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4匹目 『疫病猫がやって来た2』




「そのマオチャオがアマティ君の前に現れたのはまだ昨日の一度だけなんだろう、そこまで気にすることはない思うけどね」
「そうにゃそうにゃ。 初対面でいきなり不審者扱いされちゃったら、おちおち食パン咥えて角を曲がることもできにゃせん。 今日からワガハイはどうやって主人公とラブロマンスに墜ちたらいいのにゃ」
この季節だと今から帰ったとしても、帰り着く頃にはすっかり暗くなっていることだろう。
私が家を出てこの店 【物売屋】 に到着するまで随分と時間がかかってしまったので、もう店の外の景色には夕の橙が混じり始めていて、今日くらいは早起きをして出かけなかったことを後悔した。
でも今日の昼ドラは絶対に見逃せなかったし、仕方がなかったと自分に言い訳をしてみた。
できるだけ早く帰らないとマスターに心配をかけてしまうけど、装備を傷つけてまでここに来ておいて、あのマオチャオのことで今後どうしたらよいかも分からずに帰るのはまさに骨折り損のくたびれ儲け、というものだ。
料金代わりのヂェリーをジャージさんに渡して、変なマオチャオに出会ってしまい付き纏われそうだと話した。
でも、ジャージさんの反応は予想はしていたけど、あまり深刻に捉えてはくれなかった。
「確かに一度しか会ってませんが、その一度が引っかかるんです。 ええと、なんと言えばいいんでしょう、腐れ縁……腐り果てた運命……とにかく、放っておいたらずっと迷惑をかけられ続ける気がするんです。 それくらい縁が腐っていそうなんです」
「腐ってるのはオマエの性根の方にゃ。 オマエは真夏に牛乳を冷蔵庫から出しっぱにゃしにしたまま旅行に行ってしまう恐怖を知らにゃいから、そんにゃに腐ったままでいられるのにゃ」
自分の勘に自身があるわけではないけど、確信はある。
そう遠くない将来、私はあのマオチャオのせいでとんでもない目に遭う。
マスターの部屋の窓を勝手に開けて (そういえば、どうやって開けたんだろう?) ふんぞり返っていたあの姿は紛れもない 【疫病神】 のそれだった。
「勝手に人様ん家に入ってくるマオチャオねぇ。 どんな神姫かは分からんけど、不法侵入ってだけで警察沙汰になりそうなもんやけどね」
「そのマオチャオの特徴は? 外見に変わったところはなかったのかしら」
「ほっほう、そこのセフィロスみたいな顔の新参者はワガハイのプロマイドをご所望にゃ? 熱烈なファンのために一肌脱ぐこともやぶさかではにゃいが、そういうことはマネージャーを通してもらわにゃいと困るんだにゃあ~」
「ええっと――普通のマオチャオだったと思います。 手にドリルをつけていたり、装備もすべて普通でした」
「そう。 じゃあ泥棒用に改造されたマオチャオというわけでもないのね。 何だったのかしら」
「逆に油断させるため、というのはどうだろう。 そのマオチャオが騒ぐ影で、実は他の神姫が行為に及んでいたとか」
「というかそのマオチャオ、まだ生きとるん? 三階から落としたんやろ、今頃下で粉々になっとるって」
「オマエタチィ! さっきからワガハイのことをガン無視してくれちゃって、おまけに泥棒扱いしたり勝手に死んだことにするとはイイ度胸にゃ! ワガハイの怒りが有頂天に達してこの店を吹き飛ばさにゃいうちに、丁重にもてにゃしたほうがオマエ達の為にゃよ? おい、そこのシスター。 ワガハイの喉は干物のように乾いておるぞ、カツオダシヂェリーを持てい。 神に仕える者なら、このゴッドレベルの猫の言う事を聞いておきゅぷしっ!?」
ダーン! と何かが炸裂する音が一回、店の奥の居間から聞こえたかと思うと、例のマオチャオは店の外まで吹っ飛んでいった。
いつの間にかふてぶてしく居座っていたのを暗黙の連携で無視していたのに、これで相手をしなければならなくなった。
道路に飛び出して 「にゃがっ、こぺっ」 と奇声を発しながら転がり、最後はヨガのポーズ (海老反りの逆向きのような格好) をとって、ようやく騒々しさが止んだ。
「あーあ。 あんたってほんと、堪え性がないんやね」
「コタマ、あなたは我慢というものを学びなさい」
「せめて店の中でやってくれないと。 物売屋の評判が落ちたらどうするんだい」
「なんでアタシが責められてんだコラ。 あのクソネコに言えよ」
いじけたシスターは正座をやめ、その場にごろんと寝転がってしまった。
さっきの店の奥からの狙撃(?)はシスターによるものだったらしい。
でもシスターが何かをした気配はなかったし、店の奥、畳とちゃぶ台が古臭い居間を覗いてみるも、武器になりそうなものは何もなかった。
性格は少しアレだけど 【ドールマスター】 の二つ名は伊達ではなさそうだ。
そしてオーナーの鉄子さんだけでなく、今の不可思議な狙撃を平然と捉えている (どころか、貶してさえいる) ジャージさんも、ミサキさんも、かなりの強者のようだ。
そういえば、シスターの周りにはシスター同様にコスプレをしているのに強い神姫の仲間達がいるという話を思い出した。
恐らくその中の一人であろう、赤くてボロボロのマントに身を包んだアルトアイネスと戦ったことがあるけれど、始終ペースを握られたまま防戦一方だったあのバトルは苦い思い出として今も記憶に焼き付いている。
戦乙女型の標準的な装備を一式揃えた私に対して、あのアルトアイネスはスカートパーツとレッグパーツ、そしてマントを羽織っただけで、単純な戦力なら私に分があった。
かといって油断したわけでもなく、彼女のスカートの下から次々と飛び出してくる剣や銃弾やワイヤーや爆弾などを捌き切れず、混乱が極まったタイミングで大技をもらってしまったのだった。
もし次の機会があるとしても、あのパンドラスカートの中をある程度知っているとはいえ、今の私には勝ち目がないと思う。
他のコスプレ神姫達のバトルも観戦したことがあるけど (どの神姫のコスプレもそれぞれ異なるものだったけれど、なんとなく趣味が似通っていたし、シスターの仲間とみて間違いないだろう)、どの神姫も一筋縄で勝てそうには見えなかった。
そして鉄子さんのそばで不貞寝しているシスターは、戦っているところを見たことはないけれど、圧倒的な強さを誇るのは言うまでもない。
シスターには一度手合わせをお願いしたいけど、やはり負けた神姫からヂェリーを巻き上げるのだろうか。
オーナーの鉄子さんはとてもそんな人には見えないけれど。
と、鉄子さんが店の外のマオチャオを指差して言った。
「で、アレがそうなん?」
「そうです。 疫病神――じゃなくて疫病猫です」
「疫病猫って、ただの不潔な猫やね。 ふぅん、確かに普通っぽいけど」
「そうだね。 馬鹿っぽいところも普通だね」
「私はコタマとニーキ以外に――ああ、あなたも今日お会いしたわね――他の神姫を見たことがないのだけれど、マオチャオって皆ああなのかしら」
「だいたいそうだと思います」
などと話をしているうちに、店の外から夕方5時を告げる音楽が流れて来た。
いつもならマスターの部屋でなんとなく耳にしているそれが、早く家に帰れと私に言っているように聞こえた。
まだマスターが仕事から帰る時間じゃないけれど、私が帰る頃にはもうシャワーを浴びてしまっていて、晩ご飯を食べていることだろう。
それとも、帰ってこない私を探しに来てくれるだろうか。
「ああ、もうこんな時間か。 アマティ君は帰らなくて大丈夫なのかい。 オーナーが心配するだろう」
「はい、そろそろ帰らないと。 でも……」
「んじゃ、私が家まで送ったろ。 神姫の足で来れるとこなんやから、こっから近いとこに住んどるんやろ?」
「あ、はい。 ありがとうございます。 でも……」
「でも?」
「まだ、帰れないんです。 ほら」
「にゃふ……にゃふふふふ……さっきの一撃、ワガハイのハートにズッキューン! ときましたぜボンバイエェ……」
私が指を差した方向、店の外で熱心にヨガをしていたマオチャオが起きてしまった。
三階から落とされても、5メートルほど吹っ飛ばされても無事だなんて、どこまでしぶといんだろう。
「オマエ、今ワガハイのことをゴキブリ型神姫とか呼ぼうとしたにゃ?」
「ああ、なるほど。 それは思いつきませんでした。 的確な呼び名ですね」
「しまったあ!? お、おのれ、誘導尋問とは卑怯にゃよ!」
まだ元気に騒ぎ続けるマオチャオに、ジャージさんは呆れるように言った。
「ごめんよ、今日はもう店じまいだからこれ以上は付き合いきれないんだ。 今日のところは引き取ってくれないかなあ」
鉄子さんとミサキさんも揃ってウンウンと頷いた。
シスターはまだ不貞腐れたまま寝転がっている。
「今日だけやなくて、これからもずっとお引き取り願いたいんやけどね」
まだこのマオチャオに出会って10分も経っていないはずの鉄子さんは早くもうんざり顔で、追い払うように手をはらった。
ミサキさんも顔には出していないものの、鉄子さんのぞんざいな振る舞いに何も言わないところから、同じ意見のようだ。
あからさまな不歓迎を示されたマオチャオはしかし、まったく怯むことなくズカズカと再び店内へ入ってきた。
「ふんにゃ、どーせワガハイは邪魔者ですよーにゃ。 今更その程度で怯むほど、ワガハイの肉球は軟弱じゃにゃいのにゃ。 それにワガハイが用があるのはそこの金髪ネコミミだけにゃ」
左腕に装備したドリルを私に突きつけ、威嚇するようにギュインギュインと回した。
蛍光灯の灯りを鈍く反射する光沢が、冷たい威圧感を意識させる。
「来週13日の金曜日の夜、城尊公園に一人で来るにゃ」
「イヤです」
「空気を読むにゃ! ここはシリアスな雰囲気で 『じょ、城尊公園? そこでにゃにが……?』 とか言うところにゃ!」
「はぁ…………じょ、じょうそんこうえんそこでにゃにがー」
「にゃーっにゃっにゃ! それは来てからのお楽しみにゃ! せいぜいその日まで悩んでストレスを溜めて、マッハで円形脱毛症にでもなるがいいにゃ!」
「あ、今日はありがとうございました」
「うん、気をつけて帰るんだよ」
「コラーッ! ワガハイを無視するにゃー! ジャージも乗るんじゃにゃい!」
「んで、家どのへん?」
「また何かあったら遠慮無く来ていいのよ。 その時はコタマが問題を解決するからね」
「もうアタシに気ィ使う気ゼロなんだな。 そんなに酷い死に方をしてぇのか」
「あら、その時はコタマが代わりに壊れてくれるのでしょう」
「ワガハイの話を聞くにゃー! こっちを見るにゃー! つーか、かまって下さいほんと寂しいのにゃ……泣きそうにゃ……」
ああ、面倒臭い。
土間の真ん中にペタンと座ってめそめそと泣くマオチャオにうんざりしているうちに、外はもうすっかり暗くなってしまっていた。













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