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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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アルトアイネス奮闘姫
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双子神姫
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武装神姫のリン
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 ・・・。
「そうですか。私は落し物なのですね」
 ヤヨイの説明を受け、ポケスタの中で未だ眠そうな目のまま。サイフォスは納得したように頷いた。
「ご迷惑をおかけ致しました」
「あ、いえいえ。そんな事ないよ?」
 至極丁寧に礼をされ、ヤヨイは手をパタパタさせた。しかしポケスタから出てこないのは未だにこちらを警戒しているのだろうか。
 だったら・・・。彼女から、説明してもらった方が良いだろう。
「お願い。マーチ?」
「はい。・・・えっと、それでね。あなたに。マスターさんの名前を教えてもらって。呼び出しして貰おうかなって」
「・・・」
 他の神姫とお話している事だけでも嬉しいのか、明るい声。
 それを理解しているのか、いないのか。じっと、サイフォスは彼女を見据えた。
「?」
 にこにこと笑顔を浮かべるその顔をしばし見詰め。
「・・・うん。・・・貴女は信頼出来る・・・そう言ってる」
 誰が? と首を傾げるマーチに。サイフォスはポケスタの中から頭を下げた。
 そして、ヤヨイに身体を向き直し、そちらにも再度深々と一礼する。
「幾度もお手数。そしてご迷惑をお掛け致します・・・私は騎士型サイフォス。名を・・・ノーヴスと申します」
 その眠そうな目のまま。ノーヴスと名乗ったサイフォスは顔を上げた。
「・・・私の主人の名は・・・霜草、怜央様と申します」
「シモクサ・レオさんだね」
 珍しい名前と思いながら、ヤヨイは立ち上がると。マーチを拾いあげて、数秒悩んだ後で一緒のポケスタの中に入れた。
「え?」
「・・・?」
「これで良しっ!」
「あ、あの。お邪魔します・・・って、マスター!?」
「いいんじゃない? 二体まで同時充電可能なんだからっ」
 そういう問題じゃありません。と顔を赤くしてぱたぱたしているマーチ。その姿が可愛いとか思われているのを彼女自身は知らない。
 しかしこれは言ってしまえば他人の布団に潜りこんだようなものではなかろうか? が、ノーヴスは別段気にした様子は無い。むしろ、しげしげと興味深げに、文字通り目と鼻の先に訪れた来訪者を見つめる。
「・・・ジュビジー? 名前は・・・さっき、確か」
 声をかけられ、抗議を中断してそちらに向き直る。髪が触れたほどに、顔がびっくりするほどに近い場所にあった。
「え、えっと・・・マーチ」
 小さく頷いて、彼女は騎士特有の深い青色のスーツカラーに包まれた指を。桃色の髪に通した。
「ありがとう・・・。よろしく。マーチ」
「・・・! うん。よろしくね? ノーヴス」
 そう言って、マーチは嬉しそうに笑った。ノーヴスは眩しそうに眼を細めると。
「風・・・」
「?」
「ううん、なんでもない・・・。・・・」
 そう言って、大きく伸びをした。


 ・・・。
「シモクサ・レオ様。拾得物をお持ちのお連れ様が中央螺旋階段の前でお待ちです

 流れた放送。ちょっとニュアンスが違う。「連れ」という言葉は間違ってはいないが、拾得物が「お連れ様」なのだ。
 そのお連れ様はヤヨイの手の中で抱かれている小さなバッグの中で、ヤヨイのお連れ様と仲良くお話をしている。

「アサヒ・カワ?」
 少々ピンと来ない地名を、マーチは唇に指を当てながら聞き返した。
「・・・そう。旭川。えっと・・・北海道の真ん中にある街・・・」
 ぽつり、ぽつり。と、特徴のある澄んだ声を、少しずつ、小さな声で紡ぐのがノーヴスの話し方なのだろうか。同じポシェットの中で色々と聞いてくるマーチに。しかし嫌な顔はせずに、いや。表情は読みにくいが嬉しそうに彼女は答える。
 かなり大きな街らしい。ノーヴスのマスターの家は、そこでカレー屋をやっているらしい。
「いいなぁ。旭川は行きたいなっ」
 上から思わず声をかけた。そのヤヨイの声に驚いて顔を上げるマーチ。
「カレーを食べに行くんですか? マスター。北海道の真ん中まで」
 他意は無いであろう声。きょとんとした顔で聞かれて、思わず笑いを浮かべてしまう。
「えー、それだけの為には遠いよ」
「是非。お待ちしています・・・」
「えぇー? 待たれても困るよぉ」

 そんな事をしていると。ふと。その空色の瞳を逸らし。ノーヴスが眠そうな目のままで、広場の向こう側から近付いてくる人物に視線を向けた。
「マスター・・・」
「え」
 こちらのポケスタに気付いたらしく。その「少年」は少し足早にヤヨイの前まで歩み寄ると。一度お辞儀をした。
 年長者であろう事を予想していた彼女は、その丁度自分と同じくらいの背丈、同じくらいの視線に少々面食らいながらも、礼を返す。
「えーっと。どうもありがとう。拾ってくれて」
 声変わりは済んでいるのか、その声は案外しっかりしている。果たして年齢がいくつかは、その幼ささえ残る顔から読み取ることはできない。
 と、彼は自分のポケスタに見慣れない桃色の頭が、見なれた金色の頭と一緒に並んでいる事に気づいたのか、腰を曲げて覗きこむ。
「やぁ、ノーヴスのお友達?」
 マーチに訊ねる優しい視線は、どことなく大人っぽい。
「あ、その・・・」
 お友達。という単語にちょっと困ってしまう。
「・・・そうです、マスター。こちらはマーチ。そして、この方がそのマスターの、トオノ・ヤヨイ様です・・・」
 ヤヨイとマーチが戸惑っていると、ノーヴスが紹介してくれた。情けなさを僅かながら覚えつつも、ヤヨイは慌ててマーチを水色のポケスタから取り出して、肩に乗せると、それを差し出す。
「えと。お返しします!」
 しかし、レオはじっとヤヨイの顔を見て。それを受取ろうとしない。

 ぞぉっとするほど、と言えば少々失礼か。茶色が混ざっているヤヨイと違い、純粋な漆黒の瞳は静けさを湛えながらも何処までも深く。ヤヨイは自分の顔をその中に認めると、気が一瞬遠くなった。

「うん。重ね重ね有難うございました。僕はレオ、霜草怜央です」
「あ・・・はい。私、遠野弥生って言います。あの、これ、勝手に開けちゃってごめんなさい!」
 大人っぽい通る声と、静かな眼差し。半比例するような身の丈とルックス。レオは小さく笑ってポシェットを受け取った。
「君も神姫オーナーなんだ。こんな所で自分以外の人と会えるとは思ってなかったな」
「えと。うん。私もです」
 その笑顔に。ようやく、気が落ち着いた。落ち着かせて貰ったと言った方がいいだろうか。
「御礼に、お茶を奢らせて。そう、船旅は長いから」
 そういう彼の表情は、自分と同じくらいの視線にあるとは思えない程。とても大人びた物であった。


 ・・・。
「ヤヨイさんは高校生。そっか、一人旅なんだ」
「うん。レオさんは?」
 レモンティーの湯気の下では、マーチとノーヴスが何やら楽しそうに話している。ノーヴスは水色のポシェットからまだ出ていない。どうやら警戒するしないではなく、出たくない性分のようだ。マーチがポシェットの口の部分でちょこんと座っていた。
「僕は、17歳」
「! ・・・え? じゃぁ。やっぱり高校生?」
 内心では驚愕の年齢だった。自分より年上だ。
(で、でも。人によってはこれくらいは)
 そう、若く見えるかもしれない。
「驚いた?」
「え!?」
 見透かされて声に出して驚くが、そんな反応に慣れているのか。
 レオは笑って首を横に振る。
「いや。高校には行ってないよ。去年までは専門学校に通ってて。今は、実家の手伝いをしながら香辛料の勉強をしてるんだ」
「香辛料。という事は、カレーの? 凄いですね!」
「? あ、そうか。・・・ノーヴスから聞いたのかな」
「うーんっと。さっき。旭川って」
「そう、カレー屋の倅で。そして跡を継ぐつもりなんだ」
 ・・・未来のカレー屋さんかぁ。と、ヤヨイは彼がどんなカレーを作るか想像してみた。が、どうにも家のカレーしか出てこない。
 そういえば。その人が、どうして船の上にいるんだろう。とは気になったが、プライバシーに触れるだろうと彼女は口を噤んだ。
「・・・」
 すっと、レオはマーチに視線をやった。
「ジュビジーかぁ。かわいい」
「?」
 顔を上げたマーチ。ハルコロネットが無いが、その薄ピンク色の髪の毛は彼女のタイプを否応なしに主張する。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして。ノーヴスと仲良くしてくれてありがとう」
 その言葉に、嬉しそうにこくこくと頷く。

「そうだ。ヤヨイさん」
「あ、そんな畏まってとかいらないです」
「・・・。そうかな? じゃぁ、ヤヨイ」

 ぼっ、と。顔が熱くなった。

(あちゃー・・・思わず言っちゃったけど)
 思わず顔を背けながら、ヤヨイは目を閉じた。
 自分で言ってしまったが。なんとなく後悔していた。彼女は「人」に慣れていない。長らく近い人といえば、母と。そして「先生」だけだったから。流石に年齢の近い男性にファーストネームで呼ばれるのは何か気恥ずかしかった。ドラマとかじゃぁ普通に言っているセリフなんだけどなぁ。
「どうしたの?」
「い、いえ! なんでもないです」
「?」
 レオはどうやら話すときに相手をじっと見据えるタイプらしい。ノーヴスもそう言えばそうだった。それもまた色々と困るのだが。ややあって、彼は続けた。

「この船ね? 筺体があるんだ」







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