第4話 「武装」
かくてユーザー登録も終わり、ようやく付属していた『基本武装』ってのを開けてみたんだが。
「……またエラくトゲトゲしいフォルムだな」
「一応『悪魔』をモチーフにしてますから……」
呆れる俺と苦笑するルーシー。
背中に付いた飛行機の翼っぽいモノからにょっきり生えた太い腕にデカい爪。
足にはやたらとゴっツいブーツが付いて、ルーシーの身長が一気に1.5倍くらいになった。
それだけでもうシルエットはすっかり別物になったが、他の装備ってのもまたアレだ。
飛行機の翼に付いてた悪魔っぽい羽は分離して大小4本のナイフになり、デカブーツの爪先には短めのナイフ。 トドメとばかりにルーシーのおさげを取り外した頭にまで、デカい触角みたいなナイフ……というか剣が2本くっつくという始末。
TVのCMじゃ白い天使に目が行ってたんであんまり分からなかったが、コレでもかというほど凶悪なビジュアルだ。
……もっとも、装備してる本人がなんだか申し訳なさそうな顔してるのがアンバランス。
「や、別にお前のせいじゃないし」
「スミマセン……」
ますます顔を赤くして縮こまる……というか背中の腕がジタバタしてる。
自分の身体を隠そうとしてるのか?
「なんか思いっきり近距離戦闘用って感じだな」
「一応飛び道具もありますよ?」
「……ナニそのドラム缶がくっついたようなの?」
「これは『シュラム・リボルビング・グレネード・ランチャー』といいまして、状況によって弾の種類を替えられるスグレモノなんですよ」
……コイツ、実は結構マニアか?
もう1つ付いてた拳銃には『リボルバーは美学ですが弾数が少ないのが唯一にして絶対的な難点です』と微妙に不満げだったし、羽ナイフの時も『クールなトットリのナイフだ』とか言ってたし……マニアの話は濃ゆいんで流したけどな。
……実のところ、俺たちにはもっと大事な問題があるんだから。
注:「クールなトットリのナイフ」…『グルカ・ククリナイフ』の聞き間違い。