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えむえむえす ~My marriage story~

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The Armed Princess―武装神姫―
ウサギのナミダ
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 それは、秋葉原の事件があった日の、帰りのこと。

「ごめんなさい」
 のんびりと揺れる車の中、静姉はボク達にぺこりと頭を下げた。
「ご迷惑をお掛けしました」
 静姉の肩の上で、ココも頭を下げている。
「仲直り、したみたいだね」
「はい。十貴にも心配掛けました」
 ココの表情に今までのような陰りはない。肩の力の抜けた笑みに、ボクもようやくひと安心。
「全部話したみたいだね。静香」
 そう言うジルはボク達のいる後部座席には座っていなかった。助手席の背もたれの上、ヘッドレストにもたれ掛かるよう、こっち向きに座ってる。急ブレーキを掛けたら危ないよっていつも言うんだけど、彼女がそれを聞き入れる様子は未だにない。
 ま、今日はゆっくり走ってるから大丈夫だろうけど。
「ええ」
「そっか……」
 ジルの言葉に、静姉も穏やかに笑ってる。
「……ホント、心配したんだからね?」
 一応、そう釘は刺しておくけど。ホントに二人が仲直りして良かったよ。
「この埋め合わせは、そのうちするわ」
 静姉も穏やかに……
「……体で」
「ちょっ! 静姉っ! 父さんの前っ!」
 いや前でなくてもよくないけど!
「んー? いないところの方が良かった?」
 だから、よくなーい!
「ふふ。照れちゃって、もう」
 ボクに向けられてるのは、いつもの意地の悪い笑い顔だ。もう、ここまで調子戻さなくてもいいのに……。
「ちくしょうこのエロゲの登場人物どもめ。親の前でまで爛れた青春満喫しやがって」
「何言ってんだよ……父さん」
 っていうか、どういういじり方だよ、それ。
 ちゃんと前見て運転しててってば。
「余裕ないなぁ、十貴子」
「……誰の所為だよぅ」
 ついでに、身内しかいないんだからその名前で呼ばないでくれる? ジル。
 ああそうか。もう、このウィッグも取っていいんだっけ。
「あれ、取っちゃうんだ?」
 静姉が隣で何か言ってるけど、気にしないことに……。
「それ外すと、普通に女の子の服着てるだけの男の子になるんだけどなぁ……。ね、おじさま?」
「だなぁ」
 ……。
 夜の街を映すサイドウィンドウを覗き込めば、そこにいるのは女の子の服を着たれっきとした男の姿。
「…………」
 ボクは無言でウィッグを元に戻す。
「似合ってるぞ、十貴子ぉ」
 父さん、それフォローじゃなくて追い打ちって言うんだけど。
 ジルもそんな嬉しそうに見ないでいいよ。何だかなぁ、もぅ。
「ま、それはどうでもいいとして。静香ちゃん」
「はい?」
 ……。
 いや、もう何でもいいけどさ。
「今日の埋め合わせってワケじゃあ無いんだけどさ。ちょいと頼みを聞いてもらっても……いいかな?」


魔女っ子神姫ドキドキハウリン

その21 前編



 その日、ボクとジルは、駅前の広場に立っていた。駅って言っても秋葉原ってわけじゃない。もっと地元、ウチから歩いて十分の最寄り駅だ。
 待ち合わせに指定された場所は、駅前のオブジェ。
 この街出身の有名な芸術家が作った物らしいんだけど……五角形と六角形を組み合わせたようなそれのモチーフを、ボクは知らない。タイトルの付いたプレートも剥がされていて、この物体が一体何の像なのか、この街の数少ない謎の一つになっている。
 まあ、この街の住人なら『駅前のアレ』で通じるから、問題無いと言えば無いんだけど。
「遅いなぁ……」
 アレの前で時計を見れば、十時半。待ち合わせの時間は、十時だったはずなんだけど……。
「ごめーん! 待ったー?」
 掛けられた声に、ボクは小さくため息。
「待ったじゃないよ、静姉」
 ボク達の前でニコニコ笑ってるのは、ココを肩に乗せた静姉だった。いつもの味気ないジーンズじゃなくて、珍しく白いワンピースなんか着ていたりする。
「もぅ。こういう時は『今来たばかりだよ』とか言ってくれるんじゃないの? 普通」
「……いや、何というか」
 そりゃ、これがデートなら、それくらい言うさ。
 それに、静姉のお洒落にも驚いてみたり、言葉を失ってみたりするんだろうけど……。
 ボクが静姉以上にひらひらのスカートをはいてちゃ、そんな気にもなれない。
「そもそも一緒にここまで来たじゃない」
 いきなりいなくなったから、何がしたいのかと思ったら……もう。
「いやぁ。一度、これやってみたくってさー」
 相変わらずご機嫌な静姉の肩の上で、ココも呆れ顔だ。
「何だかなぁ……」
 そう。ボクと静姉がわざわざ駅前まで繰り出してるのは、デートのためじゃない。
 もちろん、漫才をするためでもないよ。念のため。
「とりあえず、今日は静姉がメインってワケじゃ……」
 ボクがそう言おうとした時だ。
「あの……」
 控えめに掛けられたのは。
「戸田静香さんと、ドキドキハウリンのココさん……ですよね?」
 女の子の、小さな声だった。


 小さな耳の付いたニット帽に、細身のショートジャケットとマイクロミニ。
 ほとんど初対面の静姉を前に緊張してはいるけれど、粗めに切り揃えられた短い髪とその下の大きな瞳が、彼女の隠しきれない元気さをそのまま形に表している。
 背の高さは……良かった。ボクより、ちょっとだけ低い。
「網延……千喜ちゃん?」
 静姉の言葉に、女の子は元気良く頭を下げる。
「はいっ! 今日はよろしくお願いしますっ!」
「ええ、よろしく」
「それから、こっちが……」
 その言葉と共に、彼女の肩に座っていた神姫が静かに立ち上がった。この辺りでもまだ珍しい、ジルダリアタイプの子だ。
「プシュケと申します。ご機嫌、麗しゅう」
 プシュケは長い金髪をゆらりと揺らし、優雅に一礼。
「でも、すみません。父が無理なお願いをしてしまって……。まさか父の知り合いに、ドキドキハウリンの戸田さんがいるなんて思わなくて」
 そう。
 母方の姓を名乗ってるけど、網延千喜はボクの妹。
 中学の卒業兼高校の入学祝いに神姫を買ってもらった彼女に、色々とアドバイスをして欲しい……というのが、このあいだ父さんが静姉に言った『埋め合わせのお願い』だったんだ。
「いいのよ。おじさまにはいつもお世話になってるし」
 本当ならボクが千喜に色々教えるべきなんだろうけど、ボクは相変わらず神姫をやってないことになっている。そもそもジルを連れてエルゴに行くわけにもいかないし、かといって十貴子の姿だと千喜との間に接点が全くないわけで。
 結局、鋼月家と繋がりがあり、なおかつ千喜が前からファンだったらしい、ドキドキハウリンのマスターの出番となったわけだ。
「でも、千喜ちゃんとは小さい頃に会ったことがあるんだけどなぁ」
 えーっと。
 ボクでさえ千喜と会うのは十年ぶりだし、静姉が最後に会ったのなんか、彼女がまだ赤ちゃんの頃だと思うんだけど。
「はは……さすがに覚えてないです」
 彼女も、軽く苦笑い。
「あと、こっちは鋼月十貴子とジル。一緒に買い物を付き合ってくれることになってるわ」
 ようやく紹介されて、ボクも軽く頭を下げる。
 今日のボクは、静姉の友達ってポジションだ。こうすれば、ボクも千喜や静姉をフォローすることが出来る。
「え? ひょっとして、『鋼帝』のジルさんですか?」
「うん。まあ……そう呼ばれることもあるけど」
 ボクとジルは、今年のランキングには入っていなかった。千喜がジルの通り名を知ってるって事は、かなり前から神姫の情報を集めていたって事になる。
「へぇ。あたしって意外と有名人?」
 元々目立つことが嫌いじゃないジルも、満更でもないみたい。
「今日はよろしくお願いしますっ!」
 千喜も笑顔で、ボクに手を差し出してくる。
「あ、うん。よろしく」
 これだけ喜んでくれてるんだ。ボクが十貴だって、バレないようにしないと。
 そう思いながら、伸ばされた手をそっと握り返す。
 その瞬間だった。
「…………ひっ」
 千喜の顔が、驚いたように引きつったのは。
「ひゃあっ!」
 繋がれた手を慌てて振り解き、連なる動作でバックステップ。
 ボクから四歩の距離を取り、キッと睨み付けてくる。
「え? あ、ごめん。握手とか、苦手……?」
 潔癖性とか、その類だったんだろうか。でも、その割には手を出してきたのは千喜からだったような。
 それに、いくら潔癖性でも、ボクが睨まれる覚えは……。
「……な、何やってるのよ! お兄ちゃん!」


「……へ?」
 ボクは、千喜の言葉に耳を疑った。
「お兄ちゃん。何年ぶりかに会ったと思ったら、何て格好を……」
 そんなバカな。
 ボクが言うのも悲しくなるけど、静姉がボクに施した女装は完璧だった。静姉並みに勘の鋭い一部の人……雪乃さんや雛希さんは気付いてるみたいだったけど、店長さんや他の常連さんにはボクが男だっていまだにバレてないわけで。
 それを、このたった数分で見抜くなんて……。
「え、い、いやだなぁ。ボクが、君のお兄ちゃんなわけ……」
「そんな見え見えのウソつかないっ!」
 千喜はボクと四歩の距離を保ったまま、こちらを鋭く指差してくる。
「……諦めろ、十貴」
 オロオロしたままのボクに、ジルはへらりと崩れた笑み。
「そうね。良く分からないけど、バレてるみたいね」
 静姉も小さく肩をすくめ、軽くため息。
 他人事だと思って楽しそうだね、ジルも静姉も。
 ボクもため息を一つついて、千喜の指摘に頷いた。
「……でも、何で分かったの?」
 静姉もジルも何も言わなかったから、少なくともボクがボロを出したわけじゃあないはず。二人に視線を送っても、分からないと首を横に振られるだけだ。
「勘ですっ!」
 そのボクの問いに、千喜は即答。
「勘、ねぇ」
 まあ、そうと言われたらどうしようもないけどさ。
「静香さん! お兄ちゃんをこんなにして、楽しいんですか!」
 うわそこまで!
 どういう勘してるんだこの子は……
「それも勘?」
「そうですっ!」
 ……とも思ったけど、この状況をそんなに楽しそうに眺めてたら、ボクでも静姉とジルのどっちかが主犯だって思うよ。間違いなく。
「ま、楽しいというか、可愛いというか……ねぇ?」
 そんな嬉しそうに同意を求められても困るんだけど。
 ほら、ジルもそこで頷かないの!
「静香さん!」
 そんなコントを繰り広げているボク達に投げ付けられたのは、千喜の恐るべきひと言だった。
「あなたに神姫バトルを申し込みますっ!」
「……バトル?」
 おいおい。
「ちょっと千喜。お前、バトルしたことないんだろ?」
 シリーズ最新モデルというだけあって、ジルダリアの基本スペックは従来機よりもかなり高めに設定されていると聞いた。
 けど、それはあくまでも初期値での話。サード相手ならともかく、セカンド上位のココと神姫バトル黎明期から戦っている静姉に通用するとは思えない。
 勝てるわけが……
「あたしが勝ったら、お兄ちゃんにそんな変態みたいな事させるのやめてくださいっ!」
 へ……っ!
 へんたい……!
 いや、まあ、そう……なんだけどさ。
 へんたい……。
「……じゃ、あたしが勝ったら?」
 でも、ボクが致命傷の一撃を受けたところで、千喜と静姉がこちらを気にかけてくれる様子はない。
「負けたらその時考えます!」
 うっわ。言い切った。
「……面白い子ね。どうせ行くんだし、場所はエルゴで良いわよね?」
「上等です!」
 そして、二人はエルゴに向かって歩き出す。
 ……何でこんな事になったんだろう。
「お前が変態だからじゃねえの?」
 考え読まないでよ。ジル。
 あと変態は本気でやめて。





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