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えむえむえす ~My marriage story~

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戦うことを忘れた武装神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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武装神姫のリン
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「右から敵の攻撃が来てる。その場から上昇して!」
『了解です!』

 今はバトルの最中。ステージは森林。
 始まった直前、素早い動きでハウリン型の相手はどこかに行った。移動し木に隠れながらの戦法。 
 多分であろうハウリン型武装の「蓬莱壱式」をバンバン撃ってきている。
 それでも間を縫ってきて、こちらを狙ってきても結局木に当たる。隠れるための木が壊れることなどあまり気にしていないみたいだ。

 これ以上地上にいたら、いつか爆発に巻き込まれる。そのため、シオンを一旦空中に飛ばせてグライディング。
 浮遊させておいて戦局を変えられるか考えてみる。

「どこかにいるんだ。シオンはわかるか?」
『センサーに反応はあるんですけど、移動もしていますし、こう木が多くては……』
「うーん、どこに……待って、後方右斜め下からも砲弾! 回避して!」
『え? きゃっ!』 

 僕が声を発してなかったら危なかった。
 空中のまま瞬時に身を屈めたシオン。
 危機一髪、砲弾は後方に加速をつけながら飛んでいった。

『危なかったです。でも、このままでは……』
「いや……移動しているみたいだけど、今撃った場所から次の移動場所は大体予測がつくよ」
『え? どこに?』

 シオンは僕の言ったことに驚愕して周りを確認しようとするが、

「しっ。……そのまま、動かないで聞いて」
『は、はい……』

 シオンは今空中に飛んでいる。
 それなら、こちらよりも上に飛ばない限り、円すい状の頂点にいるシオンに対して相手は地上面360度のどこかの位置からしか砲弾は撃てない。
 なのに“後ろ”右斜めからだった。
 相手は姿が見えないのにも関わらず後ろから撃ってきた。

(おそらく、シオンの前にいることを相手は用心しているんだ)

 思えば地上にいた時も相手は前からは砲弾を撃ってきてない。
 左か右、そして後ろだった。
 素早い移動で木々に隠れて、視界外から攻撃。
 それが相手の戦法なんだ。隠れているのになお視界に入らせない戦い方。
 だけど今回の森林ステージ、それが仇になっている。
 位置を考えるなら視界に入らない後方180度のどこか。すでに真下の方はもう何本も木が倒れているから、

「それだと……次に隠れるなら木々の多い左方面だ! バリスティックブレイズのまま、そこを重点的に掃射!」
『え、はい! では、いきます!』

 すっかりバトルに慣れているようにシオンは流れる動きで身構えて反転。
 そこから、左下に向けてリアのバレルに装填されている弾をすべて使って弾幕を張る。
 弾の雨が木を次々となぎ倒していると、

『――うわぁっ!』

 はたして――敵はそこにいた。
 ハウリン型の相手は木の崩れていた場所にたまらず飛び出してきた。
 それをシオンは待っていた。

『これでトドメです!! たぁー!』

 シオンは敵が見えた瞬間、その場そこから電光石火。
 勢いをつけて相手の眼前にたどり着くとぺネトレートクロー・烈を相手の鳩尾におもいっきり叩きこんだ。

『ク……ハッ……!』

 顔を苦悶に満ちらせ空気を口から出して、相手は姿をデータ状にして消えていった。 完全に消えた後、筐体の機械音声から試合のジャッジが聞こえてきた。

『WINNER シオン』


――――


「やりました! 螢斗さん」
「うん、いいバトルだったよ」

 初めて勝てた日から数日。といっても3日ぐらい。
 学校が終わってから、ゲームセンターに通うことが習慣になりつつある。
 バイトがない日は学校にシオンを連れてくることも当然になり、その足でゲームセンターで神姫バトルをすることが多くなった。淳平とミスズも来れる時は一緒に来るけど、今日はあっちがバイトなのでいない。

 勝てたあの日から、シオンはちゃんとした武装神姫同様、バトルができるようになっていった。
 自信がついたのもあるけど、あれから人間でいう憑き物が落ちたみたいに勝負で勝てるようになってきていた。
 武装神姫にとって普通のことが出来なかったシオンがまともに勝てるようになった。それが嬉しい。
 相手によっては負けることもあるけど何戦もしていれば勝つこともある。なにもできず負ける時のあの頃より大きな進歩だ。 

「相手の戦術に気づいて、即座に対応できるように指揮してくれる。さすがです、螢斗さん」
「いや、たまたまだよ。……シオンは戦うのに集中してるんだから、僕が冷静に戦局を見ないとね」

 そういう風に真っ直ぐに称賛してくれると、こっちはものすごく照れるのだけど。

「いえ、こういうのは実際に見ていると、どうすればいいかわからないことが多いって凛奈さんが――……あ、いえ何でも……ないです」

 シオンは喜び勇んでた姿をしゅんとさせた。

 またそうやって、前の逃げ出してしまった記憶から、宮本さんのことを思い出して委縮する。
 戦えるようになってきたんだ。どうして前いた時に出来るようにならなかったんだろう、とか思っているのかな。
 僕も大概真面目だと思うが、シオンは僕より考え込んじゃう質だから気にしちゃうみたい。
 ちょっと嫉妬しちゃうな。
 今はもう僕がマスターなんだから……。
 でも、僕はそういうのはおくびにも出さず、シオンの頭を指で撫でる。

「別にいいよ。宮本さんの所にいた時は名前は違うけど、前も今もここにいるのも本当のシオンなんだから。……思い出すのも仕方ないって」
「螢斗さん……」
「ほら、そんな顔しない」
「……はい。そうですね」

 花が咲いたような笑顔。
 うん、いい顔に戻ったみたいだ。
 よかった。これが見られるなら、感情を押し隠す価値があるよね。

「あ、そういえばさ……」

 場の空気が戻ったのを機に、シオンがバトルしてる時に疑問に思うことがあったのを思い出した。

「? なんでしょうか?」
「それって、なんでぺネトレートクロー・“烈”なんだろうね。普通のと大差ない気がするんだけどな」

 MMSショップ『ブラックスミス』の店長さんから貰ったぺネトレート・烈が気になった。
 バトルの時シオンは普通に使っているみたいだけど、公式のぺネトレートとの違いがわからないんだよな。オリジナルの武装なら市販とは違うような特筆すべき点があると思うのだけど。 

「えっと……初めて勝ったあの時、以前ムルメルティアの方と戦った時もなにかを感じた気がするんです。これにはなにかがありそうなんですけど、今のところ掴めそうで掴めない。そんな感じに曖昧なんです」
「うーん、そうか。まあ、あの店長さんだからなあ」

 ゲームのシナリオの展開っぽく、危ない状況とか一発逆転する瞬間とかに新たな力が覚醒するとか、そんな展開にさせたいのだろうか?
 僕は極力そんな状況に陥ってほしくはないんだけど。

「満足に使えていないのなら、私がまだ力不足なのでしょうか」

 シオンはぺネトレート・烈の持ち手を握り、眺めながらそう言う。

「勝てるようになってきたんだからさ、神姫バトルをしていけばいつか、いや、近いうちに使いこなせるかもしれないよ。そういうオリジナルの武装とかは元のデータがないから。使うのに慣れていけば、本当のぺネトレートクロー・烈が見れる……かも知れないね」

 僕は武装神姫の知識を総動員して考察し説明してみた。
 武装神姫とかは射撃方法や戦闘技術、その他もろもろの技術とかは基本データで埋めているらしい。だから、武装神姫はバトルでもそういう武器・銃器がスムーズに使いこなせるみたい。
 公式の武装なら基本データがあるだろうけど、こういうオリジナル武装ならデータが一切ないからまだ使いこなせていない。 
 そんな感じなのかな……。
 そういうのに専門してないから僕も曖昧だ。

 とりあえず僕もシオンの持つぺネトレートクロー・烈を眺めてみる。
 やはり市販のと少し違う。
 公式のぺネトレートクローはナックル系の武器に分類するのだが、殴る部分が少し鋭角ではある。そこは同じ。
 だが、コレはそこに少し違う点があった。

(見づらいけど、ちょっと隙間が空いているな)

 神姫サイズだったら、一ミリ以下程度のちょっとした隙間。
 深くじっと見ないと気がつかないぐらいの空間。
 そこに秘密があるのかもしれない。

 だが悲しいかな。これ以上はわからない。
 店長さんに聞きに行けばいいのだろうけど、聞いても使い方を教えてくれない気がする。
『その時が来たらわかるぜ!!』
 とか多分そんな風に大きな声で言う気がする。
 初めて会ってから間もないけど、あの店長さんゲームが好きらしいから、新たな力が目覚めるとかそういうカッコイイ展開が好きそうだ。
 と僕が勝手に考えた。


 結局このあと三戦ぐらいしても、ぺネトレートクロー・烈の正しい使い方はよくわからなかった。
 でも、戦績は二勝一敗と前と比べて重畳だった。

「今日はもう帰ろうかな」
「そうですね」

 対戦相手の人と挨拶を交わしてから、もう家に帰ろうと思ってゲームセンターを出た時、

「こんばんわ、長倉君……と、シオン」

 ――前の通りに例のあの人がいた。
 宮本凛奈さん。
 フード付きの長袖パーカーにジーパン姿。
 そして、前のシオンのオーナー。

「こんばんわ、宮本さん」
「え、凛奈さん…………ですか」

 僕の胸ポケットにいるシオンがひどく驚き戸惑っている。
 それはそうだ。目の前に逃げ出してしまった、前の持ち主がいるんだから。

「シオンよね。初めまして」
「は、はい。初めまして……」
「……初めてじゃないですよね? 元々のオーナーなんですから」
「シオンとしては……ね。今はもう“初対面”よ」

 随分と他人行儀だ。
 もう少し前オーナーとしての気位があってもいいのだと思うけど。
 自分のじゃなかったら関係ないのか。

「どうしてここにいるんですか?」

 何となく、シオンの肩に指を置いた。

「伊野坂君がシオンがバトルで勝てるようになった、てメールが来てね。それでキミたちがいると思って。ゲーセンから出てきて、シオンが落ち込んでいないという事は本当に勝てるようになったのね。……おめでとう」

 こういう時だけそんな行動力を発揮するなよ。まだ後少し実力をつけてから話そうと思ったのに、淳平め~。
 宮本さんはそう言って拍手してくれる。笑顔で心から祝福してるとは思う。
 宮本さんは。

「…………」

 宮本さんの肩には神姫がいる。悪魔型の神姫。目を隠しているストラーフがバイザー越しに黙ってこちらをじっと見ている。

「お姉ちゃん……」

 シオンが絞り出すように名を呼ぶ。
 宮本さんよりイスカが問題なんだよな。シオンにとっては。

「……キサマ、いなくなったと思ったら、そこの少年の物になったのか」

 宮本さんが話していた通り、声は小さいがそれでもよく通ってくる。
 不機嫌そうなオーラが出て、それでいて言葉にもトゲがあるみたいだ。お姉さんだったんだから会えた嬉しさとかはないのだろうか。

「……買われた恩も忘れて、別の人間のところにいくとは武装神姫の風上にもおけないな」
「イスカ、ちょっと言い過ぎよ。こちらも悪かったのだし」 

 嘲るように言う自分の神姫を宮本さんは止めようとするが、イスカは止まらない。

「……その上バトルできなかったと思えば、できるようになっている。……なんだ、私たちといた時は偽っていたのか? そんなに私たちといるのが辛かったのか?」
「ち、違います。できなかったのは本当で――」

 お姉さんに散々言われ、シオンは弁明しようとする。
 だが、シオンは押し止まった。イスカから出てきた言葉を聞いて。

「……そこの少年に思考プログラム自体をいじられでもしたか?」

 イスカがそれを言った瞬間場の空気が止まった。
 止まった原因の発生源はシオンの周りから。

「お姉ちゃんでも螢斗さんを悪く言うのは許しません」

 また僕の事でシオンのスイッチが入った。
 激怒しているぞという空気が間に充満してきている。

「……ほう」

 それを聞いて、イスカはなぜか嬉しそうに声を若干弾ませた。

「ま、まあまあ、ここはいったんどちらも引いて! ね!」
「は、はい」
「……ふん」

 ダメだ。
 僕がこの空気に耐えきれなくなった。
 目の前で一触即発なんて身体にも精神的に僕には厳しすぎる。
 咄嗟にオーバーリアクションで二人の神姫の間に入ってしまった。
 ……シオンは手で隠しただけだけど。

「宮本さん」
「あ、うん。何かしら?」

 場の空気がきつくて息がしづらかったのか、宮本さんも少しホッとしている。

「まだ、日本は離れませんよね?」
「そうね。日にちはまだあるわね」
「そうですか。今度、バトルしませんか? イスカとシオンで」
「え!? 螢斗さん!」

 シオンの焦るような声が聞こえたが、もう遅い。

「そうね、いいわよ。今度の休みの日にここでやってみましょうか」
「じゃあ、今度で。詳しい日時はメールとかで……それじゃさよなら!」
「え? ちょっと待っ……」

 宮本さんの制止の発言も気にせず、僕はその場から急いで立ち去るように後ろに全力で走った。
 実力不足な気がするけど約束はもう決まった。決めたんだ。
 後には引き返せなくなった。
 ……だけどこれでいい。

「きゃっ! ああの、螢斗さん?」
「ほほ本気ですか!」
「本気!」

 突然走りだしたからシオンの声が震えて聞こえる。
 走ってる振動から、ただ単にシオンが入ってるポケットが揺れてるだけだ。
 ああいうのは勢いで決めないと、後々ぐずっちゃうから強引なのがちょうど良いのだ。

「螢斗さん……」

 不安そうな声が聞こえるが心配しないでくれ。勝てるようになってきたんだ。大丈夫。
 これで、シオンが起動してから今までの事を清算する準備ができた。
 後はイスカとのバトルで勝つことができれば、これで晴れてシオンは僕の武装神姫なんだ。

 ――でも、突っ走りすぎなのかな僕は。









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