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5ページ目『不思議の国の姫乃』



 アマティがストラーフに触れたその瞬間、座っていた椅子がどこにあるのかすら分からなくなってしまうほどの強烈な目眩が姫乃に襲いかかった。部屋の風景は暗転し、目を瞑るよりも暗い場所に放り出され、体がどこか深い場所へ落ちていくような感覚。辺りを探る手は何も掴むことができず、姫乃は本能的な危機を感じ取った。
(やだ……これ、死……)
 脳を引っ掻き回されたような感覚にしばらく支配された姫乃は、自分が床らしき場所に倒れていることにすら気付けなかった。
「どういうことだ、これは……おい、しっかりしろ!」
 ぼんやりと聞こえてくる(ああ、この声はほむほむだっけ……)声をたよりに、姫乃はゆっくりと自分を取り戻していく。
(手は、ある……足は……たぶん、ある。……よかった、まだ生きて……)
 次第に目眩も引いていき、自分がまだ生きていることに安堵する。頭を起こしてまず目に飛び込んできたのは、元々大きな目をさらに見開いたホムラの顔だった。未だ視界が歪んでいるものの、近い距離で覗き込まれているためはっきりと見て取ることができた。間近で見ると、やはり人間とデフォルメされたフィギュアの造りは全然違うことに、ぼんやりとした頭で感心してしまう。
(大っきな目……私の掌くらいかな……ん?)
 フィギュアの目が自分の掌サイズである――それはよく考えずとも分かる、あり得ないことだっった。
「ええええええっ!?」
 目眩になど構ってられず跳び起きた姫乃は、身体が埋まっていく柔らかなものに足を取られて二度三度転んだ。立ち上がった次は、【よく知っているはずなのに見慣れない風景】の中、立ち竦んだ。
 姫乃の知る限り、いつも尻に敷いている椅子のクッションは脚が脛のあたりまで埋もれてしまうほど大きくはなかった。机はマンションのように大きく聳え立ってはいなかった。天井は見上げて目眩がするほど高くはなかった。玄関までは全力で走っても数十秒はかかりそうである。
 なんということでしょう。
 常日頃、弧域と一緒に狭い狭いと愚痴をこぼしていた部屋は、匠の粋な計らいにより、かつての姿を残しつつ、そのサイズだけを数倍に拡大されていたのでした。
「部屋がでっかくなっちゃった!」
「いや、貴様が縮んだんだろう」
「ついでにおっぱいも縮んでるにゃ」
「む、胸は関係ないでしょ! これは元から……って何言わせるのよ!」
 姫乃とホムラ、それにカグラの身長はほぼ同じくらいだった。神姫のほうが頭が大きいため、また体のペイントや身につけた武装もあり(なんだか神姫って、着ぐるみみたい)と思う姫乃だった。
「人間と同じサイズになるのは世の中全ての神姫が持つ夢にゃが……にゃんだか人間って、思ってたより貧弱だにゃあ。足首とか細すぎにゃ。この椅子から飛び降りるだけでも壊れるんじゃにゃいか?」
「こ、怖いこと考えないでよ」
「しかし、これはどういうことだ。フィギュアとなり眠った神姫を目覚めさせる時は異空間に引きずり込まれるのではなかったか? だが今回は同じ部屋のまま、姫乃が俺達の大きさまで縮んだだけだ」
「それは簡単なことにゃよほむほむ。つまり」
 カグラが人差し指をピシッと立てるコミカルな仕草で、姫乃は『不思議の国のアリス』を思い出していた。丁度目の前にいる猫型神姫はチシャ猫といったところだろうか。
 改めて周りを見渡した姫乃は、自分が今の状態にあまり違和感を覚えていないことに気付いた。
「今回の異空間はこの部屋だった、ってことにゃ。アマティやほむほむの時もそうだったにゃろ、異空間の形はその神姫に影響されるみたいにゃ」
「そうか、言われてみればアマティの異空間も主殿の部屋だったな。あのストラーフにとってマスターである姫乃の部屋こそ心象風景、というところか」
 考察を進めるマオチャオ型二人をよそに、異空間と聞いて心躍る冒険を想像していた姫乃は、ひっそりと身勝手な落胆を覚えていた。自分が武器を取って戦うとまでは想像していなかったが、それこそ不思議の国のアリスのように、非日常的な出来事を期待していたのは確かだった。住み慣れた自分の部屋など、非日常とは真逆に位置する。口から出かかった落胆の溜息を押し殺して、二人に問いかけた。
「そういえば、アマティと私のストラーフは? あなた達に触られた神姫って動き出すのよね」
「ストラーフは見失ったにゃが、アマティならそこでボロ雑巾になってるにゃ」
「ふうん」
 示された方向を軽く流し見た姫乃は、
「って、きゃああああっ!?」
欲しがっていたものとは少し違う驚きを手に入れた。




「ストラーフの戦闘を見て思い出したんだが、貴様はドールマスターの仲間だったな。まったく、レーダーはいきなり厄介な神姫を引き当ててくれたぞ」
「ドールマスター?」
 その言葉の響きが琴線に触れ、少しだけ目を輝かせた姫乃だった。
「物売屋って店を知ってるにゃろ。そこでアルバイトやってるおっぱい娘のケモミミ神姫にゃ」
「あなたの目を通すと、人間の女性は胸としか映らないのね」
「その理屈だとオマエは見えないことにひひゃいひひゃ! ほっへひっひゃゆひゃ!」
「ドールマスターに近しい神姫は皆、強さはドールマスターに匹敵するほどではないが一芸に秀でている。貴様の神姫は中でも特別、珍しい能力持ちだったな。貴様が気を失っていたのは短い間だったが、その時間でアマティはあのザマだからな」
 雰囲気だけでもプライドが高いと分かるホムラが、警戒すべき神姫だと言う。暗に自分の神姫を褒められていることにも気付けず、姫乃は唾を飲み込んだ。指で摘んでいたカグラの頬がスルリと指から逃げていく。
「ほっぺがもげそうにゃ……猫を虐待するとはいい度胸にゃヤンデレ。ワガハイがこの肉球からSOS信号を発信したら、オマエ、自分がどうなるか分かってるのかにゃ。ワガハイの二億六千の同胞がオマエを」
「じゃ、じゃあ早くアマティのこと助けないと! そのストラーフは今どこにいるの!?」
「ガン無視ですかにゃ」
「落ち着け。迂闊に動けば相手の思う壺だ。奴の姿が見えないのは、その能力が姿を消すことだからだ」
「姿を消すって……そ、それじゃあ、もしかしたら」
 恐る恐る辺りを見回す姫乃だったが、巨大化した自分の家具以外は何も見つけられなかった。
「そうだ。今この瞬間、攻撃してこないだけでこの近くに潜んでいる可能性がある」
 その時、ゾクッ、と何かが姫乃のうなじを撫でた。
「ヒイッ!? い、い、今、後ろに!」
 姫乃が慌てて頭から転ぶのと同時、ホムラは姫乃の背後を薙ぎ払うようにハンマーを振り抜く。しかしハンマーは風を巻き込む音をたてただけで、何も捉えることはできなかった。
「本当にそこにいたのか。貴様の勘違いじゃないだろうな」
「か、勘違いじゃないわよ! 本当に触られたんだもん!」
「チッ、搦め手は不得手なんだがな。カグラ、囮になれ。貴様が討たれたところを狩るぞ」
「躊躇いなくそういうこと言えるほむほむって素敵にゃ。でもそーゆーことは、あそこで伸びてるボロ雑巾がやられた時に実行してほしかったにゃ」



「……どいつも、こいつも」



 椅子の上の三人は寄り添うように一箇所に固まり警戒したが、気配を探ることはできなかった。椅子の上のクッションは物が乗れば凹みができる柔らかなものだったが、今は周囲に凹んでいる箇所はない。
「だが、ヤツが今本当に付近にいるとも限らない。クソッ、これが理性を失った神姫の戦術か?」
「ヤンデレ、オマエの神姫にゃろ。何か弱点とかないのにゃ」
「そ、そんなの……知るわけ…………もうダメ怖いぃっ!」
 見えない敵との戦い――刻一刻と神経をすり減らされる状況に、普通の女子大生である姫乃が耐えられるはずがなかった。陰湿な嫌がらせとは違う、直接的な危機が振りかかる状況の中、姫乃にできることは、頭を抱えてうずくまり現実逃避をするか、もしくは、
「お、おいっ!? 俺に抱きつくな、身動きがとれないだろうが!」
ホムラの腰に手を回し、みっともなくすがりつくしかなかった。
「だって、だってぇっ!」
「ヤンデレだけずるいにゃ! ワガハイも構ってほむほむぅ!」
「何故貴様まで抱きつく!? こんな時に巫山戯ている場合か! ボロ雑巾といいコイツらといい、俺のまわりには足手まといしかいないのか!」



「私のことをバカにするなあっ!」



 その声を聞いたホムラは、考えるより早くしがみつく二人を抱えてその場から離れた。そして椅子から飛び降りる三人と入れ替わるように跳び上がってきたのは、怒り狂ってモード・オブ・アマテラスを発動させたアマティだった。
 彼女の手には大剣と盾を組み合わせた槍が握られている。空中で槍を構える彼女の雰囲気は、先のものとはまるで異なる、鋭く荒々しいものになっていた。
「円周一閃、切り飛ばしてやる――『ハシリクサナギ!』」
 椅子の中心に着地すると同時、槍を水平に一回転、大きく振り回した。アマティを始点とする圧力の波紋が一瞬で椅子の一回り先まで覆う。その波は姿の有無に関わらずアマティ以外のものを巻き込み、椅子の外側へと弾き出す。
 突風に舞う木の葉のように椅子から弾き飛ばされたストラーフが現れた。
 勝手知ったるホムラのように反応できず槍の圧力の直撃を受けたストラーフは、防御の姿勢すら取れずに壁まで飛ばされ、叩きつけられた。アマティらと違い装甲のない彼女は受けた衝撃がそのままダメージとなって、意識すら削られてしまう。壁に衝突して落下する中で辛うじて意識を取り戻したが、衝撃に痺れる体を動かすことはできず、頭から床に落下した。その姿を姫乃が見ていれば痛々しさで悲鳴を上げていただろうが、彼女は彼女でホムラに振り回されて、カグラ共々目を回している。
 ホムラはグッタリとした姫乃とカグラを床に捨て置き、最後の力を振り絞って立ち上がろうとするストラーフを確認することでようやく、安堵の苦笑をこぼすことができるのだった。
「フン。見栄など張らず、最初からアマテラスを使っておけばいいものを」
 通常状態では、高級機種とは思えない程弱い戦乙女型アルトレーネ、アマティ。しかし彼女固有の能力――アルトレーネの設計限界値まで体を酷使する『モード・オブ・アマテラス』発動時は、発熱による時間制限こそあれ、圧倒的な出力により他の神姫の追随を許さない。高所への跳躍や広範囲攻撃は、それなりの武装を選べばどんな神姫でも可能だが、単純な出力だけでそれらをやってのけるアマティは今や、弱者の不名誉を浴びせていい存在ではなくなっていた。
 脚をガタつかせよろめきながらもなお立ち上がるストラーフを、アマティは高みから見下ろし、槍を構えた。その表情は自信に満ち溢れ、また勝利する優越感を隠そうともしていない。
「よーーーーーーく見てなさいよ、カグラにほむほむ。私の強さをその節穴EYEに高解像度印刷することね」
 カグラは目を回し、ホムラは「おい、さっさと起きろ」とカグラの頬をひっぱたき、二人とも戦いのことなど微塵も気にしていないことに気付かないまま、アマティは止めの一撃となる槍を放った。
 蒼く煌めく箒星のような『ゲイルスケイグル』に独自の改良を重ね、さらに八つ当たりを多分に含んだ必殺技『アメノヌボコ』。鮮麗に、豪快に、決定的に敵を貫くそれは、しかし誰にも見られることなくストラーフを仕留めるのだった。







■キャラ紹介(5) 背比弧域

【姫乃のためなら死ねる】
 本作の初代主人公にして、姫乃、鉄子、そしてエルの心を奪った爆発すべきリア充。
 姫乃への愛情が大きすぎるあまり稀にそれを見失い、鉄子に目移りしてしまうこともあるが、あくまで彼は姫乃に一途である。しかしおっぱいは大きいほうが好き。
 姫乃と付き合い始めてしばらくは、自分は姫乃に不釣合いではないかと悩み、時にぶつかることもあった。しかしそれは姫乃も同じであり、つまり二人は似たもの同士であると認め合ってからは重荷から解放されている。
 ……重荷から解放されているのが彼一人だけであると、彼はまだ気付けない。
 姫乃が鉄子に対して明確な殺意を抱く場面以外でも、二人の主観はことごとくすれ違っている。
 本作『15cm程度の死闘』では語り部が話せば話すほど、他のキャラとの認識のズレは大きくなっていく。そこに気付くまで本作をじっくり読んで頂けている方が一人でもいてくれれば嬉しい限りだ。


【エルとの間柄、神姫マスターとして】
 付加効果である『主人公補正(Ⅰ)』が彼のすべてと言っても過言ではないだろう。明らかに装備貧乏であるエルがエース級として戦えるのは、この付加効果により自由自在を超えた動き――翼もブースターもないのにダッシュを始動とした空中戦すらこなす――ができるからである。

(※ 今更だが、各神姫マスターが3つずつ持つ付加効果は、神姫が入れ替わっても効果を発揮する。例えば『シンクロドールズ』を持つ鉄子がエルを扱うと、不完全ながらもエルはコタマの人形を扱えるようになる。逆にコタマが弧域の元に下ると、壁を素足で駆け上がったりできるようになる代わりに人形を扱えなくなってしまう)

 弧域はバトルにおいて、ほとんど指示を出さず、かといって「思い通りにやってみろ」と言うわけでもない。彼が指示を出す時があるとすれば、それは【バトルを楽しく演出する】時だけである。
 お互いを信じるということは一心同体になるということであり、エルが剣を振るう時は、弧域もまた剣を振っているのだ。
 しかし悲しいかな、エルの得意とする移動技『デーモンロードウォーク』が『ブレードジェット』に進化したことで、バトル中に弧域すらエルを見失ってしまうことが多々あり状況が分からないから、そもそも指示の出しようがなくなってきているのもまた事実である。
 見失ったことがバレるとバトル後にエルにどやされるので、そんな時は姫乃と声を合わせて「ガンバレー!」とフィールドの適当なところに向けてエールを送り誤魔化すしかない。










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