私と彼女、小さな小さな“幸せ”を
対戦相手に名刺を渡して意気揚々と帰る、私・槇野晶と神姫・ロッテ。
とは言えそろそろ、夕食の時間であるな……。買い物を手早く済ませ、
外食へ赴く事にしようか。たった2人のささやかな祝宴だが、十分だ。
とは言えそろそろ、夕食の時間であるな……。買い物を手早く済ませ、
外食へ赴く事にしようか。たった2人のささやかな祝宴だが、十分だ。
「マイスターっ、わたしチキンのサンドが食べたいですの♪ねっ?」
「む?遠出になるが……よし、今日は頑張ったからな!いいだろう」
「やった!マイスター、マイスター、大好きですの。えへへ~……」
「わぷ、こらっ。すりすりするなっ!?うぅ、しょうがない娘だッ」
「む?遠出になるが……よし、今日は頑張ったからな!いいだろう」
「やった!マイスター、マイスター、大好きですの。えへへ~……」
「わぷ、こらっ。すりすりするなっ!?うぅ、しょうがない娘だッ」
我々が帰りの足で向かったのは、神田神保町にあるサブウェイである。
少し秋葉原からは離れているが、ロッテの好物なのだ。仕方あるまい?
何、「神姫の食事って電気じゃないか」だと?……その筈、なのだが。
少し秋葉原からは離れているが、ロッテの好物なのだ。仕方あるまい?
何、「神姫の食事って電気じゃないか」だと?……その筈、なのだが。
「いっただ~きま~すの~、マイスターっ!!チキン、チキンっ」
「冷めはしても逃げはせん、落ち着いて食べろ……って、もうッ」
「はむ、はむ、はむっ……もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ……♪」
「相変わらずおいしそうに食べるなぁ、ロッテ。可愛い“妹”だ」
「はみゅう?ふぁいすふぁ~、んぎゅっ……どうかしましたの?」
「う゛ぁ……そ、そのな。ほら、ドレッシングを零すんじゃない」
「冷めはしても逃げはせん、落ち着いて食べろ……って、もうッ」
「はむ、はむ、はむっ……もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ……♪」
「相変わらずおいしそうに食べるなぁ、ロッテ。可愛い“妹”だ」
「はみゅう?ふぁいすふぁ~、んぎゅっ……どうかしましたの?」
「う゛ぁ……そ、そのな。ほら、ドレッシングを零すんじゃない」
この通り、ロッテは平然と“人間用の”チキンサンドを食べている。
飲んですぐに「嫌いですの」と言い放った、炭酸飲料や辛い物以外は
食料ならなんでも食べてしまう。無論、15cmの体格に見合った量しか
食べられぬ故、自然と私と半分ずつシェアする事になるのだが……。
飲んですぐに「嫌いですの」と言い放った、炭酸飲料や辛い物以外は
食料ならなんでも食べてしまう。無論、15cmの体格に見合った量しか
食べられぬ故、自然と私と半分ずつシェアする事になるのだが……。
「そう言えば、ロッテや。お前がその様に食事するようになったのは」
「えっと……確か、以前定期メンテナンスにお出かけしてからですの」
「む、そうか……あの時頼んだ先は、確か“ちっちゃい物研”だな?」
「はい♪あれからなんだか、とても快調ですの。お腹は空きますけど」
「えっと……確か、以前定期メンテナンスにお出かけしてからですの」
「む、そうか……あの時頼んだ先は、確か“ちっちゃい物研”だな?」
「はい♪あれからなんだか、とても快調ですの。お腹は空きますけど」
東杜田技研。そう大きな会社ではないが、マイクロマシン分野に強い。
そこの一部署が“ちっちゃい物研”と自らを名乗っている。そして以前
メンテを依頼する際、知人を頼って同部署を指名した覚えがあるのだ。
あれは研究員……“Dr.CTa”の技術論文を読み、感銘を受けたからか?
実際同社の手際は見事な物だ、私に解決できない不調は全て解消した。
特に補助バッテリーの持続性が、30%程伸びているのは驚きだった。
そこの一部署が“ちっちゃい物研”と自らを名乗っている。そして以前
メンテを依頼する際、知人を頼って同部署を指名した覚えがあるのだ。
あれは研究員……“Dr.CTa”の技術論文を読み、感銘を受けたからか?
実際同社の手際は見事な物だ、私に解決できない不調は全て解消した。
特に補助バッテリーの持続性が、30%程伸びているのは驚きだった。
「だが、ううむ……その時の事は、まだ思い出せないのかロッテ?」
「えと、あ。そう言えば……白衣のお姉さんが嬉しそうに手を……」
「ふむなるほど、そういう事か。感謝せねばならんな、ある意味で」
「えと、あ。そう言えば……白衣のお姉さんが嬉しそうに手を……」
「ふむなるほど、そういう事か。感謝せねばならんな、ある意味で」
なんとなく掴めた。が、追求はするだけ無意味であるとも理解が及ぶ。
“Dr.CTa”か仲間の誰かが、実験の為ロッテに改造を施したのだろう。
となればロッテからそれを取り外すのは、かなりの大手術になる筈だ。
そもそも、だな?こんな可愛く物を食べるのに……外すなどとはな?!
せっかくの“妹”から、食を取り上げるという冷酷な行為はなッ!?!
“Dr.CTa”か仲間の誰かが、実験の為ロッテに改造を施したのだろう。
となればロッテからそれを取り外すのは、かなりの大手術になる筈だ。
そもそも、だな?こんな可愛く物を食べるのに……外すなどとはな?!
せっかくの“妹”から、食を取り上げるという冷酷な行為はなッ!?!
「……マイスター?なんだか顔が紅いですの、どうしました~?」
「な、なんでもないっ!……そう言えば、こんなビラがあるぞッ」
「武装神姫・第五弾?セイレーンにマーメイドに、イルカ……?」
「うむ。今度は海シリーズらしい……水着も開発せねばならんか」
「な、なんでもないっ!……そう言えば、こんなビラがあるぞッ」
「武装神姫・第五弾?セイレーンにマーメイドに、イルカ……?」
「うむ。今度は海シリーズらしい……水着も開発せねばならんか」
と私が水着のデザインを思案し始めた横で、何やらロッテが唸り出す。
あからさまに縦線が入る程の、負のオーラさえ背負っている様だった。
何事?と顔を近づけ、ロッテの様子を伺ってみる。そして出た言葉は。
あからさまに縦線が入る程の、負のオーラさえ背負っている様だった。
何事?と顔を近づけ、ロッテの様子を伺ってみる。そして出た言葉は。
「……マイスター。なんだかこの妹達、胸がおっきいですの」
ホットティーを噴いた。見ればなるほど、確かにキャンペーンガール……
正確にはキャンペーン神姫か。彼女らの胸部は、至上類を見ない豊かさ。
成長期なのに躯が小さい私も、アーンヴァルタイプのロッテも心は同じ。
どちらから切り出そうかと悩んでいたが、先行したのはやはりロッテだ。
正確にはキャンペーン神姫か。彼女らの胸部は、至上類を見ない豊かさ。
成長期なのに躯が小さい私も、アーンヴァルタイプのロッテも心は同じ。
どちらから切り出そうかと悩んでいたが、先行したのはやはりロッテだ。
「マイスターも、わたしの胸大きい方がやっぱり……いいですの?」
「ぐ!?……いいんだ。ロッテは今のロッテが一番可愛いからな!」
「てへ……マイスターも、今のマイスターが一番大好きですの~♪」
「ぐ!?……いいんだ。ロッテは今のロッテが一番可愛いからな!」
「てへ……マイスターも、今のマイスターが一番大好きですの~♪」
そう言って肩に飛び乗ったロッテに、私は頬を寄せ頭を預けさせてやる。
嫉妬心が無いわけではないし、今後は豊満な躯用の服も作らねばならん。
我々としてもいろいろネガティブな物は感じるが、それはそれであるッ!
別に胸の善し悪しで全ての価値が決まるわけではない、気楽に構えよう。
彼女は大切なパートナーであり、彼女にとって私もそうであるのだから。
嫉妬心が無いわけではないし、今後は豊満な躯用の服も作らねばならん。
我々としてもいろいろネガティブな物は感じるが、それはそれであるッ!
別に胸の善し悪しで全ての価値が決まるわけではない、気楽に構えよう。
彼女は大切なパートナーであり、彼女にとって私もそうであるのだから。
「あ。マイスター、紅茶が付いてますの。んっ……♪」
「わ゛!?こ、こらっ、頬にとはいえキスするなっ!」
「えへへ~、大好きって言ってくれたご褒美ですのッ」
「わ゛!?こ、こらっ、頬にとはいえキスするなっ!」
「えへへ~、大好きって言ってくれたご褒美ですのッ」
──────この笑顔があればね、別にいいじゃないの。