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≪WIN≫
神姫ほどの合成音声が作れるのに、なぜか機械感バリバリの勝利のコールと共に周囲の景色が膨大な量のテクスチャとフレームの残骸になっていく。
「うぅん……おはようございますミリオタ、もとい隊長。勝ちましたよ」
「あぁ、独り言は全部聞いてたぞ? 上官侮辱罪って知ってる?」
目の前に立つ男もキャロルもお互い笑顔だが目が笑っていない。
この男は斉藤隆司という。 20歳にしてミリオタ、ろくに講義に出席せず大学を二年で中退、現在はフリーター、そしてキャロルとその相棒のマスター。
「まぁ、いいや、いや、よくねぇけど。とにかくあいかわらずいい手際だった」
キャロルも褒められて悪い気はしないのか「ふんっ」と鼻を鳴らして胸を張る。
「まぁ、とうぜんですね。 この榴弾砲と私の腕が有ればいつでも狙ったところに好きな弾種を落
としてご覧に入れますよ? なんなら……」
と、その台詞を遮って隣のボックスから黒い影が飛び出して男の胸に張り付いた。
「おにぃちゃぁぁぁぁん! アリス勝ったよ! 頑張ったよ!」
黒い影は戦車型ムルメルティアのアリス、キャロルの相棒である。
「あぁ、アリスもお疲れ様。 やっぱり装備、ミサイルラックよりアモコンテナにして正解だったね」
指先で頭を撫でられると、アリスはだらしないほど表情が弛緩した。
「アリス、何度も言いますが人の話を邪魔しないでくれませんか? あと、あなたもムルメルティアなら誇りはどうしたんですか誇りは?」
「キャロルこそ! 試合中ずっとお兄ちゃんの悪口言ってたでしょ!」
「はぁっ!? あなたの耳は一体どういう構造してんですか! だいたい今その話関係ありますか!?」
周囲に大量に並べられたゲーム機の騒音に負けないくらいの騒ぎを起こし始めた二体に男が苦笑していると、同じように苦笑いを浮かべた女性が反対側から歩いてくる。
「は~、タッグだとあいかわらず強いねキャロルちゃん達」
「痛いですよぅ…アリスちゃんやり過ぎです…」
「ねぇねぇ!最後のあれ何、あれ何!? ボクなんだかわからないうちに吹き飛ばされちゃってわかんなかったんだけどっ!」
女性の名前は神代小百合、美人で頭脳明晰、運動神経そこそこで23歳のOL一年生なのだがこうやって平日昼間のゲームセンターにふらりと現れるあたり、社会人としての自覚を問われる。
そして今しがたまで対戦していた天使型アーンヴァルと悪魔型ストラーフのオーナー、ちなみにそれぞれ名前がホワイトラビットとジャバウォックという。
「あ~、ごめんな二人とも、で、最後のだけど……」
「地雷です」
キャロルがこともなげに答えた。
「地雷? そんなの発売してたっけ?」
「正確にはガイ・スローナーM18モデルミニチュアレプリカ。リアルバトルだとせいぜい多少痛くてびっくりするくらいの威力しかないのに一個250$もする高級品ですよ?」
「え、えっとつまり?」
キャロルはまだわかりませんか? と肩をすくめて見せてから。
「アーマライト社が武装神姫用に開発した指向性対神姫地雷、通称 クレイモアです。殺傷範囲は神姫換算で100mにも及びますよ?」
キャロルは基本的に雄弁なのだ、それは戦っている時でも変わらない。
喋り続けることで何か集中力を高めているのか、あるいは逆か。
「へー、すごいね! また新作?」
「はい、その…まだ未認可品なんでできれば黙っておいていただけると…」
「い~よ、いつものことだしね」
いつものこと、そう、新作が発表される時期になると友人であるところのFPSの海外組から
「うちこんなの発表するんだけど?」といったメールが飛び込んできて……毎週末、いや、学校を辞めてからは平日も遊んでいるだけあって、またこれが彼のツボを押さえている。
アリスの装備しているゼネラル・エレクトロニック社謹製M134ミニチュアレプリカにせよ、キャロルが乗り込んでいるフォートブラッグ(もっとも形状がまったくといっていいほど別ものになっているが)に組み込んであるM777ユナイテッド・ディフェンスオリジナルミニチュアレプリカ・モデルU.S.ARMYにせよ、発表発売前にアメリカの友人の好意により海を渡ったものだ。
もともと、武装神姫の武装はオリジナルのものが流通するくらいに汎用性が高い。
武器の性能はむしろ武器の内部の小型メモリーに入力された数値と画像情報から構成される情報ということになる、もっともチートと呼ばれるようなプログラムは基本的にブロックされるようになっている、リアルバトルはこの限りではないが……
とにかく、そういった意味で未発売のものでも内部の情報さえ完成していれば普通にバトルで使用できるのだ、一部例外を除いて。
「そういえばさ、斉藤君もいい加減に大会とか出てみれば?」
「いや、人の話し聞いてました? でれないっスよ」
そう、公式大会はレギュレーションで純正および認可パーツのみのようなことが多い、更にまだ未発表品であったりすれば神姫センターや専門のショップでのバトルで使えば質問攻めを受け、最悪、企業情報を漏洩した門で貴重なアメリカの友人がいなくなりかねない。
「でも、さっきのクレイモア…だっけ? あれ以外は大体もう発売されてるでしょ?」
「まぁ、そうなんですけど」
「なら、もったいないよ! あんなに強いのに大会に出ないなんて」
再びぎゃぁぎゃぁと言い争いを始めたアリスとキャロルを見ながら男は考えていた。
彼女達が公式大会で結果を残すのはもう少し先の話になる……
[[リンク名>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2402.html]]
≪WIN≫
神姫ほどの合成音声が作れるのに、なぜか機械感バリバリの勝利のコールと共に周囲の景色が膨大な量のテクスチャとフレームの残骸になっていく。
「うぅん……おはようございますミリオタ、もとい隊長。勝ちましたよ」
「あぁ、独り言は全部聞いてたぞ? 上官侮辱罪って知ってる?」
目の前に立つ男もキャロルもお互い笑顔だが目が笑っていない。
この男は斉藤隆司という。 20歳にしてミリオタ、ろくに講義に出席せず大学を二年で中退、現在はフリーター、そしてキャロルとその相棒のマスター。
「まぁ、いいや、いや、よくねぇけど。とにかくあいかわらずいい手際だった」
キャロルも褒められて悪い気はしないのか「ふんっ」と鼻を鳴らして胸を張る。
「まぁ、とうぜんですね。 この榴弾砲と私の腕が有ればいつでも狙ったところに好きな弾種を落
としてご覧に入れますよ? なんなら……」
と、その台詞を遮って隣のボックスから黒い影が飛び出して男の胸に張り付いた。
「おにぃちゃぁぁぁぁん! アリス勝ったよ! 頑張ったよ!」
黒い影は戦車型ムルメルティアのアリス、キャロルの相棒である。
「あぁ、アリスもお疲れ様。 やっぱり装備、ミサイルラックよりアモコンテナにして正解だったね」
指先で頭を撫でられると、アリスはだらしないほど表情が弛緩した。
「アリス、何度も言いますが人の話を邪魔しないでくれませんか? あと、あなたもムルメルティアなら誇りはどうしたんですか誇りは?」
「キャロルこそ! 試合中ずっとお兄ちゃんの悪口言ってたでしょ!」
「はぁっ!? あなたの耳は一体どういう構造してんですか! だいたい今その話関係ありますか!?」
周囲に大量に並べられたゲーム機の騒音に負けないくらいの騒ぎを起こし始めた二体に男が苦笑していると、同じように苦笑いを浮かべた女性が反対側から歩いてくる。
「は~、タッグだとあいかわらず強いねキャロルちゃん達」
「痛いですよぅ…アリスちゃんやり過ぎです…」
「ねぇねぇ!最後のあれ何、あれ何!? ボクなんだかわからないうちに吹き飛ばされちゃってわかんなかったんだけどっ!」
女性の名前は神代小百合、美人で頭脳明晰、運動神経そこそこで23歳のOL一年生なのだがこうやって平日昼間のゲームセンターにふらりと現れるあたり、社会人としての自覚を問われる。
そして今しがたまで対戦していた天使型アーンヴァルと悪魔型ストラーフのオーナー、ちなみにそれぞれ名前がホワイトラビットとジャバウォックという。
「あ~、ごめんな二人とも、で、最後のだけど……」
「地雷です」
キャロルがこともなげに答えた。
「地雷? そんなの発売してたっけ?」
「正確にはガイ・スローナーM18モデルミニチュアレプリカ。リアルバトルだとせいぜい多少痛くてびっくりするくらいの威力しかないのに一個250$もする高級品ですよ?」
「え、えっとつまり?」
キャロルはまだわかりませんか? と肩をすくめて見せてから。
「アーマライト社が武装神姫用に開発した指向性対神姫地雷、通称 クレイモアです。殺傷範囲は神姫換算で100mにも及びますよ?」
キャロルは基本的に雄弁なのだ、それは戦っている時でも変わらない。
喋り続けることで何か集中力を高めているのか、あるいは逆か。
「へー、すごいね! また新作?」
「はい、その…まだ未認可品なんでできれば黙っておいていただけると…」
「い~よ、いつものことだしね」
いつものこと、そう、新作が発表される時期になると友人であるところのFPSの海外組から
「うちこんなの発表するんだけど?」といったメールが飛び込んできて……毎週末、いや、学校を辞めてからは平日も遊んでいるだけあって、またこれが彼のツボを押さえている。
アリスの装備しているゼネラル・エレクトロニック社謹製M134ミニチュアレプリカにせよ、キャロルが乗り込んでいるフォートブラッグ(もっとも形状がまったくといっていいほど別ものになっているが)に組み込んであるM777ユナイテッド・ディフェンスオリジナルミニチュアレプリカ・モデルU.S.ARMYにせよ、発表発売前にアメリカの友人の好意により海を渡ったものだ。
もともと、武装神姫の武装はオリジナルのものが流通するくらいに汎用性が高い。
武器の性能はむしろ武器の内部の小型メモリーに入力された数値と画像情報から構成される情報ということになる、もっともチートと呼ばれるようなプログラムは基本的にブロックされるようになっている、リアルバトルはこの限りではないが……
とにかく、そういった意味で未発売のものでも内部の情報さえ完成していれば普通にバトルで使用できるのだ、一部例外を除いて。
「そういえばさ、斉藤君もいい加減に大会とか出てみれば?」
「いや、人の話し聞いてました? でれないっスよ」
そう、公式大会はレギュレーションで純正および認可パーツのみのようなことが多い、更にまだ未発表品であったりすれば神姫センターや専門のショップでのバトルで使えば質問攻めを受け、最悪、企業情報を漏洩した門で貴重なアメリカの友人がいなくなりかねない。
「でも、さっきのクレイモア…だっけ? あれ以外は大体もう発売されてるでしょ?」
「まぁ、そうなんですけど」
「なら、もったいないよ! あんなに強いのに大会に出ないなんて」
再びぎゃぁぎゃぁと言い争いを始めたアリスとキャロルを見ながら男は考えていた。
彼女達が公式大会で結果を残すのはもう少し先の話になる……
[[TOP>http://www19.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2402.html]]
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