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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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 低空を高速で飛行する。フィールドは『丘』。見晴らしが良く、隠れられる場所はない、まさに一騎打ちには持ってこいなフィールド。そんな場所を、両手にエウロスを握り締めながら飛んでいく。今度、柏木さんのところの筺体でこのフィールドを使いたい。こんなに気持のいい丘を、おもいっきり飛んでみたい。
 だが、それは今度。今は目の前に迫る相手と対峙しないといけない。
 相手は刀を真正面に構えている。剣道の構えに似ている。どの角度から来ても大丈夫なようにだろう。それに対して私は左腕を前に構える。
 残り8s、私は左腕を下げた。相手から見れば下から来るように見えるはず。
 そして腕を振る時、私は肘から先をあげた。そして、振り下ろす。横から見れば、筆記体のLを描くようにだ。
 しかしそれも、真正面に構えた刀の前には意味を成さない。すぐに対処されてしまう。
刃と刃がぶつかり合う。相手の方が力が強い。なら、それを利用するまで。
 私はあえて左手に力を込める。相手もそれに対抗して力を強める。

(シリアっ!)
(任せて!)

 次の瞬間、私の体は右に回転しながら斜め左前に跳ねた。回転する視界の中、アイオロスの羽が生き物のように動く。
 シリアが動かしてくれているんだ。私は一人じゃない。シリアと一緒に戦っているんだ。改めてそう思う。胸の中の暖かさは、きっとシリアなんだ。
 私はアイオロスの隙間から見える相手を見る。相手が刀を構え直している。それに対して、私は遠心力を乗せた右腕で容赦なく薙いだ。
 再び刃と刃がぶつかる音が辺りに響く。その瞬間、今度は私は真上に跳ねた。相手を飛び越えるように。しかし、そのまま降りるようなことはしない。体は右に回転し続けている。両手のエウロスは消え、薙刀――トルネードを握る。相手は刀を真上に振りあげる。エウロスでは足りなかったパワーも、トルネードならなんとかなる。

「はあっ!!」

 全力でトルネードを相手の刀に叩き付ける。歯を食い縛り、相手の刀を押しきるつもりでさらに力を加える。

「っ……!」

 ふっと相手の力が消える。相手は身を捻り、トルネードの軌道からそれる。
 何もない空を裂く刃、その瞬間私は左手をスライドさせて柄の後ろの方を握った。

「はっ!!」

 相手の刀が私がいる場所を薙ぐ。それをトルネードでギリギリガードしながら、私はそのまま後方へ吹き飛ばされた。これは、私がブースターを使いながら。

(ストームっ!)

 言い終える前にトルネードは消え、そして少し大きな短機関銃が姿を表す。地面に着地、滑りながら体勢を立て直す。
 滑ることが安定したところでストームを腰だめに構える。そして、フルオートで引き金を引いた。
 銃口から吐き出された無数の弾は、相手がいる地面を根こそぎ削っていく。当の相手はと言えば、そんな銃弾の嵐をものともせず、綺麗に傷一つつくことなくこちらに向かってきていた。あら、実弾武器が弾けないなら全部よければいいじゃない?
 そんなことを考えている間に相手はもう目前に迫っていた。さらに狙いを定めて引き金を引き続ける。しかし、相手は目の前から突然消えた。レールアクションか?

(上から来るよ! 気を付けて!!)

 シリアの指示で、上を見上げる。そこには、太陽を遮るように黒い陰があった。

「くっ!」

 私はとっさに手にした物で対抗した。
 いつの間にか手にしていた薙刀で。
 さっきとは真逆の立ち位置で刃が接触する。似たような構図を、エリーゼともやった。このまま押し切ることは可能だ。しかし、それではまた振りだしに戻ってしまうだけ。
 ならば、違うことをすればいいだけではないか?
 そう思った私は即座に右手と左手を順番に逆手に持ち変えた。そして左手を押し出して右手を引く。
 すると、柄の先に付いたピックが相手の脇腹に突き刺さる――はしなかった。とっさのバリア。こちらの攻撃を完全に読んだバリアだ。だがダメージは通るし、衝撃もダイレクトに伝わる。そのまま相手を引き倒す形で薙刀を振った。腕だけでなく、体全体を使って振る。
 空中にいる相手の体勢は崩れ、地面へと叩き附けられる。
 薙刀を振った勢いを殺さず、そのまま回転しながら飛び上がる。薙刀を握り直し、相手の胴体を切り裂くように――

「なっ……!」

 瞬間、相手の姿が掻き消える。右に消えたように見えた。
 地面に着地し、右に振り返ると、数メートル離れたところに相手は立っていた。あのタイミングでのレールアクション、きっとこっちが行動を起こす前に起動していたのだろう。起動までのタイムラグを完璧に読んだのだ。

「……見事、とても見事です」

 相手が開いた口からは独白のように言葉が漏れる。

「前回の反省を活かした武器の選択、連撃の精度、とっさの気転、すばらしいです」
「……どうも」

 一応お礼を言っておいた。すでに片手にストーム、両手にゼピュロスを展開している。

「ですから、たった今、我が主との全会が一致しました。よって……」

 呟く静の回りの空気がだんだんと変化していくのがわかる。冷たく、研ぎ澄まされるような空気。静の持っていた刀が消える。そして今、

「私たちも、本気でいかせてもらいます」

 完全に空気が氷ついた。
 静の手には再び刀が握られる。目立った装飾もない、決して派手ではないが、存在感ははっきりしている。言ってみれば、何処にでもある普通の刀。
 だが、威圧感がまるっきり違った。触れるものを全て切り裂いて――いや、存在そのものを消してしまいかねない、そんな刀。
 私は一歩も動けなかった。正確には、微動だにすることすら出来なかった。
 動いた瞬間、この空気は砕け散り、私まで砕けてしまいそうになる。

「いきます」

 氷ついた世界の中、静は音もなくこちらに迫ってきた。
 だめだ、あれには勝てない。
 心の中の警鐘が鳴る。なのに私は動けないでいる。銀色に輝く刃が真っ直ぐに振られる。
 もう、だめだ……!

(樹羽っ!!!)

 がくんっ、と体が斜め後ろに引っ張られる。刃がさっきまで私がいた場所に生えていた草をを切り裂く。私の体はそのまま上空へと舞った。

(しっかりして樹羽! 最後まで一緒に頑張ろうよ!)
(シリア……)

 見えないシリアの声が、私の中で反芻される。
 そうだ、諦める理由がない。確かにあの刀は普通じゃないけど、それでもやりようはいくらでもあるはずだ。
 私は改めて静を――相手を見据えた。さっきと同じ場所で、こちらを見上げている。

(またレールアクションを使われるかもしれない)
(でも、数に限りがあるし、連続で発動できない。一回かわせばなんとかなるよ!)

 相手がレールアクションで上空に上がってきても、後は落ちることしか出来ない。そこをストームで撃てばいい。
 大丈夫だ、問題ない。
 相手の姿が消える。同時にジャミング反応。
 確かにレールアクションを使われれば相手がどちらから来るかわからない。だが、一番安全な逃げ道がある。

(視界に相手がいないなら、前によければかわせる!)

 空中で前転するように前へ転がり込む。直後、真後ろで何かが高速で通り過ぎる音が聞こえたような気がした。たぶん、刀が振られた音だろう。普通あんな音しないと思うけど。
 とにかく、鬼門であった初弾をかわすことが出来た。私は空中で体勢を立て直しながら振り返る。そしてストームを構えようとしたところで、やけにストームが軽いことに気が付いた。
 見ると、ストームは真っ二つになっていた。あるはずの銃口はなく、トリガーを引いてもまったく意味がない。

(切ら……れた? いつの間に)
(樹羽、前っ!)

 シリアのアラートに前を向くと、黒い羽が目の前に舞った。
 それの本体は相手の背中から生えている。真っ黒な翼は、カラスを連想させた。それを使って、相手は空に浮いている。

「空中も、私たちの領域です」

 言葉とともに刀を構え直す。私たちは身の危険を感じ、揃って戦略的撤退を選択した。
 見た感じ、向こうにはブースターらしい物はない。つまり、移動速度はこちらが上。

(ストームは回収、エウロス出して)

 役に立たなくなったストームを素早く消して、使い易いエウロスを出す。まだ諦めない。諦めるわけにはいかない。

(また消えたっ!)

 後ろから反応が消える。今度はきっと、前。
 斜め前に黒い影が出現する。今から止まったのでは間に合わない。全力で向かってぎりぎりでかわす。
 さらに速度をあげる。迫る刃をバレルロールする形でかわす。なんとかかわせたが、視界の端でエウロスの切っ先がスッパリ切れるのを見た。今、手に負荷が一切かからなかった気がする。

(なんという切味)
(関心してないで次どうするの!?)

 ボレアスも前の刀を併用されたら意味がない。かと言って遠距離武器がないが故に接近する他ない。相手のレールアクションはいつ切れるかわからないし、かわし続けられる自信がない。
 ならば、一か八かやってみるしかないではないか。

(エウロスはもういい。トルネード出して)
(……わかった)

 エウロスを握っていた手にそのままトルネードが収まる。相手の刀はおそらく異常なまでの代物だろう。クラスはおそらくチートクラスだ。そんな物にまともにやりあっても勝てっこない。
 でも、だからこそ出来る精一杯をしたい。

(来るよっ!)

 後方から相手が消失する。完全にジャンケンになるが、後は野となれ山となれ。

(前に向かってレールアクション!)

 前方にくの字を描くように動くレールアクションを起動する。まずジャミングが働く。動くのに僅かなタイムラグが生まれる。
 相手が目の前に現れた。予想通りだ。

(間に合えっ)

 振り上げられた刃が、太陽の光に照らされる。袈裟掛けに迫る刃をただ見上げる。大丈夫だと信じて。
 ふっと体が軽くなるのを感じた。次の瞬間、相手の背後が見えた。うまく回り込めたらしい。
 手に力を込める。これが本当のラストチャンスだ。
 相手は空を切った勢いのまま回転しようとする。その時、視線がぶつかり合った。宮下さんと同じどこまでも真っ黒な瞳。見間違いでなければ今、微かに笑ったように見えた。

「はあぁぁぁっ!!」
「やあぁぁぁぁっ!!」

 二つの影が交錯する。鍔競り合いになる時、トルネードにひびが入るのを私は見逃さなかった。高々刀を三回受け止めただけなのに何故。
 砕ける刃。迫る銀。お互いの腕は完全に振り抜かれ、場違いなブザーの音が辺りに響いた。






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