「はー、すごいな。これは」
駅前の近く、人通りが多い道には大小様々なお店が建っている。
そこにあるゲームセンターに来てみたが、色んな人と神姫たちがごった返していた。
見渡せば、数個の筐体。その筐体内でバトルをする神姫たち、それに指示を出したりしているオーナーがいたり。隅の方には休憩所のような所があり、神姫を持ったオーナー同士数人で談話している人たちもいる。
そこにあるゲームセンターに来てみたが、色んな人と神姫たちがごった返していた。
見渡せば、数個の筐体。その筐体内でバトルをする神姫たち、それに指示を出したりしているオーナーがいたり。隅の方には休憩所のような所があり、神姫を持ったオーナー同士数人で談話している人たちもいる。
「ゲームセンター内は草バトルでさ、公式の武装でもいいし、レギュレーション判定ギリギリのカスタム武装もよし。自分で作れるなら自作武装の人もいる。フリーバトルっていうルールだな。
実力はピンキリで、やり始めた初心者から、すんげえ強い神姫とそのオーナーもいたりする。草バトルだから、ランクとかも気にしなくていいし、バーチャルだから自分の神姫が怪我をする必要もない」
実力はピンキリで、やり始めた初心者から、すんげえ強い神姫とそのオーナーもいたりする。草バトルだから、ランクとかも気にしなくていいし、バーチャルだから自分の神姫が怪我をする必要もない」
説明どうもありがとう。ミスズがカンぺを出しているのが見えているけど。
「ここのゲーセンでは鬼みたいに強いオーナーは見ていないけどさ。俺はとりあえず、だれか暇そうだったら、適当にバトルしてくれって言ったりしている」
「いきなり、知らない人と? 僕だったら無理だな」
「いきなり、知らない人と? 僕だったら無理だな」
高校生ならゲームセンターによく来るとは思うけど、僕はうるさい所はあまり好きじゃないし、ゲームセンターなんて久しぶりに入った。
小学校の時、父さんに連れられて、入った記憶しかない。その頃はゲームセンターなんて、テレビゲームの筐体ばっかだったのに、今じゃ、それより数段大きい筐体だ。
時代は進化しているんだな。
ここも人間用のゲームだけではなく、神姫専用のゲームとかもあるみたいだし、ガラの悪いお兄さんお姉さんもあまりいないみたいだ。
小学校の時、父さんに連れられて、入った記憶しかない。その頃はゲームセンターなんて、テレビゲームの筐体ばっかだったのに、今じゃ、それより数段大きい筐体だ。
時代は進化しているんだな。
ここも人間用のゲームだけではなく、神姫専用のゲームとかもあるみたいだし、ガラの悪いお兄さんお姉さんもあまりいないみたいだ。
「この前来た時は、可愛らしいオーナーがいましたよね」
「ああ、O大女子高の制服を着てた子か。バトルを見てても結構な強さだったな」
「それが話しのストラーフの人?」
「いんや、その子ではなくて。俺が見たのは大学生っぽくて、ラフな格好してて、かっこいい女性って感じの人。俺としてはそっちより、その美少女の子が好みだ。うん」
「ああ、O大女子高の制服を着てた子か。バトルを見てても結構な強さだったな」
「それが話しのストラーフの人?」
「いんや、その子ではなくて。俺が見たのは大学生っぽくて、ラフな格好してて、かっこいい女性って感じの人。俺としてはそっちより、その美少女の子が好みだ。うん」
淳平にとってはそこが一番重要なんだね。
ミスズは胸ポケットから冷たい視線で淳平を見ていた。はっきり言って怖い。
ミスズは胸ポケットから冷たい視線で淳平を見ていた。はっきり言って怖い。
「う、ゴホン! あー、それよりも、僕はそっちのストラーフ使いが目的なんだ。いるか、どうかわかる?」
このままでは淳平の命が危ないという事で、早々に話を切り替えた。
「ああ、そういえば、そうだな。ちょっと探してみようぜ」
淳平と一緒に筐体を見て回ってみる。立ち止まって、内一つの筐体内ではバトルをしている。ミスズと同じような天使型アーンヴァルの神姫と猫型マオチャオの神姫が互いの武装を使って戦っていた。
じっくり戦闘風景を見てみる。
ゴーストタウンらしき場所。開けた場所で二人の神姫が対峙していた。
じっくり戦闘風景を見てみる。
ゴーストタウンらしき場所。開けた場所で二人の神姫が対峙していた。
――――
アーンヴァルが手に持った銃で弾幕を張っている、それを素早い動きで避けて移動しているマオチャオ。と、突然、弾の雨が止んだ。
弾切れと気付いたマオチャオが電光石火、ものすごいスピードでアーンヴァルに迫っていく。
「にゃー!」という可愛らしい声を出しながら、右手の爪による攻撃を繰り出そうとしていた。声はそれでも表情は勇ましく、あんなスピードでの攻撃を受けたら、相手だってひとたまりもないだろう。
「にゃー!」という可愛らしい声を出しながら、右手の爪による攻撃を繰り出そうとしていた。声はそれでも表情は勇ましく、あんなスピードでの攻撃を受けたら、相手だってひとたまりもないだろう。
しかし、真っ直ぐによる攻撃行為。相手のアーンヴァルはそれを冷静に見、構えている。手に持っていた銃を捨て 当たると思った寸前、軽く横に身体を反らし、背中に見える機翼ロケットからの瞬間噴射。それにより、攻撃は寸でのところで見切られ、勢い余ったマオチャオはアーンヴァルのいた後方に行く。
マオチャオは足により勢いを殺しブレーキをかけた。だが、それがいけなかった。
アーンヴァルは一瞬止まったマオチャオを隙と判断し、前傾姿勢になりロケットを、今度は全力で噴射し肉薄。腰から取り出した光学の剣で背中に向けて横一線に切り裂いた。
マオチャオの姿はモザイク処理されたように姿を消していった。
アーンヴァルは一瞬止まったマオチャオを隙と判断し、前傾姿勢になりロケットを、今度は全力で噴射し肉薄。腰から取り出した光学の剣で背中に向けて横一線に切り裂いた。
マオチャオの姿はモザイク処理されたように姿を消していった。
――――
あー! くそ! という悔しそうな声が筐体の左側から聞こえた。マオチャオのオーナーの声だろう。
(なるほど。これが神姫バトルなのか)
漫画やアニメ、ゲームなどで起きることが、こうして15cmの人形たちが現実に起こしている。迫力があって、臨場感があって、こんな遊びなら誰もが夢中になれるだろうな。
「どうよ、神姫バトルをまじかで見た感想は」
観戦していた僕を淳平が見ると、聞いてきた。
「うん。これなら皆、神姫同士を戦わせたがるのもわかる気がするよ」
「だろ。そう思うよな!」
「だろ。そう思うよな!」
戦っている神姫たちも生き生きとしていた。だけど、シオンのような戦いを好まない神姫もいるという事を知っていると、なんか複雑だ。
「それより、あっちの方に人だかりができてる。多分そこだろうよ」
「人だかり?」
「人だかり?」
少し歩くと、向こうには、一つの筐体にたくさんの人が集まっている。これがみんなギャラリーなんだろうか。
「もうすぐさ、試合が終わりそうみたいだ。だから、早く早く」
「ちょ、ちょっと」
「ちょ、ちょっと」
僕の腕を引っ張って、人だかりの中に淳平は強引に進み出ていこうとする。もう片方の手は、ミスズのいる胸ポケットに手を置いて苦しくないようにしているのが見える。
僕は苦しかったが、なんとか、バトルが見える位置に来れたみたいだ。
僕は苦しかったが、なんとか、バトルが見える位置に来れたみたいだ。
「ほれ、あれだ」
「あ、うん」
「あ、うん」
どれどれと軽い気持ちで見てみたが、フィールドは異様な雰囲気を醸し出していた。
そこは荒野のフィールドで何も障害物がないステージ。広い空間をいかに使うかという戦略が考えられそうだが。
そこは荒野のフィールドで何も障害物がないステージ。広い空間をいかに使うかという戦略が考えられそうだが。
「……なんか、一方的だね」
「前も、こんな感じだったぜ」
「前も、こんな感じだったぜ」
――――
フィールドにはボロボロになりながらも、ハンドガンを撃ち続けている兎型ヴァッフェバニーの神姫と、バイザーを付けていて真っ赤な大剣を逆手に構えている悪魔型。
そのストラーフの真っ黒い装甲にはキズが付く様子はない。
ヴァッフェバニーが撃ち続けてはいるが、当たってはいない。いや、正確には大剣を盾にして、ストラーフ自身にはまったく当たっていない状況だ。
ヴァッフェバニーの表情は切羽詰まっている。無駄弾を撃ちながらも、戦況を変える一手を考えていそうだが、実際問題打つ手がなさそうだ。頼みのオーナーからも指示は出てきていない様子。
そのストラーフの真っ黒い装甲にはキズが付く様子はない。
ヴァッフェバニーが撃ち続けてはいるが、当たってはいない。いや、正確には大剣を盾にして、ストラーフ自身にはまったく当たっていない状況だ。
ヴァッフェバニーの表情は切羽詰まっている。無駄弾を撃ちながらも、戦況を変える一手を考えていそうだが、実際問題打つ手がなさそうだ。頼みのオーナーからも指示は出てきていない様子。
「……面倒だな」
そうストラーフは呟くと、ブンっと大剣を順手になおし薙ぐ。
あんな重そうな大剣を使い、しかも片手で扱っていることにも驚いたが――振るった直後に「ぐあぁ!」と声をあげるヴァッフェバニー――あのストラーフ、弾を大剣ではじき返してヴァッフェバニーに当てるという芸当をしでかした。
跳ね返った弾が肩の装甲に当たり、銃を落として、おもわず片膝をつくヴァッフェバニー。それに対して、上段に構えてゆっくり近づく、赤い大剣を持つ悪魔。
あんな重そうな大剣を使い、しかも片手で扱っていることにも驚いたが――振るった直後に「ぐあぁ!」と声をあげるヴァッフェバニー――あのストラーフ、弾を大剣ではじき返してヴァッフェバニーに当てるという芸当をしでかした。
跳ね返った弾が肩の装甲に当たり、銃を落として、おもわず片膝をつくヴァッフェバニー。それに対して、上段に構えてゆっくり近づく、赤い大剣を持つ悪魔。
「終わり……」
大剣を上から下へ、思いっきり振り下ろす。
口元だけが見えるストラーフは退屈そうに言葉を漏らし、それで決着はついた。
『WINNER イスカ』
ジャッジはイスカというストラーフの勝利を宣言した。
口元だけが見えるストラーフは退屈そうに言葉を漏らし、それで決着はついた。
『WINNER イスカ』
ジャッジはイスカというストラーフの勝利を宣言した。
――――
「あれで、何連勝だよ?」「さぁ、5連勝ぐらいじゃね?」「いや、もっとやってるだろ。しかもどれもワンサイドゲーム」「うわぁ、俺ら、よええ」「馬鹿言え。あれが強すぎる」
ガヤガヤとそんなことが周りから聞こえてくる。連戦をしていて、どれも同じような結果に終わっているらしい。
「いないのー? だったらもういいかしらー」
ストラーフ側のオーナーブース。そこから、ジーパンに長袖パーカーの女の人が周りに声を上げて聞いてきている。見える感じには茶色の髪でうなじまでのショートヘアー、顔は凛々しく同姓にモテそうな顔だなと思った。
「あの人がそうなんだね、淳……平……? あれ、どこに?」
さっきまで、会話してて、試合見てたのにいつの間にか消えている。周りを見てもたくさんの人ごみの中。見つけようとしても、見渡せる位置じゃないと僕の背では見つけられそうにない。はぐれたのかなと心配になったその時。
「はーい! はい! はい! 俺、やります!」
あ、あんな所に。
思いっきり手を天井に届かせんばかりに上げ、周りの喚声に負けないぐらいに声を張っている淳平が。周りからも新しい挑戦者に感嘆の声も上がっている。
それと、恥ずかしいのか、それを肩から止めようとしているミスズ。
ストラーフ側の反対方向。さっきまでヴァッフェバニーのオーナーがいた場所に淳平がいた。
思いっきり手を天井に届かせんばかりに上げ、周りの喚声に負けないぐらいに声を張っている淳平が。周りからも新しい挑戦者に感嘆の声も上がっている。
それと、恥ずかしいのか、それを肩から止めようとしているミスズ。
ストラーフ側の反対方向。さっきまでヴァッフェバニーのオーナーがいた場所に淳平がいた。
「……はぁ、わかったわ。これで最後にしてちょうだい」
ため息をもらし、席につくストラーフのオーナー。元気さに圧倒されたのか、それとも連戦に疲れているのかはわからない。あれ、神姫オーナーも疲れるのかな。疲れるのは神姫じゃあ、いや、指示を出して逐一戦況を見るオーナーは疲れるだろう、と僕が余計な事を考え込んでいたら、ポケットから携帯のマナーモードでのメール着信振動。
確認すると。
確認すると。
――ちょっと、バトってくるわ――
「勝手だ!」
そして、僕が初めて見る淳平とミスズのバトルが始まった。