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えむえむえす ~My marriage story~

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引きこもりと神姫
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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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アルトアイネス奮闘姫
ロンド・ロンド

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双子神姫
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犬子さんの土下座ライフ。
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武装神姫のリン
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戦う神姫は好きですか
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武装神姫~ストライカーズ・ソウル~
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ハウリングソウル
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白い天使に舞い降りた奇跡



年の瀬も迫るころ・・・街はクリスマスムード一色。
夕暮れ迫る頃にはイルミネーションの灯がともされ、より一層あでやかな表情となる。
そんな本通りの片隅、赤煉瓦作りを模した小洒落た外観を持つロボット専門店のショーケースに・・・凛々しいスタイルで飾られているアーンヴァルがいた。
両の手にサーベルを構え、白く輝く翼を背負い、今にも飛び出そうといわんばかりの格好・・・ではあったが。

どことなく、うつろな表情で。どこかしら、哀しい目つきで。
ショーケースの内側から、街の灯りを・・・行き交う人々を眺め続けていた。


彼女は、この店の武装神姫のディスプレイとして・・・発売されたその日から、いわば仮起動の形で置かれていた。
AIは起動しているものの、自らの意志で動くことは出来ず、焦点もディスプレイを覗いた人と目が合う位置で固定されて。
移りゆく季節をぼやけた視界で眺め続け、時折足を止めて自分を見てくれる人の顔を覚えるだけが楽しみの毎日。

今日も、いつもと同じ曖昧な景色を眺める・・・はずだった。


低い日差しの日が沈もうという頃、アーンヴァルの収まるショーケースを見ていたカップルが声を上げた。
 -ホワイトクリスマスだ-
何のことか、わからないアーンヴァル。 だが視界には、ちらちらと白い物が映る。 一体なんなのだろう。確認したい・・・でも・・・。
そんな願いが通じたものか。 突如、センサーが・・・アイセンサーが動き、焦点を動かすことが出来るようになった。

ちらちらと舞うものは、雪。 道行く人が数年ぶりに積もりそうだと言いながら過ぎてゆく。
まだ浅いAIをフル作動させて雪というものを解析しようとしたアーンヴァルだったが。 目の前に広がる、初めて鮮明になった世界に、全てを奪われた。
様々な色と光が舞い踊り、幻想的な世界に・・・空からの小さな天使たちが舞い降りる。
街行く人々は皆幸せそうな笑みを浮かべながら白い便りを受け取っている。

店の前では買ってほしいと駄々をこねて泣く子供もいれば、胸にマオチャオ・ハウリンを収めてショーウインドウを眺めるサラリーマンの姿も。

だが、皆・・・その場を立ち去り、光あふれる世界へと消えていく。 サラリーマンの胸に収まったマオチャオが、手を振りながら遠ざかってゆくのを見たとき。 アーンヴァルの中に、今までには決して湧き上がらなかった感情が芽生えた。

仮起動させられたその時から、アーンヴァルは思っていた。自分には決して「マスター」は現れない。 妹たちの道しるべとなるべく、武装神姫たる姿を示し続けることが私の仕事。 ・・・そう思っていた。

深々と雪が降るにぎやかな世界を、ガラス越しに眺めながら・・・沸々と湧き上がる、もっと世界を知りたいという欲望と、取り残されているのではないかという不安。 そして。本当は自分も、自分にも・・・マスターが現れる事を待っていたのではないかと・・・。

いたたまれなくなり、アイセンサーのフォーカスをずらしてガラスに映る自分の姿に・・・今までと同じ位置に合わせ、見慣れた自分の姿を見つめていると。
 じわり。
視界に、今までとは異なるゆがみが生じた。

 ・・・涙。

仮起動のはずなのに、涙の機能も作動するなんて。
外を行き交う人の影よりもずっと小さく、いつもよりも自分の姿がもっと小さく見える・・・。

ふと、聴覚センサーに鐘の音が響いた。 時計塔の鐘・・・。
街の灯りがひとつ、またひとつと消え始めた。 人の気配は多いけれど、街はそろそろお休みの時間。 今日は悲しい気持ちのまま、寝ることになるのだろうか・・・。その前に、もう一度だけ、怖いけれども世界を見ておこう・・・フォーカスを再び動かし、ガラスの外にピントを合わせたそのときだった。

目の前に、ポケットにマオチャオとハウリンを入れた、あのサラリーマンが・・・白い息を吐きながら、肩には雪を載せて立っていた。 胸のハウリンがサラリーマンの襟を引っ張りながら、アーンヴァルの方を指して何か言っている。マオチャオはといえば、ニコニコしながら何かを伝えようとしているのか、ぶんぶんと手を振っている。
サラリーマンはすでに一部消灯されたショーウインドウに顔を近づけ、吐息で曇るガラスを時折きゅっきゅと袖で拭きながら、アーンヴァルをやさしげな瞳で見つめて・・・。 小さく頷くと、ショーウインドウの前を立ち去った。

お願い・・・行かないで・・・! 私を・・・私をいっしょに連れて行って!

声にならない、心の叫びを上げるアーンヴァル。
すると。 ショーウインドウの明かりが、再度点された。 何事なのか、驚くアーンヴァルの背後で、今度は扉が開けられる音に続き、視界が、景色がぐるりと廻り、久々に店内へと持ち込まれた。半分灯りの落とされた、薄暗い店内でまだ明るさの残るカウンターに載せられたアーンヴァル。 そうか、またポーズの変更なんだろう・・・と、アーンヴァルの立てた予測は大胆にもはずされた。

電源の通ったクレイドルに、起動前のスタンダードスタイルで載せられ、カタカタと背後でなにやら操作がなされてアイセンサーが、瞳が強制的に閉ざされた。

かちり。
アーンヴァルの脳裏に、いつもと違う感触が走る。 ・・・手足に、力が入る。 動く!!

間違いない、これは・・・。
 ・・・高ぶる気持ちを抑えながら、おそるおそる目をあけた。

「やぁ、はじめまして。ウチが、君のマスターになるヒサトオっちゅーもんです。 で、こちらがハウリンのシンメイ、アタマにのっかっているのが見ての通りマオチャオのエル・・・ガーーーー!! こら、髪の毛ひっぱるなーーー!!!」
まるで外の世界の楽しみを丸ごと背負ってきたような雰囲気を漂わせた、あのサラリーマンが・・・自分が一目惚れしたひとが・・・!!!
店長となにやら楽しそうに会話するヒサトオと名乗った男。 話の内容から、アーンヴァルはすぐに理解した。このひとも、今の瞬間を待っていたのだ、と・・・!
「君の名前なんだけど・・・夕方に君を見たときにビビッと思いついたこの名前でもいいかなぁ。シンプルだけれど、奥が深いと思うんだ。 どうだい、『イオ』ちゃん。」

先とは違う涙がわきあがる。

「帰ってから起動させてあげてもよかったんだけれど、この街でホワイトクリスマスなんてそうそうあるもんじゃないからね。無理を言ってお願いして、ここで起動させたんだ。 ・・・じゃ、みんなで一緒に帰ろうか。奇跡の夜を存分に楽しみながらねっ!」

そっと手を差し伸べるマスターとなるひとの顔も、一緒にいる神姫たちの顔も滲んでしまった。 でも、自分の手で拭けばいい。
フォーカスだって、我慢することも無い。 眺めるだけだった世界へ、自らの脚で飛び込んでいける・・・!
差し伸べられた手にゆっくりと乗り、マスターの顔を見上げて。 初めて発する言葉に、今の思いをありったけ詰め込んで-。


 「よろしくお願いいたします、マスター!」




  白い天使が舞い踊る街で。
     地に降りた小さな天使にも、
        届けられた大きなプレゼント。

   そう。今宵はクリスマス。
       皆が、幸せあふれる夜となりますように・・・。
















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