第四話<十兵衛、推参>
ついに来た、この時が…。
そう、今日は
「う、初陣だな…」
「う、初陣ですね…」
はっきり言おう、俺たちはガッチガチに固まっていた。
「お、おおおい、どうした十兵衛さん。貴女ともあろうお方が緊張などと…」
「い、いいいいえいえ、マスター。その言葉そっくり返しますよ…」
『さぁ!本日の新人戦!次の試合だぁぁぁ!』
『ワ~!!!』
す、すごい熱気だ。
「だ、大丈夫さ、練習どおりにやれば勝てるはずだ…」
「は、はい!」
ジャッジのアナウンスが相手の紹介を始める。
相手はマオチャオタイプ。装備はほとんど初期装備だ。
そして
『さて!対するこちらは!タイプストラーフ!「十兵衛!!」その眼帯の奥に潜む闘志を見せてくれぇぇ!』
「見せてくれぇ…らしいぞ十兵衛さん」
「は、はい…がんばります」
対するこちらは当初の予定通り、レーザーライフルを背負った狙撃仕様だ。
『ステージは超広大!新都心が選択されたぞぉ!さあ!出場者の神姫とマスターは所定の位置へ!』
お、これはラッキーだ。ステージが広ければ広いほどこちらには有利だ。
そして俺達は言われるがまま所定の位置へ。
十兵衛はポッドに乗りこんだ。
「よし、がんばれよ!十兵衛!」
「はい!」
しかし俺は十兵衛を甘く見ていた。
まさかあんな戦いを見るなんて…。
『さぁ!両者準備は万端かぁ!』
「いくぞ!十兵衛!」
「はい!マスター!」
一方相手も
「あの眼帯を引っぺがしてやんな!」
「わかったにゃ!!容赦しないにゃ!」
と気合たっぷりだ。
そしてその時十兵衛が
「ごめんなさい、それ無理…」
と言ったのを俺は聞き取れなかった。
「いきます!」
と十兵衛は気合一閃。
『それでは皆さんお待ちかねぇ!神姫ファイト!レディー!!』
『ゴォォォォォォォ!!』
ついに俺と十兵衛の初戦が始まった。その瞬間
『試合終了。Winner,十兵衛』
とジャッジAIが結果を告げる。
言っておくが、別に戦闘場面を端折ったわけじゃない。
間違いなくこの速さで試合が決したのだ。
「う、うそ…」
「うにゃぁぁぁ」
相手は唖然…いや、俺も会場の観客も唖然。落ち着いているのは十兵衛のみ。
「勝ちました!マスター!」
「あ、あぁ…す、すげぇな…」
「マスター?」
「え、あぁ…あまりにもあっけなかったんでつい…」
『い、一体何が起こったんだぁぁぁ!試合時間はたったの2秒!スローで見てみるぞ!』
これは気になる!と会場内が大型モニターに釘付けになる。
俺も釘付け。
『スロー!スタート!』
試合が開始された。さまざまな角度から二体の神姫が映し出されている。それとともにステージ内の全景が映し出される。
マオチャオはまだ動いていない。
十兵衛は…
「な…」
なんと既にレーザーライフルを構え、射撃姿勢をとっていた。
そしてレーザーの光が発射される。
ビルの合間をかする事無く、正確に真っ直ぐ進むレーザー。
その先にはやっと動き出したマオチャオの姿があった。
「うにゃ!?」
驚きの表情に変わりつつあるマオチャオのデッドポイントをレーザーが貫く。
その場に倒れこむマオチャオ。
その驚愕の結果を目の当たりにして、会場内が静まる。
ジャッジが思い出したかのように
『い、以上がこの試合の内容だぁぁぁ!!なんて正確無比な射撃!タイプストラーフとは思えない落ち着いた攻撃法だぁぁぁ!』
その瞬間
『お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
と会場全体から歓声が上がる。
「お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺も歓声を上げていた。
「えへ、何か照れちゃいますね」
「十兵衛、お前やっぱすごいわ!」
『さぁ!どこまでいくのかこの二人!凪選手と十兵衛選手に期待だぁ!!!』
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
そう、今日は
「う、初陣だな…」
「う、初陣ですね…」
はっきり言おう、俺たちはガッチガチに固まっていた。
「お、おおおい、どうした十兵衛さん。貴女ともあろうお方が緊張などと…」
「い、いいいいえいえ、マスター。その言葉そっくり返しますよ…」
『さぁ!本日の新人戦!次の試合だぁぁぁ!』
『ワ~!!!』
す、すごい熱気だ。
「だ、大丈夫さ、練習どおりにやれば勝てるはずだ…」
「は、はい!」
ジャッジのアナウンスが相手の紹介を始める。
相手はマオチャオタイプ。装備はほとんど初期装備だ。
そして
『さて!対するこちらは!タイプストラーフ!「十兵衛!!」その眼帯の奥に潜む闘志を見せてくれぇぇ!』
「見せてくれぇ…らしいぞ十兵衛さん」
「は、はい…がんばります」
対するこちらは当初の予定通り、レーザーライフルを背負った狙撃仕様だ。
『ステージは超広大!新都心が選択されたぞぉ!さあ!出場者の神姫とマスターは所定の位置へ!』
お、これはラッキーだ。ステージが広ければ広いほどこちらには有利だ。
そして俺達は言われるがまま所定の位置へ。
十兵衛はポッドに乗りこんだ。
「よし、がんばれよ!十兵衛!」
「はい!」
しかし俺は十兵衛を甘く見ていた。
まさかあんな戦いを見るなんて…。
『さぁ!両者準備は万端かぁ!』
「いくぞ!十兵衛!」
「はい!マスター!」
一方相手も
「あの眼帯を引っぺがしてやんな!」
「わかったにゃ!!容赦しないにゃ!」
と気合たっぷりだ。
そしてその時十兵衛が
「ごめんなさい、それ無理…」
と言ったのを俺は聞き取れなかった。
「いきます!」
と十兵衛は気合一閃。
『それでは皆さんお待ちかねぇ!神姫ファイト!レディー!!』
『ゴォォォォォォォ!!』
ついに俺と十兵衛の初戦が始まった。その瞬間
『試合終了。Winner,十兵衛』
とジャッジAIが結果を告げる。
言っておくが、別に戦闘場面を端折ったわけじゃない。
間違いなくこの速さで試合が決したのだ。
「う、うそ…」
「うにゃぁぁぁ」
相手は唖然…いや、俺も会場の観客も唖然。落ち着いているのは十兵衛のみ。
「勝ちました!マスター!」
「あ、あぁ…す、すげぇな…」
「マスター?」
「え、あぁ…あまりにもあっけなかったんでつい…」
『い、一体何が起こったんだぁぁぁ!試合時間はたったの2秒!スローで見てみるぞ!』
これは気になる!と会場内が大型モニターに釘付けになる。
俺も釘付け。
『スロー!スタート!』
試合が開始された。さまざまな角度から二体の神姫が映し出されている。それとともにステージ内の全景が映し出される。
マオチャオはまだ動いていない。
十兵衛は…
「な…」
なんと既にレーザーライフルを構え、射撃姿勢をとっていた。
そしてレーザーの光が発射される。
ビルの合間をかする事無く、正確に真っ直ぐ進むレーザー。
その先にはやっと動き出したマオチャオの姿があった。
「うにゃ!?」
驚きの表情に変わりつつあるマオチャオのデッドポイントをレーザーが貫く。
その場に倒れこむマオチャオ。
その驚愕の結果を目の当たりにして、会場内が静まる。
ジャッジが思い出したかのように
『い、以上がこの試合の内容だぁぁぁ!!なんて正確無比な射撃!タイプストラーフとは思えない落ち着いた攻撃法だぁぁぁ!』
その瞬間
『お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』
と会場全体から歓声が上がる。
「お、おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺も歓声を上げていた。
「えへ、何か照れちゃいますね」
「十兵衛、お前やっぱすごいわ!」
『さぁ!どこまでいくのかこの二人!凪選手と十兵衛選手に期待だぁ!!!』
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
そうして帰路、自転車のかごにはトロフィーがあった。
結果はなんと優勝。試合時間は平均4秒だった。
さすがに読まれやすい攻撃パターンだったので、試合開始直後に一気に動き出す相手が多かった。
しかし新人戦のためか、十兵衛にとってその直線的な動きは敵ではなく次々と撃ち落されていった。
「勝ったな…」
「はい!練習どおりです!」
いや、練習以上だって。ありえないってばこのスコア。おかげで協会からの通達によりサードを飛び越えてセカンドに昇格してしまった。どうやらその協会の調査によると戦闘スキルは最低B以上(ほとんど戦闘らしい戦闘をしていないため、それ以上は調査不能だったそうな)だったらしく、スキルC以下までしか入れないサードにはいてはいけないらしい。
「いきなりやばい事になったなぁ…」
と心配になる俺。しかし十兵衛は
「大丈夫ですよ!がんばりましょう!」
とやる気満々。
「ま、とにかく優勝おめでとう!」
「はい!有難うございます!」
「よし!かわいい服を買ってやる!」
「はい!有難うございます!…ってえぇ!?」
一気に顔が赤くなる十兵衛。
「ふふふ、何を着せてやろうかなぁ~?」
「そ、そんな…似合いませんってばぁ」
ええい、遠慮はいらぬぞ十兵衛殿!
「いや!似合う!間違いない!いくぞ買いに!!」
「え、今からですかぁぁぁ!」
「お~う!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ」
結果はなんと優勝。試合時間は平均4秒だった。
さすがに読まれやすい攻撃パターンだったので、試合開始直後に一気に動き出す相手が多かった。
しかし新人戦のためか、十兵衛にとってその直線的な動きは敵ではなく次々と撃ち落されていった。
「勝ったな…」
「はい!練習どおりです!」
いや、練習以上だって。ありえないってばこのスコア。おかげで協会からの通達によりサードを飛び越えてセカンドに昇格してしまった。どうやらその協会の調査によると戦闘スキルは最低B以上(ほとんど戦闘らしい戦闘をしていないため、それ以上は調査不能だったそうな)だったらしく、スキルC以下までしか入れないサードにはいてはいけないらしい。
「いきなりやばい事になったなぁ…」
と心配になる俺。しかし十兵衛は
「大丈夫ですよ!がんばりましょう!」
とやる気満々。
「ま、とにかく優勝おめでとう!」
「はい!有難うございます!」
「よし!かわいい服を買ってやる!」
「はい!有難うございます!…ってえぇ!?」
一気に顔が赤くなる十兵衛。
「ふふふ、何を着せてやろうかなぁ~?」
「そ、そんな…似合いませんってばぁ」
ええい、遠慮はいらぬぞ十兵衛殿!
「いや!似合う!間違いない!いくぞ買いに!!」
「え、今からですかぁぁぁ!」
「お~う!」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ」
結果
着物(さくら○戦的な)とデニム、ダウンジャケット等可愛いというよりカッコイイ感じの服を中心に買ってしまった。
今度こそかわいい服を買ってやろう。そうしよう。
着物(さくら○戦的な)とデニム、ダウンジャケット等可愛いというよりカッコイイ感じの服を中心に買ってしまった。
今度こそかわいい服を買ってやろう。そうしよう。