑じゃねえか」 「あら、アレは単なる弱いものいじめでしょ?これは違うわ」 「じゃあ何だ」 「試験よ」 「試験?」 「そ、我が黒葉学園神姫部に相応しい人材か試すためのね」 「ふぅ…そうかい」 「なんか不満な... -
第7話 『それは初めての・・・』
「(……姦しいな)」 三者三様の感想を言いながら楽しそうに買い物をする女性陣を眺めながら、周防はふとそんな事を思う。 普段から女っ気の無い生活を送ってきた男としては、妥当な感想かもしれなかった。 尚、現在彼女達が眺めているのは神姫用アクセサリーのコーナー。 最初は周防も付き合いで入ったものの全く解らない世界なのに加えて、爪先程のサイズとは思えない値段に驚愕してしまい、現在は適当に理由をつけてその場から離脱し、コーナー前のベンチをどっかりと占拠。煙草を吹かしながら、時々笑顔を送ってくる彼女達に愛想笑いを返すのが主な仕事になっていた。 「兄さま~、こっちに来て下さいよー。一緒に選んでくださいってば」 「いやいいよ。今の俺は財布係だから、好きなのを選んでくれて構わないよ」 スミレが良く通る声で周防を呼ぶも、当の本人は素っ気無い。 「むー、それじゃあ飛びっきり高いやつを選... -
CHF番外編その四『ヘルメットに気をつけろ』
「♪~」 赤いビルの屋上、その特等席に陣取った“彼女”は鼻歌を歌いながらバイポッドを展開し、その場に伏せる。 その場所からは無数の神姫が見えたが、“彼女”は見向きもせずに“ある人物”を探す。 と、その人物は思いのほか早く見つかった。“彼女”のスコープのはるか向こう側、ソーラーパネルがあり高くもなく低くもない。そんなビルの屋上にその人物はいた。 「・・・あれが、私のお姉さん」 その空色の瞳で見据える。 自分とよく似ていると“彼女”は思ったがすぐに考え直す。 「私が、お姉さんに似てるんだよね」 そういいながら“彼女”は待っていた。 その人物以外の全ての神姫が・・・・いなくなるのを。 CHF番外編 その四 『ヘルメットに気をつけろ』 スコープの中の十字をあわせ、彼女はトリガーを引いた。 音速を超えて鋼鉄の... -
砂漠
サラ 砂漠。 このあたり一面の砂と、どこまでも広がる広大な風景がわたしは好きだった。 今、わたしは砂漠の中にある丘の上にいる。 ストライクイーグルに寄りかかり、黙々とスナイパーライフルを弄っていた。 『さすがと言うかなんと言うか。あんたが持ってると決まるわね』 ボルトを操作し初弾をチャンバーに叩き込む。ボルトを少し引き装填を確認してからセーフティをかけ、ストックを下にして壁に立てかけた。 「まぁ見ての通りミリタリー風ですから」 『話し変わるけどさ。敵さんストラーフだって。確かあの男の人の・・・黒い方だったかな? お姉ちゃんのノワールみたいにカスタム機って訳じゃないみたいだけど』 「・・・・ですか。しかしマイはともかく、ノワールって元ファーストランカーでしたよね? それを打ち破るとは・・・」 『本調子じゃなかったんでしょ。まだ慣れてないっていってたし』 ... -
幻・其の五
「……いいんですか、そんな勝手な事をして」 研究所内の二人の男女。傍目、年齢の離れた兄妹にも見えるこの二人(実際には、女の方が年上なのだが)は、いつの間にか研究所名物になっていた。 「いいんじゃないか? 本人も、どうも祖父母とは折り合いが悪いって言ってたし」 そりゃあ、愛娘を嫁がせた相手が正当防衛とはいえ人を殺したのだ。嫁姑もとい、この場合婿舅の折り合いが悪くなるのは当然だし、その余波を孫が喰ってもおかしくはない、とかすみは思う。 ……思うのだが。 「だからといって、いきなり泊めに行かせますか?」 この幼馴染、修也は絶対、面白がっている。内心こっそり、かすみは溜息をついた。 「……そうなんだ」 慎一から、梓は事情を聞いた。 彼の過去についてはこの間聞いたのだが、さらにそういう事情まであるとは思っていなかった。 「うん。で、来ちゃったんだけど... -
それは龍を従えし者
凪さん家の弁慶ちゃん それは龍を従えし者 3-1 「じゃ~ん!ここが我が神姫部の部室よ!」 「ま、勝手に使ってるだけなんだがな」 「細かい事言わないの!使ってないんだから有効活用してあげるのよ!」 僕…こと凪千空とクラスメイトの幼馴染、早坂未来は高等部校舎から程よく離れた部室連に来ていた。三階の一番端…手書きで「神姫部」と書かれた名札が取り付けられているドアを開くと、そこには 「結構良い部屋だと思わない?冷蔵庫あるしポットも電気コンロもあるし、ネットも繋がってるし!」 教室の半分ほどのスペースのど真ん中に長机が二つ繋がっておいてあり、周りには本棚やロッカー、椅子と美琴先輩が言っていた様に冷蔵庫なども置いてあった。 「いつもここで?」 「う~ん…最近はあんまり来て無いかも」 「掃除して…あとはなぁ?」 「うん。すぐにエルゴとか京都さんのとこ行っちゃうしね」 「は... -
彩・間幕 その1
・・・。 仙台港で、名残惜しそうに。それでも笑顔で手を振ってタラップ・エスカレーターを降りていくヤヨイとマーチ。 それを手を振リ返して見送ると、レオは目を細めた。 「うん? 楽しかった」 「はい」 降りたのはヤヨイ含めて数人。反して東北地方最大級の港町で乗り込んでくる人数は、この時勢でもそれなりに多いはずだ。船内も少々は賑やかになるだろう。 「良い、友達が出来たかな」 「・・・」 答えが無い事に、レオはノーヴスが顔を出しているポケスタを見やる。 「何か。あったのかい?」 「いえ・・・。そう、です」 ノーヴスは眠そうな瞳を閉じ、思い出すように言った。 「気になっている事が、あります・・・彼女は・・・」 どこか嬉しそうに。 「純粋に。武装神姫・・・では、ないのかも知れません」 「不思議なことを言うね。だけど、マーチはジュビジーだと思ったけど」 ... -
それは始まり
凪さん家の弁慶ちゃん 第一話 それは始まり 「はっはぁ!どうしたどうした!逃げろ逃げろ!」 「…」 大地を蹴りつける鋼鉄の獣。名を弁慶と言う…その姿は非常にシンプルであり、両手にハンドガン「カロッテP12」背中にアーミーブレードを二本。ついでに左足にもう一本装備していた。それだけである。完全に近距離特化の構成。しかし対峙している敵は空にいた。 ハンドガンの弾丸は届かず、もちろん自身が跳んでも届かない。一方的に撃たれまくっていた。 「弁慶、大丈夫ですか?」 通信が入る。味方の「義経」だ。今回のバトルはタッグマッチ…相手は白き翼の天使型が二体。こちらは高機動型の悪魔型「義経」そして犬型の「弁慶」勝負は相手方が有利なまま進んでいく…。 「あたれあたれぇ!」 さっきからひっきりなしにありったけの砲弾の雨を降らす天使型。 「…なんだあいつ」 弁慶は思わず愚痴ってた。... -
巨獣不倒
…ですから、ライドシステムの特徴は神姫と心を通わすことによって実現する究極の一体感にあります。神姫との関係はどちらかが与えるというものではなくお互いに与えあうものであるべきです。その実現例であるライドオンシステムの初お披露目の舞台に立ち会えたことに無上の喜びを感じます。神姫と人との関係は今まさに完成されたといえるでしょう。では、ここに、神姫と人との融和の象徴である第一回神姫Fバトルの開催を宣言します。人と神姫の輝かしい未来への一歩を、皆様盛大な拍手でお迎えください。 -某MMS管理機構役員によるFバトルの開会宣言。この2週間後、再三の注意にもかかわらずライドシステムの搭載を拒んだ神姫がイリーガル指定を受ける初の事例が起こった。 連続神姫ラジオ 浸食機械 3:巨獣不倒 エントランスに少ないながらも人が残っていた。ほとんどの人はうなだれて無気力だったり不安そうな表情を... -
第九話『天井突破グレンマイン』
今回の対戦は、リハビリの意味もかねて指示を出さない。 犬型のハウと悪魔型のノワールのオーナー。七瀬都はそう決めていた。 彼女の神姫たちは一ヶ月前、とある事情により負傷をしていた。そしてようやっと治り、さて帰ろうと言う矢先に春奈を見つけ、今に至るわけなのだが・・・・。 そもそも元からあれこれと指示を出す戦闘スタイルではないのだが、今回に限り彼女は心にそう決めていた。 ・・・・決めていたのだが。 『なんと言うかだね。ノワール、早くトドメ刺しちゃったほうがいいんじゃないかね』 クラブハンド・フォートブラッグ 第九話 『天井突破グレンマイン』 「・・・・ノワールも、そう思う」 都の神姫、悪魔型のノワールの目の前には、壁にめり込んだマオチャオがいた。 開戦早々、自分は一発の弾丸なのだ! と叫ぶと槍を持ってぶっ... -
第十六話『それぞれの思い』
会場内は静まり返っていた。 ファーストランカーであるジャンヌとルシフェル。その二人が揃って無名の二人に倒された・・・・その事実も充分にその原因であるとも言える。しかしそれは決定的な原因ではない。 つい先程のビルの屋上からのダイブ。そして側面を走りつつ抜刀し両断。そんな神業を披露されてはもはや黙るしかない。 「・・・・クッ」 都は微かに笑う。 本当なら大声を上げて笑いたいところだが今はそんな空気ではない。 凄い。やっぱり彩女は凄い。もう一度戦って・・・今度は勝ちたい。都はそう考えていた。 「・・・・・・・・・・すご・・・」 都の隣にいた春奈が呟く。 それが静まり返った空気に波紋を起こし、すぐに割れんばかりの歓声がセンターに鳴り響く。 都はそんな様子を心底楽しそうに見ながら、煙草に火をつけた。 ホワイトファング・ハウリングソウル 第十六話 『そ... -
第五話『Desert eagle』
「ん・・・・はい、八谷です」 『あぁ八谷? 突然だけど明日の放課後あいてる?』 「うん、暇だけど・・・なに? どこか行くの?」 『ちょっと付き合って欲しい場所があるの二人で行きましょ』 「え、二人、で・・・?」 『そ、二人で。こんなこと八谷にしか頼めないし・・・お互いによく知ってたほうがいいでしょ』 「え、あ、え、と、確かに、そうだけど、その、いきなりは」 『何言ってんのよ。それじゃ、明日は神姫センターね。ちゃんとマイにゃんもつれてくるのよ。じゃね』 「・・・・・え、神姫センター? って七瀬? もしもーし?」 「・・・頑張るんだなん、青少年」 クラブハンド・フォートブラッグ 第五話 * 『Desert eagle』 「・・・・なるほど、こう言う事ね」 そして翌日の放課後、僕と七瀬は神姫センターの筐体に向かい合わせで座っていた... -
日常
夢を見る。いや、記憶メモリーに焼き付いて消せない昔の出来事を見る。と言った方がいいだろう。 天使型、悪魔型、犬型、猫型、兎型、騎士型、武士型、サンタ型、種型、花型、砲台型、セイレーン型、マーメイド型、イルカ型。 それらが金属でできた高い塀のフィールドにそれぞれ一体づつ。いや、セイレーン型だけは二体いた。 「ここどこかわかりますか?」 天使型が訪ねてくるが、セイレーン型二人も知っているわけがない。 「姉さん、わかりますか?」 「……いや、わからん」 紅い髪のセイレーン型が金髪のセイレーン型の事を姉さんと言ったと言う事は二人は姉妹なのだろう。 「姉さん、私はあっちで皆さんとしゃべってきます」 「……ああ、私はここで待っている」 そう言うと姉の方は上を見上げて言った。言葉どうり何かを待っているようだった。 「君等はこの場所をどう思う?」 騎士型が私を含め武士... -
類は神姫を呼ぶ part15
「ホントにやるのー。戦えるようになったんだろうねー?」 「はい! 大丈夫です」 暇を見つけてもらって、今日はゲームセンターに霧静さんとアリエに来てもらった。 イスカと戦う前にアリエと戦っておく。 あの熱を持った赤い大剣状態をちゃんと克服できているかどうかのチェックをしておかないと安心はできないからだ。 「ごめんね、この前来れなくて。シオンちゃんの勝ったバトルを見てみたかったのだけど、どうしても用事が外せなくて」 「ううん、そんなことないって。そう思ってくれてるだけで嬉しいよ」 霧静さんが申し訳なさそうにしている。 真剣にシオンを思ってくれている。 そんな優しさがありがたい。 「バトルの前に霧静さんとアリエにお願いがあるんだ」 普通にバトルするだけじゃなくて、これを言っておかないといけない。 「うん、なにかな?」 「... -
ドキドキハウリン その16
「ココ。真直堂はどうだった?」 次の目的地にむけて歩きながら、静香は私にそう聞いてきた。 「びっくりしましたけど……面白かったです」 静香がデザインした服を、まさか私と同じ神姫が量産しているとは思わなかった。最初はびっくりしたものの、ひと通りの紹介が終わった後は、おやつの時間に呼ばれたり、仕事の様子を見せてもらったり、楽しい時間を過ごすことが出来た。 機会があれば、また行ってみたい、とも思う。 「そう。なら良かったわ」 私の話を聞いて、静香はにこにこと笑っている。 それからパーツショップらしき店を二軒ほど巡って、最後に辿り着いたのは神姫センターだった。 七階建ての大きなビルは、中が全て神姫関連の施設になっているらしい。同じセンターでもよく行く駅前のセンターとは規模が違う。 「神姫バトルミュージアム・秋葉原店?」 どうやら同じ秋葉原のセンターでも、公式の秋葉... -
ライドオン204X:4-2
―side・kino (これは…いける!) 城野原大地はおぼろげながらも勝機を掴んだことを確信した 先程のジルリバーズ型との戦いを見ていて感じたレベルの差 今の自分ではおそらく勝てない、場数が違う それがバトルスタート前に彼の導き出した結論だった だが、今の相手の反応にその結論は揺らぎ、消える (もしかしなくてもブラスターが苦手と見た!) 人それぞれ何かしら苦手な武器、苦手な戦法、苦手な相手がいるだろう ビットが苦手、接近戦が不得意、フブキ型の相手は嫌、etc.… ブラスターを放った途端に一目散に逃げに走った相手を見れば、苦手なものなど一目瞭然 かく言う自分もどこから襲ってくるか分からないこの武器は相手にしたくない武器ナンバー1だった だが容赦なく目の前を飛んで逃げるフィーアに狙いを定める バイクの操縦を一旦エルメスに預け、両手で構えたラン... -
3.僕と彼女とコーヒーと
3.僕と彼女とコーヒーと 無機質な電子音が、僕を眠りの淵から引き上げようとしている。 毎日毎日繰り返される、同じ状況……慣れたものだ。 さしたる抵抗もなく僕は眠りから這い出し、せめてもの反撃とばかりに、目覚まし時計に一発くれてやる。 ぺし。 普段ならこれで大人しくなるはずの目覚まし時計が、今日は一向に鳴り止まない。 ぺし、ぺし。 続けて二度、三度と叩いても、やはり変化なし。 おかしい、どこか壊れてしまったのだろうか。 別に高い買い物でもないが、まだ買い換えてから三ヶ月ほどしか経っていないし、壊れるほど強く叩いているわけでもない。 そもそも壊れるなら音も止まってほしいものだ、スイッチだけ壊れて音が鳴り続けるなど迷惑にもほどがある。 まあ壊れてしまったものは仕方がない、店に持っていって修理してもらおう。 保証書はどこへしまったっけ? そんなとりと... -
妄想神姫:第五十三章(後編)
樹海の如く、業の深き竜(後編) 漆黒の球体とも言うべき独特のプラズマ弾は、ゴーレム・シルエットごと クララを呑み込み、フィールド唯一の陸地である孤島へと叩き付けたッ! 凄まじい爆風が巻き起こり、島が消し飛んでいく。だが、希望はあった。 ジャッジシステムは、クララの大ダメージでも敗北を宣言していないッ! 「はは、ははははっ!これなら、生きてたってボロボロだろっ!?」 「……そうでもないんだよ、まともに直撃していればダメだったけど」 「なっ!?……平然と生きてる、だと!?」 「そうかな、結構堪えたんだよ?」 『クル……♪』 黒煙の向こうにいたのは、大型の杖を構えて佇む生身のクララだった。 そう、彼女が使わなかった初期武装の大杖“センチュリオン”と、盾の “ティンクルスター”。これらは“魔術”を旨とするクララに合わせ、 “Valkyrja”同様の簡易魔... -
「それは盛大な」「祭」
真・凪さん家の十兵衛さん 凪さん家の弁慶ちゃん 「それは盛大な」「祭] 「鳳凰杯…」 何時の間にか貼られていた「ソレ」に僕達は釘付けになっていた。 「ええ、貼らせてくれって」 エプロンのポケットに手を突っ込んでカウンターに寄りかかりながら京都さんは言った。 「出店…しようかな…」 「へ?」 出店?貼られていた「ソレ」ことポスターを見る。へぇ、お店出せるんだ。 「どれどれ~?」 と美琴先輩は鞄からPCを取り出し、一気に鳳凰杯のHPにたどり着く。 え~っと…はぁ、結構色々なお店が出るんだ。 「…エルゴもあるな…」 「これ、ちっちゃい物研ですよね?」 皆でモニターを覗き込む。弁慶達も興味津々。 「ALChemistさんも出るのね…」 いつの間にか京都さんも覗いていた。 「で、京都さんはどうするの??」 「う~ん…出ようかしら」 「本当!?じゃあ私達だ... -
猫と仔猫とぷち猫と……。/パート3と1/33
猫と仔猫とぷち猫と……。 パート3と1/33 見下ろせば、母なる大地は遥かに眼下。 (……私はカモメ) などと現実逃避しつつも、竜巻に巻き上げられ、遥か上空まで吹き飛ばされた事実は揺らがない。 「……はろー、すかぁい。って昔のヒーコーキ乗りは言ったもんだ」 『誰ッスか?』 「ジャック・バートレット大尉だな」 『思いっきり架空の人物ッス!! オマケに乗機がF4とF14なんで思いっきり現代人ッス!!』 「馬鹿野郎!!」 『ひうっ!?』 唐突に怒鳴られ、怯む仔猫。 「今は2036年。……30年以上前の奴なら昔でOK!!」 『そ、そんなもんッスか?』 「そんなもんさ、なぁ奈緒よう?」 「知らないわよ……」 取りあえず手足を広げてエアブレーキ代わりに、不規則にロール(回転)していた身体を立て直す。 絶妙のタイミングでスラスターを合わせてくれたのは、制御... -
CL:第十九話 逃亡
前へ? 先頭ページへ 次へ ? 第十九話 逃亡 体温イコール外気温。 視界ゼロ。 落下中。 叫んでも、自分の声が聞こえない。無音。あるいは空気がないのだろうか。 違う。再現されていないだけだ。 ここはまだ仮想空間の中であり、エイダはほどんどの擬似感覚からデータ的に切り離されていた。かろうじて自分の擬似的な躯体と、落下しているという感覚はあるが、視覚、嗅覚、聴覚、味覚、外部との触覚は全てシャットされていた。 完全に仮想的な空間にはいないのだ、とエイダは気がついた。かといって、物理現実の素体に転送されきってもいない。 ダウンロードのプロセスが中断されて、自分の意識と呼べるものが――AIに意識があるのかどうかはさておいて――どこかの空き領域にプールされているのだ。あらゆるデータやプログラムから隔離された状態を便宜的に、頭脳は「落下している」をあてがっている... -
これからの話
新しい未来 その後、私達は到着した消防隊に保護された。華凛は軽度の火傷。私は火傷に両足の骨折がついた。まぁ、あんな無茶をしたのだからしょうがない。私は入院、華凛は治療だけで済んだそうだ。 華凛は病院で目を覚まし、私が骨折したことと、私の髪が短くなっていることに一番目を丸くしていた。そこ以外に色々と言う所があったようだが、それはお見舞いの時に言うそうだ。せめて周りの人に迷惑にならないようにしてもらおう。 お母さんはすごく私を心配してくれた。怒られるかと思ったが、それ以上に安心され、そして誉められ、結局怒られた。無事でよかった。友達を助けるのはえらいけど、自分の体を大切にしてね、と簡単にまとめるとこうなる。 華凛の家が燃えた理由は、放火だった。悪質な放火犯は同じような事件を度々起こし、つい先日捕まったらしい。単独犯らしく、これ以上被害が広がることはないようだ。燃えてしまった... -
第十二話『ブレイド』
廃工場の一室に彼女はいた。昔、この場所で開催されていた違法バトルの監視室である。摘発があった際もその映像を映していたのだろう。 その長い腕で己の体を抱くように、彼女は一人で座っていた。 彼女の名は『狗怨』。 心も無く、感情も無く、記憶も無い、ただの人形。 彼女に課せられた命令は唯一つ、『あの悪魔型と犬型を破壊しろ』という唯一つの言葉であった。 彼女の主である老人は既に、彼女の攻撃の流れ弾で死亡していたが彼女はそんなことを理解できない。また、理解しようともしなかった。 まだ心も感情も記憶もあったころの彼女ならば、或いは自分が自由になったと喜ぶのだろうか。それとも人をあやめてしまった罪を嘆くのだろうか。それは誰にもわからない。彼女自身にもわからないのだから。 「――――――――――――」 何かが近づいてくる物音が聞こえ、彼女は俯いていた顔を上げた。そ... -
引きこもりと神姫:5-2
7月25日(月) その翌日、つまり月曜日。私はまたもや炎天下の元に歩いていた。 今日は神姫センターに行って、マスター登録をするそうだ。そうすることで公式大会にも出られるらしい。出る気はないんだけど。 「いいじゃん、無料だし色々特典ついてくるし」 「でも暑い」 「仕方ないでしょ。仁さんはお店あるんだし」 定休日とか言ってなかったっけ? 「樹羽はちょっと外に出て散歩した方がいいんじゃない?」 肩掛け鞄の中から、シリアがひょっこり顔を出す。 「シリアまで華凛の味方だ」 「私は樹羽のためを思って言ってるんだよ」 それくらいわかっている。が、やっばり不思議だな、神姫って。 その時、華凛がこちらを見て笑っていることに気が付いた。 「不思議でしょ、神姫って」 「……うん」 「??」 シリアは何のことかわか... -
第十二幕
第十二幕、上幕。 ・・・。 長い沈黙。 耳が痛くなるような沈黙だけが続く。 瞳から光を失ったマーチは。やがて操り人形の糸が切れるように、かくん。と上に向けていた顔を下ろした。 その横顔から。完全に表情は消えていた。 震えることも無く。先のような怯えるような仕草さえない。 ただ、その場に立ち尽くすだけ。 小幡は流石に眉をも顰めて、その落胆という言葉では言い表せぬほどの、正に魂が抜けたような姿を見つめる。 ・・・よもや、ここまでの大きな衝撃を受ける事だったのか。 とすれば、やはり早まったのだろうか・・・。 しかし悔やんでいる時間は残されていない。彼女はそっと腕時計に目をやった。・・・夜も随分と更けてきた。最早。 「・・・」 だが。それでも。 たとえそれでも、小幡は待ち続ける事にした。それ... -
第十話『Crab hand Fort Bragg』
敵の居場所の当ても無く、また単純に走るのが好きだからと言う理由で、ハウは疾走していた。 頬に当たる風が、ヴァーチャルとはいえ気持ちいい。そう思ったときだった。 「―――――――っ!?」 バイクのマフラーに、軽い衝撃が走った。 遅れて響く高い発砲音。 スナイパーライフルなどで撃たれた場合、弾丸は音速を超えるため着弾した後に発砲音が聞こえる。つまり・・・・・・・・・ 「とんでもなく遠い・・・・えと、とりあえずあっちかな?」 ハウは感度の良い耳で、発砲音がした方を探る。 風の音に阻まれてはいるが、何かが動くような・・・そうでないような音を捉えた。 「今日の相手ってマスターの妹さんなんだよね・・・手加減したほうがいいのかな」 そういっている間に、バイクは裏道へと入り込む。 狙撃された場合、狙撃手との間に何かバリケードを作ればあっさりと無効化される。 こちら... -
砂漠3
「無差別爆撃とは。いやはや全く戦争じみてきましたね」 わたしはイーグルを走らせながら呟く。 全く、まさかあんな無茶してくるとは思ってませんでしたよ。 『追っ手が来てるわよ。まぁこの速度なら逃げ切れるでしょうけど』 ハルナが言う。 正直確かに逃げ切れるでしょうけど・・・それじゃつまらないのですね。これが。 わたしはコンソールを弄るとイーグルを自動操縦に設定する。 そのままイーグルは180度回転するともと来た道を猛スピードで戻り始めた。 『・・・・サラ。アンタまたろくでもない事考えたわね』 「えぇまぁ。たまにはスピーディに動き回るのも良いかなと。それにこれはこれで狙撃の訓練になりますから」 ハンドルから両手を離し、ライフルのボルトを操作する。 そのままストックをしっかりと肩に当て、スコープ・・・は見ずにアイアンサイトを使う。 「待てー!! ってアレ!?」... -
類は神姫を呼ぶ partEnd ~姉妹~
あのゲームセンター内を湧き立たせた試合から幾日。 あんなことがあっても僕たちの日常はつつがなく続いていく。 僕の学校は冬服から夏服に衣替えしたとか期末試験があったとか軽いイベントはあったけど、一番のイベントは、 宮本さんとイスカがフランスに旅立ってしまったことだ。 急遽、日本でやり残していたことを全てキャンセルして行ってしまった。 別にそんなに急ぐ必要はないのでは、と思うのだけどシオンに対して未練が残ってるからさっさと準備して日本を出てしまったのだ。 未練があるのは主にイスカらしいけど。 「ずっと見てて、飽きないの?」 朝のHRが始まる時間ちょっと前。 僕は教室に自分の椅子に座り、机に頬杖を突いている状態。 目線は机に。 座っているシオンに聞いている。 「これは姉さんが出してくれた手紙ですよ。飽きることなんてあ... -
再販
与太話1 : 再販 1月16日。 この日、私はアルトレーネ再販を盛大に祝うつもりでした。 エルに恨まれるようなことをしてしまった私ですけれど。 ……今でも、弧域くんといつも一緒にいるエルを妬ましく思う時があるけれど。 でも、弧域くんの神姫だから……ではなく、一人の友人として。 エルの仲間が増える記念すべき日を、盛大に祝うつもりでした。 アルト姉妹再販の話が持ち上がってから私は密かに作業を進めていました。 私が作ったコートをずっと大切にしてくれているエルのための、新しい服。 作品名 【 You are the Princess of Tennis 】 青学ジャージを私なりにアレンジしたこれを、エルはきっと喜んでくれるでしょう。 エルの心を物で釣ろう、なんて思っているわけではありません。 ただ... -
第一話『廃墟にて』
ハウリングソウル 第一話 『廃墟にて』 今はもう誰もいない。かつてはそれなりに賑わっていたであろう街中を、一つの影が疾走していた。影は両の手にカロッテTMP・・・通称サブマシンガンを握っている。 影が向かう先にはマスクをつけた特殊部隊の隊員のような人影・・・・一体のMMSが立っていた。 そのMMS・・・兎型MMSヴァッフェバニーは走り寄る影に向かって両手で構えたSTR6ミニガンを連射する。 その弾丸の嵐を影は僅かに身を捻るだけで回避した。 「(・・・・・・・・馬鹿な)」 兎型MMS、ヴァッフェバニーは心の中で舌打ちをした。 「(私が今まで戦ってきた犬型はここまでのスピードを持った者はいなかった。一体奴は何者なんだ!?)」 ヴァッフェバニーはミニガンを的確な狙いと速度で連射する。今は何よりも、奴を近づかせないことが先決だ。... -
意外な人物
全く、この不景気な世の中にあって私のような優秀な人材をこんな人形遊びのための部署につけるなんて世の中間違ってる。とはいえつまらんポストをチャンスとするのも優秀な人材の勤めだ。見回ってみたがここの連中の脳みそはあのMMSとか言う人形のことで染まりきっている。特に神姫だったか?あの女性型の人形に皆虜になっている。私がしっかり指導してロボット技術はこんな人形遊びのためにあるのではないと教育せねば。ん、なんだね?なに、私に支給される神姫を持って来ただと?ふん、まあいい持って来てみろ。 -某省内MMS普及推進政策課での会話 連続神姫ラジオ 浸食機械 10:意外な人物 コウガに続く手がかりを得た僕たちは通信塔にたどり着いた。島の中央に立つ鉄骨を組み合わせた無骨な塔は、意外にも神姫達の戦いの場であるこの島の風景にマッチしているように思えた。 「周辺のフェンスは問題ありませんが見張... -
最果て
世間では「神様」と呼ばれている私様にとって、それはとてもよく見慣れた光景でした。 二人の男が争っていました。 と言っても直接的に拳や蹴りを応酬しているわけではなく、十五センチの人形同士が剣やら銃弾やらを刺し向かい合っていて、何らかのカラクリで人形の傷がそのまま持ち主の傷として伝道するようになっている、互いに作った呪いの藁人形を戦わせて傷付け合っているような、何とも回りくどい戦いでした。 そんな事をしているのは、共に十代前半で、日本の中等部に籍を置く学生で、同じ学校に通う同級生でした。 その戦いを偶々目にした私様は、初め、興味を持てず、そのまま別の場所へ行こうと考えていました。 何故そんな二人が争っているのか何て、少し考えれば理由は幾らでも思いつきますし、考えていても詰まらないものだからです。 私様には詰まらないものと分かっているものを見るような悪趣味はありません。私様が見... -
ドキハウBirth その3前編
……system memory check......ok ……core unit check......ok ……body unit check......ok ……CSC #1 check......ok ……CSC #2 check......ok ……CSC #3 check......ok ……type FORT BRAGG......loading......ok ……operation system boot...... プラスチックの箱の中。 彼女の意識は、闇の中から浮かび上がった。 「システムの起動を確認しました」 半身を起こせば、目の前にいるのは一人の少年だ。 まだ体が命令に付いてこない。機械の少女はテーブルの上、ぎこちない動きで立ち上がり、マスターであろう彼をゆっくりと見上げる。 小さな唇が動いて、システムから送られてきた言葉... -
ライドオン204X:1-3
ゲームの中へ (マスター、聞こえてますかマスター?) 「………はっ」 意識が覚醒した俺の目に映ったのは、かつて神姫バトルのモニターで見た光景 木々の合間を川が流れ、上流には滝が見えるバトルフィールド、『渓流』であった 「俺はいったい…」 そう呟いて目の前に持ってきた手に、違和感 俺の手はこんなに華奢で綺麗な細い指がついてただろうか、否 「もしかして…」 俺は後頭部に手を伸ばす さらりと長い髪が手に当たり、目の前に持ってきた髪は綺麗なブロンドである ついでに先ほどから発する声もおかしい まるでこれはフィーアの声――― (成功したみたいですね、マスター!) フィーアのはしゃぐ声が、どこからか響く ついでに、姿も見えないのにフィーアがはしゃいでる様子がイメージとして頭に入ってきた まるで現実感のない目の前の光景や自分の... -
第四話:盗賊姫
第四話:盗賊姫 「よろしくお願いします。いい試合をしましょう!」 「始めます」 それぞれが口上を述べフィールドに登場する。どうにもそれが神姫の戦いでの挨拶代わりになるらしい。 速攻で始めるのもいいが、こういうのを聞くのもまた一興か。相手の神姫の性格も読み取れるしな。 あの天使……ルナはどうにも礼儀正しく、正々堂々を重きにおいている真面目な性格をしているらしい。マスターの方はというと随分と鋭い目をした顔をした女性だった。子は親に似るとは限らないもんなんだな。 まぁ、それはいいとしておこう。とりあえず俺は蒼貴との通信を確かめるために回線を開いてみる。 「蒼貴。聞こえるか?」 『はい。聞こえます』 「相手はかなり真面目な性格をしているぞ。策略を仕掛けるには丁度いい相手だ。俺との特訓の成果を発揮しろよ」 『了解しました』 短い通信を終えると上の... -
序章 語り始めるとすれば、その平凡な冬の日より
西暦2036年、世界には「神姫」というモノが存在していた。 神姫は、全高15cmの“心”あるフィギュアロボである。 神姫は、つまりは機械であり、人間の被造物である。 そして神姫は、どうしようもなく“女”である。 機械の身である神姫に生殖能力など無く、それはただ創造者に設定されたジェンダー。それ故に、その“心”を支えるアイデンティティは、ただ一つ、“女”である事。 しかし、そうでありながらも、神姫には“それ”を失うという事態が発生しうる。それが、“G・L” G・L ~Gender Less~ 序章 語り始めるとすれば、その平凡な冬の日より 暗い部屋。乱雑な部屋。狭い部屋。谷のような部屋。そこで、溺れるように眠っていた男は、微かな眩しさに身をよじる。視線の先、その光源であるスタンドライトの下には、漆黒の【玉座】に身を預け、身に余るほどの大きさの... -
ACT 1-30
ウサギのナミダ ACT 1-30 □ ティアと共に、歩き慣れたこの道を歩くのは、実は初めてだと気がついた。 はじめの時はティアの電源は切っていた。 その後の時には、ティアは一人アパートに残って自主練していた。 「まあ、それでお前が家出したのは、苦い思い出だが……」 「言わないでくださいっ」 ティアは俺の胸ポケットに顔を埋めて恐縮する。 俺は苦笑しながら、ゆっくりと歩いていく。 手には、いつものようにドーナッツの箱。 今日は海藤の家に向かっている。 ゲームセンターに出入りできなくなった俺は、いい機会だととらえることにして、お世話になったところに挨拶まわりに行くことにした。 海藤の家に来るのは、前回からそれほど経っていなかったが、随分前のような気がする。 その短い間に、あまりにも多くのことがあり過ぎたの... -
・第3話 「night-3」
第2部 「ミッドナイトブルー」 第3話 「night-3」 西暦2041年 5月21日 22:00 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 店外の外では露天式のショットバーが置かれ、何十人かのオーナーと重武装の神姫たちがガヤガヤと集まって夕食や酒を飲んで騒いでいた。 バーの中心には、丸いテーブルが置かれ、真ん中でシャレた椅子に座ったヴァイオリン型神姫が演奏をし、深くスリットの入った紅のドレスを着たセイレーン型が歌を歌っていた。 □ヴァイオリン型MMS 「シャレニ」 Bランク □セイレーン型MMS 「マリー」 Aランク オーナー名「奥村 優」♀ 24歳 職業 ショットバー店員 心地よいヴァイオリンの音色とマリーの歌声に聞きほれている神姫や、まったく意に介せず、ガツガツとアールコールや飯を喰う神姫もいたり、さまざま... -
ドキハウBirth その11 前編
「うめー! 米うめー!」 湯気の立つ真っ白なご飯が、勢いよく口の中に押し込まれていく。 「ノリコも食え。ネギ塩カルビ、マジうめぇぞ」 炊飯器から新たなご飯をよそいながら、少年はテーブルの上に腰掛けた十五センチの少女に向けて声を掛ける。 「あの……峡次さん?」 少女も十二分の一スケールの茶碗と箸を器用に使いつつ。 遠慮がちに、主の名を呼んでみた。 「ネギ塩カルビって、カルビ抜きでもネギ塩カルビって言うんですか……?」 テーブルの上にあるのは、ネギ塩カルビのカルビを抜いたもの。 要は、塩で味付けされたネギの丸焼きだ。 ちなみにノリコの皿にも、千六本にされたネギを軽く炒めたものが山盛りになっていたりする。箸でつまみ上げればくたりと力なく曲がるそれは、ネギというより太めの素麺に近かった。 「だったら、ネギタン塩タン抜きでもいいけど」 「はぁ……」 ネギまと... -
いつか光り輝く 2.0話 あかいそら
2.0話 「あかいそら」 私はMaxwell-X01。 人間には呼びにくいという理由で、モデルとなったマオチャオ型MMSを元にし [マオ]と呼ばれている。 私は暗殺を主目的に開発された神姫偽装型ユニットの試作機だ。 世界的に普及しつつある体長15cm程の自立行動ロボット玩具になりすまし ターゲットに接近、もしくは人間では入り込めない場所からの狙撃で 暗殺を遂行する。 埋め込み型の解毒剤生成機、ニュートライザーの実用により 要人の毒による暗殺はほぼ不可能だし、 このサイズの筐体に乗せられる火器では傷害を与える事は出来ても 殺害までは現実的ではない。 だが私に搭載された”加速時間ドライブ”を持ってすれば、 体積比率で1/1000しかない神姫用火器に 人間用の火器と遜色ない殺傷力を発揮させられる。 加速時間とは物理的な作用を通常空間と共有しつつ、... -
類は神姫を呼ぶ part8
「ごめんね。同じような人がいて、つい嬉しくなっちゃって」 「……はぁ、そうなんですか」 やっちゃったなー、これは。絶対変な人だと思われてるよ。僕も逆の立場だったらそう思うし、なんでこんな暴走したのかな、僕は。 「あはは、面白いマスターさんだね」 少女の肩の神姫がシオンに話しかけてくれている。あれは火器型の神姫だったかな。 「でも、お優しいです。とり乱したのも、お友達が来なくて寂しかったんでしょう」 シオンは本心でそう言ってくれてると思うけど、それがかえって痛かったりして。 「それじゃあ、改めて。僕は長倉 螢斗。この子はアーティル型のシオンです」 「よろしくお願いします」 「私は、その……」 「リミちん、ちゃんと自己紹介しなくちゃー。ほらほら」 「あ、うん。私は霧静 璃美香です。この子はゼルノグラード型のアリエ……です」 ... -
黒き天使の伝説 後編
黒き天使の伝説 後編 突如乱入してきた謎の神姫、それこそ僕達が探していた黒き天使だった。その姿は黒に近いグレーで赤のポイント、装備はストラーフとアーンヴァルの組み合わせ+オリジナル、そして頭には顔を覆い隠すほど大きいヘッドギアが装着されていた。 「何だてめえ!!」 「引っ込んでろ!!」 観客席から野次が飛ぶ。せっかくWデビルの勝利の余韻に浸っていたのに、邪魔をされた形になってしまったため、苛立ちが爆発してしまったんだろう。 「やっこさん達、荒れてるようだな。だが俺たちにとっては好都合だ。この目であの黒い天使を拝めるんだからな」 こんな状態でも先輩は冷静でいられるなんて、それほど現れるのを待ってたんだろうな。僕もこの光景を見ることが出来るのは願ってもないことだから、人のことは言えないが…。 「ふん、お客さんもあんたのことなんか大嫌いだって。いい加減帰ったら?」 ... -
第1話 ヴァイザード・リリィ
剣と剣がぶつかり合う音が、廃墟に響き渡る。 片刃の長剣、エアロヴァジュラでと長槍の破邪顕正をはじきあげ、HMT型イーダ・ストラダーレ――個体名ヒルデガルドは距離をとった。 対する侍型紅緒――個体名藤代は地面を蹴り、こちらに一気に距離を詰め、長槍を突き出してくる。体勢を立て直す暇を与えないつもりのようだ。 『エアロチャクラムで受け流せ』 「はいですわ!」 マスターからの指示を受け、ヒルデガルドは左側のエアロチャクラムを瞬時に操作する。 パンチを打つように突き出したエアロチャクラムの表面装甲を破邪顕正が薄く削りながら流れていった。 ――西暦2036年。 第三次世界大戦もなく、宇宙人の襲来もなかった、現在からつながる当たり前の未来。 その世界ではロボットが日常的に存在し、様々な場面で活躍していた。 「そこっ!」 藤代... -
ヤツの名はG(前半)
武装神姫…今現在爆発的なブームを誇り、その老若男女を問わない人気は旧世紀の ヒット商品、ポケモンや遊戯王カードもかくや。いや、それ以上であろう。 かく言うオレ──日暮 夏彦も、もはや社会現象とさえ言えるそのヒット商品の恩恵に 与ってる一人だ。 「おし、掃き掃除終了…っとぉ」 ゆっくりと伸びをして、目の前の看板を見上げる。 「ホビーショップ エルゴ」三年前に親父の模型屋を改装して始めたオレの城だ。 玩具オタが高じて工学部に通った身の上としては、そのスキルを存分に活用出来る天職。 特に神姫関係には力を入れてて、販売、登録、修理、カスタマイズやオリジナルパーツ の製作まで何でも御座れだ。 そんなに大きな設備じゃないがバトルサービス用の筐体も借金して導入済み、 公式ショップにも登録してある。 そんな努力の甲斐もあってか商売としてはそこそこ快調。 近所の神姫ユーザ... -
第九話 過去からの使者ですわ
ハロウィンパーティーの翌日、シュバルツバルト 晶が扉を開けるとチリンと鈴の音が鳴った。それに気付いたクロエがカウンター越しに挨拶をする。 「いらっしゃい」 「こんにちは」 店に入ると普通の神姫ショップにはない珈琲の香りが鼻腔をくすぐる。 神姫ショップと喫茶店を併合した神姫カフェシュバルツバルト、ここがクロエの城だ。決して流行っているわけではないが失礼ではあるが人があまりいない静かな雰囲気が晶は気に入っている。晶がいつもの定位置であるカウンター前に腰掛ける。 「今日もいつもの?あれ?サイファは来てないのかい?」 「いつものでお願いします。昨日は激しかったからセンターで精密検査中です。エリアーデもですか?」 「ん?あぁ、エリアーデなら…」 「ここにいますわ」 カウンターの中からエリアーデが顔を出した。 「また貴方ですのね。今日も珈琲だけですの?たまにはもうちょっと... -
NY決戦
NY決戦 ※エロ注意!18禁です! ユキは落ち込んでいた 前回、兄の気持ちが昂ぶりを押さえるはずだったのに自分だけ先にイってそのまま眠ってしまい、肝心の兄を放置してしまった事を 「はぁ~…私って、こんなえっちな神姫だったのかなぁ…」 あの後兄はどうしたのだろう? 気持ちが昂ぶったまま悶々とした状態で寝る羽目になったのだろうか それともまたあのゲームで自分で… 「そんなのイヤだよぅ…」 キチンとした処理が出来ない以上、生物としてはどちらでも変わらないのだろう だが、大好きなお兄ちゃんが自分ではなくゲームを使って処理したのかと考えると落ち込んでくる 「はぁ~。でもどうすれば…」 昨日兄が買ってきてくれた机に向かって考える。 「だめだ~!良い考えが浮かばないよぉ~!」 後にのけぞって叫ぶ ぐらり 「わっとっとっと…」 コテン 「アイタタタ…ん?」 ... - @wiki全体から「それは海の向こうから来た者」で調べる