「……えー、と」
「……ぇっとぉ…」
「………」
居間でテーブルを挟んで向かい合う3人
ねここまで困惑している時点でどう見ても普通の状況ではなく。
ねここまで困惑している時点でどう見ても普通の状況ではなく。
ねここの飼い方、そのご
『やっと……みつけた』
そう呟いたのは、風見家玄関先に佇む影の持ち主。
『あの人が、ここに……』
再びそう呟くと、彼女は敷地の中へ足を踏み入れていく。
「にゃー☆わー☆きゃー☆」
「ねここ~、ぶつかって怪我だけはしちゃだめよー」
「はぁ~い、わー♪」
世間はまだまだお正月、なので2人とも家でのんびりと……でもないかな、私はね。
ねここは先日買ってきた神姫用バランスボールで、ぽよんぽよんと部屋中を跳ね回っています。
スーパーボールよりよく跳ねる感じね…流石ねここ。
私はというと、先日使用して不具合が出た爪猫アーマーの修理と改良を行っている最中だったり。
不幸中の幸い、と言ったら何なのだけども前回の戦闘で色々と実戦データが採集できたので
前よりも完成度をぐんと高められそうなのだ。
ねここの頑張りに私もちゃんと答えてあげないと、ね♪
「ねここ~。牽制用の装備なんだけど、機銃とワイヤークローどっちがいい?」
「う~ん、ねここ銃は苦手だからぁ、わいやーくろーの方がいいの♪」
「了解りょうかい」
オーダー通り私は手早く爪猫を分解して小型ユニットを手早く仕込んでいく、と
「ねここ~、ぶつかって怪我だけはしちゃだめよー」
「はぁ~い、わー♪」
世間はまだまだお正月、なので2人とも家でのんびりと……でもないかな、私はね。
ねここは先日買ってきた神姫用バランスボールで、ぽよんぽよんと部屋中を跳ね回っています。
スーパーボールよりよく跳ねる感じね…流石ねここ。
私はというと、先日使用して不具合が出た爪猫アーマーの修理と改良を行っている最中だったり。
不幸中の幸い、と言ったら何なのだけども前回の戦闘で色々と実戦データが採集できたので
前よりも完成度をぐんと高められそうなのだ。
ねここの頑張りに私もちゃんと答えてあげないと、ね♪
「ねここ~。牽制用の装備なんだけど、機銃とワイヤークローどっちがいい?」
「う~ん、ねここ銃は苦手だからぁ、わいやーくろーの方がいいの♪」
「了解りょうかい」
オーダー通り私は手早く爪猫を分解して小型ユニットを手早く仕込んでいく、と
『ピンポーン』
2
「あれ、お客さんかな。正月なのに珍しいなぁ」
私は近くに置いてあったインターホン装置を手に取り応対を……って、画面に誰も映ってない。
「う~ん、イタズラかな。子供もヒマだしねぇ、今の時期」
やれやれ、と思ってまた作業に取り掛かろうと……
私は近くに置いてあったインターホン装置を手に取り応対を……って、画面に誰も映ってない。
「う~ん、イタズラかな。子供もヒマだしねぇ、今の時期」
やれやれ、と思ってまた作業に取り掛かろうと……
『ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン』
「……うるさぃにゃ」
「……そうね」
ちょっと気分悪くなってきたかな、でもカメラに全く移らないなんてどんなちっちゃい子なんだろう、ってあれ?
「ねここ、今画面にチラっとプチマスィーンズっぽいのが映らなかった?」
「あー、みえたの。間違いないの!」
ねここの動体視力はかなり優れているので、見間違いと言うことはないはず。問題はそれをいつまで記憶しているかなんだけど(汗
とにかく、ということは……
私は立ち上がってパタパタと玄関へと小走りに駆けていく。ねここも気になったようで、私の後に続いてきて。
「……そうね」
ちょっと気分悪くなってきたかな、でもカメラに全く移らないなんてどんなちっちゃい子なんだろう、ってあれ?
「ねここ、今画面にチラっとプチマスィーンズっぽいのが映らなかった?」
「あー、みえたの。間違いないの!」
ねここの動体視力はかなり優れているので、見間違いと言うことはないはず。問題はそれをいつまで記憶しているかなんだけど(汗
とにかく、ということは……
私は立ち上がってパタパタと玄関へと小走りに駆けていく。ねここも気になったようで、私の後に続いてきて。
「はぁ~い、どちらさま?」
ガチャ!
「ふごっ!?」
ドアを開けるとそこには……あれ、いない?
「いたた……こちらです、こちら」
「あら、ごめんね~(汗」
声のするほうに、ドアを開けた拍子に巻き込まれて吹き飛んだのだと思う、
背中に何やら大きな風呂敷包みを背負って、防寒コートに身を包んだ神姫が、一人鼻を真っ赤にして佇んでいました。
ガチャ!
「ふごっ!?」
ドアを開けるとそこには……あれ、いない?
「いたた……こちらです、こちら」
「あら、ごめんね~(汗」
声のするほうに、ドアを開けた拍子に巻き込まれて吹き飛んだのだと思う、
背中に何やら大きな風呂敷包みを背負って、防寒コートに身を包んだ神姫が、一人鼻を真っ赤にして佇んでいました。
そして現在、居間で向かい合う3人
「えぇと、まずは自己紹介からしましょうか、私は……」
「お構いなく、お2人の情報は既に得ています。風見美砂様と、ねここ様ですね」
テーブルの上に正座をして、凛とした透き通った声で迷いなく答えるその神姫。目もキリっとしててクールビューティーな感じよね、
うちのねこことは正反対そう。
「なんかいったにゃ?」
「いいえ何も?」
「コホン……それでは私(わたくし)の自己紹介をさせて頂きたいと思います。
私は犬型MMO、通称ハウリンタイプ。登録ID10794864、固体登録名を雪乃(ゆきの)と申します。以後お見知り置きを」
「はぁ、よろしく」
「よろしく~?」
2人とも適当に相槌を打つ、そもそも神姫がマスターも連れずに1人で何をしにきたのだろう。
「それでは本題なのですが……」
ずぃ、と座ったまま一歩前に出る雪乃、なんかまるで武士みたい。
「えぇと、まずは自己紹介からしましょうか、私は……」
「お構いなく、お2人の情報は既に得ています。風見美砂様と、ねここ様ですね」
テーブルの上に正座をして、凛とした透き通った声で迷いなく答えるその神姫。目もキリっとしててクールビューティーな感じよね、
うちのねこことは正反対そう。
「なんかいったにゃ?」
「いいえ何も?」
「コホン……それでは私(わたくし)の自己紹介をさせて頂きたいと思います。
私は犬型MMO、通称ハウリンタイプ。登録ID10794864、固体登録名を雪乃(ゆきの)と申します。以後お見知り置きを」
「はぁ、よろしく」
「よろしく~?」
2人とも適当に相槌を打つ、そもそも神姫がマスターも連れずに1人で何をしにきたのだろう。
「それでは本題なのですが……」
ずぃ、と座ったまま一歩前に出る雪乃、なんかまるで武士みたい。
「私をねここ様と……」
『ねここと?』シンクロする声
「 結婚させて頂きたいのです 」
3
………………はぃ?
イマコノヒトナニヲイッタノカナ、ネココキキトレタ?
イマコノヒトナニヲイッタノカナ、ネココキキトレタ?
ネココモコショウシタミタイナノミサニャン?
『はいーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?』
数件先まで聞こえるであろう2人の大絶叫!
いきなり押し掛けてきたと思えば次はこれ、驚かない心臓の方がいたら変わってください、ホントに。
いきなり押し掛けてきたと思えば次はこれ、驚かない心臓の方がいたら変わってください、ホントに。
ハウリンタイプMMS、雪乃は凛とした表情を崩さず、更に淡々と話し続ける。
「そう、それは忘れもしない大晦日。私はその晩、ご主人様と2人で神姫トーナメントのTV中継を見ていました。」
TV中継で大晦日…あぁ、あの時のお嬢様のいった言葉、本当だったのね。
……というかなんか回想モードに入っちゃったかな、まぁ面白そうなので聞いてみよっと。
ねここはまだ呆然として固まってるよ、大丈夫かな。
「そして私は魅了されました。華麗にバトルフィールドを舞うケット・シー、ねここ様に。
運命と言う言葉が適切なのでしょう。それまで見るもの全てが灰色に見えた私の人生に一筋の光明を下さいました。
それがねここ様、貴方です。」
純粋で真っ直ぐな目で、ねここを見つめながら言う雪乃。悪い子にはみえないけども……
ねここは…目が点になってる、だめだこりゃ。
「私は決めました。私の人生に生きる目的をくれたねここ様、貴方に私の人生を捧げようと。
しかし大会本部は正式なデータ公開を拒否し、あまつさえ永久封印いたしました。
そのため私は全力でねここ様に関する情報をあらゆる手段を尽くして調べあげ、今日本日ここへ参上致したわけであります」
私はかぶりを振って
「えぇと、貴方がここへ来た理由はわかった(事にする)から。何でそれが結婚ってことになっちゃうのかな?」
そう尋ねるのが精一杯、あぁ…私もまだ混乱してるかな。
「それはデータベースを調べた結果、相手に最大の愛情を注ぎ最大級に尽くすための儀式
或いは慣習が結婚と判断したからです。
私はねここ様に一生を捧げると決めました。そのための最初の手段としてねここさまと結婚させて頂きたいのです。
ご許可頂けますか、お母様?」
「そう、それは忘れもしない大晦日。私はその晩、ご主人様と2人で神姫トーナメントのTV中継を見ていました。」
TV中継で大晦日…あぁ、あの時のお嬢様のいった言葉、本当だったのね。
……というかなんか回想モードに入っちゃったかな、まぁ面白そうなので聞いてみよっと。
ねここはまだ呆然として固まってるよ、大丈夫かな。
「そして私は魅了されました。華麗にバトルフィールドを舞うケット・シー、ねここ様に。
運命と言う言葉が適切なのでしょう。それまで見るもの全てが灰色に見えた私の人生に一筋の光明を下さいました。
それがねここ様、貴方です。」
純粋で真っ直ぐな目で、ねここを見つめながら言う雪乃。悪い子にはみえないけども……
ねここは…目が点になってる、だめだこりゃ。
「私は決めました。私の人生に生きる目的をくれたねここ様、貴方に私の人生を捧げようと。
しかし大会本部は正式なデータ公開を拒否し、あまつさえ永久封印いたしました。
そのため私は全力でねここ様に関する情報をあらゆる手段を尽くして調べあげ、今日本日ここへ参上致したわけであります」
私はかぶりを振って
「えぇと、貴方がここへ来た理由はわかった(事にする)から。何でそれが結婚ってことになっちゃうのかな?」
そう尋ねるのが精一杯、あぁ…私もまだ混乱してるかな。
「それはデータベースを調べた結果、相手に最大の愛情を注ぎ最大級に尽くすための儀式
或いは慣習が結婚と判断したからです。
私はねここ様に一生を捧げると決めました。そのための最初の手段としてねここさまと結婚させて頂きたいのです。
ご許可頂けますか、お母様?」
……は?
「誰がお母様ですか、誰が……」
「ねここ様のマスター、育ての親ならば私にとってもお母様かと?」
そりゃねここは可愛いし大切だけど、だけど……
「まだ17でお母様呼ばわりされたくはないわよぉ……!」
ヘロヘロと脱力してく私、何か物凄い疲れてきた…髪の毛抜けちゃいそぅ。
「ねここ様のマスター、育ての親ならば私にとってもお母様かと?」
そりゃねここは可愛いし大切だけど、だけど……
「まだ17でお母様呼ばわりされたくはないわよぉ……!」
ヘロヘロと脱力してく私、何か物凄い疲れてきた…髪の毛抜けちゃいそぅ。
4
「…ぅぅんとね」
それまでフリーズ状態だったねここがやっと口を開く。
「はい、ねここ様」
ねここはいつものにぱぁっとした、周りまで明るくしてくれる様な笑み浮かべて
「ねここ、結婚はしないけど、雪乃ちゃんと姉妹にならなりたいの~☆」
キョトンとした顔になる雪乃。
「姉妹……ですか?しかしそれでは満足に御奉仕が…」
少し項垂れる雪乃に、ねここはずずぃと顔を近づけて
「ぅ~ん、ねここはご奉仕してもらうより、一緒に遊んでくれたほうが嬉しいの♪ね、ユキにゃん?」
と、100万ドルの夜景も真っ青なねここの純真向くな満面の笑み。これに勝てる人がいたら教えてほしい。
「は…はぃ、わかりました。ねここ様がそう仰るなら……」
真っ赤になって俯く雪乃、青春してるねぇ。
「わぁい! よろしくね~っ、ユキにゃん☆ ちゅっ♪」
雪乃にぱっと抱きつくねここ、ついでにほっぺにちゅーまでしちゃって。
「ぁ……よろしく…おねがぃ…します…」
ぷしゅーと顔から火が出そうな位の雪乃。余りの嬉しさに機能停止寸前って所かな、雪乃ちゃんは。
「それとぉ、さまなんて付けないで~ねここ、って呼んで☆」
「は…ぁ、はぃ………ねこ…こ」
微笑ましい光景よねぇ、見てるこっちまで幸せオーラが出てきそうで。
それまでフリーズ状態だったねここがやっと口を開く。
「はい、ねここ様」
ねここはいつものにぱぁっとした、周りまで明るくしてくれる様な笑み浮かべて
「ねここ、結婚はしないけど、雪乃ちゃんと姉妹にならなりたいの~☆」
キョトンとした顔になる雪乃。
「姉妹……ですか?しかしそれでは満足に御奉仕が…」
少し項垂れる雪乃に、ねここはずずぃと顔を近づけて
「ぅ~ん、ねここはご奉仕してもらうより、一緒に遊んでくれたほうが嬉しいの♪ね、ユキにゃん?」
と、100万ドルの夜景も真っ青なねここの純真向くな満面の笑み。これに勝てる人がいたら教えてほしい。
「は…はぃ、わかりました。ねここ様がそう仰るなら……」
真っ赤になって俯く雪乃、青春してるねぇ。
「わぁい! よろしくね~っ、ユキにゃん☆ ちゅっ♪」
雪乃にぱっと抱きつくねここ、ついでにほっぺにちゅーまでしちゃって。
「ぁ……よろしく…おねがぃ…します…」
ぷしゅーと顔から火が出そうな位の雪乃。余りの嬉しさに機能停止寸前って所かな、雪乃ちゃんは。
「それとぉ、さまなんて付けないで~ねここ、って呼んで☆」
「は…ぁ、はぃ………ねこ…こ」
微笑ましい光景よねぇ、見てるこっちまで幸せオーラが出てきそうで。
あぁ、そうそう大事な事忘れてた。
「えーと、良い雰囲気のトコ邪魔しちゃって悪いけども、雪乃ちゃんのマスターの方はどうなってるの?
勝手に家出してきちゃってるようなら結構不味いんじゃないかな?心配しちゃってるよ、きっと」
私の言葉に多少正気を取り戻したのか
「あ、それならば問題ありません。マスターからの預かり物が此処に」
今は自分の横に置いてあった風呂敷包みをゴソゴソと探る雪乃、やがて一枚の書類を私に差し出して
「譲渡契約書です。ご確認を」
私はそれを受け取って確認してみる。確かに本人らしき住所と名前、それに署名、実印まで押してある……本物みたい。
「それから此方が書状です、此方もご確認を」
それも受け取って目を通す。そこには雪乃自身が語った理由と同じ文面が書かれており、自分(雪乃のマスター)は
雪乃の幸せを願って此処に涙を呑んで送り出す、と達筆で書いてあり……血判状まで押してあるぅ(汗
「と言うことは、その風呂敷の中って…」
「はい、とりあえず必要なものは一式入っています。お手を煩わさせてしまう事はないと存じます」
準備がいいというか何と言うか……あはは。
…あら、手紙の袋から何か紙切れが落ちたかな、と拾ってみてみると
「えーと、良い雰囲気のトコ邪魔しちゃって悪いけども、雪乃ちゃんのマスターの方はどうなってるの?
勝手に家出してきちゃってるようなら結構不味いんじゃないかな?心配しちゃってるよ、きっと」
私の言葉に多少正気を取り戻したのか
「あ、それならば問題ありません。マスターからの預かり物が此処に」
今は自分の横に置いてあった風呂敷包みをゴソゴソと探る雪乃、やがて一枚の書類を私に差し出して
「譲渡契約書です。ご確認を」
私はそれを受け取って確認してみる。確かに本人らしき住所と名前、それに署名、実印まで押してある……本物みたい。
「それから此方が書状です、此方もご確認を」
それも受け取って目を通す。そこには雪乃自身が語った理由と同じ文面が書かれており、自分(雪乃のマスター)は
雪乃の幸せを願って此処に涙を呑んで送り出す、と達筆で書いてあり……血判状まで押してあるぅ(汗
「と言うことは、その風呂敷の中って…」
「はい、とりあえず必要なものは一式入っています。お手を煩わさせてしまう事はないと存じます」
準備がいいというか何と言うか……あはは。
…あら、手紙の袋から何か紙切れが落ちたかな、と拾ってみてみると
『婚姻届』
………本気だ、この人………
「ところでねこ…こ(赤)、どうして結婚は却下で姉妹なら宜しかったのですか?」
「だってねここ、結婚するならみさにゃんとがいいの~☆」
「………(ギラッ)」
「だってねここ、結婚するならみさにゃんとがいいの~☆」
「………(ギラッ)」
「な、何怖い目でこっち見てるのかな~…」
と、言うわけで我が家に新しい住人が増えました。
よろしくね、雪乃ちゃん。
よろしくね、雪乃ちゃん。