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えむえむえす ~My marriage story~

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「さって、と。今さっき慎が言ったように、あの猫ちゃん達は感覚その他の機能がリンクされていたことはご理解頂けたかな?」

俺とジュリは揃って頷く。

「オーケー。で、だ。彼女達にそれぞれ全く同じ改造を施したのは何故だ?」
「…どれか一体でも不具合が出れば、まとめておかしくなるから、か。」

俺の答えに縁遠は満足げに頷く。
しかし、だとすれば質の悪い事を考える奴がいたものだ。明らかな害意が無ければ考えつく事ではないだろう。
何の必然性があってそんなことをしたのかは解らんが。

いやちょっと待て。

「そもそもなんで感覚までリンクさせる必要があるんだ?
 記憶だ演算だってのならまだ理解できるが。」

そうだ。神姫はパソコン代わりにもなるそうだが、それにしたって感覚まで共有させる必要がどこにある。

「…あと解せないのは、アタシら神姫に対する怯え方だ。
 さっき言ってたタチの悪い改造するような奴の所にいたんなら、むしろ人間の方を嫌うハズだろう?」

 そうだ。それも気になっていた。
俺とジュリの問いに、縁遠は溜息を吐いて苦笑する。

「…ま、そう来るよねぇ」

言って、数枚の写真を並べて見せた。

「こっから先は僕の独り言。君らは何も聞いてない。OK?」

いつになく、真剣な声だった。

---

「ここ何週間か友人の手伝いで、そこの写真に写っているのを調査、っていうか解析をしてたんだけどね。」

写真に写っているのは、様々なタイプの神姫…のようだったが、横にある比較用のスケールを見る限り…

「そ、人間サイズのシロモノだ。こいつはね、見た目こそ神姫っぽいけど、中身はそんな上等なモンじゃなくて…
 そーだねぇ…身も蓋もない言い方しちゃうと『機械仕込みのダッ○ワイフ』か。」

ほんとに身も蓋もないな。

「まぁ、神姫に比べれば、最低限の事しかできないお粗末なカラクリ人形と思っておいてくれればいいよ。
 でもね、その写真のはちょっとばかり普通じゃないんだ。」

一枚の写真を取り出す。写っているのは、神姫モドキのうなじのあたり。

「ここにスロットがあるだろ?ちょうど神姫一体が収まる程度の。」

確かに。何かのケーブルやらソケットやらが何本か、首の後ろにぽっかり空いた穴からはみ出ている。

「このモドキ達はね、実際に神姫を頭脳…ブレインとして動くように設計されたスレーブボディ。言ってみれば見事に違法製品なんだよ。
…ま、ついこないだメーカー…っつっても、ほとんど家内制手工業だったらしいけど…は警察に押さえられて、作られてたモドキとブレインになる神姫達なんかも軒並み押収されたんだけどね。」

……待て。
待て待て待て。今なんて言った?
違法?警察?押収?
じゃあ、コイツの言っていた『友人の手伝い』ってのは…

「…どっからどういう依頼があったとかって話は、関係ないからしないね。
 とりあえず、僕は頼まれてその写真の子達を調査していたワケだ。…そんで、ね。」

ぴっと、別に持っていた写真を更に数枚出す。

「コイツは中でも、とびっきりの特別製。
 見てごらん?スロット部分が三つあるだろう?」

言われてみると、写真に写っている猫型神姫モドキには、頭、首、背中と三箇所に、先程と同じようなスロットがあった。

「コレはどうも押収された中じゃ最新型らしくてね。
 ブレイン神姫を三体にすることで、通常のものよりも性能を上げてあるんだ…具体的には反応とか感度とか。
 …もっとも、検証まではできてないんだけどね。」
「何故だ?」
「どこにも見つからなかったんだ。ブレインに該当する猫型神姫三体が。」

…猫型…3体?

「そして数日後、機能のいくつかが同期した、出所不明の神姫三体が誰かさんに拾われた。
…ここまで言えば解るだろう?」
「なるほどな。あいつらがそのブレインだったってワケか。」
「ご名答。…思ったより驚かないね。」
「大して珍しいハナシでもねぇからな。」

ウチに迷い込んでくる連中は、それこそ違法合法お構いなしなので、別段驚くには値しない。
程度の差こそあれ、犯罪がらみの奴だって全くいなかったワケでもないからな。

「まぁここまでは前座なんだけどね。本題はここから。」
「まだ何かあるのかよ」

最初に出した図面を再び白板に貼り付ける。

「さっきも言ったけど、あの猫ちゃんたちは何者かによってタチの悪い改造を受けていました。」
「…あぁ、そうだな。」
「さて、第一問。いったい誰がそんな事をしたのでしょうか?」
「…その、さっき言ってた摘発された業者じゃないのか?」
「ぶっぶー。はっずれー。」

うっわムカつく。

「…それはね、どう考えても有り得ないんだ。
 ぶっちゃけあんな改造は素人レベルどころか、ここにあるような大規模の、それこそ企業レベルの機材かなんかがなけりゃ、おいそれと出来るような作業じゃないんだよ。
 ましてや普通の住居に毛が生えた程度のトコで、外傷一つ残さずにあそこまで精密な作業が出来るわけないんだ。
 実際、それらしい機材も見つからなかったそうだしね。」
「…機能のリンクとか、例のモドキに乗っけるのとかはどーやってたんだよ?」
「その辺は主にソフト周り。ハード面は特別な処置はなーんもされてなくて、ほぼ標準品と変わらずだったよ。」

プログラマーはよっぽど腕が良かったんだろうねぇ、と興味無さ気に肩を竦めて見せる。

「じゃあ一体誰がやったってんだ」
「犯人が人間じゃないなら、自ずと解るだろう?」
「まさか……」

何事か考え込んでいたジュリが顔を上げた。

「犯人は神姫なのか…?アタシらと同じ…?」

縁遠は答えず、ただニヤリと笑った。

---

「…さっき見せた『最新型』だけどね。他のボディに比べて一番『愛されていた形跡』があったんだ。」

具体的に説明しようか?と言われたが、興味はないので先を促す。

「ま、単に動作テストだったかもしれないけどね…何にせよ、他の子達はそれだけほっとかれてた事になる。」
「…放置プレイ?」
「言い得て妙だね。余程のMっ子じゃなきゃ、そりゃ気分良くないだろうさ。」
「……じゃあ何か、相手にされなかったって腹いせに不良改造をしたと?それこそ有り得るのか?」

ふーむと唸る縁遠。

「全く有り得ないワケじゃないさ。神姫たちの異常な程の人間臭さは知っているだろう?
 何より、それだけ精密な作業でも、彼女らの小さな手と目があれば特に問題はない。
 元々彼女らは『医療方面の需要もあった』なんて噂があるくらいだし。
 …加えてもう一つ。ブレイン神姫達は、自分より大きなスレーブボディを動かすために、ソフト回りもかなり弄ってあったんだ。
 そいつがどこまで影響したかなんてわかったもんじゃない。」

この辺は妄想だけどね、と苦笑。
ちょっと想像してみる。

嫉妬に駆られた同族たちに四肢を押さえられ、泣いても叫んでも誰も助けてくれず、為す術もないまま寄って集って無理矢理体を…

「…ぞっとしない話だ。んでも、それだったらその場で壊すとかって選択肢もあったんじゃないのか?」
「どうかな、それは。
 壊してしまえば、ヘタすれば自分たちが疑われる。
 でも、ある程度時間が経ってから突然故障が出たとしたら?」
「…なるほど、不正な改造していたワケだしな。
 神姫そのものの不良として処理されてたかも……ジュリ?どうした?」

何も言わずに、俺の服に縋りつくジュリ。心なしか体が震えている。

「……そうか。そうだな。ちょっと無神経だったか。済まん。」

そっと頭を撫でてやる。いつも気丈に振舞ってはいるが、吹っ切れてたワケでもなかったんだろうか。

「…今日は泊まっていきな。話は通しておくから。」

---

その日は仮眠室を借りることになった。
俺は汗の匂いが染み付いた布団に寝っ転がり、ぼーっと天井を見ていた。不思議と眠気はなかった。
先程の話を思い出し、軽く身震いする。
想像のレベルでこれなら、実際その場にあったらしい猫どもなぞ、どれほどの恐怖だったことか。

「そりゃ、怖がられるよなぁ…アタシら。」
「…まだ起きてたのか…」

近くに置かれたクレードルのあたりから、ジュリの声がした。
首を向けるのも億劫なので、そのまま話をする。

「眠れねぇよ。あんな話聞いたら。」
「…あんま気にすんな。半分は縁遠の妄想だよ。」
「そうとも言えねぇんだよ。…話してなかったんだけどな。
 今朝、あいつらに引っ掻かれた時な、ものすっごい目で睨まれたんだ。
 威嚇だ怒りだって可愛げのあるモンじゃねぇ……あんなのは……」
「もういい。よせ。寝ろ。」

声に震えが混じり始めても止めようとしないので、俺は体の向きを変えて、クレードルの方に腕を伸ばした。
指に、何かが力なく触れる感触。

俺はそのままジュリの震えが止まって眠るまで、ずっと指を触れさせていた。





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