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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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SHINKI/NEAR TO YOU
Phase02-5



 神姫センターのフロア内を、色とりどりのレーザーが駆け巡る。
 観衆の期待が膨らむ中、鳴り渡るファンワーレ。筐体上部に設置されたスクリーンに

 <MAYANO SPRING CUP ~THE JUNIOR'S FINAL~>

 の文字が刻まれると、その高まったボルテージが一挙に解放された。

『さあ、いよいよ決勝戦となりましたマヤノスプリングカップ・ジュニアトーナメントッ! この試合に勝利し、武装神姫ジュニアユーザーの頂点に立つのはどちらのチームだぁぁぁっ!』

 スクリーン画像が切り替わり、筐体の一角にスポットライトが浴びせられる。

『この舞台に立つのは、やはりこのチームだった。マスター伊吹舞と有馬シュン、神姫ワカナ&ゼリスっ! 当神姫センター上位ランカーと大会初参加のニューフェイスの組み合わせというこのコンビ、決勝ではどんなバトルを魅せてくれるのかぁぁぁっ!!』

 スクリーンに映るワカナとゼリスの姿に声援が送られる。続いて、今度はティグリースとウィトゥルースが映し出される。

『それに対するのは西からやってきた双子チーム。マスター金町笑太と福太、神姫アテナ&リアナだっ! 先月関西から引っ越してきたばかりというこの兄弟は、そちらの大会で優勝経験もある強豪だぞっ! この風雲児たちが、大会に嵐を巻き起こすのかぁぁぁっ!?』

 司会のアナウンスに応じるように、金町兄弟は観客に向かって勢いよく手を振る。
「会場のみなさん、よろしゅうな~!」
「オレらめっちゃ頑張るんで、期待したってや~!」
 元気に声を上げる笑太と福太。続いて神姫たちがモニターに向かってアピールする。
「ウチが関西仕込みのバトルをみせたるで! 寅は西の守護神やしなっ」
「ううっ……アテナちゃん。西の守護神は白虎で、寅の方角は北東のことですよぉ?」 
 リアナの指摘にアテナが「それを早く言わんかいっ」と逆ツッコミで返す。
 ひょきんな笑顔で挨拶する双子と神姫たちの愛嬌たっぷりな姿に、群衆のあちこちから笑いと拍手が送られる。

「……あのふたり見かけない顔だと思ったら、最近引っ越してきた子だったのね」
「しかも、向こうじゃ相当な実力者だったらしいな。道理で自信があるわけだ……」
 筐体のシートで伊吹と会話しながら、シュンは対戦相手を睨む。いずれにせよ、油断ならない相手には違いない。
 チラリと観客たちに目を向ける。そこでは妹の由宇が試合を見守っている。
 シュンの視線に気がついた由宇が手を振った。それに軽く頷き返し、彼はエントリーボックスに向かう相棒に声を掛ける。
「いけそうか、ゼリス?」
「はい、流石はユウです。これならば全力で戦えます」
 武装の調子を確かめながら、ゼリスは自信ありげに答える。
 由宇は宣言通り、この短時間のインターバルでオーラシオン武装を万全なコンディションに仕上げてみせた。これは兄として妹の分まで頑張らないとな。
「ぜっちゃんの調子もばっちりってことで、飛ばしてくわよワカナ?」
「アイアイサ~、だよ~」
 筺体内にエントリーしていくワカナを見送る伊吹。
「さあ、シュッちゃん。準備はいい?」
 これから始まる試合を楽しむように不敵な笑みを浮かべる彼女に、シュンは大丈夫だとガッツポーズで答える。
「ああ、やってやろうぜ!」
「ふふ……じゃあ、行くわよっ!」
 4人のマスター、4体の神姫がそれぞれ配置につく。

『さて、ここで大会本部から大発表。な、な、なんと! 決勝戦は今回特別に用意されたスペシャルステージが使用されるらしいぞぉ! この未知のバトルステージが、果たしてこの試合にどんな影響を与えるのかぁぁぁっ!?』

 司会者がここぞとばかりに大音量のマイクパフォーマンスで盛り上げる。観客たちの歓声が、熱狂の渦となって会場を包む。
 沸き立つ会場とは対称的に戸惑いをみせる神姫たちの足元で、フィールドがワイヤーフレームと化しながら再構成されていく。

「これって……台所?」

 シュンの目の前で再構成されたバトルステージ、その姿は一般家庭のキッチンそのものだった。
 シンクに浸る食器、まな板に転がる包丁と野菜、大型の冷蔵庫に張られたホワイトボードには晩御飯の献立まで書かれている。
 まるでどこかの住宅から持ってきた台所を、そのままゲーム筐体内に収納したかのようだ。
「……誰がこんなマニアックなステージ考えたんだよ」
「でも、意外とウケてるみたいよ?」
 伊吹の言う通り、観客の反応は悪くないようだ。
 子どもの日だけに親子連れが多く、主にそうしたお客さんたちはこの意外な最終ステージをおもしろがって喜んでいる。その点では、客層と需要を見越した良い趣向なのかも知れないが……。
「問題ありません。例えどんなステージであろうとも……要は、勝てばいいのでしょう?」
 あっさりと言い切るゼリスに、シュンは苦笑する。

『それではマヤノスプリングカップ・ジュニアトーナメント決勝戦……試合開始ですっ!!』

 大歓声と共にスクリーンに<GAME START>の文字が表示される。
 それと同時に、4体の神姫が一斉に飛び出した。


 真っ先に動き出したのはウィトゥルースのリアナだった。

「せ、先手必勝ですよぉ」

 丑型MMSウィトゥルースの武装は、大型砲を装備した砲撃戦タイプ。
 だからこそ一刻も早く有利な地形に陣取ることで、イニシアティブを得る。フロートユニットは加速力はないが低空をホバリングすることで障害物を無視できる、つまり目的地までの最短距離を移動可能なのだ。
 目指すはこのフィールドで最も高い座標――大型冷蔵庫の上。
 リアナは近くの踏み台や棚を越え、砲撃に最も適したその場所へ向かう。

「させないの~っ」

 それをマオチャオのワカナが追いかける。
 相手の策をいち早く看破した伊吹の命を受け、ワカナは獲物を狙う猫さながらの動きで障害物を飛び越え、さらに研爪(ヤンチャオ)を鉤爪代わりに引っかけ棚をよじ登る。
 みるみるうちにワカナとリアナの距離が詰まっていく。

「残念、それはウチの台詞やで!」

 その横から、出し抜けにティグリースのアテナが飛び出した。
 寅型MMSティグリースは武装をリアユニットに集中させることで、ブースター推力を高めた強襲形態になることができる。アテナは一気にワカナに並ぶと、そのままリアユニットのサイドパーツを両腕に装着。大型ガントレット炎虎甲で殴りかかる。
 その拳撃を、ワカナは自らも拳を合わせることで迎撃。
 ――激しくぶつかり合う炎虎甲と研爪。
 衝撃で双方ともに吹き飛ぶ。その隙にリアナは悠々と前進していく。
「ははっ、アンタの相手はウチがするで」

「――では私は、遠慮なく通らせてもらいますね?」

 ドヤ顔でワカナと対峙するアテナ、その頭上を白い影が飛び越えた。
 装甲を輝かせ、オーラシオンのゼリスがフィールドを駆ける。慌ててアテナが追おうとするが、今度はそれをワカナが阻止。
 その間にゼリスは一足飛びに棚を飛び越えた。
 オーラシオン武装の両肩アーマーに搭載されたアークジェットが、空中での姿勢制御と同時に推進剤を噴射――放たれた矢のごとく一直線に加速。
 冷蔵庫の頂へ手が届く寸前だったリアナに、強烈なキックをお見舞いした。

 バランスを崩したリアナは地上――キッチンの床に落下する。
 辛くもフローリングに軟着陸を果たしたリアナに、アテナが駆け寄る。そこから離れた地点ではゼリスが繰る繰ると華麗に着地、続いてその隣にワカナが飛び降りてくる。
「ふん、やるやないかい」
「ただの挨拶代りですよ」
 憎らしそうに睨みつけるアテナに、ゼリスは涼しい顔で返した。
「なんや、お兄さんも人が悪いなあ……」
「せやせや。あんな機動力ありながら、今までの試合では隠しとったんか?」
「……別に隠してた訳じゃないさ。ちょっと本調子じゃなかっただけだよ」
 先手を取る作戦が失敗した双子は不満そうだが、事実――シュンも万全な状態になったオーラシオンがどれだけの性能を発揮できるか分からなかったのだ。ゼリスは平然としているが、正直ちょっと冷や冷やした。
 そんなシュンの気持ちに気づいてか、ゼリスがこっそり片目をつぶる。

(……心配ないから、安心しろってことか)

 シュンはゆっくりと息を吐きながら心を落ち着ける。どうやらオーラシオンは、想像以上にゼリスの力を引き出せているようだ。ならばここからが本番。 
 アテナとリアナはこちらを警戒するように攻めてこない。ゼリスとワカナはジリジリと移動しながら隙をうかがう。
 開始直後の攻防から一転、フィールドで繰り広げられる静かな駆け引きに、会場の空気がピリピリと張りつめていく。
 神姫たちは互いに牽制し合い、故に攻撃に転じるキッカケがつかめない。そして彼女たちは、そのキッカケを与えてくれるのがマスターの役目であると知っている。

「ワカナ、旋牙(シャンヤ)で突撃よっ!」
「アテナ、風神雷神で迎え撃てい!」
「こっちは援護にまわるで、リアナ!」

 それぞれのマスターの指示に従って、三体の神姫が同時に動き出す。

「あっ? えっと……」

 その中でシュンはとっさに指示を出すことができず、ゼリスだけが遅れてしまう。
 ワカナのドリル攻撃を、アテナが両手に持った剣で受け止める。飛び退くワカナ、その引き際を狙ってリアナの砲撃が着弾。
 その衝撃に、ワカナはシールドを張って耐える。
「シュン、ワカナさんを援護しますか?」
「あ、ああ……頼むっ」
 一気に攻勢をかけようと剣を振りかぶるアテナ、それをゼリスが右手のハンドガンで狙い撃つ。続けて左で二丁目のハンドガンを取り出すと同時、リアナにも射撃を加える。たまらず相手は回避に転ずる。
「ふにゃ~、助かったよ~」
 相手が引いた隙にワカナはいったん後退。何とか窮地を脱出できたことに、シュンは安堵の息をついた。
「シュッちゃん、それにぜっちゃんも。遠慮せずに、もっとガンガン攻めてちゃっていいわよ?」
「りょ、了解……」
 伊吹に返事をしながらシュンは焦っていた。
 バトルでは一瞬の隙や油断が命取りになる、だからこそマスターの判断力が問われるのだ。さっきのような場面で神姫に的確な指示を送れないでどうする。

 足手まといにならないように――それすら出来ないようじゃ、ただの役立たずじゃないか。

 そんなシュンの動揺を察したように、金町兄弟がニヤリと笑う。
「なかなかやるやん。けどこの程度じゃ、オレたちには勝てへんで!」
「せや。コンビネーションアタック、受けてみいっ!」
 マスターの掛け声に反応して、アテナとリアナが縦に並ぶ。
 前衛にアテナ、後衛にリアナがつくフォーメーションだ。

「か、覚悟してくださいよぉ」
 リアナが武装に増設されたミサイルポッドから、誘導弾を一斉発射する。

 噴煙の尾を引きながら迫る、対空地ミサイルの群れ。ゼリスとワカナは回避するものの、ホーミングする弾頭につきまとわれて振り切れない。

「そこや! いくで、疾風迅雷!」
 裂帛の気合を込めてアテナの持つ双剣、風神雷神からそれぞれ衝撃波と雷撃が放たれる。

 ミサイルの対応に追われていたゼリスとワカナは反応が遅れ、その直撃を受けてしまう。
「ゼリス!?」
「ワカナ、大丈夫っ!?」
「うにゃああ……ダイジョーブ、なの~」
 電撃に痺れたワカナが目を回している。その後ろではゼリスが「少し……油断しました」と顔をしかめている。

「ははは、まだ安心するには早いで~」
「いきますよぉ、バーニングインフェルノですぅ!」

 息を継ぐ暇も与えぬアテナ&リアナチームの追撃。
 リアナの背負う大型砲、インフェルノキャノンから極太の電子ビームが発射された。

「ちょ、ま……」「避けてっ!」「ふにゃにゃっ!?」「くっ……」

 どれが誰のものかも分からない叫びが、爆発にかき消される。
 光と爆風の奔流がゼリスとワカナを飲み込んだ。








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