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<閑話休題:其の8、後日譚>
頭からデビルバニーの最期の表情が離れない。
自我など無い筈なのに、どうして別れの言葉を自分に向けて放ったのか。
そう聞かされたから信じていたけど、本当に自我の無い神姫だったの?
「アナタガ ワタシヲ コロシタ」
違う、暴走を止めただけだ。
「アナタハ ジブンノチカラヲ タメシタカッタダケ」
あの戦闘を心地よく感じていたのは事実。
ならば私は自分の愉しみの為に、バニーに自我がある事実に気付かないフリをして、力を振るって満足感に包まれていただけなのか。
『何してる馬鹿、避けろ!』
私の心を削るかのように、相手のガトリングより放たれる弾丸が、手を足を削り取っていく。
そうだった、確か今は試合の最中だったんだ…
薄れ行く意識の中、大きな光が迫ってくるのが見えた。
当然の如く試合に負けた訳だけども、私を諌めるどころか、師匠は何も言ってくれない。
「どうして何も言わないんですか?」
我慢出来ずに聞いてみた。
「何か言われなければならないような事ってあったか?」
「ええ、負けました。」
「おいおい、お前が勝った事なんてないだろうが。」
言われてみればそうだった。
「あの時は勝って嬉しそうにしてるように見えたんだが、実は気にしてたんだな。」
「何も気にしてません。」
あれ? 何でこんな嘘を言う必要があったのだろう。
「どうせ自分がバニーを殺した、とか思ってるんだろう馬鹿。」
「彼女は私に『サヨウナラ』って言ったんです。 それなのに、私は消滅させる以外の選択肢が浮かばなかったんです。」
「データを見てもバニーに自我は確認されていないし、それでも別れの言葉を告げたって言うなら、あいつが存在した事をお前が憶えていてやれば良いんじゃね?」
「…ハイ。」
「お前なりの間違った美学もあるだろうが、これからは勝ちまくってあの世のバニーに仲間を増やしてやれ!!」
「あのバトルはバーチャルだし、死んでませんよ?」
この人は、一体どこまでが本気なんだろう。
「ゴホンゴホン、2人とも我輩の存在を忘れていないか?」
「ほら、早速お星様になったアンの声が聞こえるだろう。」
「はい、あの世のアンの分も私頑張りましょう。」
「まだ死んでおらんわ!!」
そんなアンの抗議を無視して、師匠が思い出したかのように言う。
「そういえば、ライダーシステムはよっぽどの見せ場がありそうなバトルでしか使わんし、アンが単独で制御した方が強いから忘れるなよ。」
「ほほう、つまり我輩が偉いって事だな。」
「ハイハイ、エライデスネー」
いつも通りの楽しいやり取りだ。
これからもこんな日々が続くように決意をしよう。
「邪魔する輩は全身全霊を以って叩き潰します!」
「おいおい、エレガントはどうした…」
ちなみに、例のバニーはボディーをわざわざデビル仕様で作成された以外は、通常の神姫と同じようにAIが搭載され、社内のマスコットになっているそうです。
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[[師匠と弟子>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/84.html]]
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