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● 三毛猫観察日記 ●



◆ 番外編3 「彩音とトモコと黒い神姫(前編)」 ◆



≪第一節:「彩音」中学一年生≫

「ねぇ、学校帰りにみんなで寄り道していかない?」
「いいわねぇ。先週オープンした例の店に行きましょうよ!」
「……彩音ちゃんも誘う?」
「彼女はムリよ。どうせ習い事で遊んでる時間なんて無いだろうし」

教室の奥から同級生の会話が聞こえてきた。彼女達の思っている通り、ウチには
遊んでいる時間なんて無い。と言うより「自分の時間」なんてモノ自体存在しない。
ウチの実家は江戸時代から続く呉服屋で、礼儀作法とか厳しい家柄だったんや。
笑えるやろ?ウチ小学校に入る前から日舞とか琴とか習わせられていたんやで!

まぁそんな感じやったから……友達なんて居なかった。でも寂しくなんてなかったんや。
ウチには「本物の」友達は居なかったけど、心の中に「想像上の」友達がいたんや。

彼女の名前はトモコ。年齢は……ウチと同じ13歳。小柄で金髪、控えめで大人しい性格。
こうやって目を瞑るとスグに現れてくれる。
『彩音ちゃん、今日も仲間外れにされちゃったの?』
「仕方ないわぁ。実際、学校が終わったら茶道の教室に行かなアカンし」
『……いつかきっと貴女を理解してくれる友達が現れるわよ。彩音ちゃん良い子なんだし』
「そんなんイランわ。ウチにはトモコが居てくれるし!」
『もう、彩音ちゃんったら……』

学校が終わり、茶道の教室がある二丁目に向けて歩いて行く。無論その間もずっと
頭の中でトモコとオシャベリをしてる。いつか一緒にお花見に行きたいね……
そうやって暫く街中を歩いていたんやけど、突然とある店のポスターが目に入った。

仰天した。金色の髪、小柄な体格、引き締まった顔……ウチが想像したトモコと瓜二つや!
思わずポスターに駆け寄って見入ってしまう。神姫…アーンヴァル…これ動くんか!!!
ウチはその店に駆け込んだ。
「いらっしゃい。……どうしたんですか?そんなに慌てて」
「あ、あの……外のポスター……天使をください!!!」
「天使?あぁアーンヴァルですね。申し訳ないですけど品切れで……他のタイプでしたら」

次の瞬間ウチは店を飛び出していた。必死だった。「本物のトモコに会える!」
その考えがウチの体を支配していた。
それから5時間後、大阪中を走り回ってやっとウチは一体のアーンヴァルを手に入れた。

「ちょっと彩音さん、こんな遅くまで何をしてたんですか!茶道教室も無断で欠席……」
お母さまの声を無視して自分の部屋に閉じこもる。そういえばこんな反抗的な態度は
産まれて初めてやなぁ。とにかくウチは必死やった。

震える手でパッケージを開ける。中には想像通りの人形が一体。涙が出そうになった。
説明書と格闘しながらセットアップを進める。期待と不安が入り混じった作業。
それからどれぐらい時間が掛かったやろうか?遂にウチはその時を迎えた。

『セットアップ完了。アーンヴァル起動します』
「え、えっとぉ……最初は名前を決めるんか。色々考えたんだけどやっぱりトモコやな!
 トモコっていうのはウチが想像で作った友達で、二人は無二の親友なんや!そんで
 辛い事や寂しい事があってもトモコが居てくれればハッピーで、でも稀にケンカもして、
 でもでもスグに仲直りして、一緒に笑って一緒に泣いて、そんで、そんで、そんで……」

気が付いたらウチは泣いていた。悲しいんやなく、それだけ感情が昂っていたんやな……
そして目の前の神姫に泣きながら言ったんや。
「お願い……ウチの……友達になって………」
その言葉を聞くと、彼女は優しく静かに答えたんや。
『………解ったわ、彩音ちゃん!』


≪第二節:「彩音」中学三年生≫

日舞の稽古が終わった。早速カルチャーセンターへトモコを迎えに行く。
最近はウチが習い事をしている間、トモコはセンターでバトルの訓練をしてるんや。
これはトモコの提案。『私も訓練を頑張るから、彩音ちゃんも稽古に挫けないで!』

駅前のカルチャーセンターに到着すると、早速お世話になってる先生の所へ行った。
「先生、トモコを預かってくれてアリガトなぁ!」
「やぁ金城さん!ちょっと待ってて下さい、何かトラブルがあったみたいで……」

  ――――― 番外編2「カルチャーセンターに行こう!」の出来事 ―――――

「………嵐のような人達でしたねぇ」トモコが呟く。
「まぁ連中のおかげで納まったけど……ウチの嫌いなタイプの人種やなぁ」
「あ~やっぱり。いかにも『金に物を言わせる』って感じでしたからねぇ」
「ウチの店に来るバカ客みたいやからなぁ。まぁとりあえず感謝はしとくけどな」

二人で話していると、騒動を治め終わった先生がウチらの傍へ来た。
「やぁ大変でしたね。でも無事で何よりでしたよ」
「すまんなぁ先生、心配を掛けちゃって」
「いえいえ。………それよりもう遅くなってしまいましたね。明日の大会もありますし、
 今日はもう終わりにしましょう」
「解りましたわぁ。明日また大会の前にココに寄りますわ。それじゃお疲れさんです~!」

暗い夜道を自転車で走り抜ける。ハンドルに取り付けた専用席にはトモコが座ってる。
「遅くなっちゃいましたね。時間があったらケーキ屋さんに寄るつもりだったのに」
「今日はムリやなぁ。『ケーキで景気付け(笑)』は明日やなぁ!」
大会前の景気付けに二人でザッハトルテを食べる予定やったんやけどな……

突然、自転車のライトが何かを浮かび上がらせた。咄嗟にブレーキを掛ける。
「うわっとっとっ!危ないなぁ~ぶつかる所やったわ!」
「何か道に落ちてますね………何でしょう?」
そう言ってトモコは専用席から飛び降りると、その『何か』に近寄っていった。

「箱……?黒い箱?誰かの落し物でしょうか……?」
トモコが箱に触れた瞬間、突然ソレは弾けた。
その衝撃でトモコが吹き飛んだ。そして近くの電柱に激しく衝突する。
「と、トモコ!!??」
自転車から飛び降りたウチの脇腹を鋭い痛みが走った。
思わずひざまずいて手を当てる。
濡れている。鉄のような臭い……血………?

パニックで混乱しているウチに、箱の残骸から何かが近づいてきた。
それは神姫だった。見たことも無いタイプの素体。アーマーは装備していない。
替わりにまるでイレズミのように全身に『蛇』が巻きついたようなペイント。
その手には……巨大なライフル銃のような……物を持って……いる……
あれ………で………ウチは………撃たれた………の………?

「あ、あ、彩音……ちゃん、に……近、づ、く、………」
体中をバチバチとショートさせながらトモコが近づいてきた。それを見た『蛇』は
彼女に近寄ると、無表情にその体を引き裂いた。

『おい、そこで何をしているんだ!』
遠くから………声が………聞こえて………
『マヤー、その神姫を抑えろ!!おい君、しっかりするんだ!!!』
そのままウチの意識は途切れてしまった。


≪第三節:「彩音」闇に堕ちる≫

気が付いたのは病院のベッドの上やった。まだ意識が朦朧としている。
『……それで先生、彩音さんの容態は……』
『一時は出血によるショック状態が酷かったのですが、助けてくれた大学生の応急処置が
 適切でしたのでギリギリの所で一命を取り留めました。彼に感謝しないといけませんね」
お母さまの声と……もう一人は医者か?二人が会話をしている。

「確かシュウコウって名前でしたか。名前が訓読みだから沖縄出身の人でしょうね」
「その方には改めてお礼に伺うつもりでおります……彩音さん!!気がつきましたか!?」
「ん、あ、う、う、」
「落ち着いて。まだ鎮静剤が効いているからちゃんとしゃべれないよ。
 それじゃあ何かありましたらナースコールで呼んでください」
そう言って医者は立ち上がると、病室から出ていった。

「彩音さん、大変でしたね……何があったのか解りますか?」
ウチは首をゆっくりと横に振る。
「……通り魔にあったんですよ。最近多発しているらしいですね、神姫を使った強盗事件。
 近所の大学生が助けてくれたんですよ。犯人は捕まらなかったらしいですけど……」
お母さまの言葉を遮り、肝心な事を聞いてみる。
「あ、う、う……ト、モ、コ、………ト、モ、コ、は………」
「……証拠物件として警察に引き取られましたけど、修復は不可能らしいですよ」

トモコ。ウチのトモコ。いつも一緒だった。
お菓子を食べた。プールに行った。本を読んだ。テレビを見た。歌った。ケンカをした。
にらめっこをした。ポエムを作った。初詣に行った。稽古をサボった。立ち食いをした。
お手玉をした。恋愛について語った。……いつも一緒だった……ウチの全てやった……

「……ト・モ・コ……うわあぁぁぁっ……ああぁぁっっ……わああぁぁぁああああ!!!」
自分を抑える事が出来なかった。ウチは絶叫しながら点滴を自分で引きちぎると、
脇腹の痛みを無視してベッドの上から飛び起きようとした。
「彩音さん!?彩音さんしっかりして頂戴!!誰か、誰か来て下さいっ!!!」

騒ぎを聞きつけて集まってきた医者達に押さえつけられ、何かの薬を注射された。
薬の効果で失われていく意識の中、ウチの心には一つの思いが産まれていた。
………『蛇』……憎い……許さない……怨む……復讐……『蛇』を……殺す!!!


≪第四節:「三ヵ月後」あの二人は……≫

日曜日の気だるい午後。サマードレスに身を包んだ私はティーカップを傾ける。
もう7月になったので少し暑い。こんな日は夕涼みも良いわね……

突然、後頭部をスパーンと叩かれる。
「痛ったぁ~~~!いきなり何をするんですか!」
「……………ティーカップで昆布茶を飲むのはヤメレ………」
振り向くと、いつの間にかアキオがスリッパを片手に立っていた。
「良いじゃないですか、好きなんだから」
そう言ってカップを両手で持ち上げてずずずずず~っと音を立てて飲む。

「………それより桜花、もう準備は出来たのか?そろそろ出かけるぞ」
「あら、もうそんな時間でしたか」
今日はアキオと二人で例のカルチャーセンターに行くことになっています。
公式戦のバトルに参加する手続の為なのですけど……
「センターには三ヶ月ぶりですね。あの時の女の子に会えるでしょうか?」
「止めてくれよ……話がややこしくなる」

新大阪の駅から歩いて9分。久しぶりにカルチャーセンターへ来ました。
窓口へ行って用件を伝えると、暫くして見たことある人がやってきました。
「やぁ君はあの時の!久しぶりですねぇ!」
「あの時の先生ですか!ご無沙汰してました」「お久しぶりです(ぺこりんこ)」
神姫教室の先生に促され、三人で別室へ移動します。

アキオが必要書類に記入をしていると、先生が話し出しました。
「そうですか、貴方達も公式戦に参加するのですね!」
「ええ。折角の花鳥風月を無駄にしない為にもコイツには頑張ってもらわないと」
「きっと良い所まで行けると思いますよ。あの時の刀捌きは見事でしたからね」
「今はもっと強くなってますよ!俺が直々に『山城自顕流』を伝授してますから」

二人の会話は続いていましたけど、ちょっと好奇心で先生に聞いてみました。
「そういえばあの時の女の子、元気にしてますか?」
途端に先生の顔が暗くなる。「彼女は……金城さんは……」

事情を聞いて驚いた。彼女が通り魔に襲われていた事。犯行には違法神姫が使われた事。
犯人はまだ捕まっていない事。そして……彼女のパートナーが破壊された事。
「……近年、違法神姫を使った犯罪が多発しているんです。犯罪者にしてみれば
 手軽に強力な共犯者が出来る訳ですからね。しかも犯行を神姫に任せてしまえば
 自分のアリバイは簡単に作れてしまう。これはもう……社会問題ですからね」

そう言えばニュースでも毎日のように神姫を使った犯罪を報道している。大阪府警も近々
大掛かりな対策を発表するらしいですけど……それにしてもこんなに身近に……
「……ですから貴方達も気をつけてくださいね。特に人通りの少ない夜道は危険ですから」

帰り道。ちょっと大手神姫ショップへ武装を買いに寄り道。普段は花鳥風月と羽織袴で
稽古をしてますけど、そのままの格好で大会に出るのはちょっとね……。
新大阪駅へは方角が違うけど、散歩を兼ねてのんびり歩いて行きます。
「……アキオ、さっきからずっと黙ってて、そんなにあの子の事がショックでしたか?」
「あ、あぁ。ニガテなタイプっぽかったけど……『まっすぐな目』の子だったからな」
「そうですね……」
まっすぐな目。意思の表れ。そう言われて気が付いたけど、彼女の目は「ナンバー1」
姉さんに似ていたのよね。だから今まで気になっていたのかな……

突然、内部センサーに反応があった。思わず体が強張る。
「桜花?どうかしたのか?」
「静かに!………今、何者かにスキャンされました」
途端にアキオの顔つきが変る。事の重大さを理解したようだ。
「様子を探るって事は……敵対的な行動をするつもりって事だよな」
「解りません。でも……あの裏通りからです!」
「………………………先手必勝!桜花、行くぞ!!」
私達は裏通りへ躍り出した。

女の子が立っていた。
全身を黒のレザースーツで身を包み、ビスを埋め込んだグローブを着けている。
異様な雰囲気の子。これは殺気?彼女を取り巻く空気が息苦しい。

「ほぅ、スキャンされた事に気が付いたか。っちゅう事は普通の神姫やないって事やな」
「何だオマエは!急にこんな…………」
アキオが急に黙ってしまった。理由は私にも想像できる。
彼女の目だ。よく「魚の腐ったような目」なんて言うけど、これが将にそれだ。
顔全体に暗い影を落とし、どう見ても正気の人間の表情では無い。

「オマエらが『蛇』かもしれん………悪いけどその神姫、破壊させてもらうで」
突然、上空から何かが落下してきた。私とアキオは咄嗟にそれを避ける。
今まで私達が居た場所に激しく落下したソレは……私達を無表情に見つめた。

黒い神姫。ストラーフのソレとは違う、漆黒の闇の色。武装はしていないが、ボディ自体が
明らかに規格外の形状をしている。つまり素体を改造している……違法神姫という事。

「ウチは『蛇を怨む者』、そしてこれは復讐の為の道具『怨蛇(えんじゃ)』や。
 怨蛇、その違法神姫を破壊せい!」
「リョウカイ・マスター」
怨蛇と呼ばれた神姫が突進してきた。私は花鳥風月を正眼に構えて迎撃の準備をする。
すると急に怨蛇は眼前で立ち止まり、両手を私に向けて突き出した。

突然の衝撃。目に見えない力に押されて私は吹き飛ばされてしまった。
「お、桜花、大丈夫か!?」
「だ、大丈夫です!……今のは……磁力?」
「ほぅ、怨蛇必殺の“メガス・磁界制御装置”を看破したか。それにメガスの磁力を受けて
 電子回路が正常なままとは、やっぱり違法神姫に間違いないようやな」

「ちょっと待て!さっきから違法違法と……オマエの方がよっぽど違法行為だろ!」
アキオの言葉に、『蛇を怨む者』は怒りをあらわにした。
「ウチが……あんな連中と一緒やと?ウチが………バカにするなぁぁぁぁぁぁ!!!」
突然アキオに殴りかかった。軽々とその拳を避けるが、その拳を見て驚きの表情を見せる。
「そのグローブ……スタンガンが仕込んであるのか!?」
言われて見るとビスの部分がバチバチと音を立てている。

『お巡りさ~ん!ここです、大喧嘩をしてます!!』
裏通りの端から声が聞こえてきた。
「ちっ、オマワリを呼ばれたか………
 ええか、今日の所は見逃してやる。せやけどその神姫、いつか破壊したるからな!」
捨てセリフを残して去っていってしまった。

「アキオ……気が付きましたか?彼女、三ヶ月前のあの子でしたよ?」
「……何てことだ……」
警察の職務質問を受けながら、私達はその場に立ち尽くす事しか出来なかった。


≪第五節:「前編エピローグ」トモコに誓う≫

自分の部屋に戻ると、そのままベッドに倒れこんでしまう。
今日も『蛇』を見つける事は出来なかった……だがいつか、いつか……

枕元の写真を手に取る。ウチとトモコの最後の写真。
「トモコ……仇は必ず討ってやる。絶対や。ウチの命に代えても」
ふと机の上の怨蛇を見る。
「……毒を以って毒を制す。違法神姫には違法神姫や」

気のせいか、写真の中のトモコが悲しそうな顔をしたように見えた。
「大丈夫、コイツには心が無い。正規のCSCが入ってない、いわゆる「チップ抜き」って
 ヤツや。ウチかて心を持った存在にこんな非情な事はさせんわ」

ウチは写真を抱え込むと、そのままベッドの上で丸くなった。
「トモコ……今日は一緒に寝ような、昔みたいに……」

深い眠りに付く彩音。その寝顔を、怨蛇と呼ばれた神姫が静かに見つめていた。




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