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クラブハンド・フォートブラッグ
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
キズナのキセキ
魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン
浸食機械
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えむえむえす ~My marriage story~

2014年

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デュアル・マインド
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悪魔に憑かれた微駄男
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えむえむえす ~My marriage story~

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キズナのキセキ
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類は神姫を呼ぶ
浸食機械
引きこもりと神姫
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白濁!? 阪高神姫部
白い英雄を喰う黒い女神
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流れ流れて神姫無頼
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車輪の姫君
樫坂家の事情!
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おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
Memories of Not Forgetting
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武装神姫のリン
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橘明人とかしまし神姫たちの日常日記
戦う神姫は好きですか
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妄想神姫
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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クラブハンド・フォートブラッグ
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ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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『モア』と飯島千夏は、取り敢えず落ち着く迄修理センターへ搬送される事になった
『クイントス』のマスターである川原正紀氏がその旨を皆に伝える迄、誰も一言も発しなかった
「この大会はおかしい・・・神姫を大事に思うなら参加するべきじゃない」
川原氏の演説に、皆意気消沈した様に顔を伏せた
「納得出来無い」
だが、異を唱える声が一つ
「そうすればあんたは損はしないかも知れねえが、あんたの神姫への挑戦権を得られない俺達はどうすれば良いんだ?うちの『テスタ』はあんたの『クイントス』に憧れて、それと闘う為に辛い特訓を重ねてきたんだがよォ。川原正紀さん?」
「!?」
藤田隆二・・・『テスタ』のマスターだ
「その通りでござるな・・・自分がチャンピオンだからといって少し調子に乗り過ぎではござらぬか?」
等身大のフブキ・・・ではない、『ホークウインド』のマスター、木原忍だ
胸ポケットで全く同じ顔のフブキが頷いている
「・・・君達は・・・今はそれどころではないのが判らないのか!?」
だが、川原氏の言葉は途中で、意外な者に遮られた
「マサキ、彼らの言う通りだ。神姫が嫌がっているならともかく、戦いを望んでいる神姫が居るのなら、その闘う場を奪うのは貴方の普段の主張を捻じ曲げる事になるのではないか?」
サングラスに蒼いスーツの武装神姫が・・・その眼鏡を外す
「正直、私は別にこの闘いで勝った者だけと闘う・・・等と傲慢な事を言うつもりは無いが・・・」
「この『クイントス』に挑む為にこの一連の闘いを経て君達がさらに強くなってくれるなら・・・私はとても嬉しい。私も一人の武装神姫であるからには、より良い闘いを経験したいという欲求があるからだ。ここでのチャンピオンになる事の賞品がそれだというなら、私は喜んでそれを受け取りたい」
あれが・・・
女王『クイントス』か・・・!
迫力が違う
実力が違う
器が・・・違う!
残りの全てのマスターと神姫の相談が纏まる迄に、そう時間は掛からなかった



第拾参幕 「かすみ」



次は第六試合・・・つまり、私と『ホークウインド』のバトルだった・・・が
「マスター・・・迷いがあるのか?」
問いに、マスターは首を横に振った
「いや・・・仮に俺が止めても、お前は行くつもりなんだろ?華墨」
・・・確かに、あれだけ悲惨な『モア』の有様を見た後だというのに、私の心の奥底に熱い火が燃えているのが判る
仮にマスターから撤退を進言されたとしても、『オーナー権限』とかでなければ抗ってしまう気がしていた
「じゃぁ・・・何故だ?いつもならバトル前はもっと喋っている気がするのだが・・・?」
「・・・うん、少し、考えていたんだ」
何を?と首だけでジェスチャ
「仮にこの事故が仕組まれた事態だとして、こんな田舎の大会でこんな手の込んだ真似して、一体誰が得するのかな・・・ってな」
言われてみれば、最初から不自然な部分は多々あったが・・・
「筺体に細工があったとすりゃ、出来るのは店のもんだけだ。でも、これが原因で店に客が来なくなったら意味が無い・・・厳し過ぎるこの対戦方式は方式で、『クイントス』の望んだものじゃ無さそうなのがさっき判った」
「なんか、誰も得してない感じがしないか・・・?」
得体の知れない超能力を発揮する武装神姫達、田舎の大会にしては陰謀めいた気配がする現状・・・だが
「らしくないな、マスター?仮にこれが誰かの陰謀だったとして、それに対する私達のスタンスは決まっているんじゃないのか?」
最近、私は自らの考えに一人で埋没する癖から少しずつ抜け出しつつある・・・が、代わりに今度はマスターか
「仮に誰かの陰謀だったとしても、神ならぬ私達に出来る事は、目の前の事態から順番に解決していく事だけじゃないのか?大局的な見方も良いかもしれないが、それで結局動かないなら、罠に嵌って見る方が色々見えてくるんじゃないのか?」
危険な考え方だと、自分でも理解はしている。が、今は恐怖と疑心暗鬼に縮こまって身動きが取れなくなる方が何倍も怖かった
何よりも、『クイントス』の演説が利いていた
『私も一人の武装神姫であるからには、より良い闘いを経験したいという欲求があるからだ』
それは、今迄漠然としていた目標に、確たる実体が与えられた瞬間でもあった
私は、あの女王に接近したい
その為ならば、多少のリスクは、覚悟しなければならない・・・!!
「私は征くぞ、マスター!今私達には、前にしか道は無い!!」
強引だったか・・・だが、マスターは顔を上げて、私を見て笑ってくれた
「闘わねえとは言ってないだろ?ちょっと考え込んでただけさ・・・」
「そろそろ準備して、さっさとあのニンジャと闘おう。今は少しでも多くの闘争を経験したい!」
「あぁ、判ったよ・・・このバトルフリークめ」
マスターはようやく重い腰を上げ、オーナーブースへ向かった



今回の舞台は和風の城郭内部だった・・・忍者型のフブキと、侍型の紅緒が闘う舞台としてはこれ程の良ロケーションもあるまい・・・少し確認したが、その気になれば屋根瓦の上で闘う事も出来そうだ、御丁寧に空に三日月までかかっていた
(さて・・・忍者型で素手主体か。流石に『G』の様な馬鹿げた攻撃力は無いだろうから奇襲で来ると思うが・・・?)
『華墨、気を付けろ!今相手の反応がそっちに真っ直ぐ向かってる!!』
何?真っ直ぐ来たか・・・否、きっと忍者だからデコイか何かに違いない。狭い通路では不利かな?
そう思っていた私の予想は、真正面から廊下をまっすぐに走って来た『ホークウインド』を見て完全に覆された。ちょっと待て!幾らなんでもまとも過ぎるだろうそれは!?
見れば『ホークウインド』は全くの素体のまま、ナイフはおろか、『G』の様に補助的な甲冑やマントすら身に付けていなかった
(正気なのか・・・ッ!?)
反応は完全に遅れた。首めがけて飛び込んで来た鋭い蹴りを、無様に太刀で受け止めて、衝撃を殺し切れずに真後ろに向かって廊下を滑る
「ぐはっ!!」
しこたま壁に背中を打ち付けて、格好良くない声が漏れる・・・こんな所迄人間の真似をしなくて良い!!
対する『ホークウインド』は・・・ラッシュを仕掛けてくると思ったが、まるで体重が無いかの様に私から5スケールメートル程向こうに着地、突っ立ってこちらを見ている
「『貧弱でござるな」』
多分、今こいつオーナーと完全にハモってた
「貧弱・・・だと?」
「新人で、マスターに戦術勘がない割には元気が良くて根性がある武装神姫と聞いていたから楽しみにしていたのでござるが・・・」
『これならホークウインドが素手でやる迄もないでござるな』
「舐めるなよッ・・・このエセ忍者がっ!!」
今回は腰に懸架していたマシンピストルを抜き放ち、フルオートで7発、ホークウインドめがけてぶっ放す
・・・が
「な・・・っ!?」
残像を残して・・・消えた?
『真横だ華墨ィ!!』
「えっ?」
いつの間にか、私の右手に持った銃はホークウインドの手に握られていた
「『残念でござる」』
爆音、必死になって右の肩当で防ぐ、が、がりがりと削られ、瞬く間に装甲としての体を成さないまでになってしまう
「がァあっ!!」
強引に太刀を振るって距離を置くと同時にリボルバー銃を引き抜いてばしばし三発叩き込む
「ふ・・・っ!はぁっ!!」
今度は、はっきり見えた
ホークウインドは数歩助走を付けると、ダッシュの勢いのまま軽く跳躍し、そのまま「壁を走って」私の側面に回りこんでいるのだ
(こんな動きが・・・出来る物なのか!?)
途轍もない運動能力の賜物だろう・・・運動能力?
時速100キロ近いだろう拳が私を襲う・・・!考えている暇は無い『G』程の威力は無い分この攻撃は的確に死角を縫って迫る
私は・・・右肩の装甲を切り離した
私の肩という「芯」を失って、あっさりへしゃげる装甲、かがみこむのが遅れていたら今のは相当やばかったかもしれない。現に、兜の角飾りが折れ飛んでいた
左隣に・・・窓がある!跳躍だ・・・跳躍しろ!華墨!!
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
三度、ホークウインドの拳脚が私を襲う・・・大丈夫だ、装甲がある、一撃では、やられない
今度は被っていた筈の兜が弾け飛ぶ・・・だが、もう私の体も頭もそこには無い
「『広い所なら勝てるとでも!?」』
追い、矢の様に飛び出してくるホークウインド。リボルバーの残り3発を叩き込む・・・が、どうやったのか判らないがかわされてしまった様だ
「ハァッ!ハァ、ハァ・・・」
屋根の上によじ登り、兎に角数瞬時間を稼ぐ
『華墨!ヤツのサイドボードが判った。鉤付きのワイヤーを張り巡らして、「正面に飛びながら横に避ける」とかが可能なんだ』
成る程・・・飛行用のごちゃごちゃした装備を使わずに空中機動が可能なのか。とんでもないヤツだ
少し遅れて、ホークウインドが登って来る
「観念したでござるか?」
片手の手刀で首を掻き切るジェスチャーをしながらホークウインドが呟く
「それとも何か策でも?一応言っておくが、障害物を使わないガチの白兵戦でも今のお主に勝ち目は薄いでござるよ?」
「・・・策・・・か」
バーチャルの空を見上げる
無い訳では・・・無いと思う
ただこれは果たして「策」と言えるのだろうか?
『クイントス』の演説が思い起こされる
(『より良い闘い』・・・か)

「貴女に尋ねたい事が一つある・・・聞いてくれるか?」
「聞くだけなら」
両手を組み、片目を閉じてこちらを見る・・・背に掛かる月が、絵になる立ち姿だった
「何で素手でやろうと思ったんだ?」
「はっ」と、軽くホークウインドは笑った
「決まっているでござる。この『武器』を拙者達は最強だと考えたからでござる・・・それに」
悪戯っぽく微笑む・・・眼鏡とか似合いそうだと、脈絡無く思った
「それに?」
「折角だから誰もやってなさそうな事がしたかったからでもあるでござる」
不覚にも吹き出してしまった
「笑うのでござるか?」
言いつつ彼女も笑っている
「判った・・・私ももう少し自信を持ってみるよ・・・貴女の様な神姫と堂々と渡り合える様に!」
覚悟は、決まった
「貴女のからだと私の剣と、どちらが強いか、試してみよう」
太刀を、上段に構える・・・この構えで一気にトップスピード迄加速して走れるかどうかは未知数だ、が
(自信と・・・誇りか・・・)
それは『クイントス』にあり、『ホークウインド』にあり、私にまだ、完全な形では無いものだ
全ての鎧を脱ぎ捨て、走る・・・!
獣の様に
風の様に
光の様に
振り下ろした剣閃は、ホークウインドにとって決してかわす事が不可能な攻撃ではなかっただろう
私の、ある種異常なダッシュ力は、彼女の様な上位ランカーにはもう知る所だろうからだ
だが、私は確信していた
彼女なら、必ず私のこの攻撃をその腕で受けに来るだろう事を
侍の精神を持つ忍者型神姫と、忍者の身体能力を持つ侍型神姫
この闘いは
後の私にとって
とても重要な闘いになるだろう
惜しむらくは
その闘いの結末を、私の本当の実力ではなく
ホークウインドの誇りを悪用した
私の薄汚い奸知で告げてしまう事だった
月夜を貫く、硬質な打撃音
案の定、私の唐竹割りは彼女の鋼鉄の腕に防がれ
私はその腕と太刀の接触点を支点に、
月夜に向かって跳躍していた
「マスタァァァァァァァァ!!!」
私の手の中にあった太刀が分解され、消える
殆ど同時に、私の指は引き金を引く動作をこなしていた
爆音は一度だけ、つくりものの月夜に大きく響いた



「ひどい事をして・・・済まなかった・・・今の私では、こうするしか貴女に勝つ方法が、無かった」
月夜の元、私の膝の上で額から擬似血液を流すホークウインドに話しかける
涙を流せるなら、流していただろう・・・否、案外気付いていないだけで、流していたかも知れない
「ふ・・・良いでござるよ・・・あんな見え透いた挑発に乗った拙者の不覚でござる・・・」
それでも微笑むホークウインド、既に、足元から少しずつ、白化して消え始めている
「でも・・・っ!私は貴女の誇りを悪用してッ・・・!!」
「強く・・・なるでござる・・・そうしたら・・・許してあげるで・・・ござるよ」
もう殆ど胸まで消えて、残った片腕で私の顔を撫でる・・・微笑みが・・・堪らなく綺麗だった
「ああ・・・!貴女の魂は受け取った!!私はきっとなってみせる・・・こんな真似しなくても、きちんと真正面から貴女みたいなひとと闘える戦士に!!」
消えゆく彼女の手を握り、私は月夜に吼えた



「見返してみるとおっそろしくクサい光景でござるな」
「なんかのバトル漫画みたいでござるな」
「単にバーチャルで倒しただけだってのに。大げさな奴だなお前・・・そんなキャラだったっけ?」
勝利のコールの後、アクセスポッドから黄昏た表情で出て来た私を迎えたのは、三者三様の凹ましい台詞だった
あぁ馬鹿だったさ!でもあの瞬間は何か空気に呑まれてやっちゃったんだよ!あーゆー事を!!
その空気を作り出してしまった原因の殆どがまた私にある事実に結局激しい羞恥心を覚える訳だが・・・
「まぁいいや。見てた連中も外でコールしてるからよ。出て行ってやれよな。『感動的なバトルの立役者さん』?」
意地の悪い笑みを浮かべるマスターの顔はしかし・・・優しかった。何も言わなくても、私の意図を判ってくれた人の、顔だった
「くそっ!!もうどうにでもなれぇぇい!!」
思い切ってこの時ブースから出た私は、やっぱり勇者だったと思う
その闘いの勝利の美酒は、恥じらいと照れと、少しの罪悪感で、なかなか本当の味を味わう事は出来なかった
でも、何かまた一つ、大事な物を得たのは確かな様だった







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