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**ちっちゃいもの研の日常-01
ここは東杜田の片隅にある、ちっちゃいもの研・・・。
「CTaさん、ちょっとお願いします。」
見慣れない顔の男が、CTaに設計図のチェックを依頼している。
「うーむ、よしよし。 これでいいんじゃないかな。」
「あ、ありがとうございます!」
ダメ出し28回目にして、ようやく通った模様。 彼の目の下には、はっきり
とした隈がうかんでいる。 ちょっと足もおぼつかない様子。
「・・・あのなぁ、いくら若いと言っても無理をしちゃいかんぞ。 あとで
言っておくから、先帰って寝ろや。」
彼は今年配属になった新人。なんでも、久遠のツテで本社へ入社したとかで、
当初からバリバリ仕事をこなし、ついには腕を買われてちっちゃいもの研へ
配属になったという経緯がある。
「はぁ、ありがとうございます。ですが、ちょっと私用で機材を使いたいの
で、昼まではいることにします。」
というと、ちょっと頭を下げて自分の作業台へと戻った。
「ん〜? 何を作っているのかな〜?」
こそこそと隠れるように作業をする彼の元へ、CTaが行ってみると・・・
武装神姫。
にやり、意味深長な笑みを浮かべるCTa。
「ちょ、ちょっと・・・何ですか・・・って、えぇ?!」
「いいモン持ってるねぇ。」
「ボクのマーヤに触らないで下さい!」
慌てて、伸ばされたCTaの手から、マーヤと呼ばれた「ツガル」を守る。
「ほうほう、だいぶ疲れている感じじゃないか。」
「もう、ほっといてください! ・・・先週の対戦で、左膝負傷しちゃった
からねー・・・ ようやく手が空いたから、今治してあげるよー。」
「やさしくしてくださいね、おにいさま。」
そのやり取りに、CTa暴走。
「ぐわあぁぁっ!! おにいさまと、おにいさまと呼ばせたな!」
「な、何ですかいきなり!!」
背後からの叫び声に、びっくりして作業する手を止める男。
「認定! ちっちゃいもの研の、神姫使いリストに強制編入!」
「ちょ、ちょっと、CTaさん・・・。」
「ときにお前、神姫のメンテナンスはできるか?」
「はぁ・・・よほどコアが傷ついていない限り、治せる自信はありますよ。」
「よっしゃ! 決まった! お前、あたしの下、ナンバー2決定!」
「何なんですか、いったい!」
と、男が叫んだとき。CTaの白衣のポケットから、沙羅とヴェルナが顔を覗
かせた。 その姿に、男は驚き、固まった。 ・・・CTaさんも、神姫使い
だったのか?! ということは、もしかして・・・自分は久遠さんにもはめ
られてしまった可能性も・・・?! 混乱する彼にCTaは追い討ちをかける。
「それだけの神姫に対する愛、そして裏付けられた技術。 おまえ、あたし
の一番弟子決定だわ。」
「はぁ?」
「はーい、拒否権無ーし。 いやー、困ってたんだよー。 最近、神姫関連
の修理だの研究だの、依頼が多くて多くて。あたし一人じゃ手一杯でさ。」
「そういうことだったんですか。」
「ただーし! 神姫とかをいじる人間は、ここでは偽名を持たなくっちゃい
けないんだな、これが。 そーすっと、あんたの場合は・・・ 本名がアレ
だからぁ・・・ 『Mk-Z』でどうだ。 うん、これがいい。 決定ね。」
言うが否や、CTaは近場の端末を操作し、研究所の所内用名簿から彼の本名
を抹消し、「Mk-Z」と冗談抜きで入れてしまった。
「あ・・・。」
悲しそうな顔をする、Mk-Zと名付けられてしまった彼。
「大丈夫。こうすれば、あんたもこそこそすること無く、存分にマーヤへ愛
を注ぐことができるのさっ!! どうだっ!」
「どうだ、と言われましても・・・」
「なにぃ? 嬉しくないのか?」
「い、いえ、嬉しいんですけど、なんか納得いかない気がして・・・」
「あんたが納得いかなくても、あたしは納得したからいいよ。」
「そ、そんな〜!」
悲鳴を上げるMk-Z。と、彼の手元へ、沙羅とヴェルナがやってきた。
「どうもっス! 沙羅って言うっス! こっちはヴェルナって言うっス!」
「よろしくおねがいします〜。 そうそう、先ほど関節がっ、て言っておられ
ましたよね。ここに、マスターが作った削りだしの強化関節がありますので、
ぜひお使いください。」
そういいながら、ヴェルナはリゼにも使われているあの強化関節パーツを一組
差し出した。 美しく、鈍い光沢を放つパーツに、目を奪われるMk-Z。
「せっかくだから使ってくれよ。 あたしの弟子になってくれた以上は、悪い
ようにはしないよ。 もちろん、通常業務の上でも、ね。」
・・・変なノリで、変なところに転がり込んでしまった気がしない訳でもない。
でも居心地は悪くなさそうだな・・・。 こういう仕事も、いいのか・・・な?
Mk-Zは、自分の置かれた境遇が、じつはとても恵まれているのではないか、
と思い直し、CTaにちょっと感謝をしていた・・・。
それから一週間後。
「はい、あーん。」
「・・・おにーさまー、この塩鮭、美味しいですー!」
「おー、そうかそうか。 じゃ、こっちの唐揚げもあげよう。」
「えっ! いいんですか? それでは・・・いただきまーす!」
昼休み、マーヤに仕出し弁当を分け与えるMk-Zの姿が。さっそく、CTaによって、
マーヤにも食事機能が搭載されていた。・・・いや、むしろ彼が進んで食事機能
を搭載した、と言うべきか。と、
「Mk-Zよぉ。さっき知り合いから電話があってな。 バトルに負けた神姫を叩き
壊したアフォがいたらしくて。 その神姫を、これから連れてくるそうなんだが、
お前に任せてもいいか?」
本来の医療関係の仕事の資料を山と持ったCTaが、Mk-Zに声をかけた。Mk-Zの
目つきがかわった。
「なんですと? 負けた神姫を、叩き壊した・・・だって?」
弁当にいったん蓋をすると、マーヤに命じた。
「マーヤ、受け入れ態勢を整えるんだ。」
「わかりました、おにーさま!」
「人間に叩き壊されたとなると、相当の傷を負っているだろう・・・。 任せて
ください師匠! 神姫ドクター・Mk-Zの名にかけて、ちっちゃい心、救います!」
マーヤと並んでぐっと拳を挙げたMk-Z。
にやりと笑みを浮かべ、それに答えるCTa・・・。
ここに、ちっちゃいもの研「最強」の、神姫ドクターコンビが誕生した。。。
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[[<トップ へ戻る<>戦うことを忘れた武装神姫]]
**ちっちゃいもの研の日常-02
ここは東杜田の片隅にある、ちっちゃいもの研・・・。
「CTaさん、ちょっとお願いします。」
見慣れない顔の男が、CTaに設計図のチェックを依頼している。
「うーむ、よしよし。 これでいいんじゃないかな。」
「あ、ありがとうございます!」
ダメ出し28回目にして、ようやく通った模様。 彼の目の下には、はっきり
とした隈がうかんでいる。 ちょっと足もおぼつかない様子。
「・・・あのなぁ、いくら若いと言っても無理をしちゃいかんぞ。 あとで
言っておくから、先帰って寝ろや。」
彼は今年配属になった新人。なんでも、久遠のツテで本社へ入社したとかで、
当初からバリバリ仕事をこなし、ついには腕を買われてちっちゃいもの研へ
配属になったという経緯がある。
「はぁ、ありがとうございます。ですが、ちょっと私用で機材を使いたいの
で、昼まではいることにします。」
というと、ちょっと頭を下げて自分の作業台へと戻った。
「ん〜? 何を作っているのかな〜?」
こそこそと隠れるように作業をする彼の元へ、CTaが行ってみると・・・
武装神姫。
にやり、意味深長な笑みを浮かべるCTa。
「ちょ、ちょっと・・・何ですか・・・って、えぇ?!」
「いいモン持ってるねぇ。」
「ボクのマーヤに触らないで下さい!」
慌てて、伸ばされたCTaの手から、マーヤと呼ばれた「ツガル」を守る。
「ほうほう、だいぶ疲れている感じじゃないか。」
「もう、ほっといてください! ・・・先週の対戦で、左膝負傷しちゃった
からねー・・・ ようやく手が空いたから、今治してあげるよー。」
「やさしくしてくださいね、おにいさま。」
そのやり取りに、CTa暴走。
「ぐわあぁぁっ!! おにいさまと、おにいさまと呼ばせたな!」
「な、何ですかいきなり!!」
背後からの叫び声に、びっくりして作業する手を止める男。
「認定! ちっちゃいもの研の、神姫使いリストに強制編入!」
「ちょ、ちょっと、CTaさん・・・。」
「ときにお前、神姫のメンテナンスはできるか?」
「はぁ・・・よほどコアが傷ついていない限り、治せる自信はありますよ。」
「よっしゃ! 決まった! お前、あたしの下、ナンバー2決定!」
「何なんですか、いったい!」
と、男が叫んだとき。CTaの白衣のポケットから、沙羅とヴェルナが顔を覗
かせた。 その姿に、男は驚き、固まった。 ・・・CTaさんも、神姫使い
だったのか?! ということは、もしかして・・・自分は久遠さんにもはめ
られてしまった可能性も・・・?! 混乱する彼にCTaは追い討ちをかける。
「それだけの神姫に対する愛、そして裏付けられた技術。 おまえ、あたし
の一番弟子決定だわ。」
「はぁ?」
「はーい、拒否権無ーし。 いやー、困ってたんだよー。 最近、神姫関連
の修理だの研究だの、依頼が多くて多くて。あたし一人じゃ手一杯でさ。」
「そういうことだったんですか。」
「ただーし! 神姫とかをいじる人間は、ここでは偽名を持たなくっちゃい
けないんだな、これが。 そーすっと、あんたの場合は・・・ 本名がアレ
だからぁ・・・ 『Mk-Z』でどうだ。 うん、これがいい。 決定ね。」
言うが否や、CTaは近場の端末を操作し、研究所の所内用名簿から彼の本名
を抹消し、「Mk-Z」と冗談抜きで入れてしまった。
「あ・・・。」
悲しそうな顔をする、Mk-Zと名付けられてしまった彼。
「大丈夫。こうすれば、あんたもこそこそすること無く、存分にマーヤへ愛
を注ぐことができるのさっ!! どうだっ!」
「どうだ、と言われましても・・・」
「なにぃ? 嬉しくないのか?」
「い、いえ、嬉しいんですけど、なんか納得いかない気がして・・・」
「あんたが納得いかなくても、あたしは納得したからいいよ。」
「そ、そんな〜!」
悲鳴を上げるMk-Z。と、彼の手元へ、沙羅とヴェルナがやってきた。
「どうもっス! 沙羅って言うっス! こっちはヴェルナって言うっス!」
「よろしくおねがいします〜。 そうそう、先ほど関節がっ、て言っておられ
ましたよね。ここに、マスターが作った削りだしの強化関節がありますので、
ぜひお使いください。」
そういいながら、ヴェルナはリゼにも使われているあの強化関節パーツを一組
差し出した。 美しく、鈍い光沢を放つパーツに、目を奪われるMk-Z。
「せっかくだから使ってくれよ。 あたしの弟子になってくれた以上は、悪い
ようにはしないよ。 もちろん、通常業務の上でも、ね。」
・・・変なノリで、変なところに転がり込んでしまった気がしない訳でもない。
でも居心地は悪くなさそうだな・・・。 こういう仕事も、いいのか・・・な?
Mk-Zは、自分の置かれた境遇が、じつはとても恵まれているのではないか、
と思い直し、CTaにちょっと感謝をしていた・・・。
それから一週間後。
「はい、あーん。」
「・・・おにーさまー、この塩鮭、美味しいですー!」
「おー、そうかそうか。 じゃ、こっちの唐揚げもあげよう。」
「えっ! いいんですか? それでは・・・いただきまーす!」
昼休み、マーヤに仕出し弁当を分け与えるMk-Zの姿が。さっそく、CTaによって、
マーヤにも食事機能が搭載されていた。・・・いや、むしろ彼が進んで食事機能
を搭載した、と言うべきか。と、
「Mk-Zよぉ。さっき知り合いから電話があってな。 バトルに負けた神姫を叩き
壊したアフォがいたらしくて。 その神姫を、これから連れてくるそうなんだが、
お前に任せてもいいか?」
本来の医療関係の仕事の資料を山と持ったCTaが、Mk-Zに声をかけた。Mk-Zの
目つきがかわった。
「なんですと? 負けた神姫を、叩き壊した・・・だって?」
弁当にいったん蓋をすると、マーヤに命じた。
「マーヤ、受け入れ態勢を整えるんだ。」
「わかりました、おにーさま!」
「人間に叩き壊されたとなると、相当の傷を負っているだろう・・・。 任せて
ください師匠! 神姫ドクター・Mk-Zの名にかけて、ちっちゃい心、救います!」
マーヤと並んでぐっと拳を挙げたMk-Z。
にやりと笑みを浮かべ、それに答えるCTa・・・。
ここに、ちっちゃいもの研「最強」の、神姫ドクターコンビが誕生した。。。
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