さらば騎士子!?
書いた人 優柔不断な人(仮)
『勝者、黒子!』
「あらあら、もう終わりですか?」
「くっ…」
前回の新装備テストの結果から、私はツガル装備をメインとし、2丁ライフルをカロッテTMPとコルヌへと変更、
そして胸アーマーのサイズ変更を行い大幅な戦闘力の向上を果たした
それからの私は破竹の快進撃を続け、2ndリーグへの昇進を賭けたトーナメントへの切符を手に入れた
そして万全の準備と整え臨んだ試合だったのだが…
「剣術も射撃の腕前もかなりの物でしたが、その装備では貴方の力を十分に発揮できないようですわね」
そんなはずはない。未熟な私のためにマスターと姉様が一生懸命に私に合うように調整してくれたツガルユニットだ。
自分ではそんな気はないのだが、やはり最近勝率を上げてきた事に慢心していたのだろう
「すまなかったな、騎士子。もっとお前が存分に力を振るえる装備を用意できれば…」
落ち込んでいる私をマスターが私を慰めてくれる
「いえ、私が未熟だっただけです。期待に添えられなくて申し訳ありませんでした」
神姫センターを後にして、二人とも無言で帰宅した
雰囲気を察してか犬子姉様は何も言わなかった
その優しさが辛かった
「あらあら、もう終わりですか?」
「くっ…」
前回の新装備テストの結果から、私はツガル装備をメインとし、2丁ライフルをカロッテTMPとコルヌへと変更、
そして胸アーマーのサイズ変更を行い大幅な戦闘力の向上を果たした
それからの私は破竹の快進撃を続け、2ndリーグへの昇進を賭けたトーナメントへの切符を手に入れた
そして万全の準備と整え臨んだ試合だったのだが…
「剣術も射撃の腕前もかなりの物でしたが、その装備では貴方の力を十分に発揮できないようですわね」
そんなはずはない。未熟な私のためにマスターと姉様が一生懸命に私に合うように調整してくれたツガルユニットだ。
自分ではそんな気はないのだが、やはり最近勝率を上げてきた事に慢心していたのだろう
「すまなかったな、騎士子。もっとお前が存分に力を振るえる装備を用意できれば…」
落ち込んでいる私をマスターが私を慰めてくれる
「いえ、私が未熟だっただけです。期待に添えられなくて申し訳ありませんでした」
神姫センターを後にして、二人とも無言で帰宅した
雰囲気を察してか犬子姉様は何も言わなかった
その優しさが辛かった
マスターと姉様は今日は疲れてただろうから先に休んでいいといったが、私の装備の再調整をしている二人を差し置いてのんびりと休んではいられない
せめてネットで騎士型の戦術や装備を調べようとPCを起動する
神姫用端末を操作し、騎士型MMS総合スレッドを写す
…既に幾度と無くチェックしたスレッドである。やはり目新しい事は書いてない
ふと2レス目に別スレッドへのリンクがあった事を思い出す
マスター曰く「ネタスレとか魔改造スレだから見る必要は無い」らしいが、なにかヒントがあるかもしれない
『犬子可愛いよ犬子』
『在庫っていうなー』
『おまえら神姫の足を開いたり閉じたりして落ち着くんだ』
…頭がくらくらする
なんとか気を取り直し先を読む
すると奇妙な事が書いてあった
『騎士にセイバーつけるとテラカッコヨス』
『セイバーハァハァ』
…どういうことだ?見ると画像へのリンクが貼られている
見てはいけない。そう思いつつも興味が勝り、クリックしてしまった
そこには、神姫ではない別の頭へと換装された騎士型MMSの姿があった
頭部換装はリーグへの参加を認められていない。神姫では無くなってしまうので当然である
だがそのオーナーは満足しているようだ
愛玩用として
気分が悪くなった私はPCの電源を切ってクレードルへと移動し、そのまま眠りについた
マスターは気分が悪いと寝られなかったりするようだが、機械である私は休眠プログラムを起動するだけで眠る事が出来る
そのプログラムが有り難かった
せめてネットで騎士型の戦術や装備を調べようとPCを起動する
神姫用端末を操作し、騎士型MMS総合スレッドを写す
…既に幾度と無くチェックしたスレッドである。やはり目新しい事は書いてない
ふと2レス目に別スレッドへのリンクがあった事を思い出す
マスター曰く「ネタスレとか魔改造スレだから見る必要は無い」らしいが、なにかヒントがあるかもしれない
『犬子可愛いよ犬子』
『在庫っていうなー』
『おまえら神姫の足を開いたり閉じたりして落ち着くんだ』
…頭がくらくらする
なんとか気を取り直し先を読む
すると奇妙な事が書いてあった
『騎士にセイバーつけるとテラカッコヨス』
『セイバーハァハァ』
…どういうことだ?見ると画像へのリンクが貼られている
見てはいけない。そう思いつつも興味が勝り、クリックしてしまった
そこには、神姫ではない別の頭へと換装された騎士型MMSの姿があった
頭部換装はリーグへの参加を認められていない。神姫では無くなってしまうので当然である
だがそのオーナーは満足しているようだ
愛玩用として
気分が悪くなった私はPCの電源を切ってクレードルへと移動し、そのまま眠りについた
マスターは気分が悪いと寝られなかったりするようだが、機械である私は休眠プログラムを起動するだけで眠る事が出来る
そのプログラムが有り難かった
次の日、マスターはなにやら買い物をしてきたようだが、何を買ってきたのかは教えてくれなかった
「まぁいずれ解るさ。その時をお楽しみに」
そういって犬子姉様と工作室に籠もってしまった
いつまでも昨日の敗戦を引きずっててもしょうがない
こういう時は基礎トレーニングに限る。木刀を持って素振りを始める
…やはり身が入らない。木刀は私の手からすっぽ抜け、ゴミ箱へと当たってしまった
「あ…」
ゴミ箱は倒れてしまい、中のゴミが散乱してしまった
急いで片づけ始める。幸い紙屑だけだったので早く片づける事が出来そうだ
ふと紙屑の1つに目が止まる。それを見て私は驚いた
『セイバー』
その紙屑…レシートにはその文字が印刷されていた
昨日見た改造神姫の姿を思い出す
コアユニット、素体、3つのCSCは起動後は不可分の存在である。神姫を停止することなくそれらを分割する事は出来ない
もし私の頭部をセイバーへと換装するならば、一度私を停止させなければならない
つまりそれは私の死という事になる。再起動してもそれは私の体を持った別の神姫ということである
どうせ勝てない神姫なら、いっそ愛玩用にしてしまえ。そんなレスがあった事を思い出す
いや、マスターに限ってそんな事を思うはずは無い
ではこのレシートは一体…
なんともいえない不安に襲われながらも、どうにか片づけを終えた
しかしそのレシートだけはなぜか捨てる事が出来なかった
「まぁいずれ解るさ。その時をお楽しみに」
そういって犬子姉様と工作室に籠もってしまった
いつまでも昨日の敗戦を引きずっててもしょうがない
こういう時は基礎トレーニングに限る。木刀を持って素振りを始める
…やはり身が入らない。木刀は私の手からすっぽ抜け、ゴミ箱へと当たってしまった
「あ…」
ゴミ箱は倒れてしまい、中のゴミが散乱してしまった
急いで片づけ始める。幸い紙屑だけだったので早く片づける事が出来そうだ
ふと紙屑の1つに目が止まる。それを見て私は驚いた
『セイバー』
その紙屑…レシートにはその文字が印刷されていた
昨日見た改造神姫の姿を思い出す
コアユニット、素体、3つのCSCは起動後は不可分の存在である。神姫を停止することなくそれらを分割する事は出来ない
もし私の頭部をセイバーへと換装するならば、一度私を停止させなければならない
つまりそれは私の死という事になる。再起動してもそれは私の体を持った別の神姫ということである
どうせ勝てない神姫なら、いっそ愛玩用にしてしまえ。そんなレスがあった事を思い出す
いや、マスターに限ってそんな事を思うはずは無い
ではこのレシートは一体…
なんともいえない不安に襲われながらも、どうにか片づけを終えた
しかしそのレシートだけはなぜか捨てる事が出来なかった
その日からマスターは仕事から帰ってきては工作室へと直行するようになった
別に合う機会が無いわけではないのだから直接聞けばいいのだろう。このレシートは何ですか?と
おそらくは笑いながら「いやーこれはな」と答えてくれるだろう
しかし、もし最悪の事を言われたら、と思うと怖くて聞くことが出来なかった
そして一週間が過ぎた
「おーい騎士子ー!」
工作室からマスターが呼ぶ声がした
私は部屋へと入り、机の上に乗った
「ふっふっふ、ついに出来たぞ!お前の…」
「解っております、マスター」
「え?まぁ部屋に入るなとはいってなかったし、コッソリ見ちゃったのかな?」
「いえ、部屋には入っておりません。ですがこれを」
といってレシートを見せる
「ありゃ、そんあのがあったのか。まぁいいか。んじゃ話は早い。んじゃ早速…」
「マスター、こんな不甲斐ない私を面倒見てくれて、有り難うございました。生まれ変わった違う私も可愛がって上げて下さい」
そういって私はスリープモードへと移行した。後はマスターがメインスイッチを落としてくれるだろう
もう2度と目覚める事は無いでしょう。さようなら、マスター
別に合う機会が無いわけではないのだから直接聞けばいいのだろう。このレシートは何ですか?と
おそらくは笑いながら「いやーこれはな」と答えてくれるだろう
しかし、もし最悪の事を言われたら、と思うと怖くて聞くことが出来なかった
そして一週間が過ぎた
「おーい騎士子ー!」
工作室からマスターが呼ぶ声がした
私は部屋へと入り、机の上に乗った
「ふっふっふ、ついに出来たぞ!お前の…」
「解っております、マスター」
「え?まぁ部屋に入るなとはいってなかったし、コッソリ見ちゃったのかな?」
「いえ、部屋には入っておりません。ですがこれを」
といってレシートを見せる
「ありゃ、そんあのがあったのか。まぁいいか。んじゃ話は早い。んじゃ早速…」
「マスター、こんな不甲斐ない私を面倒見てくれて、有り難うございました。生まれ変わった違う私も可愛がって上げて下さい」
そういって私はスリープモードへと移行した。後はマスターがメインスイッチを落としてくれるだろう
もう2度と目覚める事は無いでしょう。さようなら、マスター
「おい、いきなり寝るな」
2秒で起こされた
「切らないと換装出来ないのでは…?」
「切ったら換装出来ないだろうが」
「切らないで頭部を取るのは無理かと思います」
「なんで頭部を取るんだ?死ぬじゃないか」
「でも取らないとセイバーが付きません」
「いやだからなんでセイバーをつけるのに…あ、お前なんか勘違いしてるだろ。レシートをよく見て見ろ」
「え?レシート…?」
そういってクシャシャに丸まった紙を広げる。そこにはこう書いてあった
『ZGMF-X23Sセイバーガンダム』
「セイバー…ガンダム?」
「これを改造して神姫のパーツしたのさ。犬子も使ってるだろ、あの戦車パーツ」
「あ…」
そうだ、姉様も使ってた。ガンタンクなんとかっていうパーツを
「ってことは…」
「そういうこと。だからお前側で脚部を外してもらわないと換装出来ん。それに俺はお前の頭をすげ替える気なんざこれっぽっちも無いぞ」
「マスター…申し訳ありません。私は…私は…」
私は泣いた。自分の事を考えてくれているマスターの優しさに。そしてそんなマスターを疑い、逃げだそうとした自分の愚かさに
「お、おい…泣くなよ…」
「騎士子さんは負けて落ち込んでいた所にそんなレシート見つけちゃって不安だったんですよ。自分が捨てられるんじゃないかって
大丈夫ですよ、そんな事で捨てるようなご主人様じゃないですよ。そうだったら今頃私が粛正してますから」
「それは解っています、姉様。それを疑った自分が情けないんです…」
「いや、そこまで落ち込んでいるお前に気づかないでいた俺も悪かった。許してくれ」
「そんなこと言ったら騎士子さん、ますます泣いちゃいますよ?」
「う、う、うぇ~~~ん」
2秒で起こされた
「切らないと換装出来ないのでは…?」
「切ったら換装出来ないだろうが」
「切らないで頭部を取るのは無理かと思います」
「なんで頭部を取るんだ?死ぬじゃないか」
「でも取らないとセイバーが付きません」
「いやだからなんでセイバーをつけるのに…あ、お前なんか勘違いしてるだろ。レシートをよく見て見ろ」
「え?レシート…?」
そういってクシャシャに丸まった紙を広げる。そこにはこう書いてあった
『ZGMF-X23Sセイバーガンダム』
「セイバー…ガンダム?」
「これを改造して神姫のパーツしたのさ。犬子も使ってるだろ、あの戦車パーツ」
「あ…」
そうだ、姉様も使ってた。ガンタンクなんとかっていうパーツを
「ってことは…」
「そういうこと。だからお前側で脚部を外してもらわないと換装出来ん。それに俺はお前の頭をすげ替える気なんざこれっぽっちも無いぞ」
「マスター…申し訳ありません。私は…私は…」
私は泣いた。自分の事を考えてくれているマスターの優しさに。そしてそんなマスターを疑い、逃げだそうとした自分の愚かさに
「お、おい…泣くなよ…」
「騎士子さんは負けて落ち込んでいた所にそんなレシート見つけちゃって不安だったんですよ。自分が捨てられるんじゃないかって
大丈夫ですよ、そんな事で捨てるようなご主人様じゃないですよ。そうだったら今頃私が粛正してますから」
「それは解っています、姉様。それを疑った自分が情けないんです…」
「いや、そこまで落ち込んでいるお前に気づかないでいた俺も悪かった。許してくれ」
「そんなこと言ったら騎士子さん、ますます泣いちゃいますよ?」
「う、う、うぇ~~~ん」
そして一週間後に行われた2nd昇進トーナメントで優勝し、私は晴れて2ndリーグへと昇格した