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*アスカ・シンカロン08
**~芯袈~
「オマエ、どういうつもりなんだよ!!」
当たって欲しくない予想に限って当たる。
もしかしたら別の神姫かもしれないという微かな希望は、筐体から出てきた夜宵の姿によって打ち砕かれた。
彼女が連れている白いストラーフ。パールの武装は、紛れも無く先ほど戦った悪魔型のそれ。
「どういうつもりって、何が?」
「アレじゃあまるで、明日香を、……痛て!?」
「……」
頬をつねられ、言葉を切る北斗。
肩の上で明日香がうつむいたまま北斗の頬を引っ張っていた。
「……なによ、それじゃあまるで、ホントに……!!」
そんな神姫の仕草に言いよどみ、そのまま無言で背を向ける夜宵。
「……」
バイザーに遮られ表情は見えないが、パールの唇が笑みの形だったのは見間違いだろうか?
言葉を続ける事も出来ず、北斗は黙って彼女を見送るしかない。
頭上のディスプレイでは、いまだ続いているバトルの様子がリアルタイムで映されている。
パールは敗北していない。
明日香が敗れ去った直後にサレンダーを宣言し、戦場を出ていた。
まるで、明日香以外は眼中に無いと言うかのごとく……。
パールの戦い方は始終、こちらを捕まえる事のみを目的としていたように感じられる。
神姫の武装では、基本的に神姫に致命傷を与えることは出来ない。
だから、戦闘中に神姫を破壊することは不可能。
それが建前だ。
だから、パールの戦い方はある意味では正当だとも言える。
軽く、回避力に優れる軽量級神姫を捕まえるのは、ある意味では妥当なのだ。
だから、北斗が感じた違和感は、神姫の戦いには不釣合いなまでの殺意だけ。
あの神姫は、明日香を殺す事を目的としていたような気がしてならない……。
「……くそっ」
だが、それを客観的に証明できない以上、それはただの言いがかりだ。
だから北斗は、泣きながら走り去る夜宵に何も言えない。
「くそっ!!」
「……」
もう一度悪態をつくが、肩の上の明日香は黙ったままだった。
◆
神姫の武装や腕力で、神姫に致命傷を与えることは出来ない。
だが。
それ以外なら?
例えば、高いところから落す、とか。
高々度で飛行能力を奪われれば、神姫も当然墜落する。
推進器のダメージだけで、羽根が残っているのなら軟着陸も可能だろう。
仮に翼を失っても、落下のダメージだけならばギリギリで耐えられるように限界高度の設定はなされている。
だが、もしも。
空中で組み付かれ、神姫二体分の重量で落下した挙句。
仮に。
そこから全力で叩きつけられでもしたら?
それが、最も致命的な首や頭部にかかるように行われたら?
神姫を破壊する事は、決して不可能では無いだろう。
もちろん仕掛けた側の神姫も無事では済むまい。
そして、神姫のロジックはその様な行為を許さない。
だから誰もそんな危険に曝される事は無い。
そのはずだ。
だけど。
それが成されていたのなら、明日香は今頃……。
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そろそろ解答編ですかね?
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