インターバトル2「誤情報」
「…………」
ぱかぱか。
「ま、マスター、どうですか……?」
ぱかぱか。
マスターは一瞬目の前どころか頭の中が真っ暗になり、立ちくらみを起こして倒れそうになった。
ぱかぱか。
「ま、マスター、どうですか……?」
ぱかぱか。
マスターは一瞬目の前どころか頭の中が真っ暗になり、立ちくらみを起こして倒れそうになった。
「まったく……」
「ご、ごめんなさい」
椅子に座り腕を組んで渋い顔をしているマスターの前の机の上で、アーンヴァル「マイティ」は恥ずかしさと申し訳なさと自分のバカさ加減に顔を真っ赤にして小さくなっていた。いや、もとから小さいのだが。
「シエンちゃんが、こうすればマスターが喜ぶって」
「奴の仕業か……」
マスターの言う「奴」とはハウリン「シエン」のことではなく、そのオーナーのことである。
「ココちゃんも、言ってましたよ」
「…………」
かの魔女っ子神姫ドキドキハウリンのことである。
マスターは大きなため息をついた。
シエンのオーナーは確信犯だろうが、ココのほうはおそらく実践する前に教えたのだろう。今頃どうなっているだろうか。
「ともかく、情報の真偽を見極めるのは試合でだけでなく、日常生活でも大事なことだ」
「はい……」
「まあ、今回は状況的に実践しなければ分からなかったからいい。実践して取り返しがつかない場合は大変だぞ」
「すみません……」
「……もういい。顔を上げろ」
「はい?」
なでなで。
いつのまにか頭をなでられていて、マイティは面食らった。
「あ、あの、マスター?」
「今回は俺の監督責任もある。もう落ち込むな」
「……はい」
マイティはマスターの指を抱きしめる。温もり。
「ご、ごめんなさい」
椅子に座り腕を組んで渋い顔をしているマスターの前の机の上で、アーンヴァル「マイティ」は恥ずかしさと申し訳なさと自分のバカさ加減に顔を真っ赤にして小さくなっていた。いや、もとから小さいのだが。
「シエンちゃんが、こうすればマスターが喜ぶって」
「奴の仕業か……」
マスターの言う「奴」とはハウリン「シエン」のことではなく、そのオーナーのことである。
「ココちゃんも、言ってましたよ」
「…………」
かの魔女っ子神姫ドキドキハウリンのことである。
マスターは大きなため息をついた。
シエンのオーナーは確信犯だろうが、ココのほうはおそらく実践する前に教えたのだろう。今頃どうなっているだろうか。
「ともかく、情報の真偽を見極めるのは試合でだけでなく、日常生活でも大事なことだ」
「はい……」
「まあ、今回は状況的に実践しなければ分からなかったからいい。実践して取り返しがつかない場合は大変だぞ」
「すみません……」
「……もういい。顔を上げろ」
「はい?」
なでなで。
いつのまにか頭をなでられていて、マイティは面食らった。
「あ、あの、マスター?」
「今回は俺の監督責任もある。もう落ち込むな」
「……はい」
マイティはマスターの指を抱きしめる。温もり。
◆ ◆ ◆
ぱかぱか。
「ご、ご主人様。こうですか?」
「そう! そうだ! いいぞシエン! できればもうちょっと開脚しろ!」
「は、はい」
ぱっかぱっか。
「す、凄まじい破壊力だぜぇ……」
ケンは鼻血を素手でぬぐいながら、シエンの太ももを見つめていた。
「あの、ご主人様。そ、そんなに見つめられると恥ずかしい……」
ガチャ。
「ケン、次の試合の段取りが決まったよ」
控え室に舎幕が入ってくる。
「……二人とも、何してるの?」
「おゥ……」
「はうっ!?」
気まずい雰囲気がまたたくまに部屋内に広がった。
「ご、ご主人様。こうですか?」
「そう! そうだ! いいぞシエン! できればもうちょっと開脚しろ!」
「は、はい」
ぱっかぱっか。
「す、凄まじい破壊力だぜぇ……」
ケンは鼻血を素手でぬぐいながら、シエンの太ももを見つめていた。
「あの、ご主人様。そ、そんなに見つめられると恥ずかしい……」
ガチャ。
「ケン、次の試合の段取りが決まったよ」
控え室に舎幕が入ってくる。
「……二人とも、何してるの?」
「おゥ……」
「はうっ!?」
気まずい雰囲気がまたたくまに部屋内に広がった。
了