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完結作品

武装神姫のリン
戦う神姫は好きですか
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剣は紅い花の誇り
クラブハンド・フォートブラッグ
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
ウサギのナミダ
アスカ・シンカロン
引きこもりと神姫
キズナのキセキ
魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン
浸食機械
ゆりりね!

2015年

えむえむえす ~My marriage story~

2014年

ぶそしき! これから!?
デュアル・マインド
15cm程度の死闘
悪魔に憑かれた微駄男
Nagi the combat princess
えむえむえす ~My marriage story~

2013年

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白の女神と黒の英雄
深み填りと這上姫
キズナのキセキ
武装食堂
二アー・トゥ・ユー

2012年

美咲さんと先生
二人のマスター
類は神姫を呼ぶ
浸食機械
引きこもりと神姫
ライドオン204X
フツノミタマ
白濁!? 阪高神姫部
白い英雄を喰う黒い女神
マイナスから始める初めての武装神姫

2011年

流れ流れて神姫無頼
アスカ・シンカロン
MMS戦記
天海市神姫黙示録
UGV(仮)
Forbidden Fruit
すとれい・しーぷ
車輪の姫君
樫坂家の事情!
Slaughter Queen Esmeralda.

2010年

おまかせ♪ホーリーベル
戦うことを忘れた武装神姫
Gene Less
The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
PRINCESS BRAVE
神姫☆こみゅにけ~しょん
アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

2009年

せつなの武装神姫
双子神姫
鋼の心 ~Eisen Herz~
犬子さんの土下座ライフ。
狛犬はうりん劇場
Memories of Not Forgetting
Knuckle princess

2008年

武装神姫のリン
『不良品』
師匠と弟子
マリナニタSOS!(仮)
橘明人とかしまし神姫たちの日常日記
戦う神姫は好きですか
スロウ・ライフ
徒然続く、そんな話。
妄想神姫
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神姫ちゃんは何歳ですか?
剣は紅い花の誇り
EXECUTION
武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
神姫長屋の住人達。
三毛猫観察日記
クラブハンド・フォートブラッグ
武装神姫と暮らす日常
ネコのマスターの奮闘日記
ホワイトファング・ハウリングソウル
ハウリングソウル
Heart Locate
トバナイトリ>トベナイトリ
3Sが斬る!
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Raven and Cat~紅き瞳と猫の爪~
神姫大作戦
蒼空~アオゾラ~

2007年

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 無力感、虚脱感。それが、ネロという神姫を調べた後の私を、支配していた。
 どうしようもなかった。
 そんな言葉で片付けていい問題じゃない。そんなことはわかってる。
 でも、事実、どうしようもなかった。
 いっそ、調べなければよかった。そんな風にすら、考えてしまう。後悔先に立たず、とは言うけれど。
「……はあ」
 研究所の休憩スペース、そこに座って、そろそろ一時間。外は暗くなっている。夏の日は長いとはいえ、夏至はとっくに過ぎた8月。それなりに、日は短くなってきていた。
 いつまでもこうしているわけにはいかないのだけれど、どうにも自分から動く気にはなれなかった。
「……かすみ」
 いっしょにいた、はやてに呼ばれた。
「何、はやて?」
 億劫ではあったけど、ちゃんとはやての顔を見て、答える。この子も、幾分かショックを受けているのかもしれない。かつて私の所へ来た時のように、不安定な状態になってしまうかもしれない。
 そう思って、いたのだけれど。
「元気、出して」
 次に来たのは、優しい言葉と、柔らかな感触。
 はやてが、私の頭を抱いて、撫でてくれていた。
「……はやて……」
「あたしがつらい時、かすみ、いつもこうしてくれた」
 ふと思い出す。彼女がここに来たばかりの、不安定だった時期。
 私はよく、こうして彼女を落ち着かせていた。
「……だから、今度はあたしの番」
 そのことを、覚えていてくれた。
「ありがと、はやて……」
 優しい感覚に身を任せながら、私は言った。
「好きだよ、はやて」
 かつて、彼女を抱きしめながら言った言葉を、今度は彼女に抱きしめられながら。
「……あたしも、かすみの事、好きだよ」
「うん」
「あたしは、人じゃないけど……」
「うん」
「本当はあたし、神姫だけど……、それでも、かすみが大好きだよ」
「うん」
「だから、……元気出して」
「……うん」
 お互い知っていること。彼女の秘密。でも今まで、決して彼女から触れることはなかったこと。
 それを自分から口にしたのは、彼女の、精一杯で最大限の、私への励ましだったと思う。
 だから、私も。
 少し離れて、立ち上がって。彼女と目線を合わせて。
 彼女の唇と、私の唇を、重ねた。
 数秒の後、離れて。私は唱える。
「大好きだよ、はやて。……ううん」
 その名を。
「……アリス」



 丸一日以上経ってるから、充電は完了。あとは起動させるだけ。
 ふと、ミナツキを初めて起動させた時を思い出した。あれから半年も経っていないのに、ずいぶん昔のように感じる。
 いつしか、ミナツキは、私の中でとても大きく、大切な存在になっていたんだと、気付いた。
「……うん、よし」
 自分にうなずいて、起動スイッチを入れる。
 ゆっくりと、ミナツキのカメラアイ保護カバーが開いた。
「おはようございます、マス」
「ごめんなさい!!」
 決まりきった挨拶遮って、開口一番、私はミナツキに謝った。
「……あの、マスター?」
「ごめん、ごめんね、ミナツキ。ひどいことしてごめん、ずっと放っといてごめん」
 それしかないから、私は言葉の続く限り、ミナツキに謝り続ける。
 そしてその言葉も続かなくなって、ただ頭を下げるしかなくなった頃。
「……顔を上げてください、マスター」
 いつものような、猫型らしからぬミナツキの声に、私は頭を上げた。
「私は、マスターの神姫ですから。マスターがつらい時には、どんな方法であれ、つらさを軽くできるなら、それは私の喜びです」
 そこで、少し目を逸らして、
「で……ですから、一昨日のようなことであっても、ご要望でしたら……」
 普段の流麗な口調とは違う、今度はミナツキらしからぬ言い方に、少し、笑って。
「……もうしないよ、そんなこと」
 私は答えた。
「ありがとう、ミナツキ」



「――……ネロ!? ネロっ!?」
 慎一君の絶叫が聞こえてきたのは、二人して、若干やりすぎたと思い、気まずくなって離れてから、少しして。
 ちなみにこの間、私もはやてもすっかり存在を忘れていた第三者……舞と秋は、大いに大いに呆れていたらしいけれど。
 それはともかく、私は声のした方へ走る。
 そこに居たのは、しゃがみこんでネロ――動かなくなっていた――を、両手で抱える慎一君と、もう一人。
 呆然と立ち尽くす、同僚の小林高明さん。
 頭の中、一瞬で、点と点が繋がり、事態が理解できた。
 多重人格。高明さんの昔の仕事、違法神姫の、非合法な摘発。聞かされていた、半年前の、神姫を失った事件。そしてネロの記憶は、半年前から……。
 ――迂闊だった!
「かすみさん……、ネロが、ネロが、っ……!」
「落ち着いて、慎一君」
 むしろ私自身を落ち着かせるため、いつもより強めの口調で言って、ネロを覗き込む。反応がないのを見て、私は叫んだ。
「舞、秋! メンテベッド用意して!」

 なぜだろう、私はこの時、外の暗さに恐怖を覚えた。
 その暗さが、永遠に明けない――。そんな錯覚を、感じた。





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