激突!女の子?(凪版)
鳳凰カップ決勝一回戦第五試合
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鳳凰カップ第五試合
基本装備のジルダリア『花乃』と近接特化装備の『弁慶』の対戦は、誰もが花乃が優勢だと思っていた
空中から狙撃、それで終わる。みんなそう考えていた
だが現実には─
「堕ちろ…」
パンパン
「くっ…」
キィン
空中へと跳躍した弁慶が花乃へ向けハンドガンを放つ
その弾丸をかろうじてモルートブレイドで弾く花乃
落下を始める弁慶。だがアーミーブレードを箪笥へと投郭して足場を作り再び花乃へ向け跳躍、その際に首輪型アンカーで刺さったを回収し、再び攻撃を仕掛ける
既にハイパーモードへのモードチェンジを可能にするだけのエネルギーはチャージされているが、弁慶の絶え間ない攻撃を避けるのに精一杯でチェンジする余裕など与えては貰えなかった
「もう少しがフィールドが広ければ…」
「…嘆いても…フィールドは…広がりません…」
狭い部屋の中で漂いながら必死で避け続ける花乃
今回のフィールドは『四畳半のボロアパートの一室』であった
基本装備のジルダリア『花乃』と近接特化装備の『弁慶』の対戦は、誰もが花乃が優勢だと思っていた
空中から狙撃、それで終わる。みんなそう考えていた
だが現実には─
「堕ちろ…」
パンパン
「くっ…」
キィン
空中へと跳躍した弁慶が花乃へ向けハンドガンを放つ
その弾丸をかろうじてモルートブレイドで弾く花乃
落下を始める弁慶。だがアーミーブレードを箪笥へと投郭して足場を作り再び花乃へ向け跳躍、その際に首輪型アンカーで刺さったを回収し、再び攻撃を仕掛ける
既にハイパーモードへのモードチェンジを可能にするだけのエネルギーはチャージされているが、弁慶の絶え間ない攻撃を避けるのに精一杯でチェンジする余裕など与えては貰えなかった
「もう少しがフィールドが広ければ…」
「…嘆いても…フィールドは…広がりません…」
狭い部屋の中で漂いながら必死で避け続ける花乃
今回のフィールドは『四畳半のボロアパートの一室』であった
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ボロといっても、外壁や窓は決して壊れない設定になっており、外へと逃げる事は出来ない
それなのに部屋の壁にはしっかりと剣が刺さる様になっている
所狭しとタンスや棚、テーブルといった家具が配置され、弁慶にとって足場となる場所を作るのに全く困らない構成となっていた
「水那岐様、このままでは…」
このままではいずれ掴まってしまう
ハイパーモードへと変わればまだ勝機もあるかもしれない
なんとか一瞬でも隙を見つけないと…
「…うざい…」
弾切れは期待出来ない。サイドボードに相当数入ってると思われる
花乃が時間を稼いでくれっているうちに、なにか手を考えないと…
「…花乃…アレルギーペタルを…転送…します…」
「了解しました」
花乃の左手に、アレルギーペタルが現れる
「……攻撃…回避後…1.65秒後に…周波数…3.42で…起動…」
だんっ!
弁慶が再び跳躍し、蹴りを放ってくる
なんとか避ける
幸い、タイミングが解るのでこういった体術は比較的避けやすい
ただ、この後にこちらを見ずに射撃をする場合もあるので避けたからといって油断は出来ない
『グオングオン…』
水那岐の指示通り、アレルギーペタルを起動する
「ふん?…!?」
ずるっ!
今まで鮮やかに跳躍していた弁慶が足を滑らせ落下した
「弁慶!」
弁慶のマスターが可愛い声で叫ぶ
水那岐が指示したタイミングは、弁慶がブレードに足をかけて再度跳躍する為に踏ん張るタイミングであった
弁慶が妨害音波から逃れるのに要した時間は、わずか0.12秒
しかし、足を踏み外すには十分な時間であった
「…ハイパーモード…起動…」
「了解。ハイパーモード起動!」
「!…させない…!」
パンパン
ハンドガンを放ち阻止しようとするも、不安定な姿勢からではマトモに狙う事など出来るはずもなく
「弁慶、それより着地を優先して!」
クルクル…スタッ!
「…どこ…?」
無事着地した弁慶は、相手の状況を確認すべく、花乃の方を向いた
すると、見た目だけでなく、雰囲気まで変わっている花乃がそこにいた
「ワタクシ、参上!」
びしっ!
空中で無駄に手を振り回し、ポーズを決める
「…は?…どうした…千空?」
「…う~ん…さあ?」
「おーっほっほっほ!言っておきますけど、ワタクシは最初からクライマックスですわよ!」
ビシィ!
テーブルの上に乗り弁慶を指さし、さっきとは違うポーズを決める花乃
「はぁ?…何…?」
「気を付けてね弁慶!ハイパーモードになってるから、さっきまでとは全然違うはずだよ」
「?あ、あぁ…行くぞ…!」
一気に加速し、花乃へと肉薄する弁慶
「…ファースト…!」
回し蹴りを放つ。が、リーフガントレットでガードされる
「…セカンド…サード…ストライッ!」
巧みなコンボ攻撃を放つ弁慶。しかし全て防がれる
「チ…お前…!?」
弁慶が僅かに動揺して出来た隙を花乃は見逃さなかった
「せいっ!」
蹴りが弁慶の腹にヒットする
「ぐ…ぬぅ…!」
マトモに喰らってしまい、蹴り飛ばされる
ゴロゴロ…
「げほっ…ごほっ…チ…」
「いきますわよ。ワタクシの必殺技、その1!」
背中の花弁を2枚取り、弁慶へと投げつける
「…!」
キィン
アーミーブレードを構え、飛んできた花弁を弾く
「気を付けて弁慶!戻って来るよ!」
弾かれた花弁は、くいっと物理法則を無視し軌道を変え、再び弁慶に襲いかかる
キィン!キィン!
「やりますわね…ではコレならどうです?ワタクシの必殺技、その2ダッシュ!」
攻撃していた花弁が弁慶を挟み込むように移動し、力場を発生させる
「…動か…ない…?」
「頑張って弁慶!そのくらいの力場なら抜けられるはずだよ!」
「そうはいかなくてよ。せいっ!」
気を込め真っ直ぐに伸ばしたグラースプアイビーを投郭する
「ぐぅ…!?」
グラースプアイビーは弁慶の左肩へと突き刺さった
「コレでトドメです!」
花弁をもう2枚切り離し、自分の前へと展開し、フィールドを形成する
自らを弾丸とし、レールガンの原理で打ち出す花乃の必殺技その2ダッシュである
「チ…ふざけるなぁ…!」
キック体勢に入ろうとしたその時、弁慶が右腕の拘束を振り払った
…どうする?
一瞬の躊躇
相手はもう一方も抜け出そうとしてしている
…行くしかない
覚悟を決めキックを放つ
「喰らえ…!」
それに対し、拳をぶつける弁慶
グシャアッ!
両者か交錯した後
「ぐ…!」
右腕を失った弁慶と
「うぐっ…うぐぅ…!」
右足を失い、立てずにいる花乃がいた
「花乃、逃げて」
水那岐の指示に飛んで離脱しようとするが
「!させない…」
ヒュン
「はぐっ!」
弁慶が投げたアーミーブレイドが花乃の右肩に刺さり、貫通する
そのままテーブルの上へと縫い付けられてしまった
残った左腕でハンドガンを構え、花乃へと銃口を向ける
「降参…撃ち抜かれる…選ぶ…」
カチリと撃鉄を起こしながら訊ねてくる弁慶
「…はい…降参…です…」
『花乃のマスターからのギブアップを確認!勝者、弁慶!』
それなのに部屋の壁にはしっかりと剣が刺さる様になっている
所狭しとタンスや棚、テーブルといった家具が配置され、弁慶にとって足場となる場所を作るのに全く困らない構成となっていた
「水那岐様、このままでは…」
このままではいずれ掴まってしまう
ハイパーモードへと変わればまだ勝機もあるかもしれない
なんとか一瞬でも隙を見つけないと…
「…うざい…」
弾切れは期待出来ない。サイドボードに相当数入ってると思われる
花乃が時間を稼いでくれっているうちに、なにか手を考えないと…
「…花乃…アレルギーペタルを…転送…します…」
「了解しました」
花乃の左手に、アレルギーペタルが現れる
「……攻撃…回避後…1.65秒後に…周波数…3.42で…起動…」
だんっ!
弁慶が再び跳躍し、蹴りを放ってくる
なんとか避ける
幸い、タイミングが解るのでこういった体術は比較的避けやすい
ただ、この後にこちらを見ずに射撃をする場合もあるので避けたからといって油断は出来ない
『グオングオン…』
水那岐の指示通り、アレルギーペタルを起動する
「ふん?…!?」
ずるっ!
今まで鮮やかに跳躍していた弁慶が足を滑らせ落下した
「弁慶!」
弁慶のマスターが可愛い声で叫ぶ
水那岐が指示したタイミングは、弁慶がブレードに足をかけて再度跳躍する為に踏ん張るタイミングであった
弁慶が妨害音波から逃れるのに要した時間は、わずか0.12秒
しかし、足を踏み外すには十分な時間であった
「…ハイパーモード…起動…」
「了解。ハイパーモード起動!」
「!…させない…!」
パンパン
ハンドガンを放ち阻止しようとするも、不安定な姿勢からではマトモに狙う事など出来るはずもなく
「弁慶、それより着地を優先して!」
クルクル…スタッ!
「…どこ…?」
無事着地した弁慶は、相手の状況を確認すべく、花乃の方を向いた
すると、見た目だけでなく、雰囲気まで変わっている花乃がそこにいた
「ワタクシ、参上!」
びしっ!
空中で無駄に手を振り回し、ポーズを決める
「…は?…どうした…千空?」
「…う~ん…さあ?」
「おーっほっほっほ!言っておきますけど、ワタクシは最初からクライマックスですわよ!」
ビシィ!
テーブルの上に乗り弁慶を指さし、さっきとは違うポーズを決める花乃
「はぁ?…何…?」
「気を付けてね弁慶!ハイパーモードになってるから、さっきまでとは全然違うはずだよ」
「?あ、あぁ…行くぞ…!」
一気に加速し、花乃へと肉薄する弁慶
「…ファースト…!」
回し蹴りを放つ。が、リーフガントレットでガードされる
「…セカンド…サード…ストライッ!」
巧みなコンボ攻撃を放つ弁慶。しかし全て防がれる
「チ…お前…!?」
弁慶が僅かに動揺して出来た隙を花乃は見逃さなかった
「せいっ!」
蹴りが弁慶の腹にヒットする
「ぐ…ぬぅ…!」
マトモに喰らってしまい、蹴り飛ばされる
ゴロゴロ…
「げほっ…ごほっ…チ…」
「いきますわよ。ワタクシの必殺技、その1!」
背中の花弁を2枚取り、弁慶へと投げつける
「…!」
キィン
アーミーブレードを構え、飛んできた花弁を弾く
「気を付けて弁慶!戻って来るよ!」
弾かれた花弁は、くいっと物理法則を無視し軌道を変え、再び弁慶に襲いかかる
キィン!キィン!
「やりますわね…ではコレならどうです?ワタクシの必殺技、その2ダッシュ!」
攻撃していた花弁が弁慶を挟み込むように移動し、力場を発生させる
「…動か…ない…?」
「頑張って弁慶!そのくらいの力場なら抜けられるはずだよ!」
「そうはいかなくてよ。せいっ!」
気を込め真っ直ぐに伸ばしたグラースプアイビーを投郭する
「ぐぅ…!?」
グラースプアイビーは弁慶の左肩へと突き刺さった
「コレでトドメです!」
花弁をもう2枚切り離し、自分の前へと展開し、フィールドを形成する
自らを弾丸とし、レールガンの原理で打ち出す花乃の必殺技その2ダッシュである
「チ…ふざけるなぁ…!」
キック体勢に入ろうとしたその時、弁慶が右腕の拘束を振り払った
…どうする?
一瞬の躊躇
相手はもう一方も抜け出そうとしてしている
…行くしかない
覚悟を決めキックを放つ
「喰らえ…!」
それに対し、拳をぶつける弁慶
グシャアッ!
両者か交錯した後
「ぐ…!」
右腕を失った弁慶と
「うぐっ…うぐぅ…!」
右足を失い、立てずにいる花乃がいた
「花乃、逃げて」
水那岐の指示に飛んで離脱しようとするが
「!させない…」
ヒュン
「はぐっ!」
弁慶が投げたアーミーブレイドが花乃の右肩に刺さり、貫通する
そのままテーブルの上へと縫い付けられてしまった
残った左腕でハンドガンを構え、花乃へと銃口を向ける
「降参…撃ち抜かれる…選ぶ…」
カチリと撃鉄を起こしながら訊ねてくる弁慶
「…はい…降参…です…」
『花乃のマスターからのギブアップを確認!勝者、弁慶!』
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いいところまで攻めておきながら、最後は判断ミスからひっくり返されてしまった
…いや、気迫に押されたのかもしれない
「…やはり…経験…不足…でした…」
「あのー経験不足って、もしかして…?」
「…まだ…初めて…一月…足らずです…」
「ええっ!」
「…はっ…」
驚く千空と弁慶
「…香田瀬君と…観奈ちゃんに…教わりましたから…」
「観奈ちゃんって、あの國崎観奈ちゃん?」
「…はい…そうです…」
「スゴイですね。あの國崎観奈ちゃんに教わってるなんて」
「違う。上が良い、でも下が駄目は無駄。これ実力…千空…見習え」
「え…あはは」
「…そんなこと…ないです…」
照れる水那岐の表情に、ちょっとだけドキっとする千空
(この人、僕より年上なんだよな…どうみても同世代にしか…)
「…?どうか…しましたか…?」
「ひ、なんでもないです。あは、は…」
「…ところで…一つ…聞きたいのですが…よろしいですか…?」
「あ、はい。何で…しょう?」
「…ずっと…気になって…たのですが…何故…貴方は…女の子の…服を…着ているの…ですか…?」
「う…複雑な…事情が…あるんです…orz」
「…訊くな…orz」
落ち込む千空。そんな彼の頭をそっと撫でる水那岐
「…頑張れ…男の子…」
…いや、気迫に押されたのかもしれない
「…やはり…経験…不足…でした…」
「あのー経験不足って、もしかして…?」
「…まだ…初めて…一月…足らずです…」
「ええっ!」
「…はっ…」
驚く千空と弁慶
「…香田瀬君と…観奈ちゃんに…教わりましたから…」
「観奈ちゃんって、あの國崎観奈ちゃん?」
「…はい…そうです…」
「スゴイですね。あの國崎観奈ちゃんに教わってるなんて」
「違う。上が良い、でも下が駄目は無駄。これ実力…千空…見習え」
「え…あはは」
「…そんなこと…ないです…」
照れる水那岐の表情に、ちょっとだけドキっとする千空
(この人、僕より年上なんだよな…どうみても同世代にしか…)
「…?どうか…しましたか…?」
「ひ、なんでもないです。あは、は…」
「…ところで…一つ…聞きたいのですが…よろしいですか…?」
「あ、はい。何で…しょう?」
「…ずっと…気になって…たのですが…何故…貴方は…女の子の…服を…着ているの…ですか…?」
「う…複雑な…事情が…あるんです…orz」
「…訊くな…orz」
落ち込む千空。そんな彼の頭をそっと撫でる水那岐
「…頑張れ…男の子…」