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「徒然続く、そんな話。 第四節。」(2007/02/14 (水) 11:43:10) の最新版変更点
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天気。快晴。
気温。平年並み。
予定。休日。
コレで出かけない道理はない!……いや、ないよ?
……休日はだらだらしたいんだけどそこはまー、ほら、碧鈴のため?
「……マイロード、独り言は寂しいですよ?」
哀れんだ眼で心配そうな碧鈴。
「あ、声に出てた?」
苦笑、俺ってやつは。
「……私がいるのに独り言なんて」
ぽそぽそ、と呟く碧鈴
「悪い、碧鈴」
苦笑しながら頭をなでる。
「……ポテチ買ってくれたら許します」
小さな声で、そう呟く……尻尾は横に豪快に振られ。
「はいはい、りょーかい」
碧鈴を頭に載せ、近所を散歩する。
町はバレンタインだかヴァレンティヌスだかの浮かれモード。
すっかり縁などございません、大体チョコ会社の陰謀だっつーの
くそ、笑うな、そこのカップル、今俺を笑ったなぁぁぁー
と、やさぐれも止めておこう、空しい……
現状確認。
日差しは暖かく、風は冷たい、まあ、気合で何とか。
「んなわけねえ、寒い」
ぶるぶると体を震わせて、苦笑。
「……マイロード、どこかで、その、お茶、でも?」
おずおず、と気を使うように碧鈴が呟く。
「ナンパかい、付き合いましょうお嬢様」
小さな手を取って、キス。
「……」
沈黙、風の音、車のエンジン音、周囲の雑踏の声。
「ば、ばっかばっか馬鹿マイロードっ!」
大声、怒号。
「っていきなり、うを、頭叩くな!?」
ぺちぺちと頭を殴打する碧鈴。
「うっさいです馬鹿マイロードっ、唐突に何してるんですかっ!?」
ぺちぺちぺちぺちぺちぺち、と頭を叩く。
「いだ、いだだだだだだ!?」
「いっつも宣言なしでどきどきさせてっ!?」
「この、このボケナスかいしょなし変態っ、知ってるんですからねっ、マイロードが神姫のえっちな本読んではぁはぁしてたのっ!?」
「だーっ、公衆の面前で碧鈴ちょっと待てっ!?」
泡を食って口をふさごうとするが頭の上にいる碧鈴は巧みに回避し。
そんなこと近所でばらすなー、と慌てて弁解しようとするものの。
「……知りませんよ、マイロードが悪いんです」
ぷい、っと拗ねた様にして
「あーえーと、碧鈴、悪かった、頼むから、機嫌直せって」
苦笑して、碧鈴を連れ……エルゴへ。
「あー、ここもなのな」
いちゃつく、多数の神姫とオーナー達。
「……(じー」
羨ましそうに見る碧鈴。
「碧鈴は、あーいうこと、したい?」
からかう様に、軽く問う
「……はい」
いや、そこで堂々と答えるなそこっ!
「大変だな早人~」
にやにやとする《先輩》
「大変ですねぇ」
にやにやと見るジェニーさん。
「えーっと、神姫用チョコ一つと、自分用の一つ」
「はい毎度あり~」
ハメられた気がしながら、代金を払い。
椅子に腰掛け、二人でチョコを食べながら……碧鈴が呟く
「……私は、マイロードに何も、して上げられません」
「何を唐突に言うか」
「……耳のせいで、バトルや、その、日常生活でもお世話になってばっかりで」
「気にするなって言ったろ?」
「……役に立たなきゃ……私に意義なんてないのに……神姫は、役に立つ道具なのに、私が」
血を吐く叫び、碧鈴、気にしてたんだな、いろいろと……でもだけど、言ってやらなきゃいけない言葉がある。
道具として、自分が役に立たないとオーバーロードであった、自分を恨む声が……神姫として役に立たないと思っている彼女に、伝えることがある。
「でも、いつも、迷惑、かけてっ、マイロードはどう思ってるんだろうとか迷惑かけてないかなあとか言ってくれないから私はっ」
「こんな耳、があっても心の声までは聞こえないんですよ、マイロードっ!?」
「阿呆」
デコピン、一撃。
「阿呆とはなんですかっ!?」
「んなこと気にしてたのかよ、お前は」
「んなことって私はっ?!」
「……ずっと、悩んで、きたんですから」
はぁ、とため息。
「なあ碧鈴、お前は、あれだ、神姫は道具と思ってるのか?」
「……人のために生まれたモノ、なんですから、そーだと思ってます」
「碧鈴、神姫つーのは意志あるものだろ?」
「……はい、えと、でもそれも」
「十分にそれだけで役に立ってるよ」
「……え?」
「夜、寂しく家に帰らなくてすむし」
切なる思いを
「話し相手がいるってだけで、十分だし」
大事なことを
「傍に誰かが居てくれる、それだけで、俺は十分」
大切な、貴女に、伝えよう。
「だから、居なくなったりしないでくれれば、俺は上等」
今日はきっと、それも許される日なのだから。
「……あう……はい、わかりました」
そこで照れると俺も照れるんだが、まあいい
「で、どーしてあんなこと言い出したん、何か気になることでもあったん?」
「……違いますっ、その、えと……バレンタインにチョコ一つ上げられない、のは、その」
もじもじ、と呟く碧鈴――――いや、可愛いんだけどな。
「ま、あれだ……チョコを上げるのは、女の子だけじゃないってことさね」
「……ありがとうございます、マイロード」
徒然続く、そんな話。 第四節
甘いチョコレートと思い。 節終
その日、家に帰ると、小さな小包が届いた。
それが、小さな波乱の幕開けとなるのも知らずに。
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天気。快晴。
気温。平年並み。
予定。休日。
コレで出かけない道理はない!……いや、ないよ?
……休日はだらだらしたいんだけどそこはまー、ほら、碧鈴のため?
「……マイロード、独り言は寂しいですよ?」
哀れんだ眼で心配そうな碧鈴。
「あ、声に出てた?」
苦笑、俺ってやつは。
「……私がいるのに独り言なんて」
ぽそぽそ、と呟く碧鈴
「悪い、碧鈴」
苦笑しながら頭をなでる。
「……ポテチ買ってくれたら許します」
小さな声で、そう呟く……尻尾は横に豪快に振られ。
「はいはい、りょーかい」
碧鈴を頭に載せ、近所を散歩する。
町はバレンタインだかヴァレンティヌスだかの浮かれモード。
すっかり縁などございません、大体チョコ会社の陰謀だっつーの
くそ、笑うな、そこのカップル、今俺を笑ったなぁぁぁー
と、やさぐれも止めておこう、空しい……
現状確認。
日差しは暖かく、風は冷たい、まあ、気合で何とか。
「んなわけねえ、寒い」
ぶるぶると体を震わせて、苦笑。
「……マイロード、どこかで、その、お茶、でも?」
おずおず、と気を使うように碧鈴が呟く。
「ナンパかい、付き合いましょうお嬢様」
小さな手を取って、キス。
「……」
沈黙、風の音、車のエンジン音、周囲の雑踏の声。
「ば、ばっかばっか馬鹿マイロードっ!」
大声、怒号。
「っていきなり、うを、頭叩くな!?」
ぺちぺちと頭を殴打する碧鈴。
「うっさいです馬鹿マイロードっ、唐突に何してるんですかっ!?」
ぺちぺちぺちぺちぺちぺち、と頭を叩く。
「いだ、いだだだだだだ!?」
「いっつも宣言なしでどきどきさせてっ!?」
「この、このボケナスかいしょなし変態っ、知ってるんですからねっ、マイロードが神姫のえっちな本読んではぁはぁしてたのっ!?」
「だーっ、公衆の面前で碧鈴ちょっと待てっ!?」
泡を食って口をふさごうとするが頭の上にいる碧鈴は巧みに回避し。
そんなこと近所でばらすなー、と慌てて弁解しようとするものの。
「……知りませんよ、マイロードが悪いんです」
ぷい、っと拗ねた様にして
「あーえーと、碧鈴、悪かった、頼むから、機嫌直せって」
苦笑して、碧鈴を連れ……エルゴへ。
「あー、ここもなのな」
いちゃつく、多数の神姫とオーナー達。
「……(じー」
羨ましそうに見る碧鈴。
「碧鈴は、あーいうこと、したい?」
からかう様に、軽く問う
「……はい」
いや、そこで堂々と答えるなそこっ!
「大変だな早人~」
にやにやとする《先輩》
「大変ですねぇ」
にやにやと見るジェニーさん。
「えーっと、神姫用チョコ一つと、自分用の一つ」
「はい毎度あり~」
ハメられた気がしながら、代金を払い。
椅子に腰掛け、二人でチョコを食べながら……碧鈴が呟く
「……私は、マイロードに何も、して上げられません」
「何を唐突に言うか」
「……耳のせいで、バトルや、その、日常生活でもお世話になってばっかりで」
「気にするなって言ったろ?」
「……役に立たなきゃ……私に意義なんてないのに……神姫は、役に立つ道具なのに、私が」
血を吐く叫び、碧鈴、気にしてたんだな、いろいろと……でもだけど、言ってやらなきゃいけない言葉がある。
道具として、自分が役に立たない、オーバーロードであった、自分を恨む声を碧鈴はいつも感じて……神姫として役に立たないと思っている彼女に、伝えることがある。
「でも、いつも、迷惑、かけてっ、マイロードはどう思ってるんだろうとか迷惑かけてないかなあとか言ってくれないから私は」
「こんな耳、があっても心の声までは聞こえないんですよ、マイロードっ!?」
「阿呆」
デコピン、一撃。
「阿呆とはなんですかっ!?」
「んなこと気にしてたのかよ、お前は」
「んなことって私はっ?!」
「……ずっと、悩んで、きたんですから」
はぁ、とため息。
「なあ碧鈴、お前は、あれだ、神姫は道具と思ってるのか?」
「……人のために生まれたモノ、なんですから、そーだと思ってます」
「碧鈴、神姫つーのは意志あるものだろ?」
「……はい、えと、でもそれも」
「十分にそれだけで役に立ってるよ」
「……え?」
「夜、寂しく家に帰らなくてすむし」
切なる思いを
「話し相手がいるってだけで、十分だし」
大事なことを
「傍に誰かが居てくれる、それだけで、俺は十分」
大切な、貴女に、伝えよう。
「だから、居なくなったりしないでくれれば、俺は上等」
今日はきっと、それも許される日なのだから。
「……あう……はい、わかりました」
そこで照れると俺も照れるんだが、まあいい
「で、どーしてあんなこと言い出したん、何か気になることでもあったん?」
「……違いますっ、その、えと……バレンタインにチョコ一つ上げられない、のは、その」
もじもじ、と呟く碧鈴――――いや、可愛いんだけどな。
「ま、あれだ……チョコを上げるのは、女の子だけじゃないってことさね」
「……ありがとうございます、マイロード」
徒然続く、そんな話。 第四節
甘いチョコレートと思い。 節終
その日、家に帰ると、小さな小包が届いた。
それが、小さな波乱の幕開けとなるのも知らずに。
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