晴れた昼下がり。
特にやることもないのでボーッとしてるわたし。
特にやることもないのでボーッとしてるわたし。
「何ポケッとしてるの?」
横からわたしの顔を覗き込む人がひとり。
上へはね気味の髪型にはつらつとした表情。
「悩んでることがあったらすぐに私に相談しなさいっ…ごほっ」
胸を叩いて…勢いよく叩きすぎてむせてるこの人は天乃宮未来(あまのみやみらい)、わたしの一年先輩なの。
「でも…先輩は微妙に専門外なの、神姫ファイトの話だから」
「バトロンの事? …スィーマァちゃんの事ね?」
「はい…」
横からわたしの顔を覗き込む人がひとり。
上へはね気味の髪型にはつらつとした表情。
「悩んでることがあったらすぐに私に相談しなさいっ…ごほっ」
胸を叩いて…勢いよく叩きすぎてむせてるこの人は天乃宮未来(あまのみやみらい)、わたしの一年先輩なの。
「でも…先輩は微妙に専門外なの、神姫ファイトの話だから」
「バトロンの事? …スィーマァちゃんの事ね?」
「はい…」
あれから敗北を重ね、後一敗で40連敗。
いまのスィーマァなら勝てる相手でも決着がつかない。
「うーん。…やっぱり精神的な問題じゃないかな?」
「やっぱりその結論に達しますの…」
一度も勝ってない(引き分けはある)となれば、自分のアイデンディティに疑問を持つのは当然。
しかも自分を負かす相手は必ずゲイトだ、自信が持てなくなるのはわかる。
「最低でも年度が変わる前に何とかしないと、下手したら思いつめて…」
その言葉を受けて怖い映像が頭をよぎる。
「ひゃーっ!? まずいよマズイのぉっ」
「慌てない。大事なのは「なにが得意かを気付かせる」って事かしらね」
いまのスィーマァなら勝てる相手でも決着がつかない。
「うーん。…やっぱり精神的な問題じゃないかな?」
「やっぱりその結論に達しますの…」
一度も勝ってない(引き分けはある)となれば、自分のアイデンディティに疑問を持つのは当然。
しかも自分を負かす相手は必ずゲイトだ、自信が持てなくなるのはわかる。
「最低でも年度が変わる前に何とかしないと、下手したら思いつめて…」
その言葉を受けて怖い映像が頭をよぎる。
「ひゃーっ!? まずいよマズイのぉっ」
「慌てない。大事なのは「なにが得意かを気付かせる」って事かしらね」
スィーマァの得意なのこと?
…うーん、ケーキの切り分け?
…うーん、ケーキの切り分け?
「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」
「ひどいですよ先輩~!」
「ひどいですよ先輩~!」
拳と拳がぶつかる。
…拳というより、鉄拳と言った方が適切か(材質的な意味で)
「右から踏み込まれた時の反応が遅い! 相手が拳を握った瞬間に手を出す!」
「ぐぅぅ…!」
アームとアームのぶつかり合い。
本来、機械腕による格闘戦を得意とするムルメルティア。だがスィーマァは正直、アーム戦が苦手であった。
「くぁっ!」
左アームでナァダの攻撃を受け流す…が
「右がガラあきになってるぞ」
…拳というより、鉄拳と言った方が適切か(材質的な意味で)
「右から踏み込まれた時の反応が遅い! 相手が拳を握った瞬間に手を出す!」
「ぐぅぅ…!」
アームとアームのぶつかり合い。
本来、機械腕による格闘戦を得意とするムルメルティア。だがスィーマァは正直、アーム戦が苦手であった。
「くぁっ!」
左アームでナァダの攻撃を受け流す…が
「右がガラあきになってるぞ」
ズシッ
「ぐぉふぅ……!?」
本体へ直接攻撃を受け、吹き飛ぶスィーマァ。
「すまん、強く叩き過ぎた」
反応はない、痙攣を起こしている。
「まずいな」
本体へ直接攻撃を受け、吹き飛ぶスィーマァ。
「すまん、強く叩き過ぎた」
反応はない、痙攣を起こしている。
「まずいな」
……
「………う」
「気がついたか?」
右わき腹への鈍痛と共にスィーマァは目を覚ました。
「自動修復機能の許容範囲で良かった。もし限界を超えていたら腹を開かにゃならんしな」
「ぴっ!?」
自分の腹が開かれるのを思い浮かべ縮こまる。
「気がついたか?」
右わき腹への鈍痛と共にスィーマァは目を覚ました。
「自動修復機能の許容範囲で良かった。もし限界を超えていたら腹を開かにゃならんしな」
「ぴっ!?」
自分の腹が開かれるのを思い浮かべ縮こまる。
「ふ…ふふ…」
「どうした?」
顔を伏せたまま笑うスィーマァ。
「…私って、ホントに駄目ですね……ふふ」
「おいおい…」
「どうした?」
顔を伏せたまま笑うスィーマァ。
「…私って、ホントに駄目ですね……ふふ」
「おいおい…」
「生まれて一度も勝ったことのない、得意なはずの分野も苦手、オマケに戦意までうしなうなんて…」
ぽろり、ぽろりと零れ落ちる涙。
「私なんて…武装神姫失格ですね…」
ぽろり、ぽろりと零れ落ちる涙。
「私なんて…武装神姫失格ですね…」
ぽんっ
そっと頭に置かれる手。
「みぇっ?」
「みぇっ?」
ぱたん
そしてそのままナァダの膝枕へ。
「…確かに、戦いの本質は勝つことにある。しかし勝つという気持ちが負けていれば勝てる戦いも勝てない、お前の状況はまさにそれだ」
「……」
「…確かに、戦いの本質は勝つことにある。しかし勝つという気持ちが負けていれば勝てる戦いも勝てない、お前の状況はまさにそれだ」
「……」
「自分に自信が持てない者が勝てるはずが無い、…そのはずだ」
ふわりとした髪を撫でる。
「アーム戦がどうしても駄目なら、その発想を捨ててしまえばいい。ようは逆転の発想だな」
「……」
「…スィーマァ、どうした?」
ふわりとした髪を撫でる。
「アーム戦がどうしても駄目なら、その発想を捨ててしまえばいい。ようは逆転の発想だな」
「……」
「…スィーマァ、どうした?」
「…すぅ…」
「何だ、寝てしまったのか。…まあ、話を聞いていたのならどうにかなるだろう」
「何だ、寝てしまったのか。…まあ、話を聞いていたのならどうにかなるだろう」
~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~・~
夜、具体的には午後11時05分。
かたっ
「すぴーっ…」
ひゅっ…がたん!
「むぅ……どうも寝苦しい…」
多分夕飯のコロッケが胃をムカムカさせてるんだと思う。
微妙な吐き気を催しつつ起き上がる…と、ここで机に目がいった。
多分夕飯のコロッケが胃をムカムカさせてるんだと思う。
微妙な吐き気を催しつつ起き上がる…と、ここで机に目がいった。
ひゅっ
ひゅっ
小さな影が素振りをしていた。
「スィーマァ」
「あ…!? すみません、起こしてしまいましたか?」
「んー、胸やけで起きただけだから違うの」
「スィーマァ」
「あ…!? すみません、起こしてしまいましたか?」
「んー、胸やけで起きただけだから違うの」
…そうだ、この際だから聞いてみよう。
「スィーマァ、あなた…ゲイトに勝てる自信ある…?」
それを聞き、少し黙った後。
「自身はないですけど、勝てる見込みは掴みましたよ」
あら、いつの間に?
「だから、ちょっと用意してもらいたい物がいくつか…」
「スィーマァ、あなた…ゲイトに勝てる自信ある…?」
それを聞き、少し黙った後。
「自身はないですけど、勝てる見込みは掴みましたよ」
あら、いつの間に?
「だから、ちょっと用意してもらいたい物がいくつか…」
「これで負けたら40連敗だな、古代」
「いちいち言われなくてもわかっているの!! そのテングっ鼻をへし折ってやるから!!」
嫌味で言ってるにちがいない、こいつは昔っからそうだったもん。
「さあ、さっさと始めようぜ」
「いちいち言われなくてもわかっているの!! そのテングっ鼻をへし折ってやるから!!」
嫌味で言ってるにちがいない、こいつは昔っからそうだったもん。
「さあ、さっさと始めようぜ」
……
リフトから対戦筺体へと進入してゆく神姫達。
そのデータと姿が液晶に映し出される。
ゲイトはスタンダートなチーグル+サバーカ装備。
そのデータと姿が液晶に映し出される。
ゲイトはスタンダートなチーグル+サバーカ装備。
対するスィーマァが携えるものは、拳銃ただ一丁のみであった。
「古代、遂にヤケでも起こしたのか?」
「そんな訳ないじゃないの、わたしはいつでも真剣に組んでるもの」
あまりにも自信が溢れているすすみを見
「…何を企んでいる?」
そう呟いた吹雪であった。
「古代、遂にヤケでも起こしたのか?」
「そんな訳ないじゃないの、わたしはいつでも真剣に組んでるもの」
あまりにも自信が溢れているすすみを見
「…何を企んでいる?」
そう呟いた吹雪であった。