人間、立ち位置がある。
愛する人の隣。
一番前で戦うもの。
そして、底辺で支えるもの。
愛する人の隣。
一番前で戦うもの。
そして、底辺で支えるもの。
「……つーわけで、先輩、今回は参加できねえっすよ、俺、ええ、本業っつーか」
携帯で連絡、悪いがエルゴの手伝いは今回は出来そうも無いのだ。
「ああ、えーっと、すんません、ええ、静香ちゃんにも申し訳ないって」
その事情から、今回は”鳳凰カップ”には便宜上参加しないことになっている。
「……あー、すんません、ほんと、当てにしてもらってなんすけど、はい」
「実家というかまー、保護者っつーか面倒見てもらった人の手伝いなんで、はい、んでは」
携帯で連絡、悪いがエルゴの手伝いは今回は出来そうも無いのだ。
「ああ、えーっと、すんません、ええ、静香ちゃんにも申し訳ないって」
その事情から、今回は”鳳凰カップ”には便宜上参加しないことになっている。
「……あー、すんません、ほんと、当てにしてもらってなんすけど、はい」
「実家というかまー、保護者っつーか面倒見てもらった人の手伝いなんで、はい、んでは」
受話器を下ろし、いまどき珍しい黒電話を切る。
「マイロード……んー……店長さん、ですか?」
テーブルの上に座っていた碧鈴。
声、聞いてたのかな。
「あー、よーわかったな……ん……」
ポテチを差し出して、あーんしてやる。
「もしゃもしゃ、ん、んむ」
嬉しそうに租借していく碧鈴。
「仕事、つーか……んー、アレなんよ、あんまり見られると面倒な仕事」
「んー……まあ、行ってみれば分かる」
「……ディスは不満そうだな」
ちょっと不満そうな顔をしているディスが、いつも道理どっかりと腰掛けていて。
「そりゃそうじゃ、有名トップランカーばかりじゃろう?」
手をこきこき、っと鳴らし。
「……儂の血も滾るというものだ」
「参加は無茶だから、一応言うとな」
「ち、なら主の体でその責任を」
「問わなくていいですっ!?」
手をわきわきさせるディスと赤面している碧鈴。
「あー、現地には行くぞ、一応」
「「へ?」」
テーブルの上に座っていた碧鈴。
声、聞いてたのかな。
「あー、よーわかったな……ん……」
ポテチを差し出して、あーんしてやる。
「もしゃもしゃ、ん、んむ」
嬉しそうに租借していく碧鈴。
「仕事、つーか……んー、アレなんよ、あんまり見られると面倒な仕事」
「んー……まあ、行ってみれば分かる」
「……ディスは不満そうだな」
ちょっと不満そうな顔をしているディスが、いつも道理どっかりと腰掛けていて。
「そりゃそうじゃ、有名トップランカーばかりじゃろう?」
手をこきこき、っと鳴らし。
「……儂の血も滾るというものだ」
「参加は無茶だから、一応言うとな」
「ち、なら主の体でその責任を」
「問わなくていいですっ!?」
手をわきわきさせるディスと赤面している碧鈴。
「あー、現地には行くぞ、一応」
「「へ?」」
そして、当日。
会場二時間前、スタッフ通用口。
「……んーっと、見慣れた人はいないな、よし」
ダンボールを頭から被って、警備員さんに通行証を見せ。
まあ、止められて最初は揉めたけど。
「……んーっと、見慣れた人はいないな、よし」
ダンボールを頭から被って、警備員さんに通行証を見せ。
まあ、止められて最初は揉めたけど。
「なんで隠れるんです、マイロード?」
碧鈴が小さな声を響かせて、耳元でささやく。
「まあ、ちっとな」
「つまりあれか、主は、閉所プレイが」
「怒るぞ、つーか耳に息を掛けるなエロラーフ」
「え、えろらーふ……」
「よし行くぞ」
碧鈴が小さな声を響かせて、耳元でささやく。
「まあ、ちっとな」
「つまりあれか、主は、閉所プレイが」
「怒るぞ、つーか耳に息を掛けるなエロラーフ」
「え、えろらーふ……」
「よし行くぞ」
ぶっちゃけどう見ても不審者です。
「うし、待ってろよ、碧鈴」
二人を下ろして、そのまま更衣室へ。
二人を下ろして、そのまま更衣室へ。
「マイロード、割と肝心な事、教えてくれませんよね……はあ」
「主らしい、ということじゃよ」
「主らしい、ということじゃよ」
心配そうな碧鈴と、余裕の笑みを浮かべるディス。
「よいしょ、っと」
ドアを開けて、出てきたのは……
猫型ぷちましぃーんずの頭を被ったきぐるみである。
「ま、まいろーど?」
「ぷ、くくくく、まて、ぬし、なんだその」
対称的な反応有難う。
「ん、ああ、黒ぶちくんだぞ、どーうだ?」
可愛いポーズを取って見せてやる。
「似合いませんよマイロード」
「……あっはっはっはっはっはっはっは!?」
「……あっはっはっはっはっはっはっは!?」
「お前ら……」
はあ、とため息、したくてしたわけじゃないわい、この格好。
「ま、仕事なんだよ、仕事」
「……そういうこと」
「……そういうこと」
ドアが開いて……姿を見せたのは、電動車椅子に跨った、一人の少女。
流れるような銀髪、色素の薄い白い肌、血より赤い瞳。
「……んー、でも麻遊利(まゆり)さん、俺の担当、なんで黒ぶちなんすか?」
「あら、あのころのはーくんそっくりじゃない」
「……むう」
親しそうな二人の笑顔、ちょっと不満げに碧鈴が質問してくる。
「マイロード……えと、この方は?」
「ああ、えと、この人は」
にこ、と笑みを浮かべる少女。
「はーくんのママよ?」
「「え、えええー!?」」
徒然続く、そんな話、番外節いち。
出会いと猫ぐるみ。 節終。
出会いと猫ぐるみ。 節終。