それは小さな花屋さん。良くある商店街の隅の花屋さん。華やかであれどヒト気がビミョーに無いせいでイマイチ儲かってるんだか儲かってないんだかわかんない・・・え?そこまで言うと世の花屋さんに失礼だって?それもそっか。まーつまりはそんな花屋さん。
でも、そこが普通の花屋さんと違うのは・・・
でも、そこが普通の花屋さんと違うのは・・・
「あのさー、彼女に花を贈りたいんだけど、どんなのがいいのか俺わかんなくてさ、店員さん選んでくんない?」
「私様が知るわけ無いじゃない!! 適当に選びなさいよ!!!」
「へぁ!? あんたここの店員やってる神姫なんだろ? それも花のカッコしてんのに?」
「それは仕様!!」
そこには、花の嫌いな花型神姫ジルダリアの店員さんが居る事でした(笑)
「私様が知るわけ無いじゃない!! 適当に選びなさいよ!!!」
「へぁ!? あんたここの店員やってる神姫なんだろ? それも花のカッコしてんのに?」
「それは仕様!!」
そこには、花の嫌いな花型神姫ジルダリアの店員さんが居る事でした(笑)
「んな事言っても、こっちは瀬戸際なんだよ! いいから良さそうなのを適当に見繕ってくれよ!」
「ふん、ここで食い下がらないとはそこそこ根性はあるようね。じゃあ、事情を話してみなさいよ?」
「何で神姫の癖にそんなに態度でかいんだよ?」
「あん? 私様は私様だからいいのよ。それとも、選んで欲しくないの?」
「ちっ、足下見やがって。仕方ねえ、説明するとな、ちょっと彼女を怒らせちまってよ、いやまあ原因は俺がちょびっと浮気したせいなんだが」
「ちょびっと?」
「そこはツッコむな! ともかくっ!! それで別れるとか言い出されて、何とか機嫌をとらねえとホントに別れさせられて、いやそれだけじゃ済まねえな、あいつの家結構気合入ったヤクザでさ、そんなコトになったらあいつの親にコンクリート漬けで東京湾ダイブとか余裕でされるんだよ!」
「コンクリート漬けって、今もやってるの? 古くない?」
「だからそーいうつまんねえ所ツッコむんじゃねえ! つまり命がけなんだよ! 判るか!?」
「それならこんな所寄り道してないでさっさと平謝りしてきなさいよ。見込みあると思ったらヘタレね」
「んなこと言ってもな、さすがに自分の命がかかってるとなると、身一つで挑むのは厳しいだろ? 気休めでもなんかあった方がいいんだよ。まあ何より、あいつ普通にプレゼント好きだし・・・」
「・・まあしょうがない、夢に出られても困るから協力してあげようじゃないの」
「あ? 神姫って夢見るのか?」
「そっちも余計なツッコミ入れないの! じゃあ、確認するけど、その娘の事命抜きにして好き? 別れたくない?」
「当たり前だ! そうじゃなきゃさっさと逃げ出してる!」
「なら、仲直りに命くらいかけたっていい?」
「ハナから命がけだ!」
「なるほど。あ、ついでに聞くけどその娘って花好きなの? 花の種類とか詳しい?」
「ああまあ、あいつ生け花とかやってるから。花もいつもは俺が貰う方」
「ふう~ん、じゃあ、ちょっと待ってなさい・・・ え~っと、これね」
「? 鉢植えぇ? 花束じゃねえの? まあ綺麗っちゃ綺麗だけど、何の花だ?」
「ハナトリカブト」
「とりっ!? トリカブトぉ!!?」
「そう。それ観賞用で普通より毒性低いけど、塊根食べれば普通に死ねるから。『俺が信じられなかったら、これで俺を殺してくれっ!』って言えばいちこ・・」
「いい加減にしなさい!!!」
ばちこーん!
「あきゃうっ!?」
「うわっ! ハリセンで神姫叩き落とした! 酷っ!!」
「いや良いんですよ。この娘これ位しないと止まりませんから。でもすみません、また配達で目を離した内に、うちの店員が毒物なんて売りつけようとして。話はよく判りませんが、とりあえず女性に送るんでしたら他の花を見積もりましょうか?」
「・・いや、いいんだ! 俺なんだか目が覚めたよ! そうだよな、恋愛って命がけ位じゃねえとな!」
「いやそれはいいんですが実際死なれると困りますのでこちらの切花の方をお売りしますよ」
「ああ、サンキュー! じゃあ俺、彼女に謝ってくるから! その神姫の姐さんが起きたら礼を言っておいてくれ!」
「ふん、ここで食い下がらないとはそこそこ根性はあるようね。じゃあ、事情を話してみなさいよ?」
「何で神姫の癖にそんなに態度でかいんだよ?」
「あん? 私様は私様だからいいのよ。それとも、選んで欲しくないの?」
「ちっ、足下見やがって。仕方ねえ、説明するとな、ちょっと彼女を怒らせちまってよ、いやまあ原因は俺がちょびっと浮気したせいなんだが」
「ちょびっと?」
「そこはツッコむな! ともかくっ!! それで別れるとか言い出されて、何とか機嫌をとらねえとホントに別れさせられて、いやそれだけじゃ済まねえな、あいつの家結構気合入ったヤクザでさ、そんなコトになったらあいつの親にコンクリート漬けで東京湾ダイブとか余裕でされるんだよ!」
「コンクリート漬けって、今もやってるの? 古くない?」
「だからそーいうつまんねえ所ツッコむんじゃねえ! つまり命がけなんだよ! 判るか!?」
「それならこんな所寄り道してないでさっさと平謝りしてきなさいよ。見込みあると思ったらヘタレね」
「んなこと言ってもな、さすがに自分の命がかかってるとなると、身一つで挑むのは厳しいだろ? 気休めでもなんかあった方がいいんだよ。まあ何より、あいつ普通にプレゼント好きだし・・・」
「・・まあしょうがない、夢に出られても困るから協力してあげようじゃないの」
「あ? 神姫って夢見るのか?」
「そっちも余計なツッコミ入れないの! じゃあ、確認するけど、その娘の事命抜きにして好き? 別れたくない?」
「当たり前だ! そうじゃなきゃさっさと逃げ出してる!」
「なら、仲直りに命くらいかけたっていい?」
「ハナから命がけだ!」
「なるほど。あ、ついでに聞くけどその娘って花好きなの? 花の種類とか詳しい?」
「ああまあ、あいつ生け花とかやってるから。花もいつもは俺が貰う方」
「ふう~ん、じゃあ、ちょっと待ってなさい・・・ え~っと、これね」
「? 鉢植えぇ? 花束じゃねえの? まあ綺麗っちゃ綺麗だけど、何の花だ?」
「ハナトリカブト」
「とりっ!? トリカブトぉ!!?」
「そう。それ観賞用で普通より毒性低いけど、塊根食べれば普通に死ねるから。『俺が信じられなかったら、これで俺を殺してくれっ!』って言えばいちこ・・」
「いい加減にしなさい!!!」
ばちこーん!
「あきゃうっ!?」
「うわっ! ハリセンで神姫叩き落とした! 酷っ!!」
「いや良いんですよ。この娘これ位しないと止まりませんから。でもすみません、また配達で目を離した内に、うちの店員が毒物なんて売りつけようとして。話はよく判りませんが、とりあえず女性に送るんでしたら他の花を見積もりましょうか?」
「・・いや、いいんだ! 俺なんだか目が覚めたよ! そうだよな、恋愛って命がけ位じゃねえとな!」
「いやそれはいいんですが実際死なれると困りますのでこちらの切花の方をお売りしますよ」
「ああ、サンキュー! じゃあ俺、彼女に謝ってくるから! その神姫の姐さんが起きたら礼を言っておいてくれ!」
「・・・姐さん、ですか。また変なリピーターさんが増えたみたいですね」
「あいたたた・・。あんた、私様のマスターだったらもうちょっと丁重に扱いなさいよ!」
「乱暴にして壊れるタマですか貴女は。大体、花が嫌いな癖して何で毒草はあんなに育てているんですか」
「だって花って臭いし面倒だし、私様のサイズだと花粉がべたべたするもの」
「だったら土いじりで汚れるのはいいんですか。おかげでうちの店、変な評判ばっかりなんですよ!『女王様に叱って貰える店』だとか『裏で毒売っている店』だとか」
「ねえ、それよりまた新しい花入れてよ」
「何をですか?」
「オニユリとフクジュソウとジキタリスとカンナビス」
「またそれ全部、毒草じゃないですか! それもほとんど花じゃないですし」
「違うわよ、漢方薬作っているって言ったじゃない」
「貴女の作った漢方薬の小瓶、知人に調べてもらったら思い切り毒性成分だけ抽出してあったんですが?」
「気のせいよ気のせい。いいじゃない、あんたに使うわけじゃないんだし」
「じゃあ誰に使うんですか」
「大体私様ってば夜も昼も無くずっとただ働きしている訳じゃない? それ位の趣味はあったっていいでしょう? あ、私様は玩具なんだから働く必要なんてそもそも無くて、存在しているだけで愛玩価値があるわけで、それを返上して働いているんだから倍の給料貰っても言い訳ね」
「それは屁理屈です。それなら電気代や家賃(?)諸々払ってください。大体、新品特価3割引の癖に態度が大きすぎやしませんか?」
「何よ? あんただって『花型だから花屋の店員に丁度いい』なんて安直過ぎるのよ! 文句あるんなら私様にだって考えがあるわ! このアホ店長に弄ばれた~って言いふらしながら、この毒あおってやるわ!! これであんたは教唆罪でブタバコ行きよ! ざま~かんかん!」
「って貴女毒じゃ死なないでしょ!!」
ばーっちこーっん!!
「あいたー! お後がよろしいようでー!!!」
「あいたたた・・。あんた、私様のマスターだったらもうちょっと丁重に扱いなさいよ!」
「乱暴にして壊れるタマですか貴女は。大体、花が嫌いな癖して何で毒草はあんなに育てているんですか」
「だって花って臭いし面倒だし、私様のサイズだと花粉がべたべたするもの」
「だったら土いじりで汚れるのはいいんですか。おかげでうちの店、変な評判ばっかりなんですよ!『女王様に叱って貰える店』だとか『裏で毒売っている店』だとか」
「ねえ、それよりまた新しい花入れてよ」
「何をですか?」
「オニユリとフクジュソウとジキタリスとカンナビス」
「またそれ全部、毒草じゃないですか! それもほとんど花じゃないですし」
「違うわよ、漢方薬作っているって言ったじゃない」
「貴女の作った漢方薬の小瓶、知人に調べてもらったら思い切り毒性成分だけ抽出してあったんですが?」
「気のせいよ気のせい。いいじゃない、あんたに使うわけじゃないんだし」
「じゃあ誰に使うんですか」
「大体私様ってば夜も昼も無くずっとただ働きしている訳じゃない? それ位の趣味はあったっていいでしょう? あ、私様は玩具なんだから働く必要なんてそもそも無くて、存在しているだけで愛玩価値があるわけで、それを返上して働いているんだから倍の給料貰っても言い訳ね」
「それは屁理屈です。それなら電気代や家賃(?)諸々払ってください。大体、新品特価3割引の癖に態度が大きすぎやしませんか?」
「何よ? あんただって『花型だから花屋の店員に丁度いい』なんて安直過ぎるのよ! 文句あるんなら私様にだって考えがあるわ! このアホ店長に弄ばれた~って言いふらしながら、この毒あおってやるわ!! これであんたは教唆罪でブタバコ行きよ! ざま~かんかん!」
「って貴女毒じゃ死なないでしょ!!」
ばーっちこーっん!!
「あいたー! お後がよろしいようでー!!!」
・・・訂正。花が嫌いで女王様で姉御肌で毒薬精製が趣味でツッコミのキツいマスターのいる、ついでに新品特価3割引の花型神姫さんでした(爆笑)