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*ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.1
**『パソコンでググる武装神姫』
皆さんこんにちわ。自称おもちゃライターのガングラー鋼月と申します。神姫マガジンさんでも新製品レビューなんか時々書かせて戴いていたんですが、このたびスペースを戴いて、コラムを担当させてもらえることになりました。
大会での効果的な運用方法やちょっとした改造例、新製品レビューなんかは他の記事を見てもらうとして、ここではもっと基本よりの……皆さんが普段「?」と感じることを書いていこうと思います。
----
***○パソコンでググる武装神姫
> 家に帰ると、ウチの白子が俺のパソコンでネットを見ていた。
>「どうしたの? 何か面白い記事でもあった?」
> 背広を脱ぎながらそう問い掛けると、白子はパソコンのディスプレイを眺めながら、うっとりした瞳でため息をついた。
>「今度、新しい背部ユニットが出るんです。欲しいなぁ……」
神姫ユーザー諸氏なら珍しくもない光景だろう。神姫のおねだりに負けて、通販ボタンをポチっと押してしまったかたも多いのではないかと思う。
しかし、ここで疑問に思った方も多いのではないだろうか。
神姫が、なんでパソコンでネットを見るんだ?
と。
***○神姫はロボットか?
神姫はロボットである。
アンドロイドとかガイノイドとかいう意見もあるだろうが、そこまでの細かい分類はここでは追求しない。私のホームグラウンドであるオモチャ業界的に言えば、SRWやGFFといった人工知能内蔵型ホビーロボットの延長上にある。
だが、SRWのスーパーロボットや、GFFのMSは自分からネットを見たり、ましてやビームライフルをねだったりしない。せいぜい定期バージョンアップのアナウンスをする程度で、それもメンテナンスソフトが定期的に取得した更新情報を参照しているに過ぎない。
この辺りの性格付けはコミュニケーションに重点を置く神姫シリーズの面目躍如といった所だが、やはりここでも同様の疑問にぶち当たる。
ネットが見たければ、わざわざ人間用のキーボードやマウスを使わなくても、GFFのようにメンテナンスソフト経由でネットに直結すればいいんじゃないか?
と。
***○神姫の頭脳はパソコンじゃない
まず、ここで神姫の構造をおさらいしてみよう。
神姫はおおまかに三つの部品で構成される。
電子頭脳と記憶中枢を搭載した頭部コアユニット。
思考パターンやデータベースを記録し、神姫のプリセット状態に影響するCSC。
そして、頭部とCSCをつなぐマザーボードを内蔵した素体。
素体のマザーボードに好みのCSCを三つセットして、頭部コアユニットを接続。そのあと起動信号を送ることで初めて神姫が起動するのは……神姫ユーザーなら誰も知っているはずだ。
さてここで注目して欲しいのは、頭部コアユニットである。
頭部コアユニットは電子頭脳と記憶ユニットを含む、文字通り神姫の頭脳部分だ。ここで神姫は物事を記憶し、経験を蓄積させ、CSCの思考パターンに従って思考・判断する。
コアユニットに実装された電子頭脳は、陽電子頭脳と呼ばれる(一般には超AIのほうが通りが良いが)バイオコンピュータの一種で、パソコンに使われている集積回路とは全くの別物だ。
詳しい構造の話は割愛するが、最大の特徴は『自分で考え、判断できる』コンピュータである事だろう。
***○勘違いするコンピュータ
陽電子頭脳は、正確・厳密な判断よりも、あいまいな思考。即ち、人間くさい思考を再現したコンピュータである。
・神姫がマスターの話を勘違いした。
・居眠りしていると、神姫が気を使って毛布を掛けてくれた。
・怖いテレビを見たら、神姫が怖がって離れなくなった。
・神姫がバトルスタイルについて悩み出した。
このどれか、もしくは全ての行動を経験した事のある神姫オーナーは多いだろう。これこそが陽電子頭脳の特徴であり、GFFやパソコンの集積回路には出来ない芸当だ。
陽電子頭脳とは、勘違いを含めて、推測や判断を自分で行えるコンピュータなのである。
ただ上記の通り、正確・厳密な判断には欠ける面も多く、製品には個体差(いわゆる性質のムラ)が出てしまう特性があるため、パソコン的な使い方には向いていない。現状の最新OSであるWindows2037も、陽電子頭脳をCPUに用いたパソコンのサポートは行っておらず、ロードマップにも対応の予定は明記されていない。
補足だが、CSCや陽電子頭脳の品質のムラを神姫では『ゆらぎ』という個性化するための特徴として位置付けており、この性質が問題になったことはない。
・執筆者注
正確には神姫の陽電子頭脳は、人間と同じくメンタル部分と自律神経部分の二重構造になっており、自律神経部分の陽電子頭脳はある程度正確・厳密な判断を行うことが出来る。
ただ、こちらは神姫の内部構造の管理に特化した部分であり、追加機能を実行できる部分ではないため、本コラムではメンタル部分についてのみ記述した。
***○ブラウザを学習できない神姫
では本題に戻ろう。
パソコンと神姫のコンピュータが別物なのは分かった。だが、神姫には武装用のドライバや、追加学習ソフトというものが確かに存在する。その延長上で、ネット閲覧ソフトも神姫に組み込めるのではないか?
答えは『理論上は○』だ。
神姫武装用のドライバや、言語などの学習ソフトは、パソコンソフトのインストールとは本質的に異なる。
実はドライバも学習ソフトも、神姫に『基本的な使い方を教える』だけでしかない。我々が辞書を買ってきたり、取説を読んだりするのと同じだ。
概ねの場合において、ドライバやソフト導入後も神姫にはそれを使いこなすための追加学習が必要になる。
そして、実際に神姫用ブラウジングソフトというものが企画されたことは、ある。
正確に言えば、あった。
先日偶然にもその企画担当者と話をする機会があったのだが、心の中に流れ込んでくる(そう神姫は表現したらしい)htmlの情報は神姫にとって感じの良いモノではなかったらしい。
唯一、バーチャルバトルと同じようにパソコンとバーチャルポッドを経由すれば、ブラウジング時の不快感はなくなったそうだが……。そこまでして、パソコンで直接ブラウジングを回避するメリットはない。
結局そのソフトは、評価試験の段階で開発中止になったそうだ。
恐らくは人間に近い思考に調整された陽電子頭脳が、ブラウザの処理に追いつけなかったのだろうというのが、開発者の見解だった。
そんなわけで、陽電子頭脳を用いた神姫は、自らの好奇心を満足させるため、シリコンコンピュータを用いたパソコンとシリコンコンピュータ用のブラウザでネットを検索するのである。
間違っても『おねだりしやすいから』という理由ではないことだけは付け加えておきたい。
[[トップ>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/118.html]]
*ガングラー鋼月の『今時の武装神姫事情』Vol.1
**『パソコンでググる武装神姫』
皆さんこんにちわ。自称おもちゃライターのガングラー鋼月と申します。神姫マガジンさんでも新製品レビューなんか時々書かせて戴いていたんですが、このたびスペースを戴いて、コラムを担当させてもらえることになりました。
大会での効果的な運用方法やちょっとした改造例、新製品レビューなんかは他の記事を見てもらうとして、ここではもっと基本よりの……皆さんが普段「?」と感じることを書いていこうと思います。
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***○パソコンでググる武装神姫
> 家に帰ると、ウチの白子が俺のパソコンでネットを見ていた。
>「どうしたの? 何か面白い記事でもあった?」
> 背広を脱ぎながらそう問い掛けると、白子はパソコンのディスプレイを眺めながら、うっとりした瞳でため息をついた。
>「今度、新しい背部ユニットが出るんです。欲しいなぁ……」
神姫ユーザー諸氏なら珍しくもない光景だろう。神姫のおねだりに負けて、通販ボタンをポチっと押してしまったかたも多いのではないかと思う。
しかし、ここで疑問に思った方も多いのではないだろうか。
神姫が、なんでパソコンでネットを見るんだ?
と。
***○神姫はロボットか?
神姫はロボットである。
アンドロイドとかガイノイドとかいう意見もあるだろうが、そこまでの細かい分類はここでは追求しない。私のホームグラウンドであるオモチャ業界的に言えば、SRWやGFFといった人工知能内蔵型ホビーロボットの延長上にある。
だが、SRWのスーパーロボットや、GFFのMSは自分からネットを見たり、ましてやビームライフルをねだったりしない。せいぜい定期バージョンアップのアナウンスをする程度で、それもメンテナンスソフトが定期的に取得した更新情報を参照しているに過ぎない。
この辺りの性格付けはコミュニケーションに重点を置く神姫シリーズの面目躍如といった所だが、やはりここでも同様の疑問にぶち当たる。
ネットが見たければ、わざわざ人間用のキーボードやマウスを使わなくても、GFFのようにメンテナンスソフト経由でネットに直結すればいいんじゃないか?
と。
***○神姫の頭脳はパソコンじゃない
まず、ここで神姫の構造をおさらいしてみよう。
神姫はおおまかに三つの部品で構成される。
電子頭脳と記憶中枢を搭載した頭部コアユニット。
思考パターンやデータベースを記録し、神姫のプリセット状態に影響するCSC。
そして、頭部とCSCをつなぐマザーボードを内蔵した素体。
素体のマザーボードに好みのCSCを三つセットして、頭部コアユニットを接続。そのあと起動信号を送ることで初めて神姫が起動するのは……神姫ユーザーなら誰も知っているはずだ。
さてここで注目して欲しいのは、頭部コアユニットである。
頭部コアユニットは電子頭脳と記憶ユニットを含む、文字通り神姫の頭脳部分だ。ここで神姫は物事を記憶し、経験を蓄積させ、CSCの思考パターンに従って思考・判断する。
コアユニットに実装された電子頭脳は、陽電子頭脳と呼ばれる(一般には超AIのほうが通りが良いが)バイオコンピュータの一種で、パソコンに使われている集積回路とは全くの別物だ。
詳しい構造の話は割愛するが、最大の特徴は『自分で考え、判断できる』コンピュータである事だろう。
***○勘違いするコンピュータ
陽電子頭脳は、正確・厳密な判断よりも、あいまいな思考。即ち、人間くさい思考を再現したコンピュータである。
・神姫がマスターの話を勘違いした。
・居眠りしていると、神姫が気を使って毛布を掛けてくれた。
・怖いテレビを見たら、神姫が怖がって離れなくなった。
・神姫がバトルスタイルについて悩み出した。
このどれか、もしくは全ての行動を経験した事のある神姫オーナーは多いだろう。これこそが陽電子頭脳の特徴であり、GFFやパソコンの集積回路には出来ない芸当だ。
陽電子頭脳とは、勘違いを含めて、推測や判断を自分で行えるコンピュータなのである。
ただ上記の通り、正確・厳密な判断には欠ける面も多く、製品には個体差(いわゆる性質のムラ)が出てしまう特性があるため、パソコン的な使い方には向いていない。現状の最新OSであるWindows2037も、陽電子頭脳をCPUに用いたパソコンのサポートは行っておらず、ロードマップにも対応の予定は明記されていない。
補足だが、CSCや陽電子頭脳の品質のムラを神姫では『ゆらぎ』という個性化するための特徴として位置付けており、この性質が問題になったことはない。
・執筆者注
正確には神姫の陽電子頭脳は、人間と同じくメンタル部分と自律神経部分の二重構造になっており、自律神経部分の陽電子頭脳はある程度正確・厳密な判断を行うことが出来る。
ただ、こちらは神姫の内部構造の管理に特化した部分であり、追加機能を実行できる部分ではないため、本コラムではメンタル部分についてのみ記述した。
***○ブラウザを学習できない神姫
では本題に戻ろう。
パソコンと神姫のコンピュータが別物なのは分かった。だが、神姫には武装用のドライバや、追加学習ソフトというものが確かに存在する。その延長上で、ネット閲覧ソフトも神姫に組み込めるのではないか?
答えは『理論上は○』だ。
神姫武装用のドライバや、言語などの学習ソフトは、パソコンソフトのインストールとは本質的に異なる。
実はドライバも学習ソフトも、神姫に『基本的な使い方を教える』だけでしかない。我々が辞書を買ってきたり、取説を読んだりするのと同じだ。
概ねの場合において、ドライバやソフト導入後も神姫にはそれを使いこなすための追加学習が必要になる。
そして、実際に神姫用ブラウジングソフトというものが企画されたことは、ある。
正確に言えば、あった。
先日偶然にもその企画担当者と話をする機会があったのだが、心の中に流れ込んでくる(そう神姫は表現したらしい)htmlの情報は神姫にとって感じの良いモノではなかったらしい。
唯一、バーチャルバトルと同じようにパソコンとバーチャルポッドを経由すれば、ブラウジング時の不快感はなくなったそうだが……。そこまでして、パソコンで直接ブラウジングを回避するメリットはない。
結局そのソフトは、評価試験の段階で開発中止になったそうだ。
恐らくは人間に近い思考に調整された陽電子頭脳が、ブラウザの処理に追いつけなかったのだろうというのが、開発者の見解だった。
そんなわけで、陽電子頭脳を用いた神姫は、自らの好奇心を満足させるため、シリコンコンピュータを用いたパソコンとシリコンコンピュータ用のブラウザでネットを検索するのである。
間違っても『おねだりしやすいから』という理由ではないことだけは付け加えておきたい。
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