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戦うことを忘れた武装神姫 その8




   ・・・その7の続き・・・


「・・・ロクな武装神姫にならないとは聞き捨てならないなぁ。」
振り向いた久遠は、M町センターのトップランカーに言った。
「別にこいつらは戦わせるだけが全てじゃないんだし。俺に言わせりゃ、あんな戦い方をする神姫こそロクでもない育ちをしている思うんだけどな。」
「言いたい事いってくれるっすねぇ、オッサン。」
と、言われたときだった。
「ヌシさんをオッサンと呼ぶなー!! このクサレ神姫使いがー!!!」
久遠の肩の上でリゼが叫んだ。あまりの声の大きさに周囲の目が一瞬にして彼ら
に集まる。 側ではかえでがどうして良いのかオロオロ・・・。
「り、リゼ・・・肩の上では大声出すんじゃない・・・。」
片耳を押さえもだえる久遠。元々、耳が良い久遠にとってはかなりのダメージのようで、しきりに頭を振っている。一方のトップランカーもリゼに「クサレ」と呼ばれたことに動揺を隠せない様子。
「な、なんだよ神姫のくせに、偉そ・・・」

  ヒュッ!   さくっ、さくさくっ!!

作業台に降りたリゼの投げたデザインナイフの刃が数本、トップランカーの手にしていたケースに突き刺さった。恐ろしい形相で、さらにデザインナイフの刃を数本手にしている。
「神姫のくせに、だって? てめぇ、あたしらを何だと思ってるんだっ!!」
「お前らは機械なんだぞ! 人間に刃向かったらどうなるか、わかっ・・・」

  ヒュッ!   さくさくっ!

再びデザインナイフの刃が投げられ、ボックスに突き刺さる。・・・だんだんと刺さる位置が、ボックスを持つ手に近づいている。トップランカーの額には脂汗がにじんでいる。
「ほぉ・・・『機械』ねぇ。 そうかそうか。」
替え刃がなくなり、リゼは転がるナイフから刃を取り外し-

  ヒュッ!   さくっ!

投げた最後の1枚は、ボックスの持ち手に刺さった。彼は完全に硬直した。リゼは彼を指差し、堂々と言い放った。
「なら、あたしたちが機械と神姫の違いを教えてやるよ。 よーし、準備期間を1週間与えてやる。対戦方式はそれぞれ4体、1vs1が4戦でいいな?」
「お、面白いじゃないっすか・・・。 やるっす、受けるっすよ!」
トップランカーはちょっぴり震えながら答えた。
「じゃ、決まりだな。 あたしじゃ正式な申し込みは出来ないから、ヌシさんが ・・・って、いつまでも耳押さえてるんじゃないよ!」
のっそり立ち上がった久遠だが、まだ耳鳴りは治まっていない模様。
「お前の所為だろ、この耳と頭痛とめまいは・・・。はいはい、対戦の申し込みするんだね。 受付に行って来るから、リゼはここでちょいと待ってろや。」
ちょいちょいとリゼの頭をなでつつ、片手は久遠は耳をさすっていた。
「本当にいいんすね、オッサン・・・」
と、トップランカーが言いかけたとき。「オッサン」という言葉を聞き逃さなかったリゼは、

  ぶんッ!   べちん!!

手元のマスキングテープを投げつけトップランカーの手にブチ当てた。
「ってー!! わかりました、いいんすね、ストラーフのマスターさん!」
「わかればよろしい。」
作業台上で仁王立ちするリゼの姿に、再び動揺するトップランカーは、ちょっと申し訳なさそうにする久遠に促され、共に受付へ向かった。

受付を終えた久遠が戻ると、心配そうにまだうろたえるかえでとティナに何やら語っている。
「・・・大丈夫だって! まー、見てなって。あんたとかえでちゃんの『痛み』
は、何が何でもあいつらに味わわせてやるから! あ、ヌシさんおかえりー。」
「お話中だったかな。ごめんなさいね、かえでちゃん。ちょっと待っててね。」
久遠はちょっとため息をつくと、リゼをひょいとつまみ上げた。
「リゼの気持ちはわからんでもないが・・・」
と、つまみ上げられて周囲を見回し、リゼはここで初めて、何をしでかしたか、事の重大さに気づいた。 廻りを取り囲むギャラリー。そのギャラリーの前で、このセンターのトップランカーに勝負を挑んでしまった・・・ だんだんと表情がこわばり、膝ガクガクになったリゼを久遠はじっと見つめる。
「わかった? いまの状況が。」
「や、やばい・・・ す、すまない、ヌシさん・・・ど、どど、どうしよう?」
久遠はリゼの動揺する姿をかえでに見られないよう、リゼを手のひらでちょいと包むように持った。
「まー・・・俺の言いたいことをリゼが全部言ってくれた感じかな。結局、俺が話しても対戦申し込んだだろうし。だから・・・」
手を顔の高さまで持ち上げ、リゼにそっと耳打ちするように、
「リゼ、お前は・・・何があろうと、かえでちゃんとティナちゃんのヒーローであり続けること。いいね。」
と付け加えた。しおしおになりかけ、悔恨と焦りと申し訳なさの涙がいっぱいになっていたリゼの瞳に、別の涙が湧いてきた。
「ありがと、ヌシさん・・・。」
「いいから、いいから。ささ、涙を拭いて。 そーだ。いい顔になったか?」
リゼはぎゅっと久遠の指に抱きつき、ぐぐっと涙を拭き取った。 いい目つきが戻ったリゼを久遠は手のひらに立たせ、ギャラリーの方を振り向き-。
「じゃー、やるぞー。リゼもいっしょに合わせてくれよっ!!」

 ・・・

「んで、その時の記事がこれかい。」
久遠から渡されたミニコミ紙の記事をつつきながらCTaが言った。  そこには、肩の上にリゼを載せた久遠が、リゼと同じ格好を決めている写真が。
「こんなトコロにまで宣戦布告と取り上げられているけど、どうすんの?」
山と積まれた皿や器、ジョッキに囲まれたCTaは、竹串で久遠を指していった。
「だから、それを相談しようと思てっ呼んだんだけど・・・」
いつものこととはいえ、つれないCTaにゲンナリの久遠。
「自分でまいた種なんだ、お前らが何とかしろ。 ・・・と、いつもなら言うところだけど。あたしゃ、こいつらを『機械』呼ばわりした事が許せないね。是非、あんた達には勝利してもらわないと。」
CTaは、新たに運ばれたジョッキカクテルを一気に半分呑み、続けた。
「だけど相手はM町のトップランカー、要は戦うことのセミプロだ。でもって
戦うことに関しちゃ、お前のところの4人は全くの素人。だろ?」
黙って頷く久遠。
「普通なら『勝率0%』と考えるだろう。だけどな、武装神姫は『戦うこと』を忘れていても、『戦い』を忘れているわけじゃないんだぞ。」
CTaの目が、さっきまでの酔っぱらいから、技術者としての目に変わった。
「いいか、あたしに言わせりゃ日常ってのは常に『戦い』なんだよ。 時間と戦う、食材と戦う、仕事と戦う、害虫と戦う・・・ どうだ?」
「間違ってはいないと思うけど、なんかピンと来ないな。」
と久遠が言うと、CTaは久遠の手にした手羽先に、ざっくりとフォークを突き立てた。
「だーかーら! お前んとこの4人、あたしが見る限りでは、そんちょそこらの戦闘マニア神姫よりは強いって事だよ!」
「そ、そうなのか?」
「そう! どうせ何でもありのフリーバトルでしょ? ならば、いつもの事をいつも通りにさせてみろ。絶対に勝てるから。」
「いつもどおりと言われてもなー。どうすりゃいいのかさっぱりわからんぞ。」
フォークの刺さった手羽先を持ったままの久遠・・・ と、その時。
「何? あたしのアドバイスがわからない、だぁ?」
技術者の目から、再び酔っぱらいの目に戻ったCTaは、久遠に絡みだした。
「あらしのはらしをらぁ、よくけけってんらよ! らぁ? わかっれんろか?」
「・・・はいはい、わかりましたわかりました。 ・・・全く、どのっくらい呑んだらすっ飛ぶか、統計でもとって管理しろよ、技術者なんだし・・・。」
どうやら、CTaの酒が閾値を超えたらしい。酒を飲むと途中まではむしろ冴え渡るくらいなのだが、閾値を超えるととたんにオヤジギャル(古)に豹変する傾向があるCTa、今宵もしっかり発揮している。
「ぉらー!! もぃっけんいくろー! つれてけひらろー!」
腰砕けの状態で、久遠の袖を引っ張り外へ行こうとする。
「ちょ、ちょい待てってば。イオ!沙羅!ヴェルナ!ちょっ・・・え?」
CTaに絡みつかれて困惑する久遠の目に入ったものは、積まれた食器の谷間で、呑み比べ大会に興じている沙羅、ヴェルナ、そしてイオ。
「おまえらー! 混乱したりつぶれたりの俺らをさしおいて何やってるんだ!」
「あれ、マスター。CTaさんとのお話は終わりました?」
名実ともザルのイオが、いつものペースで杯片手に振り返った。
「ったく・・・イオ、帰るぞ。でないと、こいつが寝ゲロする恐れがある。」
荷物をまとめた久遠は、沙羅、ヴェルナをとりあえず自らのジャケットのポケットへと押し込んだ。
「えー?もう終わりなんすか?」
「まだイオさんと勝負がついておりませんのに・・・。」
不満そうな沙羅とヴェルナ。
「ばかっ! イオと勝負するんじゃない、こいつはザルだっ!」
物欲しそうに指をくわえるイオを最後に自らの肩の上へ載せると、ずるずると崩れそうなCTaを反対の肩に支え、如何してもって帰るか、頭を悩ませる久遠だった。


 ・・・この数時間後-日付が変わってからと言った方がいいだろうか-、久遠はちっちゃいもの研の仮眠室へ、CTaと沙羅・ヴェルナをほっぽり込んだ。心配そうに見る守衛に後を任せ、研究所を出る。
久遠の手には、背中についた「何か」を洗い流したジャケット。肩には、疲れきった様子で寝息をたてるイオ。
雨が上がり、広がる星空を見上げながら思い返すは、CTaの言葉- 「戦うことを忘れていても戦いを忘れてはいない」- 。
これが何を意味するのか。   ・・・また眠れぬ夜になりそうだ・・・
久遠は一人つぶやき、傾きかけた月の下、家路へと急ぐのであった。

 ・・・>その9へ続くっ!!>・・・








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