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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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双子神姫
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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「あたしたまに樹羽が怖くなるわ」
「……そう?」
「だから怖いんだって樹羽」

 華凛とシリアの両方に言われる。バトルは終わった。私が勝ったのだ。あろうことにあの楓さんを投げて。

「まさかあたしが投げられるとはねぇ、投げられる側の気持ちが軽くわかったよ」

 今は楓さんとも話している。話してみるとやっぱり気さくな人だ。

「あれは……合気道かなんかかい?」
「昔教えてもらった」

 幼稚園から小学校一年生まで、親に通わされた合気道教室で、当時師範をしていた女性に教えてもらったのだ。今思えば、その時教えられるような技ではなかったが、不思議と出来てしまったのだ。

「楓さんも人をよく投げてますよね、そりゃもう容赦なく」
「まぁな。ただまぁ、最近はちょっとは余裕がでてきたんだぜ? わざと触らせて飛ばすなんてのも出来るようになったんだ」
「今研究してるのは、如何に回転をかけて飛ばすかってことだよな」

 確か、前回は四肢があらぬ方向にねじ曲がっていなかっただろうか? たぶん、その研究は最終段階まで行っていることだろう。
 あの後、気を失うことなく無事にライドアウトした私は、連続戦闘を辞退して楓さんと一緒に話している。まだ一回バトルすると疲れる。

「最近は不良を飛ばしたっけな」
「あんまり穏やかじゃないですね」
「だろ? 樹羽ちゃんにちょっかい出そうとしてたから、容赦なくやったよ」

 ……あ。
 その話を聞いた途端、華凛は笑顔のまま固まった。こうなるんじゃないかと思って話さなかったけど、やっぱり正解だった。今となっては徒労だけど。
 華凛の首が、昔のからくり人形のようにカタカタとこちらを向く。すごく怖い。

「ネェ樹羽? 不良ッテドウイウコトナノ?」

 壊れたレコーダーのような声で尋ねられる。やっぱり怖い。

「えと、ぶつかっちゃって、それで……」
「ソレデ?」
「腕を掴まれた時、楓さんが助けてくれた」
「ソウ……ならよかったわ」

 安心したのか、華凛はいつもの調子に戻った。やっぱり私は華凛の方が怖いと思う。

「華凛の方が怖い」
「私的にはどっちもどっちだと思うけどな」

 シリアは苦笑しながら言った。この分だと、もしかしたらシリアも怖いところがあるのかもしれない。
 華凛は楓さんに向き直って頭を下げた。

「楓さん、本当にありがとうございました」
「いいって。あたしが気に入らなかっただけだ」

 それに、と楓さんは付け加える。

「ここだけの話な、タイミングがよかったってのもある」
「タイミング?」

 何のタイミングだかわからないでいると、楓さんは目を閉じ、おもむろにハチマキを取り始める。取られた白いハチマキは、まるで包帯のように見えた。紅葉が軽く目を見開くのが視界の端に映る。
 閉じられた目がゆっくりと開かれた。なんだか、ハチマキがないだけですごく印象が変わるように感じる。

「実を言うと、私、この格好でハチマキを付けるとああなるんです」
「へ?」

 一人称が私? それに、話方もだいぶ違う気が……。

「姉貴が……いや、楓が自分の本性を出すなんてな」

 紅葉が驚きいたように呟く。本性、と言うことは、こっちが本来の楓さんと言うことだ。

「本性って、じゃあ普段ゲーセンにいる時のアレは?」
「変な話かもしれませんが、多重人格に似たものだって医者に言われました」

 話によると、事の発端は数年前、突如として男性恐怖性になってしまった楓さんは、男性に触れられた時にだけあの性格が出るようになったらしい。そのうちに、性格が変わる時間がだんだんと増えていき、今のような感じになったそうだ。

「今みたいに、ハチマキがトリガーになったのは3ヶ月くらい前。性格が変わってる間の記憶もあるから、ただの二重人格じゃないみたい」
「へぇ……」

 楓さんは再びハチマキを頭に巻く。キュッ、と縛る音が聞こえると、

「ま、そんなとこだ」

 またさっきと同じ調子に戻った。

「昨日は夕方からバトルの約束があってな。ちょうどここに向かってたところだったんだよ」

 だからタイミングがよかったと言うわけか。そこを通りかかった時、この状態でなければ、多分ああはならなかったかもしれない。

「悪いね、いきなりあたしの話しちまって」
「あ、いえ、そんな迷惑には思ってませんから」
「問題ない」
「むしろ一層親近感が沸いたって感じですね」

 三者三様の答えを返す。楓さんはにっかりと笑った。

「じゃ、あたしはもう一勝負してくるわ。3人とも、またな!」
「また戦うことになったら、もっともっと強くなってるからな!」

 そう言って、楓さんと紅葉は休憩室から再び戦場へと戻っていった。

「私は帰るけど、華凛はどうする?」
「樹羽を家まで送る」

 即答だった。



 家に着き、華凛と別れた後、私は一息ついた。今思えば、私はビルの屋上から落下したんだっけ。飛び降りだけは絶対やめよう。
 シャワーを浴びた後、牛乳片手に部屋に戻る。カルシウムは大事なのだ。まめに摂取したい。
 シリアは自分のクレイドルを拭いていた。余談だが、このクレイドル、頭を置く部分に簡易枕をつけてある。私が作った物だ。綿をたっぷり詰めた神姫サイズの枕は、シリアのお気に入りになりつつあるらしい。

「今日は疲れた」

 私が席に着くと、シリアは手を止め、クレイドルに座った。

「そうだよね。そう言えば樹羽、体は大丈夫?」
「体?」
「ほら、昨日バトルの後に気を失っちゃったでしょ? 今日は平気だったみたいだけど」

 そう言えばそうだった。今回はなんともなく普通にライドアウト出来た。前回は気を失ったのに、何でだろう?
 考えた末、私は電話してみることにした。



『え? 今回気を失わなかった理由?』
「うん、華凛はなんだと思う?」

 電話の先で華凛は少し唸った。突然こんなこと言われたら誰だって困るだろう。

『うーん、わかんないわねぇ。樹羽は何か思い当たる節は無いの?』

 無い、と言いかけて少し考えた。今回のバトルと、前回のバトルの相違点を頭の中で一つ一つあげてみる。いくつか出た中で、一番可能性のありそうなもの……あった。

「ブースター?」
『はい?』
「ブースターの使いすぎかも知れない」

 今回はアイオロスを壊されてしまったせいで、一回も自分でブースターを使うことは無かった。変わって前回は、自分でブースターを使い続けた。
 何事にも反動はある。私だけが持っている力。便利ではあるが、その反動がもしかしたらアレではないだろうか?

『…………』

 電話の向こうで華凛は沈黙している。考え込んでいるようだ。
 やがて華凛は、

『……樹羽、これはあくまであたしの仮説なんだけど、良いかな……?』

 と言ってきた。

「うん」

 私はそれに対し肯定の意を示す。

『人の脳には、使われていない部分があるのって知ってるよね?』

 知っている。人間が無意識の内に制限している部分のことだ。何故そんな制限が存在する必要があるのか、その理由まではまだわかっていない。

『たぶん、たぶんだけどさ、樹羽が神姫にライドした時、その制限の一部が解除されるんだと思うの』
「どういうこと?」
『つまり、例のブースターの制御能力が、その制限された部分なんだと思うの』

 華凛の仮説は、つまりそういうことだった。
 私のこの特異能力は、私が普段無意識に使っていない部分に該当し、私が神姫にライドした時のみその力が解放されると。
 私が倒れた理由は、普段使っていない部分を酷使しすぎたからだと、そういうことらしい。

『これはあくまで仮説――ううん、妄想に近いわ。もしこの妄想があってるとして、なんで樹羽にそんな力が宿っているのか、さっぱり検討もつかないもの』

 確かにそうだけど、この能力は確かにあるのだ。
 改めて考えるとおかしなことだ。これではまるで――

『ま、今は深く考えないでいいんじゃないかな? どうせ考えても答えなんかでないし』
「……そうだね、そうする」

 早く寝なさいよ、と言い残し、華凛は電話を切った。私はベッドに携帯を放り、私自信もベッドに倒れこんだ。

「樹羽、どうだった? 華凛さんなんだって?」

 シリアが顔を覗きこんでくる。小さなその顔を見ていて、私は尋ねた。

「確か神姫って2031年に発売されたんだよね」
「へ? ああ、うん、そうだよ。それが?」

 確かエウクランテ型の発売が2037年。今から7年前になる。初めて神姫が発売されたのは2031年。私が生まれたのは2028年だから……

「やっぱり、偶然」
「?」
「なんでもない」

 私は考えるのを止め、しばらくシリアとたわいもない会話を楽しんだ。
 あり得ないんだ、そんな事――。








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