戦うことを忘れた武装神姫 その35
とある休日。
僕はツガルのマーヤと共に昼飯がてら近場の公園を散策していた。
穏やかな天気の午後とあって、公園内は家族連れも多い。
僕はツガルのマーヤと共に昼飯がてら近場の公園を散策していた。
穏やかな天気の午後とあって、公園内は家族連れも多い。
「そろそろ紅葉の季節だね・・・」
僕が言うと、
「・・・朝晩が涼しくなりましたから・・・。」
ポケットに収まるマーヤも木立を吹き抜ける風を感じていた。
僕が言うと、
「・・・朝晩が涼しくなりましたから・・・。」
ポケットに収まるマーヤも木立を吹き抜ける風を感じていた。
・・・と、突如子供の泣き声が側から響いてきた。・・・やべっ、転ばせたか?立ち止まって振り返る。 なんだ、別に転ばせたりしたわけでは無さそうだ。単に駄々をこねているだけかな。
「あの、おにいさま・・・あれ・・・っ!」
再び歩き出そうとしたとき、マーヤが僕を呼び止めた。 マーヤの視線の先には、ジュビジーが風船にくくりつけられフワフワと上昇しているではないか。
その下では子供が泣き叫び、おそらく母親と思しき女性がうろたえていた。 ・・・おいおい、何をしたんだあんたたちは。
「あの、おにいさま・・・あれ・・・っ!」
再び歩き出そうとしたとき、マーヤが僕を呼び止めた。 マーヤの視線の先には、ジュビジーが風船にくくりつけられフワフワと上昇しているではないか。
その下では子供が泣き叫び、おそらく母親と思しき女性がうろたえていた。 ・・・おいおい、何をしたんだあんたたちは。
幸いにも風船は紐が木の枝に引っかかったが、とても手が届きそうもない高さ。 母親が周囲の人に声をかけ助けを求めてはいるが、宙づりのジュビジーが半ばパニックとなり、早くしないと・・・
「あっ!!」
様子を見ていた一人が声をあげた。 ジュビジーが暴れたことで風船の紐が枝から外れ、再び上昇を・・・こりゃいかん・・・!!
「あっ!!」
様子を見ていた一人が声をあげた。 ジュビジーが暴れたことで風船の紐が枝から外れ、再び上昇を・・・こりゃいかん・・・!!
「おにいさま、私を投げて下さい!」
さっとフル装備を整えたマーヤがポケットから飛び出した。
「おう、了解だっ!」
さっとフル装備を整えたマーヤがポケットから飛び出した。
「おう、了解だっ!」
マーヤが何を言いたいか、目を見ればわかる- 。身を丸めたフル装備のマーヤを手に乗せ、かつてリトルリーグ時代には地区準優勝まで導いた自慢の肩で-
「どっせぇいっ!!!」
風船めがけてマーヤを放った。
「どっせぇいっ!!!」
風船めがけてマーヤを放った。
どこまでも抜けるような青い空を撃つ、赤い弾となったマーヤ 。 さっくり風船を撃ち抜き、すぐさま全身の装備を展開、エアブレーキと同時にバーニア全開で反転。悲鳴を上げて自由落下するジュビジーに追いつき・・・見事にキャッチ。
重量の割には高い出力のある装備を纏うツガル型であるマーヤは、軽々とジュビジーを抱きかかえて、かの子供の手の届く高さの枝へと降り立った。
「ふぅ・・・ミッションコンプリート、ですね。」
子供の手の中に飛び込むジュビジーを確認し、ほっと一息ついたマーヤがふわりと肩へと戻ってきた。 周囲から沸き上がる歓声と拍手。
「おつかれさん。」
「おにいさまこそ、ナイスで正確なスローでしたよ。」
・・・聞けば、母親が目を離した隙に子供が風船にジュビジーを結びつけて、振り返ったときにはあの状況だったらしい。
「今度からは悪戯をしないようにね。神姫はおもちゃじゃないんだよ。」
まだ涙目の子供に、しゃがんで声をかける。 横では母親がまるで何かの、それこそおもちゃのように頭をヘコヘコ下げている。なにも、そこまでされる柄じゃないってば・・・ん? どうしたマーヤ?
重量の割には高い出力のある装備を纏うツガル型であるマーヤは、軽々とジュビジーを抱きかかえて、かの子供の手の届く高さの枝へと降り立った。
「ふぅ・・・ミッションコンプリート、ですね。」
子供の手の中に飛び込むジュビジーを確認し、ほっと一息ついたマーヤがふわりと肩へと戻ってきた。 周囲から沸き上がる歓声と拍手。
「おつかれさん。」
「おにいさまこそ、ナイスで正確なスローでしたよ。」
・・・聞けば、母親が目を離した隙に子供が風船にジュビジーを結びつけて、振り返ったときにはあの状況だったらしい。
「今度からは悪戯をしないようにね。神姫はおもちゃじゃないんだよ。」
まだ涙目の子供に、しゃがんで声をかける。 横では母親がまるで何かの、それこそおもちゃのように頭をヘコヘコ下げている。なにも、そこまでされる柄じゃないってば・・・ん? どうしたマーヤ?
「おにいさま大変です! あと・・・15分で、これから行くラーメン屋の替え玉無料サービスが終わってしまいます!!!」
差し出された小さな神姫サイズの懐中時計を見れば、時刻は間もなく14時。
差し出された小さな神姫サイズの懐中時計を見れば、時刻は間もなく14時。
「うおぉ! い、いかん! いそぐぞっ!!」
「はいっ!」
再びマーヤをポケットに収め、僕はラーメン屋を目指し秋の風を頬に感じながら、公園を駆けていった。
「はいっ!」
再びマーヤをポケットに収め、僕はラーメン屋を目指し秋の風を頬に感じながら、公園を駆けていった。