PROLOGUE 『 もうやだこんなマスター 』
西暦2036年。
第三次世界大戦もなく、宇宙人の襲来もなかった、
2006年現代からつながる当たり前の未来。
その世界ではロボットが日常的に存在し、
様々な場面で活躍していた。
第三次世界大戦もなく、宇宙人の襲来もなかった、
2006年現代からつながる当たり前の未来。
その世界ではロボットが日常的に存在し、
様々な場面で活躍していた。
「あの、マスター?」
「ん、どうしたトイレか。 そういうことはバトルの前に済ませておけと――」
「違います! 神姫はトイレなんて行きません! 相手の武装を見てください!」
「武装? ――ふむ、大剣を持っているな。 一応ハンドガンも用意はしているようだが、どう見ても近接格闘型だ。 エル、ここは距離を取っていけ」
「なるほど。 で? どうやって距離を取ればいいんですか?」
「ん、どうしたトイレか。 そういうことはバトルの前に済ませておけと――」
「違います! 神姫はトイレなんて行きません! 相手の武装を見てください!」
「武装? ――ふむ、大剣を持っているな。 一応ハンドガンも用意はしているようだが、どう見ても近接格闘型だ。 エル、ここは距離を取っていけ」
「なるほど。 で? どうやって距離を取ればいいんですか?」
神姫、それは全長15cmの
フィギュアロボである。
“心と感情” を持ち、
最も人々の近くにいる存在。
多様な道具・機構を換装し、
オーナーを補佐するパートナー。
フィギュアロボである。
“心と感情” を持ち、
最も人々の近くにいる存在。
多様な道具・機構を換装し、
オーナーを補佐するパートナー。
「どうやってもなにもあるもんか。 近づかなければいいだけだろ」
「なるほどなるほど。 で? 距離を取ったまま、どうやって攻撃すればいいんですか?」
「お前のその武器は飾りか? 投げるなり接近するなりして攻撃しろ」
「武器! 今 『これ』 を指して 『武器』 と言いましたか!」
「それは俺の財力をバカにしているのか? 確かにまともな装備を買ってやれないのは悪いと思っている。 だがそれでもお前に勝利を勝ち取って欲しくて、その武器を選んだんだぞ」
「はぁ……いいですかマスター。 これは武器じゃなくて 『つまようじ』 です」
「なるほどなるほど。 で? 距離を取ったまま、どうやって攻撃すればいいんですか?」
「お前のその武器は飾りか? 投げるなり接近するなりして攻撃しろ」
「武器! 今 『これ』 を指して 『武器』 と言いましたか!」
「それは俺の財力をバカにしているのか? 確かにまともな装備を買ってやれないのは悪いと思っている。 だがそれでもお前に勝利を勝ち取って欲しくて、その武器を選んだんだぞ」
「はぁ……いいですかマスター。 これは武器じゃなくて 『つまようじ』 です」
その神姫に人々は、
思い思いの武器・装甲を装備させ、戦わせた。
名誉のために、強さの証明のために、
あるいはただ勝利のために。
思い思いの武器・装甲を装備させ、戦わせた。
名誉のために、強さの証明のために、
あるいはただ勝利のために。
「投げて良し。 刺して良し。 遠近どちらにも対応できるぞ」
「すぐ折れます! 神姫パワーと神姫ボディを舐めないで下さい!」
「はっはっは。 そういうことならほら、200本あるから予備はいくらでもあるぞ。 心ゆくまで折ってくれて構わん」
「どうして……どうして私はこんなマスターに……」
「すぐ折れます! 神姫パワーと神姫ボディを舐めないで下さい!」
「はっはっは。 そういうことならほら、200本あるから予備はいくらでもあるぞ。 心ゆくまで折ってくれて構わん」
「どうして……どうして私はこんなマスターに……」
オーナーに従い、武装し戦いに赴く彼女らを、
人々は 『 武装神姫 』 と呼ぶ。
人々は 『 武装神姫 』 と呼ぶ。