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姫の閉ざされし檻、呪われし高貴(その一)




──哀しみの姫を見据え、しかし怒りより先んじて生じるのは“真心”。
それは今まで生きてきた私達の全存在を、肯定するが為に産まれるエゴ。
しかしエゴでも良い……ただ助けたい。その為には、“知る”事だ──。



第一節:孤独




ロキに掌を撃たれた翌朝……私・槇野晶の手は藤村先生の見立て通りに、
傷の痛み以外は特に何の問題もなく動かす事が出来た。微細な作業は些か
手間取る物の、何事もないという事実だけで十分と言える。故に神姫達と
朝食を取りつつ、私はあのMMS……“ロキ”について整理する事とした。

「むぐ……という訳でだ、もう一度ちゃんとした推論をだな……はむ」
「ああもう、マイスター!喋りながら食べちゃ行儀が悪いですのっ!」
「んぐ。す、すまんなロッテ……しかしここまでせんでも、食事位は」
「ダメですよ?少しでも回復を早めないと、色々大変なんですからっ」

……なんとも締まらぬ姿で申し訳ないな。ロキについて、話し合おうと
試みてはいるのだが、アルマとロッテが私の肩から退いてくれぬのだ。
『マイスターは手が命』と言い、私に……その、ええと、あれだ。所謂
“あ~んして♪”をな……煩い、笑うなッ!?厚意を無に出来るかッ!

「先生のお話通りなら大丈夫なんだろうけど、念には念を……だよ?」
「クララ、じゃないな……梓までそんな事を言うのか。心配性だぞっ」
「……心配の一つや二つ、当然だよ。マイスターは、特別な人だもん」

HVIFを纏ったクララ……“梓”は、食べ終わった食器をいそいそと
片付けつつ嘆息する。いや、案じてくれるのはとても嬉しいのだが……
どうもこう、な?意識し始めている“心”の所為で、色々とむず痒い。
で、そうしている間にも私の口には梓の焼いたパンケーキが運ばれる。
……なんというか、人間として色々ダメになってしまいそうだ。むぅ。

「はむ……ん、有無。旨かった……御馳走様、梓にアルマとロッテや」
「ん。そう言ってもらえると、みんなで焼いた甲斐がありますの~♪」
「最近はマイスターも頑張って料理してましたからね、お礼ですよっ」
「……この輪にもう一人、増えてくれる事を今から祈ってるんだよ?」

そう、あれだけの哀しみを抱えた娘をこれから相手取るというのに……
些か不謹慎な気がせんでもない。しかし、こうして皆の居る“幸せ”を
実感すればこそ、彼女にもこの“団欒”を分け与えてあげたいと思う。
出来る事があり、やる意志があり……微力ながらその為の力さえある。
傲慢でも偽善でも構わぬ。それこそ、私達に出来る最大限の事なのだ!

「となれば、後は幾つ彼女の事を知る事が出来るか……に尽きる訳だな」
「そうですね。あたし達が知っているのは、まず彼女が神姫ではなくて」
「でも神姫のプロトタイプを元に作った、神姫に極めて近い存在ですの」
「製造理由は犯罪。お姉ちゃんの“お姉さん”を殺したのも、テロだよ」
「その一件が汚点となりマスター達を喪い、自身も秋葉原に棄てられた」

同時に彼女は“妹”達をも悉く喪い、“人間”には酷い仕打ちを受けた。
それらの経験と、今まで“愛されていた”という自負の反動で……彼女は
奈落の様に暗く深い“憎悪”へ、その小さな躯を任せる事となったのだ。
食器を片付け戻ってきた梓と共に、四人でロキの“孤独”を再認識する。

「そして、あの娘は人間社会の全てを滅ぼそうとさえ考えてるんだよ」
「でも……ロキちゃんには、まだ迷いがありましたの。その証拠こそ」
「……マイスターが、あたし達を庇った時に見せた動揺……ですね?」
「有無。実際問題、ロキがその気になれば皆殺しにも出来た筈なのだ」

しかし彼女は、私達の行動に酷く怯え……逃げ去った。だが、遠くには
行っていないという直感がある。彼女が迷いを確かに抱えているなら、
恐らく遙か遠くへ逃げていく事には……まだ躊躇いがあるはずなのだ。
迷いが残っている内に、私達は手を打たねばならん。残り時間は僅か!

「あの娘の“己は不要なガラクタ”という意識を、解きほぐさねば」
「でも、その為には説得材料も必要ですし……戦う事も必要ですね」
「……ボクも、そう考えていたんだよ。きっと言葉だけでは、ダメ」
「悪を為したのは事実ですの。それは、誰かが教えるべき事ですの」

私以上に、“妹”達が腹をくくっている事に驚いた。それは、ネット等で
検索して“ラグナロク”の実態と末路を知った故の事だろうか。それとも
『嫌われても助けたい』という、確固たる信念から生じた覚悟だろうか。
ここで破損のリスクを私が言い出すのは、野暮と言えるだろう。それだけ
皆の持つ“琥珀色の瞳”は、強い輝きを放っていたのだ。厳密には梓は、
翠色だが……神姫素体ならば、琥珀色に輝いている事は疑いようがない。

「ふむ……行動を起こす前に、少々相談したい奴がいる。皆で往くか」
「相談、ですか?あ、もしかしてあの人、ですね?大丈夫です……?」
「何、奴はああ見えて顔が広い。私達の知らぬ情報を握っている筈だ」
「じゃあ、一度行ってみますの。迷っている時間は殆ど無いですの!」
「それなら、早速支度するんだよっ。身なりを整えて、それから……」

──────あの娘の孤独を、どうしても祓いたいからね……。



第二節:現実




地下鉄を乗り継ぎ、地上線にも乗って目指したのは……“あの”商店街。
移動中、私の頬は日の出よりも紅かったかも知れぬ。いや、そのな……?

『晶お姉ちゃん。そのケガでお風呂は危ないから、躯を拭くんだよ?』
『ま゛、いや待て!?そ、それ位は己で出来る!アルマ、ロッテッ!』
『ご心配には及びませんの~♪お風呂は、わたし達だけでも……ね♪』
『どうにかなりますから、マイスターは梓ちゃんにお願いして下さい』

……というわけだ。笑うな!脚は無事なのだ、今すぐ蹴ってやるぞ!?
その……いや、思い出すのは止めよう。不審人物にしか見えん。兎に角
身なりを整えた私達は、開店準備中の“ホビーショップ・エルゴ”へと
やってきた。軒先で忙しなく働く、日暮めの姿が目に飛び込んでくる。

「お、久しぶりだね晶。そっちの娘は見た目からすると、葵ちゃんの」
「槇野梓なんだよ。日暮さん、宜しくね……今は、大丈夫なのかな?」
「へぇ……人間の妹さんも三姉妹か。ん、予約とか無いし大丈夫だよ」
「すまんな、どうしても今相談したい事が出来てしまったのでな……」
「手を怪我してるのか、晶ちゃ……ごふごふッ。まぁ、店に入りなよ」

アポ無しの訪問にも拘わらず、日暮は快く私達を迎え入れた。恐らくは、
私の“手”を見て『只ならぬ事態が起きた』という事を感じたのかもな?
ともあれ店に通された私と梓は、各々の胸ポケットからロッテとアルマを
降ろしてやり、自分達もテーブルに付く。そして“相談”が、始まった。

「……へぇ。テロ支援用に作られた神姫の親戚が、秋葉原にね……?」
「貴様も何かしらのニュースで聞いたろう、連続爆発“事故”の事を」
「そりゃあね。で、晶はその真犯人を見つけた……どうするんだい?」
「無論、助けますの。匿うという意味ではなく、更正を試みますの!」
「危険物を隠匿している、なんて後ろ指を指されるかもしれないけど」
「指したい人には指させればいいんです……邪悪じゃない、ですから」

込み入った話でも、此奴ならば多少は腹を割って話せる物だ。そう言う
“絆”こそが、何にも代え難い宝であると……私はつくづく実感する。
一通り状況を説明し終えた所で、日暮は唇を釣り上げて笑って見せた。

「正義の為にその娘を破壊する、とか言うよりはよっぽどいい態度だな」
「そうですね。晶さんは、そもそもそういう発想が出ないでしょうけど」

黙って話を聞いていたジェニーと共に、日暮が愉快そうに笑った。そう、
彼らも“正義の為”というお題目よりは、“現実と信念”を重要視する。
それが確実で、尚克広いコネを持っているだろうからこそ、頼った訳だ。

「実はさ。最近とある筋で、ちょっと面白い怪情報を聞いたんだけどね」
「……む?何だ、というか……そういう情報を迂闊に流して良いのか?」
「まぁ大丈夫さ、晶ちゃん達なら言いふらしたりしないだろ?っと……」

私の殺気に、日暮が手を振って発言を撤回する。良い心がけだ。ともあれ
日暮が“此処だけの話”として明かしたのは、実に興味深い情報だった。
それは彼女の……呪われし“姫”の、助けを求める叫びとも言える奇行。

「スウェーデン語で、警察署に“怪文書”のメールが届いたんだってさ」
「何?スウェーデン語だと!?……な、内容は何だ。どんな話なのだ?」
「“この世全てを呪ってやる”って一文だけ。犯行声明でさえないけど」
「それだけ、か……しかしだ、そういう物をわざわざ送る者は得てして」
「“心”の何処かで、止めてくれる事を望んでいるケースがありますね」

しかも良く聞けば、発信地は秋葉原のネットカフェなのだという。多分
あのロキが、回線を乗っ取るかPCを借用して送信したのかもしれん。
何故なら、該当する回線のPCは発信当時……使用されていないのだ。
私達は、確信した……彼女が止めてほしがっているという“想い”を!

「マイスター、そうと決まったら……ロキちゃんを捜しますのッ!」
「止めてほしいと願うなら、止めてあげないといけませんしね……」
「晶お姉ちゃん。それが分かったら、早速探しに行きたいんだよっ」

せがむ“妹”達に促され、私は立ち上がる。ロキの本心が垣間見えた今、
尚のことチャンスを逃したくないという想いが強くなっているのだろう。
そうなれば、私も全力を以て彼女らを支えねばならん。それが私なのだ!

「有無。日暮、重要な情報に感謝する。この穴埋めは、何れしよう」
「頑張ってくれ、晶。首尾良く助け出せたら、見せに来てくれよ?」
「神姫と似た仕様ならば、センターで充電しそうです……御武運を」

日暮の声援とジェニーの助言を受けて、私と梓は胸ポケットに神姫達を
収めて、“エルゴ”を飛び出した。電車が来るのも待ち遠しい。兎に角
最も近寄りそうな神姫センター……即ちアキバのセンターへ赴くのだ。
理論的かどうかは定かでないが、全ての可能性を試行する意味はある!

「……お願いなんだよ、ロキちゃん。ボクらの前に、もう一度だけ……」
「姿を見せてください、ロキちゃん……貴女を、どうしても助けたい!」
「ロキちゃん……どうか、どうか秋葉原に居て下さいですの……ッ!!」

──────呪いを解きたいその想いが、皆を一つに繋ぐんだね。







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