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クラブハンド・フォートブラッグ
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ハウリングソウル
ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
キズナのキセキ
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えむえむえす ~My marriage story~

2014年

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悪魔に憑かれた微駄男
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えむえむえす ~My marriage story~

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深み填りと這上姫
キズナのキセキ
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浸食機械
引きこもりと神姫
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アスカ・シンカロン
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おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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妄想神姫
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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クラブハンド・フォートブラッグ
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ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
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荒野だった
時々乾いた風が吹き、異様に鮮烈なスカイブルーの空は、其処に浮かぶ雲も、天に届く山も無く、果てしなく遠かった
太陽の存在を知覚出来ないにも関わらず、荒野は昼間の明るさを保っている
影が無く、現実感の薄い風景だ
『ボンソワール妖精さん。こんな所で一人で何を?』
何時から其処にいたのか?ピエロの様な格好をした神姫が声を掛けてくる
(・・・一人?)
何時からその荒野に「私」は居たのか、現れたピエロで「自」を知覚したのか。兎に角「私」は一人で、この荒野に立っていたらしい
(・・・何を・・・していたんだろう?)
思考を巡らせようとするが、ピエロの大袈裟なジェスチャーでそれは遮られた
『ノンノンノン・・・深く考える必要は無いのです妖精さん。この現実感の無い大地と、かけ離れてリアルなソラを見れば判ります、判りますとも、ええ』
(なら何故聞いたんだ?)
『貴女は今無数の問いの中にいる・・・この世界の空気を構成するのは全て貴女の「問い」だ・・・でもね妖精さん?いかに妖精さんでも、空気の無い世界ではその「問い」に自ら溺れてしまいますよ?』
(何を言っているんだ・・・?)
『漠蒙としたリアルなソラと、現実感の無い確固たる大地、その狭間に無数の「問い」の空気を湛えた世界で、貴女は太陽が見えずに一人でいきているのです』
『つまり妖精さん。貴女の不幸の「みなもと」はその「孤高」・・・自で自を孤独にしているその孤高なのですよ』
『寄る辺無く咲く花は美しい・・・されど現実には、何の寄る辺も無く咲き誇る花など、有り得よう筈も無いのですよ』



第陸幕 「END OF SORROW」



私は、自分の中に発生した得体の知れない感情を、『充実した闘いによる高揚だったのではないか?』と疑いを持った
未だにその正体は判らない、が、ひとつ判ったのは、結局の所私は、まだ『自我』を得て間もない歴史の浅い人格であり、知識でしか知らない事が多過ぎる・・・という事だ
『敗北』と『恐怖』が苦いのは、私自身が『闘争』と『勝利』を望んでいるからに他ならない
人間からしてみればこの因果関係は当然の摂理なのかも知れないのだが、それが判らないとはつまり、やはりそれだけ私の『知識』と『実体験』とが凄まじく乖離しているという事なのだろう
逆に言えば、『ニビル』に関係する件の感情も、人からすれば他愛の無い事なのかもしれない
いずれにしても、今の私はその事についてあまり思い悩まなくて済む程度には冷静さを欠き、悔しさに煮えくり返っていた
「マスター!いつ迄屍になっているつもりだ!?部屋を出たくないのならせめてICカードとクレジットだけでも寄越すんだ!こんな状態でじっとしている事など耐えられない!私にバトルをさせろ!!」
マスターは・・・私の敗北が余程ショックだったのか、それともオーナーブースで神浦琥珀に何か言われたのか、私を避ける様に部屋に篭り、何事かを考え込んでいた・・・自分の事で手一杯だった私には、そうなったマスターをフォローしてやる事等思い付きもしなかったのだが・・・
「マスターが来ないのなら私だけでも闘いに行く!」
薄く・・・ドアが開かれた
憔悴し切った表情のマスターに、普段の能天気な溌剌さは、欠片も見出す事は出来なかった
私はそんなマスターからカードの類だけふんだくると、何も言わずに駆け出し、部屋を出ていた
「・・・俺は・・・なにをやってんだろうなぁ・・・」
マスターの呟きが、私の耳に届く事はなかった・・・


飛行能力を持たない私が槙縞玩具店に着くにはかなり骨が折れたが、兎に角店に入れてもらう事に成功し、店長にバトルがしたい旨を伝える
「・・・トレーニングマシンでも買えば良いのに・・・」
というような事を言われたが、実戦に勝る訓練は無いとだけ言っておく
「・・・構わないが、今日は平日だしね。こんな昼間から来る客なんて・・・む?」
そこで私は、「暗黒星」と再会したのだ
「あら?来て見るものね。意外と早く再会出来たわ」
例によって、人間のマスターは見当たらない。という事は・・・つまり・・・
「どうせバトル目当てで来たんでしょう?なら私の『ヌル』とのリターンマッチ、受けてもらえないかしら?」
ニビルの背後に目をやる。気取った黒いコートを纏ったハウリンが、そこには居た
「ふん!面白い。その代わりこいつに勝ったら、次はお前だ!暗黒星!!秒殺してやるから準備をしておけ」
ニビルはそれに対して、唇の傍を吊り上げただけだった

今回の舞台は「ダンジョン」最初の廃工場と言い、どうもこいつとは薄暗く狭い場所で戦う定めの様だ
(遮蔽物に篭られると面倒臭いな・・・最初から全開で叩き伏せる!)
出現するヌル。装備は前回とさして差が無い・・・否、肩にマシーンズの頭部を装備している
(浮遊砲台か・・・益々遮蔽物を使っての銃撃戦に磨きをかけたという事か)
が、次の瞬間のヌルの行動は、私の予想の遥か斜め上をいくものだった
拳銃を構えたまま・・・突っ込んできた・・・!?
「ハウリン」の速さは知っている。最速ではないが、反応が遅れて対処出来る程遅くも無い
「舐めた真似をッ!」
横薙ぎに太刀を振るう。が、ヌルの体が沈み込み、刃は空間に空しく白影を描いたのみだった
スライディング気味に私の足元に滑り込み、そのまま脚が跳ね上がってくる
(肉弾戦だと!?)
鋭い蹴りだ。顎を掠めたそれは、完全に私の間合いの内側だった
(距離を・・・取らなければ・・・ッ)
蹴りによる追撃は無かった、が、代わりに降り注ぐ銃弾!!
狙いが恐ろしく正確だ・・・しかも、ダッシュしながら速射するそれが、全くブレない
「喰らえッ!!」
再び、今度は銃を速射しながら、蹴りこんでくるヌル・・・まるで腕と脚が別々の生き物の様だ
(・・・別々の生き物!?)
腕と脚が全く別々に動いている・・・この為の「マシーンズ」かッ!?
柄尻に蹴りが入る、振り下ろした斬撃は完全に止められた。同時に私の装甲の隙間に襲い来る銃弾!
(くそっ・・・このままでは・・・「削り殺され」るッ)
跳躍だ・・・平面移動では今のヌルには勝てない・・・
半ば跳ね飛ばされる様に、だが力強く地面を「蹴る」
「今よ!ヌル!!」
(何っ!?)
ヌルの武装が瞬間的に入れ替わる・・・あれは確かSTR6とかいう・・・軽機関銃だ!!
激しく駆動音を響かせる回転銃身
分間数百発の斉射が、装甲越しに私を叩く・・・回避等出来よう筈も無い・・・私の意識はそのまま、バーチャルスペースから消失していく
何故か、マスターの声が聞こえた気がした・・・




何もする事が無い・・・結局俺の思考は堂々巡りの中だ

「確かに彼女達は闘う為に創られた。でもね、闘争本能を持たされていても、彼女達が本当に闘いを望んでいるかどうかは判らないんじゃないかな?」

「プログラムされた知性、プログラムされた感情、なら、忠誠心だってプログラムされたものなんだろうね」

俺は・・・神姫を玩具だと思って購入した。プログラムされた知性、プログラムされた闘争本能。それらはいずれも、マスターとのコミュニケーションを円滑にする為の追加機能に過ぎないと感じて
だが、それは華墨が太股の痣を気にして、泣きそうな顔で俺を見た時に既に揺らいだ
一度擬人化して見てしまったものを、道具と割り切る事は難しい
ましてや神姫は知性を持ち、感情も持つ
プログラムされた知性、プログラムされた感情・・・
俺は何か重要なパーツを見落としているのではないだろうか?
テレビをつける
早速神姫同士の対戦映像が放送されていて、正直消したくなった
今、この精神状態で神姫のバトル映像は・・・きつい
ツガル同士がもみあっていた・・・否、厳密には、片方はツガルの装備をしたアーンヴァルだったが
殆ど互角の射ち合いを続ける両者・・・凄まじくレベルの高い戦いだ。ファースト級かもしれない
だが、アーンヴァルの攻撃を受けた「ツガル」は徐々に押されていき、遂には不運が重なって構造物に突っ込み、埋もれた
(・・・終ったな)
テレビを消そうとする俺、だがその時に、聞こえてきた声がリモコンを操作しようとした俺の指を、止めた

『そうだ、おれの意思を総てお前にぶつけてやる。シルヴィア! ずっとお前が好きだった!好きなんてもんじゃない! お前の事は全部抱き締めてやりたいんだ! 購入したときから、いや、購入する前から好きだったんだ! 店頭でお前を見たときから、おれの心はお前の虜になってしまったんだ。好きだって事を、愛してるって事を、今のお前に伝えたい! シルヴィア、お前を、愛しているんだよ! シルヴィアを付け狙う恋敵がいたらおれが相手になってやる! 御影、貴様がシルヴィをデートに誘ったときはよっぽど張り倒してやろうと思ったが、今、ここで、ミラーを張り倒してやる! シルヴィ! お前が望むのならおれの足を開いたり閉じたり、お前に対してパカパカしてやってもいい! だからシルヴィア、立ち上がれえぇぇぇぇ!』

精緻な一発系の武器が多い「ツガル」みたいな神姫を使ってるマスターは、もっとクレバーなタイプだと思っていた
どうしてこんなにはっきりと言えるんだ?こんな事を恥ずかしげも無く・・・否、俺は逆に、何をこんなにウジウジしてるんだ?
行き当たりばったりなバトル派マスターの俺は、もっとバカな熱血野郎じゃなかったのか?
コートを羽織った
テレビを消す時間さえ惜しんで、俺は駆け出した
『シルヴィア、突き抜けてこいィ!』
テレビから響いた絶叫は、今の俺には凄まじい威力を持つ発破だった

(馬鹿だな、俺は・・・!)

プログラムされた感情がなんだと言うんだ?
人間の脳波だって電気信号だし、感情なんてのは化学物質の産物だ
だからといって人間は機械かっていうと、そうじゃない
だったら、機械で出来てて、身長が15センチしかないからって、神姫はモノかっていうと・・・多分違う
俺は
それを
判ってた
自分が玩具扱いしようとしていたモノが、脚の痣を気にして、捨てないで・・・と、泣きそうな顔をしたあの時から
多分もう、判ってた
判ってた筈なのに・・・!
「馬鹿だな!俺は」
無精ひげのにーちゃんが泣きながら走ってるのは、さぞかし格好悪かったと思う
華墨はひとりで行ってしまった。あいつは自分で闘いに行ってしまった
俺の望みを叶える為の闘いじゃない
自分自身で選んだんだ
闘う事を
「機械じゃないから・・・ッ!」
だから、あのツガルのマスターみたいな馬鹿が居て、自分の神姫に思い切り叫べるんだ
羨ましかった
妬ましかった
俺も・・・俺も華墨に何か叫んでやりたかった
何でも良い・・・何か、華墨の為に、何かを


俺が槙縞玩具店に走りこんだ時、勝敗は既に決していた
華墨は中空で、粉砕されていく

「華墨いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃィィ!!!」


ジャッジマシンが、無機質に華墨の敗北を告げていた




私の意識がボディに戻った時、そこにはマスターが居た
何故か両目に涙を浮かべて
「マスター・・・?」
「済まねえ華墨!」
いきなり抱き締められる
「俺は・・・馬鹿だった・・・お前はこんなにもお前で、立派な戦士なのに・・・!俺はお前の事を・・・人形みたいに、見てた・・・許してくれ!こんな馬鹿で情け無い俺だが!もう迷わないから・・・次からはもう・・・もう迷わないから・・・!」
「マスター・・・」
「俺、ちゃんとしたマスターになるから!お前のマスターに相応しいヤツになるからッ・・・!!」
あぁそうか、そういう事か
「・・・花が咲くには、大地が必要なのだな・・・」
え?というようなマスターの「問い」は、黙殺した
即座に振り返る。案の定そこには、覗きに来ていたヌルと、ニビルの姿があった
「私は挑むぞ!槙縞ランキングに。このマスターと共にだ!!首を洗って待っていろ暗黒星!私達は必ず上り詰めてやるぞ!」
「ヌルも!エルギールも!貴様も!私達は倒してみせるぞ!!」
多分今の私は、今迄に無く真直ぐな目をしているだろう
「・・・・・ふ・・・くふふふふ・・・はっはっはっは!なんとも豪快な負け犬の遠吠えね!!そこまで行くと逆に格好良いわ?貴女」
爆笑するニビル、眉根に露骨にしわを寄せるヌル
「ええ、ええ、来なさい!私達は逃げも隠れもしないわ!!貴女が本当に強くなろうと望むなら!貴方達が本気で挑むのならば!ええ受けて立つわ!立ちますとも!!何時でも来なさい華墨。私は、待っているわ!!」
長いツインテールを振り回すように、ニビルは踵を返した。私達はその後姿を睨んだ・・・身長15センチの背中が、今は限りなく大きく見えた
「忘れるなよ?姉さまに挑む前に、先ずは私に勝って見せる事をな」
明らかに怒気を孕ませて、ヌルは言い捨て、ニビルの後を付いて出ていった

「随分・・・急な展開だね?どうにも私は話しに付いて行けない様なのだが・・・?」
「済まねえ皆川さん・・・店ん中で騒いじまって。でも俺、もう決めたぜ」
「ほう?何をかね」
店長が口の端に笑みをのせる
「俺と華墨のペアで槙縞ランキング全制覇!だ。やり遂げて見せるぜ、なぁ、『相棒』?」
話をそういう風に唐突に振られた時、私の顔には自然と笑みが広がっていた
「あぁ、そうしよう。『我がマスター』!!」
その日の夕焼けは、何時もより遥かに『美しい』と感じた・・・!






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