「さあ、午前の部最後の試合です!」
アナウンサーがそう告げる。
「虎門から、Oグループを勝ち上がった渡瀬美琴選手とアーサー選手、対して龍門からは、Pグループを制した上岡修也選手とリュミエ選手の入場です!」
決勝一回戦最終試合ということで、周囲の熱気はかなり高まっていた。
「橘さん、この試合のポイントなどは?」
「そうですね、まず、アーサー選手がリュミエ選手の第一撃を受けきれるか。これが重要になってくると思います」
第一試合の時に比べてだいぶ解説が上手くなってきてるなあ・・・・・・と微妙に失礼な事を、修也は思った。
「マスター」
リュミエの声に、意識を戻す。
「指示は?」
「変わりなし。いつもと同じだ」
「了解、です」
答える声が、少し硬い。
「緊張してるか?」
「・・・・・・少し」
この大舞台だ、無理もない。
「大丈夫だ、いつもどおり、いくぞ」
「はいっ」
アナウンサーがそう告げる。
「虎門から、Oグループを勝ち上がった渡瀬美琴選手とアーサー選手、対して龍門からは、Pグループを制した上岡修也選手とリュミエ選手の入場です!」
決勝一回戦最終試合ということで、周囲の熱気はかなり高まっていた。
「橘さん、この試合のポイントなどは?」
「そうですね、まず、アーサー選手がリュミエ選手の第一撃を受けきれるか。これが重要になってくると思います」
第一試合の時に比べてだいぶ解説が上手くなってきてるなあ・・・・・・と微妙に失礼な事を、修也は思った。
「マスター」
リュミエの声に、意識を戻す。
「指示は?」
「変わりなし。いつもと同じだ」
「了解、です」
答える声が、少し硬い。
「緊張してるか?」
「・・・・・・少し」
この大舞台だ、無理もない。
「大丈夫だ、いつもどおり、いくぞ」
「はいっ」
「それでは第八試合、アーサーVSリュミエ、レディー・・・・・・、ゴー!!」
試合開始早々、リュミエは全力加速。あっという間に、青い騎士の装甲に身を包むアーサーに接近する。
「ふっ!」
「むぅ!」
次の瞬間には、試合開始時と同等の距離をおいて反対側にいる。
アーサーは剣を横に構えたまま、開始位置を動いていない。
だが、その剣には2,3発のほんの小さな弾痕、そして一直線に走る焦げ目がついていた。
「この剣の傷・・・・・・、高くつくぞ!」
「・・・・・・やっぱり仕留められなかった、か!」
それぞれ言葉を発しながら、アーサーは剣を構えなおし、リュミエは再びの突撃のために旋回する。
おそらく、次はカウンターを狙ってくるだろう。もっとも、こちらとしてはさせるつもりはない。だが、銃弾とライトセイバーの二重攻撃を剣だけで防ぐ相手だ。
「・・・・・・マスター!」
「わかった!」
再度突撃。
「来い!」
アーサーが構える。
ライトセイバーを、パイルバンカーに交換。
マウントした右腕を突き出すのと同時に、アーサーが突きの姿勢に入る。パイルバンカーのような撃発が無い分、下手をすれば剣の方が速い。
・・・・・・だから。
左手に持ち替えたハンドガンを発射。目標は、剣を保持するアーサーの「手」。
「・・・・・・っ、ぐ!!」
剣が手から離れた。リュミエはパイルバンカーを射出しようとする。が、
「・・・・・・なめるな!」
「え!?」
僅かな間だった。
アーサーは素早く横に移動し、パイルバンカーの効果範囲から出る。そして宙にある剣を逆手に握り直し、
「・・・・・・はっ!!」
柄の底で、リュミエを突いた。
「っう、ぐ、あっ!!」
なんの防御装備も施していないリュミエの無防備な腹部に、強力な一撃が叩き込まれる。
「あ、く、ふう・・・・・・!」
あれが逆手でなければ終わっていた。呼吸を整えながら、リュミエはアーサーと距離を取る。
「・・・・・・姑息だな」
アーサーの声が聞こえた。
「我が剣が、そのような攻撃受けられぬとでも思ったか!」
「く・・・・・・!」
気迫に押されるように、リュミエはさらに後退した。
「はああああ、魔神剣!!」
「っ!?」
何も無い所から発生した強烈な衝撃波、おそらくは剣圧を、持ち前の推進力でリュミエはかわす。
「マスター!」
助けを請うかのように、リュミエは修也を呼ぶ。
「・・・・・・姑息、か。上手い事言うな、あの神姫」
が、予想に反して修也は落ち着き払っていた。
「マスター・・・・・・?」
「・・・・・・おまえの二つ名は?」
平然と、そんな事を聞いてくる。
「・・・・・・弾丸、神姫」
「だろ? だったら見せてやればいい。小細工なしの、本当の弾丸を」
「・・・・・・はいっ!」
理屈ではない、しかし強力な、リュミエにとって何よりも強力な後押しだった。
「行きます!!」
全スラスター全開。リュミエは三度、弾丸となる。
あの剣圧を放出する技は、大丈夫。発生するより、こっちが先に到達する。
届け――!
「守護方じ――」
「遅いっ!!」
アーサーの前方に発生しかけた結界を突破、クロスレンジに。
さっきと同じく、カウンターの突きを狙ってきた。タイミングはギリギリ。もう本当に、賭けだ。右腕を突き出す。同時にレーザー刃を出力。大丈夫。こっちの方が速い。多分。だって自分は、弾丸なのだから。いけ――!!
リュミエのライトセイバーが、アーサーの剣より一瞬速く、彼女を貫いた。
試合開始早々、リュミエは全力加速。あっという間に、青い騎士の装甲に身を包むアーサーに接近する。
「ふっ!」
「むぅ!」
次の瞬間には、試合開始時と同等の距離をおいて反対側にいる。
アーサーは剣を横に構えたまま、開始位置を動いていない。
だが、その剣には2,3発のほんの小さな弾痕、そして一直線に走る焦げ目がついていた。
「この剣の傷・・・・・・、高くつくぞ!」
「・・・・・・やっぱり仕留められなかった、か!」
それぞれ言葉を発しながら、アーサーは剣を構えなおし、リュミエは再びの突撃のために旋回する。
おそらく、次はカウンターを狙ってくるだろう。もっとも、こちらとしてはさせるつもりはない。だが、銃弾とライトセイバーの二重攻撃を剣だけで防ぐ相手だ。
「・・・・・・マスター!」
「わかった!」
再度突撃。
「来い!」
アーサーが構える。
ライトセイバーを、パイルバンカーに交換。
マウントした右腕を突き出すのと同時に、アーサーが突きの姿勢に入る。パイルバンカーのような撃発が無い分、下手をすれば剣の方が速い。
・・・・・・だから。
左手に持ち替えたハンドガンを発射。目標は、剣を保持するアーサーの「手」。
「・・・・・・っ、ぐ!!」
剣が手から離れた。リュミエはパイルバンカーを射出しようとする。が、
「・・・・・・なめるな!」
「え!?」
僅かな間だった。
アーサーは素早く横に移動し、パイルバンカーの効果範囲から出る。そして宙にある剣を逆手に握り直し、
「・・・・・・はっ!!」
柄の底で、リュミエを突いた。
「っう、ぐ、あっ!!」
なんの防御装備も施していないリュミエの無防備な腹部に、強力な一撃が叩き込まれる。
「あ、く、ふう・・・・・・!」
あれが逆手でなければ終わっていた。呼吸を整えながら、リュミエはアーサーと距離を取る。
「・・・・・・姑息だな」
アーサーの声が聞こえた。
「我が剣が、そのような攻撃受けられぬとでも思ったか!」
「く・・・・・・!」
気迫に押されるように、リュミエはさらに後退した。
「はああああ、魔神剣!!」
「っ!?」
何も無い所から発生した強烈な衝撃波、おそらくは剣圧を、持ち前の推進力でリュミエはかわす。
「マスター!」
助けを請うかのように、リュミエは修也を呼ぶ。
「・・・・・・姑息、か。上手い事言うな、あの神姫」
が、予想に反して修也は落ち着き払っていた。
「マスター・・・・・・?」
「・・・・・・おまえの二つ名は?」
平然と、そんな事を聞いてくる。
「・・・・・・弾丸、神姫」
「だろ? だったら見せてやればいい。小細工なしの、本当の弾丸を」
「・・・・・・はいっ!」
理屈ではない、しかし強力な、リュミエにとって何よりも強力な後押しだった。
「行きます!!」
全スラスター全開。リュミエは三度、弾丸となる。
あの剣圧を放出する技は、大丈夫。発生するより、こっちが先に到達する。
届け――!
「守護方じ――」
「遅いっ!!」
アーサーの前方に発生しかけた結界を突破、クロスレンジに。
さっきと同じく、カウンターの突きを狙ってきた。タイミングはギリギリ。もう本当に、賭けだ。右腕を突き出す。同時にレーザー刃を出力。大丈夫。こっちの方が速い。多分。だって自分は、弾丸なのだから。いけ――!!
リュミエのライトセイバーが、アーサーの剣より一瞬速く、彼女を貫いた。
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