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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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「ねここの大切な物、返してもらうの」

静寂に包まれる空間の中、唯一の生と動。

「私に勝てれば、返して差し上げますよ。……貴方が勝てれば、ですが」

2人の間に張り詰める殺気は、深く激しく

「っ………いくの!」

……そして、とても悲しくて


ねここの飼い方・光と影 ~九章~



「みさにゃん、ねここの《りーくあんじあ》の予備ある~?」
その夜の晩御飯の後、ねここがそう言ってきて。
「んー……、今調整中の新型ならあるけれど。まだロクにテストもしてないから、実戦ではアテにならないかもしれないわね。
 それに数日中には予備を組み上げるから、そんなに焦らなくてもいいのよ~?」
「えっとえっと、それでも良いから付けて欲しいのっ。あの、あんまり動いてないと鈍っちゃいそうで、ねここやーなのー」
と、愛嬌たっぷりの身振り手振りのボディランゲージでおねだりしてくる。
「でもねぇ……最悪オーバーロードで自爆の危険性もあるから、あまりお勧め出来ないよ?」
ほんの一瞬、迷ったような表情を浮かべるけれど、それも一瞬で。
「それでも構わないの」
と、もう迷いのない、スッキリとした表情で答えるねここ。
「はいはい、そこまでおねだりされたら断れないわね。でも出来るだけ調整するから、1時間だけ頂戴ね」
「はぁい、なのっ☆」
にぱー、と相変わらず此方まで嬉しくなる様な笑み。でもほんの少し、違和感を覚えるのは。

「あー……疲れたぁ」
作業服のまま、私はドサリとベッドに倒れこむ。
「みさにゃん、お疲れ様なの~♪」
ねここはそんな私に、よいしょよいしょと毛布を一生懸命引っ張ってかけてくれて。
結局、調整は思った以上に手間を食ってしまい、時刻は既に11時近くになっている。
「ありがと、一応新しいのを使えるようにしたけれど、無茶をするとすぐオーバーロードするから気をつけてね」
「わかってるの。でもねここは、みさにゃんの作ってくれたこの腕、信じてるから」
きゅっと、新しい裂拳甲を、目を瞑りながらとても大事そうに、胸に抱きしめるねここ。
「……ん、ありがと。でも私にとって一番大事なのはねここ自身だから、ね?」
「うん……」
私はまだ少し機械油の汚れがついたままの指先で、ねここのほっぺをすりすりと撫でる。それに対して顔がちょびっと汚れるのも構わずに、ゴロゴロと甘えたように頬をよせてくれる。
「……さて、疲れちゃったし今日は早く寝ましょう。おやすみ、ねここ」
「はぁい、おやすみなの~☆」
そう言うとねここもパジャマに着替え、とてとてと自分の部屋に行ったかと思うと、大きな枕だけを抱えてきて私の隣にちょこんと潜り込んでくる。
「あらら、どうしたの? 今日は甘えん坊さんなんだねぇ」
「えへへー、今日はみさにゃんと一緒に寝たいの☆」
にこにこと嬉しそうに、私と顔を並べて布団に入るねここ。
「そっか、それじゃ……おやすみ」
「おやすみ、みさにゃん」
やがて、静かに寝息が聞こえてきて、わたしもうとうとと……

「……ごめん、なの……」

ポツリと、ごくごく小さな謝罪の呟き。
次の瞬間、私の唇に感じる、小さいけれど、とても暖かい……温もり。
私を起こさないよう気を使っての、小さな呟きと小さな物音。やがて、パタンとねここ用の小さなドアがゆっくり開き、そして、閉まる。

「……もぅ、意地っぱりなんだから」



思いつく場所は全て探した。それでも私は探すのを諦めない。自分でもよくわからない、何で此処までするんだろう。
普段走ることなんて殆どしない膝は悲鳴を上げているし、足の裏は何か当たってしまっているようで、とても痛い。
食事も取っていない。……いや、喉を通らない。それに、そんな暇があったら一秒でも早くあの娘を探して、文句を言ってやりたい。
携帯には、家からの電話が延々とかかり続けている、らしい。着信拒否にしてしまったので、今はわからないけれど。
「あの馬鹿……本当に何処なの……よ」
独り言の声が、まるで自分の声に聞こえない。それに、感情の抑えが利かなくなっているのかもしれない。
震えている。
怒りなのか、悲しみなのかもよくわからない。親の言うままに過ごして来た私にとって、そこまでの感情を出す事なんて今までなかったから。
「……?」
ポケットの携帯からまた合成音が流れる。でもそれは今までとは違うメロディ。
送られてきたのは一通のメール。差出人は書いてないし、アドレスにも見覚えはない。
……けれど、件名には

『ネメシス』

とだけ表記されていた。



「……ん……、ぅ」
身に受ける風の冷たさ、暖かみを失った木々に違和感を感じ、私は再び感覚を取り戻す。
私はあのまま、スリープモードに入ってしまったようだ。
「(……っ)」
思い起こすと、それだけで顔がかあっと熱くなる。
しかし、あの涙は私にとって無駄ではなかった。あれは全ての感情を吐き出すための儀式。これで私は全てを賭け……いや、捨てて戦える。
「……行かなくては。全てに決着を、清算をするために」
私は闇夜の中、己の愛機を疾走させる。唯一、私が自身の為に用意した、この機体を。



「……時間通り、ですね」
辺りを静寂が包み込み、耳に入る音と言えば、その広場の広大さに比べ、明らかに数の不足している電灯が奏でる、まるで虫の羽音のような耳障りな音。
その音を侵食するかように、1つの足音が私のセンサーに感知される。
「ねここの大切な物、返してもらうの」
最早挨拶をするのも無駄と思ったのだろう。遠慮のない一言が発せられる。
「私に勝てれば、返して差し上げますよ。……貴方が勝てれば、ですが」
どちらにとっての幸か不幸か、今の彼女は、その代名詞たるシューティングスターを背負っていない。
それ以外の変化といえば、私が仮想空間内で引き千切った左腕が、予備に取り替えたのか若干形状に変化が見られる事くらいだろう。
尤も、ユニットを背負っていないのは私も同じなのだが。
エトワール・ファントムはアキラが作ってくれたモノ。使う訳には、いかない。
彼女の普段の公式戦映像からは想像もつかないような、引き締まった、まるで狩りの最中の猛禽類を髣髴とさせる、鋭い表情とその瞳。
その瞳が私の一言によって、非情なまでに燃え上がる。
「っ………いくの!」

それが、この立会人の存在しない決闘の鐘。

直後、開いていた距離を一気に詰める為、ねここが獣のような躍動感に溢れた動きで鋭く跳躍する。
「!? このっ!」
それに対して腰裏のホルスターから2丁のアルヴォLP4ハンドガンを取り出し、素早く牽制射撃を行う。
だがソレに遭えて突進、紙一重で回避し、殆どコースを変えないまま、無謀と思えるほどのスピードと勢いで突っ込んでくる。此方は銃身がブレて命中精度が落ちるのも構わず更にハンドガンを連射。だがねここは直撃弾を全て紙一重で回避し、浅い弾は器用に装甲で兆弾させる。シューティングスターに惑わされがちになるが、この常人離れした鋭い勘、そして野性味溢れる鋭い格闘戦こそ、ねここの真骨頂。
「そこなのっ!」
鋭く且つ、私を仕留める為的確に繰り出される、研爪の一撃。
だが……!
「ふふ……」
「む、無茶なの!?」
遭えてこちらから踏み込み、研爪ではなく腕の部分を、パイルバンカーのパイルで受け止める。
「無茶は承知です……。それに、この方がっ!」
残された片腕でハンドガンを彼女の顔目掛け、渾身の連射で叩き込む!
「にゃッ!?」
ギィン!と鈍い音が木霊する。
私の一撃はヘッドギアによって弾かれてしまっていた。ねここは私の捨て身の策を本能的に察知したのか、この必中の攻撃をギリギリで回避・防御したのだ。そして流石にバックステップで軽く間合いを取るねここ。
だが今の一撃は決して無駄ではなかったようだ。
ヘッドギアには大きく兆弾の跡が残り、彼女の額からは僅かながら血……いや、オイルが少し滴り落ちている。
「ネメシスちゃん、強いの…・・・でも、絶対に、負けない」
その舌先で、口元にまで垂れてきたオイルをチロリ舐め取る。
その仕草は獲物の思わぬ反撃により手傷を負った肉食獣がいよいよ本気になり、全身全霊を込めて襲い掛かる。まるでその前兆のようで。
「今度は……ねここの番なのっ!」
その咆哮と共にねここが跳躍。いや、私の眼前から魔法のように掻き消える。
私は反射的にターンしながら、制圧射撃を行うかのように銃弾を後方へとバラ撒く。
ターンした私の目に入ったのは、確かにねここ。だがそれも一瞬で幻の如く消え去り、同時に鈍い衝撃が私の腕に伝わる。
「……く、ぅ!」
直後に私の全身に張り巡らされた神経、その腕の部分から痛みのパルスがAIに達する。それで私は遅まきながらも理解する。
引き裂かれる瞬間を自覚する暇もなく、私の左腕に装備されたパイルバンカーが剥ぎ取られていたのだ。
「甘いのっ!」
その戸惑い感覚に一瞬硬直し、再びねここの声が聞こえた瞬間、今度は右腕に強烈な違和感を覚える。
反射的に目をやると、私の腕、肘から下が、完全に消えていた。
余りの一撃の鋭さに今度は痛覚が反応する暇もなかったらしい。危険な一撃は外装や人口筋肉をも一瞬で切断・収縮させ、オイルが溢れ出る事すらなかった。
「……これで、おしまいなのぉ!」
そして、眼下に出現するねここ。そのポーズは力強く大地を踏みしめ、次の最後の一手を確実に決める為の力を凝縮させる、その瞬間。
「まだよ!、コール・ネオボードバイザー!!!」
「え、きゃぁぁ!?」
必殺体制に入りほんの僅か一瞬硬直したねここに対し、側背から超高速で突撃し吹き飛ばす私の愛機。
それは私と同じ漆黒と紅に彩られた、機械仕掛けの長槍。
しかし、弾き飛ばされたねここは見事な受身を取り、軽やかに着地、態勢を立て直す。傍目にも軽微なダメージしか負っていない。
同時に私は、高く跳躍。ピタリと息を合わせ、私は彼女に騎乗し、再びその身に闘う力を宿す。
「先程のお礼だぁ!」
巨大な長槍の左右にセットされた、4基の大型ビームキャノンが火を噴く。それは並の武装神姫ならば、瞬時に粉砕するほどの破壊力。
その強烈な正射に地面が抉れ、噴煙が濛々と巻き上がる。
だが、彼女がこの程度で倒れる訳がない。
噴煙の晴れた先には、爆発による地面の破片によって、その全身に満遍なく傷を負ったねここが佇んでいる。
そして、その傷だらけの概観とは裏腹に、彼女の瞳はこれまでに無い程の鋭気を秘めた、苛烈な炎を燃え上がらせていた。
「………」
最早言葉すらなく、その燃え上がる瞳を私に向けてくる。その瞳だけで、私を焼き尽くすことが可能と思わせる程に。
私は……遭えて覇気を叩きつける。

「私の愛機、"ネオボードバイザー・ガンシンガー”この力で貴方に……貴方に!」

だが続ける言葉は、私には、ない。私が望むのは……







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