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対決、黒のシュートレイ 其の三

 「ここがシミュレーションルームよ」
 神姫研究所の研究員、和智小百合さんに連れられて、私とホーリーベルは研究所内のシミュレーションルームに案内された。
 「けっこう広いんですね…」
 「そうね、研究所の施設では広い部類に入るわね。それじゃ、入りましょ」
 私達はシミュレーターのある部屋へ入って行った。
 「やあ、君が都村いずる君だね」
 シミュレーターの席に座っている白衣を着た男性が、私を見た。
 「は、はい。あなたは…?」
 弾性は頭を掻きながら席を立ってこっちへ歩き出した。
 「失礼、僕の名は沼田弘毅。この研究所のシミュレーター開発チームのメンバーだ。そういえば君が持っている神姫の名前は…」
 沼田さんは私の神姫を指差した。するとホーリーがそれに答えた。
 「ホーリーベルって言うの。よろしくね、おじさん」
 「ははは、おじさんか…。よろしく、小さなお嬢さん」
 沼田さんはホーリーに手を差し伸べた。
 「こ、こちらこそ、よろしくね」
 ホーリーの奴、緊張してるよ。さっきの小百合さんとは全然違う態度とってるな。
 「それより、これからこの子とシュートレイをバーチャルで戦わせたいと思うんだけど、調整は済んでるの?」
 小百合さんがそれを見かねたのか、沼田さんにバーチャルの準備の事を聞いてきた。
 「ああ、さっき恒一君が来て、『シミュレーターの準備をしてほしいんだけど』っていわれたからもう出来てるよ」
沼田さんは神姫用のシミュレーターカプセルでシュートレイのセッティングをしている恒一を指差した。
 「待たせてすまねえな。それじゃ、やろうぜ」
 恒一はシミュレーターのある席に座り、近くにおいてあるヘッドギアを被った。
 「ほら、いずる君も席に座って。ホーリー君はこっちのカプセルに入って」
 沼田さんの案内でそれぞれの席に座らされた私とホーリーは、小百合さんたちの説明を聞くことになった。
 「このシミュレーターは神姫をバーチャル空間で戦わせるためのマシンよ。本来ならリアルで神姫を戦わせるんだけど、戦いで神姫が傷つくのをいやがる初心者や子供たちのために開発したものなの。まだそんなに出回っていないけど、将来かなりの数が出回れば広い年齢層で神姫バトルが楽しめると思うの。今日はバーチャルバトルのデータ集めとして二人の神姫を戦わせるけど、そんな事は気にしないで思う存分戦ってきなさい」
 私達はそれを聞いて頷いた。
続いて沼田さんがこのシミュレーターについての説明に始めた。
 「それじゃ、僕からこのシミュレーターの操作説明をしよう。これはバーチャルフィールド内で一対一で戦う、シングルマッチ用のシミュレーターだ。神姫はバーチャルフィールド内で相手と戦うようになっている。まずオーナーは頭に被っているヘッドセット、つまりヘルメットに内蔵されたレシーバーでパートナー神姫に指示を出す。神姫はその指示に従ってフィールド内で攻撃をしたり防御をしたりする。もちろんリアルとは違ってダメージを与えても神姫や装備が壊れる心配はない。ただしある一定のダメージを受けると危険を示すレッドゾーンになり、さらにダメージを負うとフィールド内の神姫は消滅して負けとなる。今回は1ラウンドで決着を付けることにする。その方が体力的にも負担がかからなくていいだろうからね」
 1ラウンド…?そうか、沼田さんは私とホーリーに気を使って1ラウンドにしたんだな。そこまで気を使ってくれて、ありがとう、沼田さん。
 「準備はいいかな?それじゃシミュレーターのスイッチを入れるぞ」
 緊張が私の身体を突き抜けていく。そして、数秒後…。
 「バーチャルシミュレーション、スタート!!」
 いよいよバーチャルシミュレーションが幕を開けた。

 ゲームが始まった瞬間、私の視界に殺伐とした市街地が飛び込んだ。
 「ここは…?」
 周りは大きな建物が点々と並んでいる。どうやらこの場所は荒廃した市街地のようだ。ここでホーリーとシュートレイが戦うことになるのだ。
 「おいホーリー、一体どこにいる?」
 私は市街地の周りを見回した。するとゴーグルに赤い点滅がともった。どうやらその点滅がホーリーのいる場所を示しているのだろう。
 「いたら返事位しろ!」
 すると、ビルの谷間から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
 「お~い、ここ、ここだよ~」
 なんとホーリーはこんな所に転送されていたのだ。沼田さん、少し位置を間違えたんだな。
 「大丈夫か?大丈夫ならここから早く出るんだ」
 ホーリーは何とかこの場所から脱出した。
 「あ~、もう、どうなる事かと思った」
 ホッと胸を撫で下ろすホーリー。でも対戦相手のシュートレイは一体どこにいるんだろう?
 「一体どういうことなんだ?どうやって戦うつもりなんだ?」
 私は周りを見回して、シュートレイの姿を探してみた。だが相手の姿は見当たらない。相手は連戦街道まっしぐらのコンビだ。私たちの行動パターンは計算済みに違いない。しかしこちらはまだ駆け出しの素人コンビ、こちらから仕掛けるのは無謀な行為だ。私達は相手が動き出すまでここから動かないようにした。
 「来たか!」
 その瞬間、ゴーグルから黄色い点滅が突然近くに現れ、ホーリーの背後へと回り込んだ。
 「危ない、ホーリー!上へジャンプするんだ!!」
 とっさにジャンプするホーリー。その瞬間、建物の中から巨大なマシンが壁を破って現れた。
 「どういうことだ?いきなり現れるなんて?」
 私が考えている隙を見て、マシン=バックウエポンは上部に設置してある機銃でホーリーを狙い撃ちした。
 「避けろ、何とかしてダメージを受けないようにするんだ!!」
 ホーリーは脚部のバーニアを使い、発射された弾を避けた。
 「うわ、危ない。ホーリー、ビックリしたよ~」 
 それにしてもどうやって気付かれずに近づく事が出来たんだ?私はどうやってB.Wが近づけることが出来たのか考えてみた。
 「…そうか、これにはステルス機能が備わっているんだ…!」
 それならセンサーに感知されずに近づく事が可能だ。B.Wにはこんな機能も隠されていたんだ…!
 「だが熱反応センサーを使えば、こちらからでもある程度の居場所を感知できるはずだ!」
 私は昔、どこかの本で読んだことを思い出していた。偵察機には相手のセンサーに察知されないように特殊な塗料や装甲が施されているが、熱は出し続けているために熱反応センサーを使えばこちらからでも見つける事が出来る…!
 「ホーリー、熱反応センサーを使うんだ!」
 「へ?熱反応センサー?」
 「お前の髪飾りに備わってるセンサーの事だよ!それを作動して相手の位置を探るんだ」
 ホーリーは自分の髪飾りを触り、センサーを作動させた。
 「相手はどこだ…!」
 ホーリーの髪飾りのセンサーを介して、私のゴーグルにB.Wのいる場所が表示される。いま相手がいる場所は…、あそこか。
 「ホーリー、ライフルであのマンションを攻撃するんだ!」
 「うん、分かった!」
 背中に収納されているライフルで、ホーリーはマンションを攻撃した。
 ダダダダダ。すると中からB.Wが出てきて機銃で攻撃を仕掛けてきた。
 「避けろ、ホーリー!」
 私の指示通り、ホーリーは機銃の弾を避けきった。
 「なかなかやりますね。しかしこれはまだ序の口。今度は私が相手をしましょう」
 B.Wの攻撃を避けたのもつかの間、突然ホーリーの背後からシュートレイ本体が攻撃を仕掛けてきた。蹴られたホーリーは別の家の壁へ叩き込まれてしまった。
 「いつの間に!まさか、今まで隠れていたとでもいうのか?」
 「その通りだよ、いずる。まあ、これはほんのデモンストレーションとでも言うべきかな。このくらい避けられないと本格的なバトルなんて無理だろうからね」
 反対側から姿を現す恒一。って、いつ私が本格的なバトルをするって言ったんだ?これはデータ集めのための試合なんだろう?
 「おい、気楽にやれっていわれたはずじゃないのか?」
 私は恒一に言い聞かせようとしたが、あっちはそんな事はお構いなし。すぐにシュートレイに攻撃の指示を出した。
 「シュートレイ、バトルフォーメーションだ」
 「了解、隊長」
 シュートレイはすぐさまB.Wのところへ近づき、合体の準備に入った。
 「バトルフォーメーション!バックウエポンボクサー!!」
 パワードスーツに変形したB.Wにシュートレイが飛び乗って、バックウエポンボクサーが完成した。
 「シュートレイ、バスターナックルでホーリーを攻撃しろ」
 「了解。バスターナックル、シュート!」
 壁に激突されたダメージが回復しきっていないホーリー目がけて、ボクサーのバスターナックルが放たれた。
 「危ない、避けるんだ、ホーリー!」
 しかし時すでに遅く、バスターナックルはホーリーを直撃した。
 「よし、これで一気に止めを刺すとするか。シュートレイ、必殺技だ」
 だがシュートレイはなぜかその場を離れようとはしなかった。
 「…どうしたんだ、早く離れて攻撃するんだ」
 「それが…、出来ないんです」
 その言葉を聞いて、私はナックルの放たれたところを見た。そう、ボクサーから放たれたはずの拳がホーリーに届いていなかったのだ。
 「ぐ、うぐ~っ、こ、ん、にゃろ~!」
 一気にナックルを振りほどいたホーリーは右に避け、ボクサーの拳を壁に激突させた。
 「ホーリー、やったな!」
 「はあ、はあ…何とか脱出できた…」
 これを見た恒一は、あっけに取られてしまった。
 「どうやらバスターナックルは不発だったようです」
 「なかなかやるなぁいずる、俺はこんなに熱心になってくれる友達を持って幸せだよ」
 その直後、ホーリーがトンファーブレードを持ってシュートレイ目がけて突進してきた。
 「隊長、指示を!」
 シュートレイの言葉に反応して、恒一は彼女に指示を下した。
 「シュートレイ、ボクサーから分離しろ!離脱して背後から攻撃するんだ」
 ホーリーの攻撃を受ける瞬間、シュートレイはボクサーから分離した。ボクサーはホーリーの攻撃を受けて消滅した。
 「ここからは肉弾戦で決着をつけましょう」
 背後に回ったシュートレイは腰のマイクロミサイルを発射し、ホーリーを攻撃した。しかしホーリーもTブレードでミサイルを弾き飛ばしていく。だが…!
 「これはフェイクだ。隙を見せるために出したものさ…!」
 なんと、シュートレイはミサイルを利用して接近戦に持ち込んだのだ!シュートレイのエルボーでホーリーは吹き飛ばされてしまった。
 「ホーリー!大丈夫か?」
 何とか立ち上がるホーリーだが、もう足腰はふらふらだった。
 「無理するな、これは練習試合なんだぞ」
 「で、でもホーリーは、最後までがんばりたいの…。これが始めての試合なんだもん、がんばらないとだめだから…」
 よろよろと立ち上がるホーリー。しかしシュートレイの攻撃はなお、ホーリーに向けられていた。
 「結構がんばりますね。ここまで戦ってくれた神姫は今まで数えるほどしかいませんでした。あなたは将来強い神姫になれるかもしれませんね」
 倒れそうになっているホーリーにじりじりと近づいてくるシュートレイ。もう勝負はついたのも同じだ…。
 シュートレイが攻撃を仕掛けようとしたその瞬間、急に周りの風景が消え、元のシミュレータールームへ戻っていた。どうやらドクターストップをされてしまったようだ。

 「危ないところだったな、いくらバーチャルといっても神姫に大きなダメージを出したくなかったのでね、ストップさせてもらったよ」
 シミュレーターから開放された私達は研究室に戻り、ホーリーの回復を待つことにした。
 「ごめんないずる、さっきはやりすぎた。俺、バトルになると熱くなりすぎる性質なんだ…」
 悪いのは恒一じゃない。止めようとしなかった私がいけなかったのだ。あの時ホーリーを止めていればここまでダメージを受けずに済んだのに…。
 「みんな、お茶入れてきたわよ。一息つきましょう」
 奥から小百合さんが紅茶を入れて持ってきた。
 「ホーリーを診たんだけど、そんなに大きなダメージはなかったわ。彼女、結構がんばったから、きっと疲れたんでしょう。今は隣の部屋でシュートレイがホーリーの様子を見ているわ」
 どうやらホーリーは大丈夫のようだ。幸一たちは胸を撫で下ろして彼女の無事を喜んだ。でも、私は手放しでは喜べなかった…。
 「…やっぱり、バトルなんてやらなければよかったのかな…」
 そんな私を、小百合さんは慰めてくれた。
 「言った筈よね、やるかやらないかを決めるのはあなた次第だって。でもね、神姫はオーナーの分身、あなたの思っていることを理解してくれるパートナーなのよ。これからどうするかはあなたしだいだけど、もうすでに心の中では決まってるかもしれないわね」
 心の中では決まっている?本当にそうなんだろうか…。
 「神姫はパートナーと心を共有している、とある人が言ってたわ。つまりオーナーの考えている事がパートナー神姫には理解しているということ、もちろんその逆もあるかもしれない。…彼女には分かってたんでしょうね。あなたが闘いを通じてコミュニケーションを取っていきたいと…」
 「その通りだ」
 紅茶を飲みながら、沼田さんが付け加えるように言った。
 「僕が見た限りでは、君は闘う事がマイナスイメージになってるんじゃないか、と思うんだ。神姫に限らず、ロボット同士の闘いは危険が伴うところがある。でも闘いを通じて生まれるものもあるはずだ。それを分かり合えるのもオーナーとしての役目なんじゃないかな?」
 確かにそうかもしれない。闘う事で友情を分かち合ったり、自分のスキルを磨く事も出来るかもしれない。でも今の私には答えを出す事は出来なかった。
 「…正直言って今は答えを出すことはできません。でも、これから彼女と一緒にその答えを探して生きたいと思います」
 小百合さんは私の頭をポンと叩いた。
 「答えを出すのは今じゃなくてもかまわない。まだ神姫との付き合いが浅いんだから、迷うのは当たり前よね。これからもホーリーと付き合っていくんだから、焦る事はないわ」
 そう言って小百合さんはホーリーの様子を見に、隣の部屋へ戻っていった。
 答えを見つけるためには、自分の手で探し出さなければいけない。本当にそれが見つけ出せるかは、まだ分からないのだ…。

 それから数日後、小百合さんに呼ばれて研究所を訪れた私とホーリーは、あるものをプレゼントされた。
 「この前の戦いでジャケットが壊れちゃったでしょう。 だから新しいジャケットをプレゼントしようと思って呼んだのよ」
 前回の戦いで破損してしまったジャケットは、しばらくの間小百合さんの下へ預けられていた。その間、ホーリーは何も着けてない状態でそわそわしていたのだ。
 「これが新しいジャケットよ。前のとは大きくは変わってないけど、新しい機能を追加しておいたわ」
 小百合さんは私に説明書が入ったデータディスクを渡した。
 「この中に新装備の詳しい取扱説明書が入っているわ。ただし、本来なら門外不出のものだから、誰にも見せたり貸さないようにして。約束できる?」
 「はい。ところで新装備の機能ってどんなものなんですか?」
 小百合さんは不敵な笑みを浮べて説明をした。
 「このジャケットにはビークルモードに変形できる機能があるのよ!別の班の『バイザー』を参考にして製作したものなんだけどね。ためしに変形させてみる?」
 「は、はい…。ホーリー、もう着替え終わったか?」
 私は更衣室で着替えているホーリーを呼んだ。
 「終わったよ~、今行くから待っててね」
 着替えが終わり、外へ飛び出したホーリーは私と小百合さんの前へ姿を現した。
 「えへへ~、似合うかな?」
 「じゃあさっそくだけど、今から変形用のプログラムを転送するから、変形させてみて」
 小百合さんのターミナルから送られてきたプログラムを受け取ったホーリーは、自分が身につけているジャケットを変形させてきた。
 「チェンジ、ビークルモード!」
 ホーリーのジャケットが分離し、ソリ状のマシンに合体してビークルモードが完成した。
 「わ~い、スノーモビルだ~」
 「見た目はスノーモビルだけど、空も飛べるし、水上も走れるように出来てるわ。これでどんな相手でも引けをとらないはずよ」
 相手って…、また戦わせるつもりなのか?私は少し不安になってしまった。
 「いずる君、これからもっと大きな壁が立ちはだかるかもしれないけど大丈夫よ、彼女とならきっと乗り越えていけるわ」
 小百合さんは私の肩をポンと叩いた。
 これからどんな事があるのかはまだ分からないし、どういう答えを見つけ出すかはまだ分からない。でもホーリーとならその答えを見つけ出せるかもしれない、そう私は思うのだった。

つづく







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