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9ページ目『凶刃』



 人と神姫の違いとは何か。
 それは表面的には哲学的な疑問であるように見えるが、その実、まったく馬鹿げた問いかけである。何故ならその問いかけは【人間と神姫は同じ心を持っている】ことを前提とされているからであり、その前提が愚かしいまでの見当外れであるからだ。
 本作において度々、人間と神姫がいかに心を同じくするかを記述していたこともあったが、人工AIとは倫理の瀬戸際に立ち、製作に免許を必要とする極めてデリケートな代物である。真面目に考えれば考えるほど泥沼化が避けられない。だからあくまで一つの意見として容赦いただきたい。

 例えば、の話である。

 あなたがまだ学生であるか、あるいは学業を終えた身であるかは知る由もないが、修学旅行のおみやげに木刀を購入したとする。
(実際に木刀を購入しても許される学校が実在するのかは知りませんが。そういえば、男子のテンプレは木刀ですけど、女子は何を買ってるんでしょうねー? 化粧品を買って廊下に正座させられていたのならいっぱいいましたけど)
 宿泊先に戻ったあなたは買ったばかりの木刀から値札をはがし、部屋で構えてみることだろう。その部屋にはあなたと同じく木刀を購入し、やはりサムライを気取った友人がいたとする。
 ふざけてチャンバラに興じるあなた達は、さてここからが質問だが、あなたがうっかり勢い良く振り下ろした木刀が不運にも友人の急所にクリティカルヒットし、意識を刈り取ったとして、果たして「やったぜキャッホウ☆」と歓声を上げることができるだろうか。
 できる、と答える輩はきっと猿か何かの類だから、遠くからバナナでも投げてやればよい。普通は慌てふためき、誰かを呼ぶなり何とか目覚めさせようとすることだろう。
 ならば神姫の場合はどうかと着目したい。
 答えを言えば勿論、否である。おニューの武器を近くの神姫で罪悪感もなく試すような個体は不良品として廃棄されるべきだし、彼女達が武器を取るのは筐体の中、バトルの時だけでなくてはならない。そのバトルとは人間でいうところのスポーツや格闘技に近く、能力を競い合うという大義名分に則っている。バトル用の筐体に入ることがある種の誓約であり、双方の誓約が得られて初めて武器を交えることができる。それは格闘技を嗜む人間も同じ――ではない。ここに人間と神姫の明らかな差異がある。

 話を修学旅行に戻そう。

 木刀を構えて向かい合った学生はあくまで【おふざけ】のつもりであり、もし仮に内に秘めた怨念があったとしても、本気で相手の額を叩き割ろうとはしない。ついカッとなってやった、とのたまう輩はやはり猿だ。遠くからバナn(ry。
 では彼らに誓約書を書かせ、適当な防具を与え、然るべき舞台を与えてやったらどうか。しかし彼らはそれでも、プロボクサーのように相手を殴り倒すようなことをしなければ、万一事故があっても喜んだりはしない。喜ぶ猿には遠k(ry。善良な青少年であるところの彼らは、いくらお膳立てがあったとしても、相手の意識を刈り取るレベルの攻撃などできるはずがない。良心がそれを許さない。そして神姫は筐体の中での安全を約束されているとはいえ【起動された瞬間からそれが可能である】。人間のように練習や修行を行うことで相手を打ち負かすことに慣れる作業を必要としない。
 ここが人間と神姫の違いである。
 ここが人間の心と神姫の心の違いである。
 MMSの中でも【武装神姫】と位置付けられる彼女達は生まれながらにして戦うことができる――つまり同じ形をした相手に刃物を突き立てたり、銃弾を撃ち込んだりできる存在であり、即ち【闘争本能】を生まれながらに持つか否かで人間とは区別されるべきである。
 従って、人間の心と神姫の心は違う。
 従って、人間と神姫は違う。
 人と同じ言葉を操り、身長こそ縮小されているが人の形を同じくする神姫とはいえ、あえて悪い言い方をすれば、彼女達は生まれながらの戦闘マシーンなのだ。しかし決して彼女達は非難されるべき存在ではないし、是か否かを問う議論もあるだろうがここでは脱線にしかならないので触れずにおく。大切なのは彼女達の心が設計図を元とする人工物に相違ないことであり、その設計の中に闘争本能が書きこまれている事実を忘れてはならない。納得できないのなら、あなたの神姫を武装させてこの場所へ寄越してほしい。そしてここであなたの神姫は目の当たりにするだろう。
 理性を失った神姫が本能に従い、自らのオーナーの恋人に剣を振り下ろさんとするところを。




 姫乃の首を目掛けて振り下ろされた剣は間一髪、あとコンマ数ミリのところでアマティが伸ばしたスカートアーマーによって阻まれた。もしモード・オブ・アマテラスを解除していたらと思うと、アマティはゾッとせずにはいられなかった。間違いなく防御が間に合わずに姫乃の頭と胴体は切り離されていただろう。血の気が引く、と言うのも生易しい。リミッター解除により熱を持っていたはずのアマティの身体は、全身に氷の釘を打ち込まれたように温度を下げ、固まってしまった。
 エルが力尽くで剣を姫乃の喉へ押し込もうと体重を乗せた。しかしあと小指の太さ程度の距離が動かせず、剣を掴むスカートを振り払うことすらできなかった。極度の緊張から一転して放心状態となり、なお高いレベルを維持するアマティの馬力。素の腕力しかないエルとリミッター解除状態のアマティでは、それほどの力の差があった。
 掴まれた剣を諦めたエルは手を離し、もう一方の剣でアマティに斬りかかった。自失していたアマティはこれを胸で受けてしまう。
「ぐううっ!?」
 アーマーのおかげで多少はダメージを軽減させたものの、よろめいて姫乃の側から離れてしまった。再度姫乃に斬りかかろうとするエル。今度は心臓に剣を突き立てようとしたが、
「舐めるなぁ!」
 気付けの一撃で目覚めたアマティがスカートを伸ばし、鋏で胴を掴んで強引に持ち上げた。さらに剣を掴んでいたほうのスカートも、剣を捨てて脚を鋏み、エルを空中に固定してしまった。抜け出そうとするエルが剣で何度もスカートアーマーを叩いても、力の差があるのに加えて剣に体重を乗せられないとあっては、アマティの顔色ひとつ変えられなかった(未だアマティの顔は青ざめてはいるが)。
「やれやれ、自分が神姫であることがちょっと嫌になっちゃったじゃない。理性を失ったら闘争本能しか残らなくなるなんて。自分でロボトミー手術したくなるわ」
 エルが投擲した剣を、アマティは副腕で容易く掴みとった。この異空間一面に突き立った墓標のうちの一本。その刃は間近で見ると刃こぼれだらけで、現にアマティの副腕は刀身を握っているが傷一つついていない。エルが異空間と共に創り出した剣を見れば何かしら異空間のメカニズムが分かるかもしれないと期待し、矯めつ眇めつしてみるアマティだったが、強いて言えば装飾が美しく骨董品のようであること以外は特段変わったところもなく、「ふん」と刀身を握り潰した。
「ほむほむはこのヘンテコな異空間のことを【心象風景】って言ってたけど、この不気味な大量の剣といい、理性を失ってるにもかかわらず執拗に姫乃さんを付け狙う執念といい――あなた、カワイイ顔してどんだけドス黒いのよ」自分も同じ顔であることをしっかり頭に入れつつ言うアマティだった。
 アマティの言葉はまるで届かないのか、エルは拘束から抜け出そうと足掻き続けた。エルの両目はアマティを見ているようでいて、何も見ていないようでもあった。輝きもなければ、濁りもない、ただのレンズとしての両目。彼女は本能に従って動くものを斬り伏せようとしていながら、なぜ自身の手が剣を握っているのかすら理解していないようだった。
 同じ血統を持つはずの、アマティとエル。
 アマティは自分の中にも眠っている可能性のある本能をまざまざと見せつけられ、エルを掴むスカートから不気味な何かに侵食されるような気さえした。できることならば、今すぐエルを離してしまいたいと思った。
「聞いても無駄か。さっさと終わらせて、帰ってアーマー磨こうかな」
 せっかく捕縛したサンプルを早々に手放すことにしたところで、ホムラがのこのこと戻ってきた。
「ほう、捕獲したのか。どうだ、話が通じるか試したのか」
 やたらと勇ましく飛び出しておきながらエルを取り逃がし、姫乃を命の危険に晒した戦犯は、少しも悪びれた様子はなかった。もう一匹、ホムラとタッグを組んだカグラはさらに情けないことに、ホムラに片足を掴まれてズルズルと引きずられてきた。
「おかげ様でエルさんとコミュニケーション取る前に、姫乃さんと永遠にお話できなくなるところだったわよ。二人がかりで取り逃がすなんて、どー言い訳すんのか期待していいんでしょうね?」
「言い訳か、そうだな――すまん。手が滑った」
「んなっ!?」
 アマティは普段の癖でホムラに掴みかかろうとした。
 してしまった、その瞬間。エルが拘束から抜けだした。アマティの僅かな気の緩みを、足掻き続けたエルは逃さなかった。
「あっ――!」
 アマティの反応は早かった。再びスカートの鋏でエルを掴みにかかる。しかしエルは迫るスカートを蹴って跳んだ。その跳躍は明確に、姫乃を狙っていた。掴んでいたカグラを捨てたホムラがハンマーを振った。
「おあらあっ!」
 どんな一撃でもいい、当たればエルは倒れる。力任せに振られたハンマーは、しかしエルの着地より僅かに遅かった。エルが身体をよじり、ハンマーを難なくやりすごす。同時に、コートの裾から爪のような三本の短剣を抜いた。アマティもホムラも、エルがその武器を隠し持っていることを知っているはずだった。しかし、周囲に突き立つ多量の剣の異様さが、そのことを失念させていた。
 アマティが掴むように手を伸ばした。ホムラも空振ったハンマーを捨てて駆け出す。二人よりも僅かに早く、三本の爪は姫乃の胸に到達した。切先が厚着していた寝間着を突き破り、皮膚に到達して身体の奥底へと沈む――その瞬間、ひとつの銃声と同時に爪は三本とも、中程から真っ二つに折れた。
 飛散する破片をホムラは見た。爪は切先だけを姫乃の胸に埋めて、それ以上の動きを止めた。
「んあっ!?」
 僅かとはいえ皮膚の奥まで貫かれ、姫乃の表情が今以上の苦痛に歪む。朦朧とした意識の中で胸の鋭い痛みだけが強く火花を散らした。胸に手を当て、引っかかっていた刃を乱暴に振り払った。指に触れた硬く冷たい感触、カランと床に落ちる金属音、肉体を傷つけるあまりに凶悪な代物。痛みが勝ったために自分の胸に刺さった物が何だったのかを意識せずにいられるのは、心が弱りきった姫乃にとっては救いだったのかもしれない。タイミングを誤っていれば、刃は確実に心臓まで到達していた。防寒用に着ていたカーディガンの下、パジャマにできた3つの赤い染みはあたり一面を覆っていたかもしれない。貧しい厚さしかない胸も幸いして怪我は最小限で済んだ。姫乃はなんとか九死に一生を得た。
 ただ、刃が食い込む瞬間を見せつけられたアマティの目には、そうは映らなかった。
「うわああああああっ!!」
 先程姫乃が首を落とされかけたことを思い出し、今度こそ爪が心臓を貫いたと錯覚した。半狂乱で駆け寄り、折れた爪を呆然と見ていたエルを背後から殴り倒した。ホムラが与えていたダメージの蓄積もありエルはこれで完全に倒れたのだが、もうそれどころの話ではない。
「姫乃さん! しっかりして、目を覚まして! 眠ったら二度と起きれなくなるから!」
 肩を掴んで首が折れそうなほど揺すっても、高温の熱に苛まれた姫乃が反応できるはずがなかった。うめき声をあげるしかない姫乃の反応がよりいっそう、アマティの勘違いを強めていく。
「おいアマティ、姫乃は」
「子供がいるんでしょ! 大丈夫だから! 絶対に助かるから目を覚まして! だ、誰か救急車!」
「よく見ろ、あまり血が」
「血!そうだ止血!」
 カーディガンとパジャマのボタンを勢い良く引き千切り、姫乃の胸が露わになった。肌が生気のない土気色なだけでなく乳首まで紫に変色していた。起伏の乏しいそこはアマティが想像したような血の海になどなってはおらず、横並びに三箇所の小さな切り傷があるだけだった。息苦しさに同調するように上下する傷から赤い雫がこぼれはするものの、大事にまでは至っていない。
「あ、あれ……?」
「貴様の早とちりだ。小さな傷とはいえ手当は必要だろうが、ここでは傷口を手で押さえることくらいしかできない。不用意に病人の肌をはだけさせるのはやめてやれ」
「でもさっきはこの剣で確かに……嘘、折れてる? 人肌にも刺さらないくらい劣化してたってこと?」
「折れた箇所をよく見ろ。明らかに外からの力が加わっているだろう。しかも三本とも同じ位置にな」
「これ、ほむほむが?」
「俺にそんな器用な真似ができると思うか? いや、繰り出された刃を三本まとめて【撃ち抜く】巫山戯た芸当ができる奴は全国大会ですらそうお目にかかれないぞ。ましてや――」
 剣が折れた瞬間の銃声をホムラは聞き逃さなかった。六インチの銃身を神姫のサイズまで落とし込んだ回転式拳銃。弾倉にある六発のうち一発を吐き出したそれは的を失ってもなお、何かを狙い続けるように銃口を遠くへ向けられていた。
 大型拳銃に分類されるそれを、射美は両手で抱きしめるように握っていた。まだ幼い指では撃鉄を起こすことも難しいように見え、しかし人差し指はしっかりと引き金にかけられていた。
 ホムラが拳銃を取り上げても射美は銃を構えた格好のまま腕も下ろさず自失していた。拳銃を握ったままの形を保った指先は反動によるものなのか、微かに震えていた。
「こんな小娘に射撃の才能があるとは俄には信じられんな。最近の小学生はどいつもこいつも野比のび太レベルの腕を持っているものなのか」
 残り五発の弾倉を確認しながらのホムラの問に、アマティは答えることができなかった。







■キャラ紹介(9) メル

【○月A日 晴れ?】
ボクの名前はメル。
一応オーナーってことになるアカギさんが、ボクをそう名付けた。
誰か一人の神姫ではなく、ヨドマルカメラの店員になるらしい。
マスターとバトルしたりする普通の生活にはちょっと憧れちゃうけど、これはこれで変わっていて面白いかもしれない。
一緒に起動されたアルトレーネ(こっちはメル。ボクの姉にあたるらしいけど……)と働くことになった。
早速、仕事の簡単なレクチャーを受けた。
第三のヂェリーっていうものの売り子らしい。
試しに飲んでみた一本は正直、う~ん……って感じだけど、与えられた仕事はちゃんとこなさないとね。
明日からガンバルぞー!



【○月B日 晴れ】
昨日は飲み過ぎた。まる一日以上が過ぎたのにまだ頭が痛い。
頭の中にガンガン響く痛みと、後頭部にピンポイントに襲いかかる痛みがある。
毎日日記をつけようとしてたのに、早速昨日はすっぽかしてしまった。
日記程度にあまり気負うつもりもないから、次からは数日置きにしよう。
昨日はフランドールっていうアーンヴァルにニトロヂェリーをしこたま飲まされ、空のヂェリ缶を踏んで転びそうになったところまでは覚えてる。
昨日の仕事はお世辞にも楽しかったとは言えなかった。
二日酔いでドヨヨ~ンとしていたところを先輩神姫に怒られるわ。
不味いヂェリーをニコニコしながら販売したって、発売したばかりのアイネスとレーネが珍しいのかジロジロと見られるばかりでちっとも売れないわ。
隣で声を張り上げるエルは何度もヂェリ缶の山に足をひっかけて崩すわ。
正直、お先真っ暗。
やっと業務時間が終わって、ぐったりしてたところにフランドールとレミリアが近づいてきたかと思うと、いきなりヂェリ缶を口につっこまれた。
なんなのさ、あのフランドールとかいうヤツ!
天使型のくせに悪魔みたい!
もう飲めないって言ったのに「そうか、じゃあ飲め」って意味が分からない!
……でも、うん、記憶をなくす直前は少しだけ楽しかったかもしれない。



【○月C日 曇ってたかもしれない】
第三のヂェリーの売れ行きは相変わらず。
エルのドジっぷりも相変わらず。
ボクも普通の神姫販促員になりたいよ……
でもあっちのグループってなんだかギスギスしてるっぽい。
神姫の世界も世知辛い。



【○月D日 雨】
昨日の閉店後、フランドールにバトルに誘われた。
相手は旧型の神姫だし、ボクの最新鋭の装備で軽くひねってやろうと思って快諾した。
……結果、手も足も出なかった。
というか、バトル初体験の神姫を全方位ミサイルで囲むなんて大人気ないにも程がある。
罰ゲームと称してまた飲まされた。
また記憶を失った。
酔い潰れてる間に眉毛をマジックで極太にされた。
しかも油性ペンで。
アカギさんにワックスを借りてなんとか落とせたけど、臭い。
エルには爆笑されるかと思ったけど、意外にも心配していた。
それはそれとしてフランドール、いつか絶対泣かす!



【○月E日 まだ雨がやまない】
お客さんから苦情があったとアカギさんに伝えられた。
ボクが手渡したヂェリーの袋が破れてたってことらしい。
商品はいつも丁寧に扱ってるのに、ボクが悪者になってた。
ボクのことを、新型だからって調子に乗ってるって責めてくる神姫もいた。
ちょっと……死にたくなった。
でも、エルとレミリア、数人の先輩神姫、それにまさかのフランドールまでボクのことをかばってくれて、慰めてくれた。
もちろん、フランドールの慰めイコール酔い潰すってことだけど。



【○月F日 明日は晴れるってニュースで言ってた】
レミ姉のアドバイス通り、武器をいろいろと借りて片っ端から試してみることにした。
せっかくだからフラン姉を出し抜こうと、複数の武装をスカートの中に隠し持っていった。
結果は大成功!
フラン姉に驚いた顔をさせたのは痛快だったね!
ミサイルも今までよりは迎撃回避できたし。
なんとなくだけど、ボクにはエル姉のように剣に固執して戦うよりも、複数の武器を使い分けることのほうが性に合ってるみたい。
でも調子に乗ってると、フラン姉がついに本気を出した(今まで全然本気じゃなかった!)。
フラン姉が初めて見せたまともな技『禁弾「スターボウブレイク」』。
あれは、まだボクにはどうしようもないよ。



【○月G日 快晴】
フラン姉とレミ姉のバトルを必死に目で追っていると、アカギさんがやって来た。
今期は予算的に厳しく、いろいろ節約しなくちゃいけないってことを回りくどく説明された。
ボク達が今まで支給されてたニトロヂェリーが、明日から第三のヂェリーになるらしい。
もちろん皆、猛反発した。
販促員のボクですら、あんなに喉越しの悪いヂェリーを毎日飲もうとは思わない。
一番反発していたのは、というかアカギさんを攻撃しかねない勢いだったのはやはりフラン姉だった。
レミ姉が制止してなかったら、『Q.E.D.「2036年の波紋」』をアカギさんに向けて放っていたところだった。
アカギさんが逃げた後、フラン姉は反発する神姫をあっという間にまとめ上げて、クーデター(?)の準備を始めた。
神姫がオーナーに反乱するのはよくないことだけど、フラン姉の気持ちはよく理解できた。
フラン姉が言い争いばっかりしてるレミ姉と並んでいられるのは、仕事上がりにヂェリーを飲む時だけだったから。
でも、フラン姉達の計画を盗み聞きしていると、たまにボクとエル姉の名前が聞こえてきたことに一抹の不安を覚えた。
今日はもう寝よう。
明日は一週間の中でも特に忙しい日曜日だし、いくらフラン姉でもまさか本当に反乱をおこしたりはしないでしょ。











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