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第十九話:罪明姫


決着が付いた後、俺達は早速、バトルロンドの相手側の席に移動した。聞く事はもちろん、賭けの勝利の後の事だ。
 輝と結のいるそこへ行くと、逃げも隠れもせずに彼らはその場にいた。

「……いい試合だったよ。その子たちの力と技。君の指揮力。それらが綺麗に揃っていて、戦っていて気持ちよかった。目が見えなくても僕らの以上に君達の絆は伝わってくるよ」

 その顔は賭けに負けたというのに晴れやかなものだった。負けた事に怒るわけでもなく、素直に俺と認めていた。
 べた褒めされる程の事はしていないが、今回は彼の言う絆で戦うことができた事が勝利に繋がったのだと不謹慎ながら、素直に喜ぶべきだと思えた。

「絆、ね。そこまで壮大なもんじゃねぇが、こいつらがよくやってくれたおかげだ」
「まぁ、この子達はオーナーにべったりなのは確かにそうさね。にしてもマジでデュアルオーダーをかましてくるとはやるね。いったいどうやってるんだい?」
「あ? ただ状況に応じて指示してやるだけだ。 あいつらが混乱しない程度にな」
「……すまない。聞いた私が馬鹿だったよ」

 結も負けてもいっぺんの悔しさも見せていない。俺のデュアルオーダーに感心し、それを軽く聞いてきて、答えに苦笑いをしてみせる。

「まぁ、その質問をしてそう返したら、大抵の奴はそう言っていたよ。気にすんな。それよりも約束だ。石火、協力してもらえるな?」
「……うん。……嘘をつき続けるのは良くないもんね。輝、いい?」
「勝負に負けたんだ。勝者に従うよ」

 真実を晒される事を恐れる石火とまだまだ施設のことをすっきりさせていない輝の許可を得て、結の協力の下で石火の視覚データを取り出すことになった。
 俺達は結に案内され、いつも石火をメンテしているという結の家に行くことになった。
 彼女の自宅は見た目は普通の一軒家なのだが、親は神姫の会社の開発職の人なのか、アイデアを自宅でも試すための工房がそこにはあった。
 なるほど。これだけの施設があれば個人での神姫メンテナンスもできるというのも納得だった。
 感心するのも束の間、すぐに石火をクレイドルに接続して、彼女の視覚、聴覚、記憶データにアクセスした。
 そこには輝との思い出もあるため、必要最低限のデータをと頼み、それを結と共に探る。
 割り出しを進め、施設での出来事を調べていると、決定的な証拠を見つける事ができた。
 それは何か面白いことと勘違いして、輝が施設の人と話し込んでいる時にこっそり抜け出して見に来ている事が独り言から推察できたが、それを見た瞬間、言葉を失っていた。
 それはイリーガル技術を引き取った神姫に無理矢理行っている現場だった。
 イリーガルマインドや違法素体実験など様々なものがおいてあったのだ。
 闇を知った石火は何とか察せられることもなく、逃げ出し、何事もなかったかのように輝の元に戻って、今日の今まで隠し通していた。輝にこの真実を知られないために。

「アンタの言ってた事、本当だったみたいだね」
「何が写っていたの?」
「あの施設の悪い事、違法神姫の改造と流通さ」
「……そう」

 いわれのない嘘だと思いたかったそれが本当だったのだと結を通じて知ると輝は残念そうな顔をする。わかってはいた事だったが、そうなっているのをみていて気持ちのいいものではなかった。例え、これが他の人の悲しみを止めるためだったとしても、そのために俺は迷惑をかけているのである。

「これから俺はこれを然るべき場所に届けて真実を公表するつもりだ。これ以上、イリーガル技術で苦しめられる奴らを見たくないんでな。お前はどうする?」

 俺は輝にこれからを問いながら何も入っていないUSBメモリを結に渡して、視覚データのコピーを頼む。それを受け取った彼女は黙ってUSBメモリにデータを移し始める。

「僕?」
「そうだ。お前にはこのデータがどうなるのかを見届ける事のできる権利がある。……公表の証人にもなれる」
「施設を潰す事になるかもしれないのに?」
「何でそうなるんだよ? 確かにそうなるきっかけになるかもしれないが、お前がそうじゃねぇと言う事もできるだろう。お前の中での真実は何だ? この裏の真実だけじゃないはずだ」
「アタシもこいつの言い分はわかるね。輝、これは慎重に選びな。石火の言葉だけじゃなく、自分自身の手でね。難しかったら、アタシだって一緒に考えてやるから」

 コピーが終わるとそれを俺に渡しながら結は輝に選択を勧める。 
 彼女の言葉はさっきから聞いていて意外だった。見ず知らずの俺の意見をこうも信じてくれるとは思っていなかった。見ることができるかできないかの差なのか、単に専門家としての差なのかはわからないが、その言葉には目の見えない輝に伝えられるだけの説得力をもっていた。
 これがかけがえの無い相棒というものなのかもしれない。

「俺を恨むならそれもいい。それでとやかくは言わないさ。が、俺の言う事をするのも選択肢だと思っておいてくれ。……じゃあな」

 結の言葉の後に強制することはない事を付け加える。これが俺にできる最大限の気遣いだ。後は輝次第だ。何とも投げやりなやり口だが、彼は強い人間なのはわかっている。自力で選んで決められるだろう。
 別れの挨拶を言い終えると、俺はホビーショップエルゴに行くために結の家を出ていった。


「オーナー……」
「ミコちゃん……」
「わかってるさ。別に俺が正しいことをしているなんて思っちゃいねぇよ。だが、それをしなかったら後悔するってのが嫌なだけさ。そして俺はミコちゃんじゃねぇって……」

 明らかに汚れ役を買って出ている事に心配してくる二人に心配をかけさせまいと俺はニッと笑ってみせ、頭をなでてやる。

「無理はしないでください。オーナーは優しい人です。自分の事も大事にしてください」
「辛かったら私たちに言ってね? 相談に乗ってあげるから……」

 しかし、彼女達はその顔を変えてくれない。この辺はまだまだ子供って事かと思いながらも純粋な二人の気持ちがありがたく思えた。

「ああ。ありがとな」

 いっくら戦いが強くたって神姫は起動してから数年がやっとの存在だ。気持ちを察するには心の経験がまだ浅い。
しかし、だからこそこうして心から心配してくれるのかもしれない。それを考えたら俺もこいつらみたいに素直にやれればなんて思った。
 歩いて電車を降りた所で携帯がマナーモードで震えた。誰かが電話をかけてきたのかと開いてみると杉原だった。
 蒼貴の時には出張でいなかった事がよぎったが、仕事の彼を責められない。その考えを振り払って俺は電話に出る。

「……もしもし」
「やぁ、尊君。災難だったね。助かったようだけど」
「おかげ様で……」

 相変わらず不謹慎な態度での挨拶だった。それに内心、腹を立て、声色で返す。

「その辺は悪かったよ。だからお詫びをプレゼントしようと思って連絡したわけだ」
「……イリーガルの技術が分かったんですか?」

 さすがに察した杉原はおどけた様にお詫びにリミッター解除装置の解析結果と対策を話し始めた。これでカードは揃う。生産と被害を抑えることができるだろう。

「ああ。解析したらチョロイもんだったよ。誤って使っちゃった子用のワクチンソフトももうできてるからこれを……」
「ホビーショップエルゴの日暮って人にそれを伝えてください。俺の名前で通ります」
「あの~。売りたいんですけど」
「売ってもいいです。むしろ売り込んでください」

 さらに杉原に俺は出回せる気にさせる言葉を返す。正直、利益がどうとかは俺の関与するところでは無い。その辺の大人の思惑ってやつはあちらに任せておくことにしておこう。

「なら、そうしとくよ。ホビーショップエルゴね。らじゃっす。それじゃ」
「ええ。お疲れ様」

 俺は携帯電話を切り、電車からホビーショップエルゴへと行くために再び歩き始めた。
そう長くない時間をかけてそこへ到着して、そのドアを開けようとした。しかし、俺はドアのガラス越しの光景を見て、その足を止めた。
 そこには重苦しい表情をしている青年と彼に連れてこられてきたのであろうボロボロのイーダタイプがいた。マスキングテープで露出部分を押さえただけという申し訳程度の応急手当の有様は痛々しいものがあった。

(あれは『ハイスピードバニー』のオーナーの……)

 雑誌で見た覚えのある人だと思ったら、そうだ。正規品ではない特別なフェイスの『ハイスピードバニー』のティアと一緒に写っていて、非常に印象に残っていたのだ。
 マスターの名前は遠野貴樹。かなり計算高い策士だということはこの前の雑誌に書いてあった。
 いったい何があったのかはわからないが、入り込めない空気になっているその場を俺は離れ、エルゴの入り口近くで青年が出ていくのを待つことにした。

「ひどい……」
「大丈夫です。彼なら私みたいに直してくれますよ」

 イーダプロトタイプの紫貴は同じイーダタイプがボロボロになった姿を見た悲しそうな顔をした。涙ぐみそうな彼女を蒼貴は慰める。
 俺はその様子を見守りながら、缶コーヒーを買って一服する。
 俺も日暮なら修理はできるだろうと思うが、少々腑に落ちない事が思い浮かんだ。
 いくら神姫は戦い、傷つくとはいえ、あれほどのダメージを負うとなるとあれはバトルロンドによるものではない。ストリートファイトか、バーグラーか、その辺りの可能性が挙げられる。どちらも神姫の安全など考えない無法地帯での戦いだ。ああいう事も珍しいことじゃない。
となると遠野貴樹はイーダを新たに購入し、ストリートファイトに巻き込まれたか?
 NO。ティア以外の神姫を連れているなど聞いたことが無いし、奴の行動上、ありえない。もし新たに買うなどしているならティアの執着の説明が付かない。
とすれば友人。遠野の友人でイーダとすれば……久住奈々子!?

「まさか、「異邦人(エトランゼ)」がやられたってのか……!!?」
「オーナー?」
「エトランゼってまさか……」
「ああ。あのイーダタイプはミスティだ。どうやら、入らないで正解だったみたいだ。日暮さんから言われるとは思うが、お前ら、この話は秘密だ」
「はい」
「うん……」

 色々と推論が思い浮かぶし、何ともいえないものがあるが、考えることをやめた。他の奴の秘密は探るのはよくない。日暮に何か言われない限りは奴らで解決するべきだろう。
 その直後、遠野はイーダタイプを残してエルゴから出ていった。恐らくは日暮に何か話をつけて行動に移すのだろう。
 俺はそれを遠くから見送り、俺は話が終わったと判断してエルゴへと入っていった。入るとそこにはイーダタイプと日暮はいない。恐らく、蒼貴を修理した場所に連れていったのだろう。
 入ってしばらくすると用事を一段落した日暮が俺の来店で慌てて戻ってきた。

「遅れてすまないね。さっきから来ていたのに気を使わせちゃったようだし」
「気づいていたんですか」
「まぁね。とはいえ、気遣ってくれて助かった。今回のは秘密にしておかないとならない件だったからさ。君も見たろうけどあのイーダ型に関しては他言無用だ。いいね?」

 俺が入店しようとして、いなくなった事に気づいていた日暮はやはり、ミスティの事を秘密にしろといってきた。

「他の人の秘密を言いふらすなんて馬鹿な真似はしませんよ。ましてや『異邦人』の神姫です。絶対、言いません」

 俺はミスティの事をいわない約束をしながら、石火の視覚データのコピーが入ったCDを取り出して、それを日暮に差し出した。

「『ダブルトリガー』石火の視覚データです。コピーには輝の友人の結にやってもらいました」

 日暮に石火の視覚データのコピーを見せると彼はそのデータを受け取って、近くのパソコンでそれを開いた。その瞬間、日暮は意味を理解して、頷いた。

「……確かに本物だね。これなら証拠として十分、使えるだろう」
「これでカードは揃ったという事でいいですか?」
「ああ。証拠があれば、後はこちらの仕事だよ。ご苦労だったね。しかし、まさかあの『ダブルトリガー』からこのデータを勝ち取ってくるとは恐れ入ったよ。君の成長ぶりは凄い。『ハイスピードバニー』並じゃないか?」

 まさか本当にデータを勝ち取ってくるとは思っていなかったように日暮がおどけて見せる。一応、分かっていた話ではあるが、盲目だろうが、初代チャンピオンだ。あの戦いもそう簡単なことではなかった。
 確かに罠にハメて倒したが、そうするまでがシビアすぎた。あんなギリギリなんか何度もやりたいものじゃない。

「雑誌で見ましたよ。確かにあの成長ぶりは凄いとしか言い表せませんな。僕はああはできない」
「だから、君もそのぐらいなんだって。方向性は違えどセンスは二人とも他のオーナーよりもずばぬけて高い」
「そうですか……。まぁ、いつかは戦ってはみたいとは思いますよ。……僕は、後はどうすればいいですか?」
「すぐにその準備が整うわけじゃないから、出来れば色々なゲームセンターや神姫センター、ホビーショップを回ってイリーガルやバーグラーから守ってやってくれないか? 神姫達を」
「まるで『異邦人』ですね」
「強敵に挑むという点では違いないなぁ。丁度、君にもイーダ型がいるんだし、勘違いしてくれる人がいるかもね?」
「待ってくださいよ……。『異邦人』は女で僕は男だ。性別も分からない勘違いをする間抜けがいるとは思えませんよ?」
「ははは。それもそうだった」

 俺と日暮で馬鹿げた冗談の言い合いをしていると誰かがエルゴの中に入ってきた。それに気づいて二人で入り口を見ると、そこには結に連れられた輝の姿があった。

「お前……」
「間に合ったかな……?」
「安心しな。前に尊がいるよ」
「よかった……。尊、僕にもその公表の手伝いをさせて欲しい」
「何だと?」







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