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えむえむえす ~My marriage story~

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第5幕「心の指し示す場所」


 焔は自問自答を繰り返す。
 ワタシはご主人の意に適っているのか? と。
 出る答えは決まっていた。
 海神の代わりたる自身はその代理としての役目を果たさなくてはならない。
 以前であれば、そこで思考は終わっていた。
 だが、
 はたしてそのワタシの思いは、ご主人の求めるものと同じであるのか?
 それこそ以前であったなら、その答えを「是である」と言えただろう。
 しかしそこで焔は思う。
 ならばなぜワタシはフブキではないのか?
 普通の感覚で答えれば「フブキは限定品だから」で片付く問題である。が、結城セツナという少女は、自身が自室から一歩も外出する事なく、現在発表されている全てのMMSを手に入れるだけの環境を持っているのだ。
 そんな、ある種の特権を持つ彼女に、「限定品だから」というだけの理由でフブキを入手できないはずがあるのだろうか?
 否。
 実際焔が目覚める前、セツナの目の前には全ての武装神姫があったのだ。当然そこにはフブキもあった。
 ならば……
 焔は考える。
 ならばワタシは何を望まれてここにいるのだろう、と。



 当たり前のことではあるが、その日もセツナは学校に登校していた。
 学校に来るぐらいならば焔との関係をどうにかしたい、という子供じみた思いがあるのと同時に、学校にいると焔と一緒では無いので楽だ、という矛盾した思いも去来する。
 焔と一緒にいる事は、ある種の苦痛を伴った。
 膨れ上がったわだかまりは、セツナの精神を大いに疲弊させる。
 元来人付き合いの苦手なセツナは、そのコミュニケート能力の脆弱さを持って、焔との関係を円滑にする術を知らない。
 だから放課後にもなると、焔との距離感をどう埋めようか、とばかり考えてしまう。
 そしてもちろん今もその事で頭が一杯になっていたので、その友人が声をかけるまで存在を感知する事が出来なかった。
「ねえ、セツナったら。大丈夫?」
 朔良=イゴール(さくら・―)という名のハーフの少女は、この学校内で唯一セツナの趣味を知るものである。
 突然現れた(少なくともセツナにとっては)友人に、驚いた様子を微塵も表に出さずセツナは微笑む。
「大丈夫って、なにが? いつもと何も変わらないわよ」
「もうっ! アタシにまでウソつかなくてもいいんじゃない」
 頬を膨らませて抗議する友人をみて、それもそうだ、と思い至ったセツナは、
「それじゃあ、少し付き合ってもらえるかしら?」
 と言って、今度は笑う事をやめた。
 二人が向かったのはとあるドールショップである。
 ドールショップ、と言ってもドールハウスがメインでありドールは販売されていない。ドールハウスに使用する様々な小物が製造、販売されている個人経営の店だ。
 個人経営の強みかそれともアバウトさか、座席は少ないがお茶も楽しめるらしい。
 らしい、と言うのは、セツナはこの店を訪れた事がなく、朔良がつい最近見つけたばかりの店だからである。
 セツナ達の学校から駅二つ隔てた場所にあるその店の名は『妖精館』。何とはなしに気恥ずかしくなる名前であった。
「いらっしゃいませ~」
「なのですよぉ~♪」
 ドアに取り付けられたベルの音に反応して接客するその声に、セツナは聴き覚えがあった。
 思わず声の主を注視する。
 目が合った。
「…………………………………………」
「…………………………………………」
「あ、結城さんなのですよぉ♪」
 そこにいたのはセツナよりわずかばかり背の低い眼鏡をかけた少年と、その少年の所有するマオチャオの武装神姫だった。
 二人とも、可愛いフリルのエプロンを身に着けてそこにいた。



「こちら、ブレンドとカモミールティーです」
 その少年は少し照れくさそうにカップを二つ置く。
「ありがとう」
 セツナはにっこりと笑みを浮かべた後、耐えるようにクツクツと笑い出した。
「堪えるくらいなら笑ってくださいよ~」
 困ったような顔で抗議する少年。その顔を見てセツナは更におかしくなった。
 少年は困り顔を更に情けなくして、店の奥に戻る。
 少年が奥に消えたのを見計らい、朔良は小声で訪ねた。
「ねぇねぇ、知り合い?」
「うーん、今はまだ友達……の友達くらい、かな?」
 そう言ってセツナは少年――藤原雪那(ふじわら・せつな)――が消えた方に視線を移す。
 友人のその表情を見た朔良は思うところもあったのだが、とりあえず今はその友人の悩みを聞きだすことが第一だと考え直した。
「で、悩みの種はやっぱり焔ちゃん?」
 何の躊躇もなく、迂遠な表現の一つもなく切り出した。
 セツナはその友人の遠慮のなさに苦笑しつつ、うなずく。
「やっぱりねー。セツナったら他の人が頭を悩ますような事は簡単にこなすくせに、こういう事ばかりに悩むんだもん」
 そう洩らして朔良はブレンドを一口含む。
「あ、結構おいしい」
「……私ね、あの娘が何を考えているのか良くわかってないの」
 ブレンドの感想に反応する訳でなく、セツナは自身の心情を吐露した。
「本当なら私はあの娘の事を一番知ってなきゃいけないのに、私はあの娘が良くわからない」
 俯いてそう話すセツナを見て、本当にこの娘は不器用なんだから、と朔良は嘆息する。
「あのね、セツナ」
 わざわざそこで一拍置いた。
「だからセツナは頭でっかちが過ぎるのよ。神姫とそのオーナーはこういう関係じゃないといけない、ってどこかで思い込んでいない?」
 セツナがその言葉を理解しようと考え込む前に、朔良は畳み掛けるように言葉を続ける。
「考えるよりも前に思い出す! セツナとアタシ、どうやって友達になれた?」
 そう言われて、セツナは思い出した。
 最初から結城セツナと朔良=イゴールは仲が良かった訳ではない。
 どちらかと言えばお互い嫌い合っていた。
 セツナは朔良の事を「大勢でなければ何も出来ない集団のリーダー格」と思っていたし、朔良は朔良でセツナの事を「頭と財力に物を言わせたいけ好かない女」と思っていた。
 表面上も裏さえも、お互いになるべく関わりあうのを避けていた。
 とあるキッカケで話す事がなければ、今でも二人はお互いを嫌っていただろう。
 言葉を交わす事がなければ、お互い理解など出来なかったはずである。
「……忘れてた」
 もう、一年以上前のことだ。
 朔良はニッコリと笑う。
「ならやるべき事はもうわかるよね?」
「そうね、ありがとう。おかげでスッキリしたわ」
 セツナも笑う。放課後の学校で見せた作り物とは違う、心からの、決意を秘めた笑顔で。



 と、ここで話が終われば少しはキリが良かったりもするのだが、それで二人の会話が終わる訳ではない。
 話の上では完全に蛇足ではあるのだが。
 朔良はスッキリとしたセツナの笑顔を確認すると少しだけ意地の悪い考えを頭にめぐらせる。
 当座の悩みに対する解決法を見出したセツナは改めてカモミールティーを味わっていた。
「ところでさ」
「ん?」
「さっきの子とデートの一つでもした?」
「――?! ッッッ」
 その朔良の不意打ちにセツナがむせる。
 苦しそうにコンコン咳き込んでいる自分を見て、ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる友人を、苦しいながらも恨めしそうにセツナは涙目で睨む。
「セツナってさ、本当はああいうのが好みだもんね~」
 言外に、木井津沙紘(きいつ・さひろ)の様なタイプではなく、という意味がこめられていた。
「何事も話してみなきゃ始らないよ?」
 未だ苦しそうに咳き込む友人に追い討ちをかけるように言った。
 奥から雪那がタオルを持って心配そうにやってきたが、セツナは何も言えなかった。

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